A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ゆらゆら帝国@新木場スタジオコースト 2007.10.10(wed)

2007年10月11日 22時49分48秒 | 素晴らしき変態音楽
というわけで行ってきました、ゆら帝レコ発。スタジオコーストはかなりでかいハコだが、満員に近かった。ゆら帝のファン層というのが未だに良く分からないが、割と普通の格好が多い。女性のグループも目立つ。6:4で男の勝ちという感じ(何が勝ちだ?)。
開演の20時ぴったりにメンバーが登場。坂本は上下ハデハデの赤だ。亀川は黒。柴田はよく見えなかったが茶色か?
一曲目はギターを持たずにdsとbをバックにハンドマイクで歌い始める。ワンコーラス歌ってやっと赤茶色のSGを肩に掛ける。アルバム・ヴァージョンとあまり変わらないアレンジ。でもライヴならでは、dsとbが軽いグルーヴ感を醸し出す。前半はそんな感じでバンドもオーディエンスも成り行きを見守るようなゆるい雰囲気の中進行する。「なんとなく夢を」と「美しい」はシングル・ヴァージョン。この辺でグイグイとテンションを上げる。特に「美しい」は今後もライヴの定番になりそうなドライヴ感たっぷりの演奏だ。
続いて「無い!!」で坂本爆発。ニュー・アルバムはCDで聴く分には心地よいのだが、ライヴで再現すると、メンバーにとってもかなり禁欲を強いられるのだろう。そのフラストレーションを突き抜けるようにファズの嵐が10分にも及ぶ演奏。オーディエンスも熱くなってきた。
後に続いた新曲も前半に比べ慣れてきたのか、よりグルーヴィーにうねるようなプレイ。そしてライヴではやらないだろうと思っていた「学校へ行ってきます」!。ファズギターと左右に飛び交うSEが重なり合い空間はカオスと化す。続く「EVIL CAR」でも後半テンポアップしてからは坂本の滅茶苦茶なプレイが暴走してフリークアウトする。
このような過激な部分と新作の醒めた視点の両方を併せ持ったゆら帝は、向かうところ敵なしだろう。最後の2曲は新作からだったが、どちらも美しいメロディーが印象的だった。特に「人工衛星」は私のフェイバリットナンバー。いつものようにアンコールなしで100分に亘るライヴは終了。
アルバム発売当日のレコ発ということで、オーディエンスも準備不足だったと思うが、今後ライヴを重ねるごとに新作の世界に慣れていくだろう。それよりも私は、バンド側がどう変化していくか興味深い。
Set List:
1.やさしい動物
2.まだ生きている
3.できない
4.あえて抵抗しない
5.なんとなく夢を(Single Version)
6.美しい(Single Version)
7.無い!!
8.おはようまだやろう
9.船
10.学校へ行ってきます
11.EVIL CAR
12.ロボットでした
13.3x3x3
14.ひとりぼっちの人工衛星
15.空洞です
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甘くロマンティックな。。。ゆらゆら帝国「空洞です」

2007年10月09日 23時57分05秒 | 素晴らしき変態音楽
2年5ヶ月ぶりのゆら帝のニューアルバムが出た。スリップケース、ジャケット、インレイ、至る所マカロニのような筒状のイラストに溢れている。タワー○コード初回特典は”アナザージャケット”というスリップケースのデザイン違いだが、それはますますマカロニだらけ。今度はひょっとこの大群ではなくて、生きたマカロニに追い回される夢を見るのか?
冗談はさておき、このアルバムについていろんな雑誌が「すべてをあきらめたあとで かすかに響く」(「おはようまだやろう」より)、イキそうでイカないサウンド、と形容している。確かにロックのダイナミズムや強烈なギターソロはない。坂本慎太郎のギターはトレモロを多用している以外ほぼノンエフェクトだ。でもアルバム全編通して聴くとギターの存在の大きさに気づく。のべつまくなしにギターのリフが鳴っているのだ。そしてサックスや尺八など今まで取り入れていなかった生楽器の導入も成功している。メロディに起伏が無い分、それらの楽器がアクセントになっている。
起伏には欠けるが坂本のヴォーカルは今までになく甘美で誘惑的である。またアルバムには確かなハイライトがある。特に後半「まだ生きている」とアヴァンギャルドな「学校へ行ってきます」、そして最後の2曲に至る流れは、ゆら帝の今までの作品同様、意表をつきながらリスナーを引きずり込まずにはおかない不思議なパワーがある。彼らのアルバムの中で最高にロマンティックな作品だと思う。
シングル「美しい」に続いて朝生愛さんがコーラスで全面参加しているのが個人的には嬉しい。
シングル収録曲のアルバムバージョンは、人力リミックスというか、全く別物になっていて面白い。
明日はレコ発ライヴ。これらの曲がライヴでどう料理されるかを確かめてきます。
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Chelioイラスト展@吉祥寺 ANIS

2007年10月09日 00時34分16秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界
sixのvo/bのChelioのイラスト展が吉祥寺東急裏のファッションブティックで開催されています。といっても大げさなものではなく、お店の壁に6枚のイラストが飾ってある、というとてもこじんまりしたものです。Chelioのイラストはフレンチモダンというかレトロで大正チックなもので、お店の雰囲気にぴったりマッチしたものでした。ANISには60'sの洋服とかアクセサリーとともにジュークボックスや昔のラジオなどががさりげなく置いてあって、60's好きには溜まらなく心地の良い空間でした。
わざわざ観に行くというよりも近くへ行くことがあったら、ついでに寄って行く感じがいいと思います。ANIS HP
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フリクションの前身=3/3、幻のヴェールを脱ぐ

2007年10月06日 18時09分58秒 | 素晴らしき変態音楽
Reck(g,vo)、チコ・ヒゲ(ds)、ヒゴヒロシ(b)で74年に結成されたバンド、3/3の幻のアルバムが遂にCD化された。しかも2枚組で、Disc2にはギターにAndoを加えた4人組3/3の未発表ライヴ音源が収録されている。
私は数年前に「ロック画報」の日本のニューウェイヴ特集を読むまでこのバンドの存在を知らなかった。アルバムは75年に限定10枚という私家盤でリリースされた。サウンドの方はサイケデリックパンクとでもいったら良いだろうか、フェイザーとファズをかけたギターがジミヘンを彷彿とさせる。Reckの突っかかるようなヴォーカルと"エンジンふかしてモーターまわして赤いスイッチ白いスイッチ動き出す"(きかいのうた)といったようなビート詩人風な歌詞は既に萌芽している。私家盤にしてはとても音がよく、ヒゲのドラムもヒゴヒロシのベースもこの時代と思えないほどドライヴ感覚に溢れている。古くささなんて全く感じない。
これはまさに頭脳警察、外道、村八分、裸のラリーズなどと並ぶ70年代日本のアンダーグラウンドロックの金字塔のひとつである。
ブックレットに載っている写真ではメンバーは短髪で、既にパンクの洗礼を受けていたことを証明している。Reckとヒゲはティアドロップ型ながらサングラスをかけている。
ライヴ盤のほうは75~77年の音源が収録されていて、「Pistol」「Crazy Dream」「かがやき」など後のフリクションの重要レパートリーが既に演奏されているのが興味深い。サウンドはさらに早急なビートになっており、パンクに接近しているのがわかる。またヴェルヴェットアンダーグラウンドとキンクスのカバーも入っているが、30年経った現在数度ライヴを行なったHead Rush(=Reck,灰野敬二,Pill)でも両者のカバーを演奏していた。三つ子の魂百まで、である。
77年3月にReckとヒゲがNYへ行ってしまったために3/3は解散するが、ヒゴヒロシとAndoはミラーズを結成。NYから戻ったReckとヒゲはフリクションを結成し、東京ロッカーズの中心バンドとして日本のロックシーンを震撼させることになる。
この3/3のアルバムは単なるプレ・フリクションではなく、単体で日本のロック史に残るべき名作だと言えるだろう。
ディスク○ニオンで買うとLPの復刻ジャケットが特典で付いてきます。
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10年目の問題作~MO'SOME TONEBENDER「C.O.W.」

2007年10月05日 21時14分09秒 | ロッケンロール万歳!
今年結成10周年を迎えるモーサム・トーンベンダーの最新アルバム「C.O.W.~Check Out World」。今作は何と全曲ドラムの藤田勇の作曲だ。アンビエントハウス風のイントロで始まり、ところどころでテクノ風4つ打ちビートや電子音が入り乱れる。もちろんブルドーザーで山を突き崩すようなハードなリフを持ったロッケンロールもあるのだが、全体のトーンは天に昇るような陶酔感である。とにかく全編アッパーなのだ。Eをキメて制作したのか?
今まで脳髄に活を入れられるような覚醒感を核に作品を作ってきたモーサムにとって、最大の問題作といえるだろう。
しかし藤田が作曲してもモーサムらしいコード進行やメロディーラインに変化が無いのが面白い。百々の時に攻撃的で、時に甘えるようなハイトーン・ヴォーカルは健在。彼らの真髄を理解しているファンなら受け入れられる世界だと思う。
「死に物狂いでリズムを刻め」という、彼ららしい大仰なタイトルのツアーが11月末から始まる。この音世界がライヴでどのように再現されるのかが興味深い。
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15000円のレコード

2007年10月04日 22時30分35秒 | 灰野敬二さんのこと
以前このブログで予告したが、灰野敬二さんとイタリアのMy Cat Is An Alien(以下MCIAA)のSplit LP"Cosmic Debris Vol.III"が完成した。限定100枚、ジャケはMCIAAのメンバーでヨーロッパのアート界では有名なRoberto Opalio の手作りで、黒いキャンバスにアクリルで型を貼り付け、中にポラロイド写真が貼ってある。ポラロイドは1点1点違うそうだ。この装丁のシリーズはART-LPと呼ばれ、レコードが附属した芸術作品と捉えられている。だから価格も普通のLPの価格ではなく、芸術作品として高価な値段で売られている。
LPには両者の2005年のライヴ音源が収録されている。灰野さんはエアシンセ、ドラムマシーン、ヴォイスによる演奏(ギターは弾いていない)、MCIAAはパーカッション、電子音、ヴォイスのドローン的な演奏。
2ヶ月位前に灰野さんの手元に届き、ライヴ会場で¥15000で販売されていた。いくら芸術作品とはいえ、日本では無名の作家のものにこれだけの値段を払うのはかなり勇気がいったが、灰野さんと約束してしまったし、先日のVajraのライヴの時に思い切って買った。物販で売っていたのは光束夜のミックさんだった。LPのシリアルナンバーは8/100。アート・ジャケットの裏には1/100と書いてある。Robertoが最初に制作した作品か?
実はこのLPの灰野さんの音源は私がMDで録音し、灰野さんに提供したものなのだ。だから個人的に音自体に新鮮さは無いが、自分の録音した音源がLPとしてリリースされ世界中の人の耳に届くというのは格別な感慨がある。
通常版のCDでもリリースされるらしいから、皆さん聴いてやってください。よろしく!
MCIAA HP
ついでに私の知り合いがやっている灰野さんのブログへのリンクも載せておきます。素晴らしい写真満載です。
das Dokument
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Vajra@新宿JAM 2007.10.2(tue)

2007年10月03日 23時10分09秒 | 灰野敬二さんのこと
国内では2004年9月以来3年ぶりのVajra(バサラ)のライヴ。Vajraとは三上寛(vo.g)、灰野敬二(g,vo)、石塚俊明(ds/元頭脳警察)という日本地下音楽シーンの猛者3者によるバンドだ。
ライヴ前のSEがアルバート・アイラーの「ゴースト」なのが嬉しい。JAMには珍しくスツールが10脚くらいフロア隅に出ており、ラッキーにも左PA前のスツールに座れた。
20分押しでメンバーがステージに登場。三上さんもサングラスをかけていて、フロントの二人は黒尽くめ。トシさんはステージ後ろであまり見えなかった。
三上さんの重いギターでスタート。三上さんの歌とギターはきちんとした曲になっているが、灰野さんは時にそれを打ち壊すような爆音ギターを弾きまくる。トシさんはフリージャズ風なドラミングで演奏に起伏をつける。とても自由度の高いバンドだ。それぞれベテランだからお互いに何をやっても動じない貫禄に満ちている。それにしてもVajraの曲は何て刹那的なんだろう。三上さんの歌うメロディーが怨歌というか、日本的な湿ったマイナー・メロディーであることはもちろんだが、破壊的な演奏が、ひとつ間違えば崩壊しそうな終末感を湛えているのだ。今日特に面白かったのは、ドラムが静かなビートを刻む中、三上さんと灰野さんが交互に歌った部分だった。青森弁のドスの効いた三上さんの声と灰野さんのハイトーン・ヴォイスは水と油のような関係だが、Vajraという「場」では、お互いに溶け合いひとつの世界を作り上げる。
PAの真ん前で耳がかなりやられたが、95分たっぷりとこのトリオの世界に浸った。
終演後、楽屋で灰野さんに挨拶。Mixroofficeでのマンスリー・ライヴは、主催者の宇川さんが多忙なため、当分やらないだろうとのこと、10/29(月)にやはりJAMで行われるジム・オルークとのデュオはアコースティックになるかもしれないこと(でも当日にならないと分からないのがこの人の常だが)などを話した。
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ドキドキする音楽~セックスピストルズ「勝手にしやがれ」

2007年10月01日 23時35分01秒 | ロッケンロール万歳!
それはいきなりきた(by クロマニヨンズ)。仕事中に流していたラジオから空気を引き裂く硬質なギターにのって嘲るようなヴォーカルが”God Save The Queen”と歌った。心の底からドキドキして鳥肌が立って同時にワクワクした。
中学時代KissやAerosmithに心酔していた私の心をざわめかせたPunk Rock。学校から帰るとSex PistolsとClashの1stにドキドキしながら針を落としたものだ。それは他の何とも違って僕の心と身体を解放してくれた。
「Never Mind The Bollocks/Here's The Sex Pistols」。それは爆発寸前の火薬のようなレコード(by ブルーハーツ)だった。
アルバムを10年ぶりに取り出してターンテーブルにのせた。「Holidays In The Sun」で始まり「EMI」で終わる黄金律。。。全身を電流が走り、心が弾み、私は十四歳になっていた(by ハイロウズ)。
灰野敬二や非常階段や朝生愛を聴くのとは異質の音楽の遺伝子をSex Pistolsは思い出させてくれた。このアルバムが私にとっていかに特別な存在であるかを思い知った。
彼らは今年デビュー30周年を迎え、ロンドンで再結成コンサートを行うそうだ。何年前だったろう、最初の再結成で来日したSex Pistolsを武道館で観た。デビュー当時の鋭さは失われていたが、やっぱり胸がドキドキした。その時の前座はBay Shitty Rollersを名乗るハイロウズだった。(この項続く)
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