北朝鮮が人工衛星と称する長距離弾道ミサイルの発射が本日行われる予定だ。既に本日の午前中に間もなく発射するという情報が流れたが、今現在まだ発射はされていない。どうやら本日中の発射はないのではないかという憶測が流れている。(投稿日時時点での話)
しかし、ミサイル発射に関する今日の日本政府の対応は非常に無様なものだった。秋田や茨城などの自治体で発射されたという誤報が午前中に流れ、更に正午過ぎにも政府より、北朝鮮舞水端里(ムスガンリ)の発射台からミサイルと見られる飛翔体が発射されたことを確認したという発表があった。しかしその後、政府は「誤探知だった」としてこの情報を訂正、取消した。
・“飛翔体”発射確認、後に「誤探知」と訂正 2009/04/04 12:19
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/239139/
国民の命にも関わる大切な情報がこうした形で誤報が連発されるようでは、日本の危機管理が欠如していると言わざるを得ない。恐らく北朝鮮側はこの日本の失態に笑いが止まらないのではないだろうか。
しかし、危機管理が欠如しているのは政府だけではない。国民の中にも他人事のように呑気に構えている者も少なくない。この週末は首都圏や西日本を中心に丁度桜が見頃となっている。またETC搭載の自動車には土日のみ高速道路料金割引が適用されるなど、ミサイル危機をかき消してしまうように行楽に出掛ける国民も多かったはずだ。彼等にとっては、ミサイルの情報などどうでもいいのだろう。しかしこうした連中に限って、後で誤報のニュースを知ると闇雲に批判するのだろう。
日本の危機管理に問題があるのは確かだ。しかしそれは政府だけの責任というわけではないだろう。情報を必要としない国民の行動、平和ボケした国民の意識が自ずと政府の緊張感を失わせているのではないだろうか。
話は少し外れるが、昨日3日のFNNスーパーニュースで、派遣社員が育児休暇を取得すると翌年の契約がしてもらえなくなるという、いわゆる「育休切り」の実態を取り上げていた。報道では育児介護休業法に抵触する可能性があると指摘していたが、不況のご時世に育児休暇を取得して職場復帰をしようというのがそもそも贅沢というものではないだろうか。それとも、男性の派遣切りを増やしてでも女性の職場だけは保障しろといいたいのだろうか。そもそも育児介護休業法の存在そのものが虫のいい法律であると考えている人は多いのではないかと思う。
社会全体の危機を認識せず、自己の利益や待遇だけを追求する姿はまさにミサイル危機をよそに花見を楽しむ日本人の姿に通ずるところがあるように思えてならない。