A Challenge To Fate

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【ピエール・アンリ追悼特集Part 1】17年前のリリース資料再掲+生誕90周年記念CD BOXリリース

2017年12月28日 02時13分59秒 | 素晴らしき変態音楽


フランスのミュージックコンクレートの創始者のひとり、ピエール・アンリが89歳で死去したのは今年の7月5日だった。かねてよりアンリを偏愛してきた筆者は訃報に際してフランスの新聞記事の翻訳をブログに掲載したのみできちんと追悼していなかった。この12月9日は生きていたら90歳になっていた。2018年を迎えるにあたって改めてアンリについて整理しておきたい。まずは2000年秋に書いたピエール・アンリ作品の紹介記事を掲載。当然ながら商品は現在すべて廃盤である。
【お悔やみ】ピエール・アンリ死去~フランスの作曲家にしてミュージックコンクレートの父


Grandfather Of Techno
または世界最年長のテクノDJ!?
● ● ● ピエール・アンリ ● ● ●
Pierre Henry

 
1960年代のフランスのミュージック・コンクレートは、エレクトロニクス音楽が氾濫する今だからこそ再評価されたわけでも、また先人に敬意を表すために聴くわけでもなく、技術が進化した今でもなお独創的な音楽だからこそ聴く価値がある。
野田 努(ele-king)


音の発明王、音響オタクの代表、ピエール・アンリ。今世紀になり、やっと彼の音と時代がリンクした。そんな中、出るべくして出たこのリミックス・アルバム。今をときめく音職人たちが名を連ねている。現在では楽音と雑音との境界線は取り払われ、誰もがいともたやすく音を操れるようになったけど・・・、はたして、私たちはアンリの頃より音楽に対して自由になれてるのかな? アンリの標本箱を聴いていると、そんなことも考えさせられます。
塚本サイコ(Museum of Plate)



●未来派音楽のオリジネーター、ピエール・アンリ
新たなる音楽の地平を目指して進化し続けるテクノ・ミュージックはその過程でエレポップ~テクノポップ~ジャーマン・エレクトロ・ロック~ミニマル・ミュージック、と過去の先鋭的なサウンドを掘り起こして来た。そして遂に"現代音楽"という何やらアカデミックで難解そうなジャンルの中に、真のオリジネーターを発見した。
その名はピエール・アンリ。サンプラーやシンセサイザーはおろか、マルチ・トラック・レコーダーすらない時代に、外界に鳴り響く音を録音し、コツコツとテープを切り貼りし、電気的加工を加えて、テープまたはレコード盤上で再構成して音響作品を創りだす"ミュージック・コンクレート"という手法を50年に渡って追求してきたマッド・サイエンティスト。
そのサウンドは現在テクノ、アンビエント、モンドなどと呼ばれるサウンドにも負けない、ヒップで独創的な響きに溢れている。
新世紀を目前にした今、クラブ・シーン最前線の人気アーティスト達からアンリへの最高のリスペクトが届けられた。ピエール・アンリの67年のヒット作《現代のためのミサ》を現代最高のクリエイターがリミックスしたアルバム《メタモルフォーゼ》。発表当時"現代音楽史上初のポップ・ヒット"といわれたグルーヴィー・チューン「サイケ・ロック」が90年代に蘇る!



●ピエール・アンリ・バイオグラフィー
1927年12月9日パリ生まれ。7才から音楽を学び、パリ国立高等音楽院でオリビエ・メシアンとナディア・ブーランジェに師事、作曲を学ぶ。40年代半ばにはオーケストラでピアノとパーカッションを演奏するが、伝統的な楽器を好きになれず、様々な物体を擦ったりぶつけたりして得られる音(ノイズ)による音楽実験をおこなっていた。40年代後半外界の音を録音し、それを電気的に加工して作品とする"ミュージック・コンクレート"の創始者ピエール・シェフェールと出会い、49年シェフェールが創設したRTFエレクトロニク・スタジオに参加、共同で電子音響作品の制作をはじめる。
50年代半ば振付家のモーリス・ベジャールがアンリに注目し、自らのバレエのためにアンリの作品を使用しはじめ、「オルフェ」「ひとりの男のためのシンフォニー」「扉と溜め息のためのヴァリエーション」「緑の女王」「旅」「現代のためのミサ」など数々の作品を発表した。他にも映像やジャンルを超えたコラボレーションも多く、シャルル・ベルモン監督「うたかたの日々」<68>やケン・ラッセル監督「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」<79>等の映画の中でアンリの作品が効果音として使われたり、イギリスのロック・バンド、スプーキー・トゥースと共演アルバムをリリースしたりした。
70年代以降もミュージック・コンクレート的な手法を追求し続け、独自の音響彫刻を制作してきたアンリは、ミュージック・コンクレート誕生50周年を迎えた98年、大きな脚光を浴びた。
一方90年代に入ってからは、クラブ/テクノ・ミュージックの元祖としてクラブDJからも熱い注目を浴びている。同時にアンリ自身も活動を活性化、クラブ・ギグなどを行う。
現在72歳のアンリは名実ともに"テクノの祖父"として新しい創作に意欲を燃やしている。

●NEW RELEASE
現代音楽からテクノ/ノイズまで、20世紀音楽の巨匠として人気のピエール・アンリの偉業を明らかにするボックス・セット・リリース第2弾が登場。電子音がの飛び交う未知のサウンド・ワールドがCD4枚にわたって展開する。
ピエール・アンリ・エディション Vol.2


21世紀へ向けて注目が一挙に高まるフランス電子音楽界の先駆者ピエール・アンリ。テクノやノイズ・ミュージック界からのリスペクトを受け、さらには音楽を超えたコンセプチュアル・アートとして唯一無二の個性を持ったアンリの世界の全貌を明らかにするボックス・セット企画第2弾の登場です。

今から50年以上も前にピエール・シェフェールと共作し、"ミュージック・コンクレート"の金字塔となった『ひとりぼっちの男のためのシンフォニー』、死後の世界を音像化した『旅』(「チベットの死者の書」より)と『エジプトの死者の書』、モーリス・ベジャールのバレエ・レッスン用音楽『動き-リズム-エチュード』、そして現代美術展の伴奏音楽『探索』(未発表曲)を収録。様々な思想・芸術とコラボレートするアンリの多様性が、20世紀芸術を超越した革新的創造性を生み出したのです。今聴いても斬新なカットアップ/コラージュ手法、最新のテクノ/ノイズ・ミュージックをしのぐほどの強烈なトランス感をもった電子音響は、まったく未知の新しい聴覚的快感(?)を与えてくれます。

収録曲:
DISC 1 ひとりぼっちの男のシンフォニーSymphonie pour un homme seul (1949/50)/旅 Le Voyage(1962)
DISC 2 動き-リズム-エチュードMouvement-Rythme-Etude (1970)
DISC 3 エジプトの死者の書Le Livre des morts egyptien (1988)
DISC 4 探索(BonusCD) Investigations (1959)
PHILIPS CD:UCCP-1012/4 ¥6,116(¥5,825)3CD+ボーナスCD <直輸入盤/フランス語解説翻訳付>(2000.10.12発売)

Symphonie pour un homme seul (Béjart)



●NOW ON SALE
ミュージック・コンクレートの巨匠アンリの歴史を集大成したBOXセット。好評発売中!
ピエール・アンリ・エディション


電子音楽の先駆者として現在でも精力的に活動し、一方ではテクノのオリジネーターとして最近のテクノ・アーティストからも高い評価を受けるフランスの音楽家ピエール・アンリの代表作品を完全な形で収録した5枚組ボックス・セット(4CD+ボーナスCD)。
50年代にミュージック・コンクレートとして始まったアンリの音楽が多彩な方向へと発展を見せた60年代後半の作品と、テクノやロック的要素を取り入れた90年代末の最新作を収録。アンリのふたつの黄金期が楽しめる作品になっています。
アンビエントやノイズ・ミュージックの元祖といえるストレンジな音響は、現代音楽・電子音楽ファンはもちろん、ロックやテクノ・ファンにもアピールします。

DISC 1 バベルの塔(1999)/Tokyo 2002(1998)
DISC 2/3 ヨハネ黙示録(1968)
DISC 4 リヴァプール・ミサ(1967)、現代のためのミサ幻想曲(1967/97)
DISC 5〈BONUS CD〉 グラニュロメトリー(1967) 
CD:PHCP-11194/7 4枚組¥7,340(¥6,990) 録音:1967-1999年 フランス●輸入盤仕様/フランス語解説完全翻訳付き



●ASLO AVAILABLE
「メタモルフォーゼ/ピエール・アンリ・リミックス」


30年の時を隔てた未来派コラボレーション。
Featuring Remixes by:
FATBOY SLIM, WILLIAM ORBIT, DIMITRI FROM PARIS, COLDCUT,TEK9 and more.


テクノのグランドファーザー、ピエール・アンリを人気クラブ・アーティストがリミックス。
ピエール・アンリが映画音楽家ミシェル・コロンビエと共作したバレエ音楽「現代のためのミサ」(67)が、テクノ、ハウス、ジャングル、ドラムン・ベース、ラウンジ等のユニークなリミックスで現代に復活。

1 サイケ・ロック(マルパソ・ミックス)-ファットボーイ・スリム remix
2 プロローグ -クリス・ザ・フレンチ・キッス remix
3 サイケ・ロック(インヴィジブル・ミックス) -ウィリアム・オービット&マット・デュカス remix
4 ジェリコ・ジャーク -サン・ジェルマン remix
5 ティーン・トニック -ディミトリ・フロム・パリス remix
6 トゥー・フォーティシュ(ビートニク・トリップ)-Tek9 remix
7 サイケ・ロック(チョップト・アップ)-コールドカッツ・コンピューター remix
8 トゥー・フォーティシュ-マイティ・ボップ remix
9 ジェリコ・ジャーク-ファンキー・ポルチーニ remix
10 トゥー・フォーティシュ(シャトー・フライト・ミックス)-シャトー・フライト remix
11 サイケ・ロック(サイクト・アウト)-コールドカット remix
12 サイケ・ロック(メタル・タイム・マシーン・エディット)-ケン・アビス remix
<初回限定ボーナスCD>
1 プロローグ(ウ゛ァリエーションズ・フォー・アポレックス・ミックス)-高木完&K.U.D.O. remix
CD:PHCF-3516 ¥2,548(incl.tax)


「現代のためのミサ/ピエール・アンリ・コレクション」


60年代、ピエール・アンリがモーリス・ベジャール舞踊団のために創った電子音響作品集。バレエ・ファンも要注目!

ロック/ジャズ・ビートとモンドな電子音を大胆に融合した《現代のためのミサ》は今聴いても新鮮なクラブ・ミュージック。他の作品はミュージック・コンクレートの先駆者としてのアンリのスタイルを存分に発揮した実験的な音響芸術。アンビエント・ミュージックとして楽しめるサウンドです。

現代のためのミサ(67)
緑の女王(63)
旅(62)
扉と溜め息のためのヴァリエーション(63)
CD:PHCF-3517 2,548(incl.tax)

Messe pour le temps présent - Grand Remix - CNDC


注:上記は2000年10月度のリリース資料です。です。

具体音
継ぎ接ぎしたら
曲になる
それが愛

ピエール・アンリ(Pierre Henry)、生誕90周年記念CD12枚組『Polyphonies』が登場
「Pierre Henry ‎– Polyphonies」


20世紀に最も影響を与えた作曲家の一人ピエール・アンリ、生誕90周年記念CD12枚組。
電子音楽の一分野である「ミュージック・コンクレート(具体音楽)」の先駆者として、20世紀音楽に重要な役割を果たしたフランスの作曲家ピエール・アンリ(1927-2017)の生誕90周年を記念して12枚組CDが発売されます。
すべての録音が作曲者自身による選曲、リマスタリングとなっています。112ページに及ぶブックレットには、すべての楽曲の解説(ほぼピエール・アンリ自身によるもの)、新規ライナーノーツ(英語、フランス語)、多くの貴重な写真が含まれています。9作品が未発表曲です。

【収録予定曲】
《CD 1》地球クロニクル 【録音】2016年
《CD 2》1) Etude transcendantes pour un piano imaginaire、2) Grande Toccata、3) ジムカーナ 【録音】2015年(1)、2006年(2)、1970年(3)
《CD 3》1) Plein jeux、2) Kyldex 【録音】2008年(1)、1973年(2)
《CD 4》1) バベルの塔、2) 緑の女王、3) ロック・エレクトロニック(『緑の女王』)【録音】1998年(1)、1963年(2, 3)
《CD 5》1) Histoire naturelle、2) Facies 【録音】1997年(1)、1960年(2)/
《CD 6》エジプトの死者の書 【録音】1988年
《CD 7》1) アルトーのための断章、2) Variations pour les cordes du piano 【録音】1970年(1)、1953年、1988年(2)
《CD 8》1) セレモニー(アンリ/シェフェール)、2) 60度の黒 【録音】1969年(1)、1961年(2)
《CD 9》1) Levitation (Corticalart I 1971)、2) Corticalart III、3) Investigations 【録音】2013年(1)、1973年(2)、1959年、2008年(3)
《CD 10》1) Voile d'Orphee、2) Deuxieme symphonie、3) 占星術、4) スパイラル 【録音】1953年(1, 3)、1972年(2)、1955年(4)
《CD 11》1) Microphone bien tempere、2) Spatiodynamisme、3) Haut-Voltage 【録音】1950年、1952年(1)、1953年(2)、1956年(3)
《CD 12》1) ひとりの男のための交響曲(アンリ/シェフェール)、2) Musique sans titre、3) あいまいさの協奏曲 【録音】1950年

Pierre Henry - Polyphonies (Trailer VF)
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