A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

渋さ知らズの源流~サン・ラー「世界の終焉」

2008年07月20日 23時58分48秒 | 素晴らしき変態音楽
高校の頃にレジデンツやポップ・グループ、キャバレー・ヴォルテール、スロッビング・グリッスルなどのオリジナル・オルタナティヴ・ロックに夢中になった私は、遡る方向でフランク・ザッパやキャプテン・ビーフハート、シャッグスなどの前衛ロック、そしてオーネット・コールマン、アルバート・アイラー、デレク・ベイリーなどのフリー・ジャズを辿る事になる。
当時テイチクからリリースされたMPSアクチュアル・シリーズはドン・チェリーやアーチー・シェップなどドイツMPSレーベルに残されたフリー・ジャズの名作迷作を集めた画期的なリリースだった。
そこにこのサン・ラーの「世界の終焉」が含まれていた。サン・ラーの国内盤の発売は絶えて久しく、正に快挙と言えるリリースだった。Sun Ra & His Intergalactic Research Arkestra(サン・ラーと彼の星雲間調査アーケストラ)名義の1970年10,11月ドイツに於けるライヴ・パフォーマンスである。いきなり♪不思議な夢よ~怪奇な世界よ~♪という女性Vo.から始まり20以上の楽器が入り交じり集団即興を繰り広げる。途中に再び♪世界の終焉だ、まだ判らないのかい?♪とか♪もしあなたが実在でなければあなたは誰の神話なのか♪という語りが挟まり、サン・ラーによる奔放なピアノ&オルガン、シンセ演奏が堪能出来る。サン・ラー亡き後現在アーケストラを継承するマーシャル・アレン(as)やジョン・ギルモア(ts)、パット・パトリック(bs,b-cl)、ダニー・デイヴィス(as)など名手のとりとめのない即興演奏はその実サン・ラーにより細部まで統制されていたものだとは後にバイオグラフィーで知った。
ヨーロッパの即興音楽が盛り上がって来た頃にアメリカから殴り込みをかけたサン・ラー一行の衝撃は相当なものであっただろう。
とにかくリリースの異常に多いサン・ラーだが(一説には200作以上とも)、本作はヒエロニムス・ボッシュの「悦楽の園」の一部を引用したジャケットも印象的なサン・ラーを代表する一枚である。

混沌の
美学の果てに
サン・ラーあり

当時ブラスバンドでサックスをやっていた私は滅茶苦茶に演奏する事を"Sun Ra遊び”と言って喜んでいたのを思い出す。
サン・ラーはかつての生活向上委員会、現在ではいわずと知れた渋さ知らズの元祖である。



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ゆらゆら帝国、BOOM BOOM SATELLITES@日比谷野音 2008.7.19(sat)

2008年07月20日 01時33分37秒 | 素晴らしき変態音楽
音楽プロモーターHOT STUFF PROMOTIONの30周年記念イベント"US AND THEM"in日比谷野音へ行って来た。流石の組み合わせで立ち見席も満席の盛況ぶり。
最初にBOOM BOOM SATELLITESが登場。gx2,dsのトリオで、ドラムマシーンやシンセサイザー等デジタル機材を使ったハードな演奏には昔懐かしい"デジロック"という言葉が頭をよぎる。ケミカル・ブラザーズやプロディジー等を彷彿させるノリだった。MO'SOME TONEBENDERを思わせるところもある。歌詞が全編英語だったのが個人的にはイマイチだった。1時間弱のステージ。
続いてゆらゆら帝国の登場だ。オーディエンスもゆら帝ファンの方が多く、ステージが暗転しただけで大歓声が上がる。今日の坂本慎太郎氏は黒のTシャツに赤のフレアパンツ。"あ、どーも"といういつもの挨拶でステージが始まる。1曲目が「太陽の白い粉」で懐かしい。「空洞です」からは1曲しか演らず、「つぎの夜へ」「ソフトに死んでいる」などREMIXアルバム収録のナンバーを演った。ゆら帝が「空洞です」を卒業し次のレベルに進みつつある事を実感したライヴだった。1週間後はFUJI ROCKだが、そこでも今回のようなヴァラエティのある演奏を淡々と繰り広げるのだろう。オーディエンスもバンドのノリに良く反応し、グルーヴ溢れるいいムードを作り出していた。「3x3x3」で余りに盛り上がり過ぎて坂本氏が”まだまだ”とMCして笑わせてくれる場面も。1時間強のステージ。
<Set List>
1 太陽の白い粉
2 2005年世界旅行
3 ソフトに死んでいる
4 夜行性の生き物三匹
5 あえて抵抗しない:坂本氏マラカス使用。
6 タコ物語
7 ロボットでした:坂本氏最初タンバリン使用。後半はギターでフリークアウト
8 3x3x3
9 つぎの夜へ
10 無い

晴天の
日比谷野音に
響くファズ

ビール3本ですっかりいい気分になった。



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日本前衛音楽の始祖~「柴田南雄の音楽」

2008年07月18日 23時50分30秒 | 素晴らしき変態音楽
最近タワーレコードがクラシックのマニアックな作品を廉価盤のCDでリリースを続けており、これがなかなかに凄い。
ルチアーノ・ベリオの音楽的引用に満ちた問題作「シンフォニア」や、アンドレ・ジョリヴェがNHK交響楽団の選抜メンバーと録音した「ジョリヴェ・コンダクツ・ジョリヴェ」など、現代音楽の異色作も混じっている。湯浅譲二や一柳慧などが作品を提供した「日本の電子音楽」は権利関係の問題で発売中止になってしまったが、当初のラインナップの中に発見した時は狂喜乱舞した。
さて、この「柴田南雄の音楽」もタワーレコードのシリーズのひとつで3枚組で2500円というお買い得な作品集である。
柴田南雄氏といえば、吉田秀和氏等とともに「二十世紀音楽研究所」を発足するなど日本の前衛音楽界には欠かせない作曲家/評論家である(ジャズで「新世紀音楽研究所」を発足したのは高柳昌行氏であった)。このCDにはオーケストラ、器楽、合唱、伝統楽器を使った曲など様々なスタイルの楽曲が収録されているが、どれも人懐っこい旋律や音色を持っており、氏の温かくユーモラスな人柄を感じることが出来る。特に「徒然草」というカウンターテナーとピアノの曲は途中で能楽になったり宝塚になったりして面白く聴けた。「萬歳流し」という混成合唱曲は様々な囃子唄のコラージュで、あちら側の世界に連れて行ってくれる。
柴田南雄 HP

迷い事
狂言まがいの
歌合わせ

J.A.シーザーにも匹敵する土着の不浄の世界が展開されている。

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空中浮遊音楽~ハンバートハンバート「まっくらやみのにらめっこ」

2008年07月17日 00時51分08秒 | こんな音楽も聴くんです
ハンバートハンバートとは奇妙なバンド名であるが、ナボコフの有名な小説「ロリータ」で幼女を愛する大学教授の名前から取ったのであろう。
佐藤良成と佐野遊穂による男女デュオで、1998年結成というから今年結成10周年である。キセルや中川五郎の作品に佐藤氏が参加したこともあり、名前は聞いたことはあったが、音を聴くのはこのアルバムが初めてである。
ジャケットのお面を被った子供のイラスト通りのどこか懐かしい子供時代の郷愁を感じさせるアコースティック・サウンドを聴かせる。フォーク、アイリッシュ、カントリー、ヒルビリー、ボサノヴァなど様々な要素を融合しているが二人のハモリとフィドルやアコーディオンの調べが個性的で他の数多あるフォーク系デュオとは一線を画している。
渚にてとはちょっとタイプが違うが、聴いていると魂が空中を浮遊していくようで、気持ちよく癒される。でも歌詞は結構深い。♪わたしはあなたであなたはわたし♪♪歌え 踊れ 今日は葬式♪♪虚しい、虚しい、本当の僕などいやしない♪。実はかなり怖い感性を内包しているのかもしれない。
ハンバートハンバート HP

ハンバート
ハンバーグでは
ありません

お漬物と玄米が似合いそうな音楽である。



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灰野さんKikuriで外遊中

2008年07月14日 22時58分23秒 | 灰野敬二さんのこと
7月に灰野さんのライヴがないと思ったらメルツバウの秋田昌美さんとのユニットKikuriで海外ツアー中だった。
7/11(金)イギリス、ニューキャッスル、7/13(日)イギリス、バーミンガム、7/15(火)スイス、ジュネーヴの3カ所。先日Kikuriとしてのデビュー盤が出たからそのプロモーションも兼ねているのだろう。日本ではKikuriやらないのかな?
灰野さん関係のリリース情報。ドラびでおとのライヴDVD、灰野+ナスノミツル+石橋英子トリオのCD。

外遊は
身体がきつく
ないのかな

"きくり"というアニメのキャラクター(映像参照)がいるがここからバンド名を取ったのだろうか。



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テネイシャスD 運命のピックをさがせ!~試写パーティー

2008年07月13日 23時52分12秒 | 映画やDVDのこと
映画「テネイシャスD 運命のピックをさがせ!」のInter FM主催の試写会が当たった。この映画は「スクール・オブ・ロック」のジム・ブラックの新作でおバカなロック映画。ジムがカイル・ガスと結成している実在のロック・バンド、テネイシャスDが主人公。ロックで成り上がろうという野心に燃える二人が、数多くのロック・ミュージシャンを成功に導いた"運命のピック"の存在を知り、それを手に入れるためにドタバタ劇を繰り広げるというロック好きには応えられない痛快なコメディだ。
今日の試写会は渋谷のライヴハウスで開催され、ドレス・コードは"ロックTシャツ"。私は10年以上前に買ったグレイトフル・デッドのTシャツを引っ張りだして着て行った。ライヴハウスだからオール・スタンディング。しかもゲストにLAZYgunsBRISKY、少年ナイフ、PUFFYが出演。映画を30分間上映して合間にバンドが演奏するというスタイルのライヴ・パーティー形式の試写会だった。
LAZYgunsBRISKYのガレージ感覚溢れる演奏も、少年ナイフのポップでおキャンな演奏も素晴らしかった。PUFFYはトークのみの出演。9月のアヴリル・ラヴィーンの東京ドーム公演にPUFFYも出演することが決定したそうだ。
スタンディングで3時間は少々疲れたが、思い切り笑える映画とカッコいいガールズバンドとの組み合わせが新鮮で良かった。
こんな感じのミクスチャーな試写会も面白い。
テネイシャスD HP

テネイシャスD
デブでハゲでも
ロックスター

少年ナイフの直子さんも"おバカロック最高!"と叫んでいた。



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ゲド戦記感想

2008年07月13日 01時16分16秒 | 映画やDVDのこと
先日テレビでスタジオ・ジブリの「ゲド戦記」をやっていた。ジブリ作品は大抵劇場に観に行くのだが、この映画はイマイチ評判が良くなく、観ていなかった。その大きな理由が宮崎駿氏の長男の宮崎吾郎監督の力量不足といわれていた。
ル=グインの原作は読んでいないが、この映画の内容からいって「戦記」というのはちょっと違うのではなかろうか。ジブリ映画には珍しく出演者も少ないし、壮大な戦闘シーンがある訳でもない。宮崎駿監督作品のスケールの大きさを期待して観に行った人には肩すかしであっただろう。
しかしそれを気にしなければなかなか奥の深い心理劇だといえよう。自らの"影"を否定することによる人格のアンバランスさ。その罠に陥って狂っていく世界をも想起させる。ジブリ作品としては失敗作だが、日本のアニメ映画としては相当いい出来なのではないだろうか。少なくとも私は気に入った。
ゲド戦記 HP

ゲド戦記
名前負けして
損をした

「崖の上のポニョ」は完全に子供向けだろうけど期待出来る。



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プレゼント大量GET。ブライアン・バートンルイスのラジオ・ショー。

2008年07月11日 23時36分08秒 | ラジオやテレビのこと
今週はInter FMで15:00~18:00にやっている生番組「Dave Fromm Show」のパーソナリティー、デイヴ・フロム氏が夏休みのため、ブライアン・バートンルイス氏が代わりにDJを務めた。ブライアン氏のハイテンションなトークと過激な選曲は、落ち着いてちょっとシニカルなデイヴ氏のトークとまた違って、新鮮な気分で楽しめた。
ブライアン氏はInter FMにあるアーティスト・グッズをかき集め、プレゼントを連発。7/7はラッキーセブンということでラッキー話、7/8は悩み、7/9はなくし物、7/10は嫉妬または納豆、7/11はセブンイレブンでコンビニ、と日付けに洒落てテーマを決めてメールを募集した。いつもよりも聴取率が高かったのではないだろうか。
そんな中私は初日にTシャツ・セットを、最終日にキーホルダーをGET。ブライアン氏と趣味が合うのか、メッセージが4回も読まれたし、ラッキーなことの連続だった。

プレゼント
当てて喜ぶ
インターFM

AxCx(アナルカント)をリクエストしたらさすがのブライアン氏でもかけられないと言われたけどね。



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左足の王国

2008年07月09日 23時31分33秒 | ありきたりな日常
いきなり変な話で恐縮だが、私には左足の靴のヒモがほどけやすいという癖がある。いくら靴を替えても同じである。どんなにきつく締めてもダメである。結び方は左右同じだから、どう考えてもこれは私の左足に起因する理由がある筈である。
歩き方、又は左足の形状に何か問題があるのだろうか。鞄はタスキがけで右側へくるようにしているが何か関係あるのだろうか。どう考えても原因が分からず悩ましいのである。

またほどけ
結び直すよ
左足

皆さんにはこういう不可解な癖はないだろうか。



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モッズのゴッドファーザー本領発揮~ポール・ウェラー「22ドリームス」

2008年07月08日 23時45分25秒 | ロッケンロール万歳!
ポール・ウェラーがもう50歳。永遠のモッズ少年だと思っていた彼も今やベテラン中年ロッカーだ。その事実に愕然とする。私も歳を取るはずだ。
50歳を記念して、ということはないだろうが、ソロ9作目になるニュー・アルバムがリリースされた。同期のボノやボブ・ゲルドフに比べて、政治的な面でクローズアップされることは少ないが、ミュージシャンズ・ミュージシャンとしての憧れ度は前者二人には負けない。ゲストにオアシスやブラー、オーシャン・カラー・シーンのメンバーを迎え70分を超える濃厚な世界を展開している。
若さ溢れるザ・ジャムやお洒落度満点のスタイル・カウンシルの時代を経てソロ活動を始めたポール・ウェラーは自らのルーツであるソウル&ファンクの渋い世界を追求してきた。その集大成が「22ドリームス」と名づけられたこのアルバムである。さながらコンセプト・アルバムのようにストーリー性のある万華鏡のようなサウンドが展開される。
サマーソニックで来日するそうだが、セックス・ピストルズやディーヴォも参戦する今年のサマソニ、元パンク少年~現在メタボ中年の心をときめかすラインナップである。

あの頃は
三つ釦スーツ
が欲しかった

パンクスは髪を乱雑に扱っていた割にはハゲが少ない気がする。



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