A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

フリクションの前身=3/3、幻のヴェールを脱ぐ

2007年10月06日 18時09分58秒 | 素晴らしき変態音楽
Reck(g,vo)、チコ・ヒゲ(ds)、ヒゴヒロシ(b)で74年に結成されたバンド、3/3の幻のアルバムが遂にCD化された。しかも2枚組で、Disc2にはギターにAndoを加えた4人組3/3の未発表ライヴ音源が収録されている。
私は数年前に「ロック画報」の日本のニューウェイヴ特集を読むまでこのバンドの存在を知らなかった。アルバムは75年に限定10枚という私家盤でリリースされた。サウンドの方はサイケデリックパンクとでもいったら良いだろうか、フェイザーとファズをかけたギターがジミヘンを彷彿とさせる。Reckの突っかかるようなヴォーカルと"エンジンふかしてモーターまわして赤いスイッチ白いスイッチ動き出す"(きかいのうた)といったようなビート詩人風な歌詞は既に萌芽している。私家盤にしてはとても音がよく、ヒゲのドラムもヒゴヒロシのベースもこの時代と思えないほどドライヴ感覚に溢れている。古くささなんて全く感じない。
これはまさに頭脳警察、外道、村八分、裸のラリーズなどと並ぶ70年代日本のアンダーグラウンドロックの金字塔のひとつである。
ブックレットに載っている写真ではメンバーは短髪で、既にパンクの洗礼を受けていたことを証明している。Reckとヒゲはティアドロップ型ながらサングラスをかけている。
ライヴ盤のほうは75~77年の音源が収録されていて、「Pistol」「Crazy Dream」「かがやき」など後のフリクションの重要レパートリーが既に演奏されているのが興味深い。サウンドはさらに早急なビートになっており、パンクに接近しているのがわかる。またヴェルヴェットアンダーグラウンドとキンクスのカバーも入っているが、30年経った現在数度ライヴを行なったHead Rush(=Reck,灰野敬二,Pill)でも両者のカバーを演奏していた。三つ子の魂百まで、である。
77年3月にReckとヒゲがNYへ行ってしまったために3/3は解散するが、ヒゴヒロシとAndoはミラーズを結成。NYから戻ったReckとヒゲはフリクションを結成し、東京ロッカーズの中心バンドとして日本のロックシーンを震撼させることになる。
この3/3のアルバムは単なるプレ・フリクションではなく、単体で日本のロック史に残るべき名作だと言えるだろう。
ディスク○ニオンで買うとLPの復刻ジャケットが特典で付いてきます。
コメント (1)
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