まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

 日台に不可欠な世代のバトンタッチ あの頃

2021-08-20 06:33:56 | Weblog

 

                                     中央     蔡亜東関係協会秘書長

 

最終日、われわれ一行を昼食に招いてくれたのは台湾の亜東関係協会秘書長の蔡明耀氏。一市井の訪台団としては異例の厚遇を戴いた。三年前、青森県平川市で開催したシンポジウムに当時、東京の台北駐日経済文化代表處の政務部長だった周氏が参加してくれたことがわれわれと台湾政府との関係を一層深めるきっかけとなった。

 

蔡明耀秘書長 歓迎挨拶 

 ようこそ台湾にお越しくださいました。ご存知のように台湾では一月一六日に国会と総統選挙があり、野党の民進党が勝利した。五月二〇日に政権交代となる。日台関係には何の影響もないと思う。逆にこれからの日台関係はもっと緊密になっていくと確信している。亜東関係協会の仕事は日本との交流促進、また日本との親善のためつくられた組織。これから世代のバトンタッチが必要だ。ご存知の通り台湾では、日台交流を支えてきた日本語世代も八〇歳、九〇歳になり、退場が間近い。だからこれからの台湾では次の世代として日本語を理解する世代、日本への親近感を持っている世代をつくらなければならない。こういう世代を育てていくために引き続きお力を給わりたい。一方、日本でも台湾をもっと理解する人々を増やしてもらえたらありがたい。

                

【数値で測れぬ情緒】

 寶田訪問団々長謝辞

 まず蔡秘書長、周アジア局審議官。林秘書組長に、お忙しい中、私たちのために昼食会を開催いただき感謝します。訪台は今回で五回目になる。私たちは経済や政治交流ではなく、あくまで一民間人として、非生産的世代、つまりお年寄りや子ども、小学校や教護施設、高齢者施設など、通常の日本人の行かないところを訪問してきた。一つは高齢者を見ることでこの国がどのような歴史に向かっているかが分かり、子どもを見ることで将来どのような国をつくっていくのかが分かります

 経済や軍事力は単に努力すれば数値が上がる世界だが、深層の国力はやはり深いところにある情緒性にあると思う。一昨年、周さん、奥様もわざわざ津軽まで来ていただいた。われわれのような無名の志に対して篤いお気持ちを抱いてお越しいただいた。台湾政府の大勢の方々がこれほどまでに私たちのためにスケジュールの御手配、調整をしていただいたことに 感謝しています。これからも大勢の日本の若者たちあるいは市井の人たちが台湾を訪れると思う。こういった国や地域を越えた人情でかかわりを深くすることで、経済など数値で表せるものがいくらか厚みをもって理解されるのかという気がします。本日は本当にありがとうございます。

               

                      

                      周 学佑 審議官

周学佑 亜細亜局審議官

 本日、乾杯の音頭を取れということであります。台湾と日本は最も大切にすべき間柄です。共通の財産はお互いの温かい国民感情であると思う。今後とも日台の交流をさらに向上させるよう最大限努力する所存です みなさんのご健勝そして台湾と日本のさらなる倍返しの友好親善を祈念して乾杯。(拍手)

              

               

               法務部台北観護署 (日本の少年鑑別所にあたる)

 

 

 【荘淑旂先生の弔問がもう一つの目的】

               

                  荘博士との交流

               

              中山老人住宅での松崎さん

 

 松崎敏彌 (週刊女性自身 皇室記者)   2016 5/20号女性自身に交流秘話を掲載

 私がこの訪問団の一行として参加したのは、以前に知り合った荘淑旂先生が去年二月に亡くなり弔問したいと思ったから。昨日は先生の三女、莊壽美さんらと荘先生が亡くなった時の話をうかがった。荘先生は中医といって西洋医学と東洋医学を学び、慶応大学医学部で学び、特に皇后陛下の美智子様がご体調を悪くされた昭和三八年から約二〇年皇后様の健康指導をしていた。荘先生がお元気だったころに、毎朝、神宮外苑を散歩して体操とか呼吸法とかを指導していた。

 美智子様は当時、皇太子妃でそういう会に参加できなかったので、定期的に東宮御所にうかがって食事指導とか体操とか、日常生活でどうやったら健康になるかご指導した。ある人からその話を聞いて、荘先生に話を聞いて記事を書こうと思った。原稿の締め切りの日に宮内庁の東宮侍従長から電話があり、宮内庁としては正式に発表したものでないので事前に原稿をみせてくれと要請があった。編集長に相談すると「そんな必要はない。宮内庁とけんかしても押し切る」と言った。荘先生に話したら「宮内庁とトラブルになったら困るだろう」ということで、先生は直接、記事の話を美智子妃殿下の耳に入れた。

妃殿下は「全然かまいません、私が先生にこんなにお世話になって健康になっているのだから、できるだけ多くの人に先生の存在を知らせるようにしてください。侍従長には私のほうから話しておきます」といわれた。美智子妃殿下から直接オーケーが出たものだから荘先生は感激した。私は荘先生のことを書くことで日本と台湾がさらに近づけるような仕事になるという思いがあった。今回、ご家族の方々にいろいろお世話になりましたという気持ちを伝えたかった。

 

 【台湾の緋さくらを津軽に】

              

              

                 皇居東御苑の琉球緋さくら

 松崎 皇居の御所に台湾ヒザクラがある。もともとは白金台にある台北経済文化代表處にあったものを北白川殿下がいただいて、皇居に植えたものだ。

 寶田 弘前は日本でも有数の桜の名所。せっかく台湾と深い関係になったのだから、台湾ヒカンザクラを植えたら青森県民も喜ぶ。皇居の枝を伐るというのは畏れおおい。なんとか台湾から持ってこれないものか。青森県知事には平田さんを通じて話してあるし、弘前市にも話してある。希望は行政だけがやるというのではなく、一般の人が台湾からサクラを迎える会をつくってくれればと伝えてあります。

  この一〇年、台湾で日本のサクラを広げる努力が進んでいる。おかげで台湾のあちこちで日本のサクラが楽しめるようになっている。

  緑青園が一働きをしてはどうか。津軽で台湾ヒザクラが見られるようになったらすばらしい。

 蔡 この件は、林組長にやってもらいましょう

 

                

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