今回もニュース紹介のみとしたい。但し、最初に紹介する三重県志摩市の公認キャラクターに関する騒動については、公認取消を求める勢力がフェミニズムであるということを、その対抗署名で言及しているので、そちらの記事も参照されたい。また本ブログは勿論、取消署名ではなく対抗署名を支持する立場であることは言うまでもなく、対抗署名への賛同を呼びかけたい。
伊勢志摩市の公認キャラクター「碧志摩メグ」に対しては、批判が行われています。
しかし、このような視線は、萌え絵を支えるオタク文化やそのような表現手法に対する著しい無理解と差別に基づく偏見だと考えます。
実際、この問題に関して当事者である海女さんたちの中でも、このキャラクター「碧志摩メグ」やその絵の表現に対しては賛否が分かれていますし、公認撤回を求める署名(リンクが出来ない時には※1から)のコメント欄を見ていると、絵柄に対する個人的な不快感やオタク文化に対する自分の不快感をぶつけて非難してるものが多くて、海女さんの意思とは全く 関係ないところでの暴言や、個人的な価値観による決め付けで感性の相入れない人々を非難する物ばかりが目立っています。
(※1)(公認撤回を求める署名のリンクは省略)
又、公認撤回を求める署名(※1) では、「セクシャルハラスメント」「子供も見ている」と言う呼びかけがされていますが、これは、1991年以降漫画を始めとするオタク文化に対して、それを弾圧して社会から排除し、出版社や書店だけではなく作家や同人誌即売会主宰者からの複数の逮捕者を出すような警察の強引な人権侵害行為を契機にした過剰な自主規制を後押しした、カルト宗教とフェミニズム運動による「有害コミック排斥運動」を行った人々と同じ論理展開です。
ましてや、このことと「児童ポルノ」や「JKビジネス」なるものとを結びつけ、「碧志摩メグ」についてもあたかも、それらと同じようなものであるかのように論じているのは極めて乱暴・極めて感情的で、論理性と節度が全く欠けている暴論ですらあるように思います。この署名の呼びかけ団体の中では絵も「児童ポルノ」なのでしょうが、そのような認識は既に国際的にも国内的にもその認識が大きな社会的混乱に結びついたことから排除され始めてる「認識」です。児童虐待の成果物と絵・ましてやキャラクターを同一視するのは荒唐無稽ですらある。
あまつさえ、「これは児童ポルノだ」と言う偏った・現実離れした見方や主張を、海外メディアに取り上げさせ、「外圧」という名のオタクバッシングと日本的な表現へのバッシングを煽り・その事でこのキャラクターを社会から葬り去ろうとしてるかのような行動を取ることは、言語道断です。最早社会運動としての節度や説得力を放棄してすらいる。
既に、問題の署名は海女さんの不快感に寄り添うと言う表向きの名目すらかなぐり捨てて、専ら自分たちだけにとって不快な表現や表現活動を公の場から排除しようという事で突き進んでいます。まるで、会田誠の芸術作品を政治的に正しくないとして美術館から排除しようとしたり、最近だと会田氏の作品「檄」を事なかれ主義でクレームに怯え排除した東京都立の美術館と同じような対応を伊勢志摩市に迫ってるかのようにすらなっている。
ある表現を「性的」「いやらしい」と捉えることは、非常にプライベートな事ですし、性的表現を何処まで公の場で認めるか・どういう内容を性的だと認めどういう内容かを性的だと認めないかについても同じであり、個人の感性や価値観に大きく左右されるためにばらつきがあるのですが、どうもこの人達は自分たち以外の価値観・物の見方を認めさせないために圧力を掛けることばかりに熱心で、当事者はお神輿として担いで利用してばかりいる。
1991年の少し前から始まり、1999年の児童ポルノ・買春禁止法制定やその後相次いだ青少年健全育成条例改悪策動の時期に絶頂を迎えた「有害コミック」排除運動は、オタクやオタク文化への偏見を拡大させると同時に表現規制だけではなく青少年が性的な主体であることや性的なものに触れることを無制限に規制しようという方向に拡大し、その過程でテレビ等への放送される内容に対する攻撃全般も強まり・テレビ等は「自主規制」という名の萎縮が日々ひどくなっています。
このように、法的・社会的な規制があまりに過激になったがために2000年代後半にオタクがやっと立ち上がり、規制する流れを疑問に思ったり息苦しさに喘いでいても、世間の空気・特に表現規制を推進してきた人達の中傷と言って支障ないくらいの非難めいた言説に圧されて声を上げることが出来なかった人達とも繋がり、結果広範な人々が声を上げ動けるようになったことで、法的規制の過激化を今もギリギリのところで食い止めているという現状があります。
91年からこの間、表現規制は「青少年保護」などの名目で行われてきましたが、それは公序良俗に反する表現への規制という形にすり替わりました。つまり、「子供が見る」「セクシャルハラスメント」と言う最初の話が、非常に広範な人権侵害と憲法違反(主に憲法21条の表現の自由及び検閲の禁止)を引き起こし、最初の題目のために批判を表立って出来る人があまりいないがために暴走を繰り返し、その事態に自覚的な人々の生活をも投げ打った必死の努力でギリギリ踏みとどまれるかどうかという状況が続いているのです。
従いまして、このような(「碧志摩メグ」を社会から排除しようという)呼びかけに対して善意や事なかれ主義で応えることが、当時のその後の状況展開を再び起こしてしまうことを私は、危惧します。
今、安保法制をきっかけにして、日本国憲法の大事さが語られ、その中でデモやチラシやネット言論などが憲法・特に憲法21条に守られているという認識が広まっています。
その中で、いくら善意によるものとは言え、日本が内包する異質な文化=オタク文化に対する無理解と偏見と差別をむき出しにして、91年と同じように表現を排除する運動に対して、そのような運動に伊勢志摩市始め行政機関全般が屈しないように・その事によって表現活動や出版等が萎縮するきっかけを作らないように、署名をよびかけます。
・三重県志摩市の萌えキャラの公認撤回を求めた署名は、表現手法に対する無理解と差別にもとづく偏見だと署名活動開始 2015年08月29日 22時31分
これからも「碧志摩メグ」を市のPRに使っていくと志摩市は説明していますが……。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/29/news033.html
三重県志摩市の公認キャラクター「碧志摩(あおしま)メグ」に対して、「海女を侮辱している」などの批判の声があがり公認撤回を求める署名活動にまで及んでいる問題を受け(関連記事)、公認撤回は“萌え絵を支えるオタク文化やその表現手法に対する著しい無理解と差別に基づく偏見”だとして署名サイト「change.org」で賛同者を募っている。
「志摩市公認キャラクターへの、当事者と無関係の団体からの圧力への抗議と表現の萎縮を防ぐ意思表示を!」と題したキャンペーンで、当事者である海女さんたちの中でも賛否が分かれており、絵柄やオタク文化に対する個人的な不快感や感性の相容れない人々を非難するものばかりが目立つと説明。表現活動や出版等が萎縮するきっかけを作らないよう呼びかけている。
「碧志摩メグ」はクール・ジャパン戦略を背景に、国内外への観光PRのために2014年に制作された海女の萌えキャラ。TwitterやFacebook、ブログで志摩市のPR活動を行っている。志摩市観光戦略室は、同キャラクターが地域のPRに貢献していることなどから好感を持っている人もたくさんおり、これからも「碧志摩メグ」を市のPRに使っていくとしている。公認撤回を求める団体は8月25日、約7000人分の署名を志摩市役所に提出した。
・ついに白紙撤回。五輪エンブレムはなぜ炎上したか?ガソリンを注ぎ続けたデザイナーの権利意識の甘さ 2015年9月2日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/090100076/
あらゆる出来事、施策すべてが事態の悪化につながった。そんな印象だ。
デザイナーの佐野研二郎氏が手がけたオリンピックエンブレム。これがベルギー・リエージュの劇場ロゴに似ていると同国のデザイナー、オリビエ・ドビ氏が訴えたことに端を発した事件は、佐野氏によるデザインの「取り下げ」という形で一旦幕を閉じた。
今後は今回のデザインを白紙撤回し、もう一度エンブレムのデザインの公募を新たに行うという。
■感情的な発言が仇に
今回の問題を振り返ると、デザイナーと一般の人々との見識の違い、それに伴うコミュニケーションのミスが、両者の隔たりを次第に大きくしていった。
ベルギーのロゴとの類似問題が発覚した直後に、オリンピック準備委員会が2015年8月5日に開催した会見で、デザイナーの佐野研二郎氏は両者のロゴについて「まったく似ていない」と発言。さらに「人のデザインを模倣したことは一切ない」と断言した。おそらく制作プロセスの違いから、両者の手がけたデザインには差があると佐野氏自身は思ったのだろう。しかし長方形と、正方形から円弧を切り取った形状を使ったTの文字と、その一部を右下に配置した点が共通するのは事実。そこで両者を「似ていない」と切り捨てても、一般的な人々への理解は得るには無理があった。
誰もが使うアルファベットをベースにした単純なデザインは、実際に似ることはあるのは仕方がない。その点を説明した上で、法的には問題ない点のみを説明していれば、ここまでの炎上はなかっただろう。しかし、一部の人々は「まったく似ていない」、「模倣は一切したことがない」という佐野氏の感情的な発言のみに反応。インターネットを通じて佐野氏が手がけたこれまでのデザインの検証を始めた。
そこで出てきたのが、サントリーのノンアルコールビール飲料「オールフリー」の景品のトートバックのデザインだ。佐野氏がデザインを手がけたとの触れ込みで発表されたデザイン(実際にデザインしたのはスタッフで、佐野氏はその監修をした)の一部に、明らかに他者のイラストや写真をそのまま使ったものがあった。
ここで「模倣したことはない」という佐野氏の発言の信頼性が完全に崩れた。もはや佐野氏が何を言っても、そこに説得力は無くなったのだ。
その後も、佐野氏が手がけた別の企業や団体のロゴも槍玉に挙げられる。その中の多くは相当無理のある比較で、法的にはほとんど問題のないものだったと考えられる。しかし問題ない程度のデザインではあったものの、一般の人から見ると似ているデザイン。すでに信頼が失われている中で、佐野氏が「模倣をする」という印象は拭いきれないものになっていった。
■2度目の会見がとどめに
そこに止めをさしたのが、今回の公募の審査委員長を務めた永井一正氏が出席した最終デザイン案完成までのプロセスを解説した会見だ。ベルギーのデザインを模倣したわけではないことを証明するつもりで、佐野氏が応募した当初案の公開に踏み切ったが、これが裏目に出た。
そもそも元の佐野氏の案は、商標登録されているほかのロゴに似る可能性があるとして変更が加えられた経緯のあるものだ。この状況で、そもそもそんなリスクの高い元のデザイン案をなぜ公表するのか疑問に残る。
結果的に当初の案が、ヤン・チヒョルト氏の展示会のポスターにある文字に似ているとの指摘を受ける。
そしてさらなる決定打となったのは、本来は公表されるはずのなかった「カンプ」と呼ばれる、デザインの展開事例案が公開されてしまったことだろう。こうしたカンプはあくまで内部資料扱いで、一般的に外部に公表されることはない。そのため最も権利意識の薄い部分である。そこの油断に落とし穴があった。佐野氏のカンプは、ウエブから無断で画像を使いそれを改変して使ってしまっていたことが、後になって発覚したのだ。結果的に本来なら問題のなかったはずのオリンピックエンブレムにまで泥を塗ってしまうことになった。
この件について佐野氏は、オリンピック組織委員会にこう説明したという。
「展開例のカンプはもともと応募時に審査委員会の内部資料として作ったもの。(他人の写真などを資料などに仮に使うといったことは)審査委員会のようなクローズドの場ではよくあること。しかし公にするには、著作者に了解を取るなどの対応が必要になる。これを怠った」。その後、事後的ではあるが権利者にどうしたらいいか話をしているという。
デザイナーからも、こうした佐野氏の姿勢には疑問の声が上がっている。少なくともトートバッグの絵柄と、カンプ用画像の無断利用などは「なんらかの対策を施すことで防ぐことができる問題だった」と語るのはデザインコンサルティングを手掛ける、ウジパブリシティーのウジトモコ氏だ。「多くのデザイン事務所では、ストックフォトの定期購入サービスを利用したり、デザイナーが自ら写真を撮るなどの工夫をしている。出どころを管理すればスタッフのキャリアに関わらず事故の発生は防げるはずだし、また普段からデザイナーには無料素材などに飛びつかないようにと指導している」(ウジ氏)。
今回の佐野氏の模倣問題に関して、明らかに他者の著作権を侵害しているケースは、トートバッグとカンプの2件だけだ。そして2つの問題は簡単なマネジメントで防げたはずの出来事だ。その簡単な作業を怠った代償は、あまりにも大きすぎた。
・小2女児切りつけられる 名古屋のスーパー 2015年08月30日
http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20150830-OYTNT50030.html
■足にけが、女は逃走
29日午後5時50分頃、名古屋市天白区焼山のスーパーマーケット「フィールRISEやき山店」の駐車場にいた同市千種区、会社員男性(41)の長女で小学2年の女児(8)の母親から、「娘がはさみで切りつけられた」と110番があった。愛知県警天白署員が駆けつけると、駐車場の乗用車内で女児が右足のひざ下を約5ミリ切られ、血を流していた。
同署によると、女児は店内で買い物中の母親を車内の助手席で待っていたところ、女が無施錠の運転席側のドアを開けて入ってきて無言で切りつけられたと説明している。女は自転車で逃走したという。
女は30歳~40歳くらいで、身長約1メートル60。緑色の半袖の上着に七分丈のズボンをはき、髪は肩までくらいの長さだったという。同店の男性店長は「お客さんの出入りがある夕方にこんな事件が起こるとは。早く犯人が捕まってほしい」と話した。同署は傷害事件として調べている。