A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

八十八ヶ所巡礼/パチパチ@東京キネマ倶楽部 2014.12.14(sun)

2014年12月16日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


八十八ヶ所巡礼
one man LIVE―攻撃的国民的音楽―
OP ACT:パチパチ(G:KENZOOOOO B:Katzuya Shimizu Dr:Margarette Hiroi)


気がつけば今年3回目の八八ワンマン。しかも8,9,12と5ヶ月間に3回八八という致死量超え。十八女(さかり)のついた野獣(のけもの)じゃあるまいし、コレは一体何故?3年来の女子バン/きゃりー/あまちゃん/アイドル/でんぱ女子萌えの反動か?百合の跡には薔薇族が?妖怪ウォッチの影響はなさそうだが?いずれにせよこのハードコアな8Oi(やおい)トリオの魔力に参っていることは確かだ。2006.10.08結成/主犯Ba.マーガレット廣井/参謀Gt.Katzuya Shimizu/極道Dr.賢三という情報だけで素顔は謎に包まれる三人のライヴ・パフォーマンスの凄まじさは筆舌に尽くし難い。



楽器をシャッフルしての"BANDがしたい"気持ちの現れ「パチジュウパチカショジュンレイ」に続き、2度目のオープニングSE(Pharoah Sanders "The Creator Has A Master Plan")に導かれスタートした本編は、無駄なMCを排して150分ノンストップ、観客の存在を忘れて気狂い拍子の応酬に興じる新曲を含め、莫迦テク丸出しハードコアプログレサイケの霊気に目眩がした。某ナタリーや某BARKSのようにセトリを追ってMCを書き起こしてどれもおんなじ観てきたようなライヴレポを書いても意味がないので、3年半に及ぶ筆者の八八体験からのコピペで対抗するとしよう。



吉田達也+中林キララ/八十八ヶ所巡礼/豊川座敷etc.@東高円寺UFL CLUB 2011.7.22(fri)
4番目は八十八ヶ所巡礼。ゆら帝や嘘つきバービーのコミュに必ず名前が出てきて気になる存在だった。YouTubeのPVは妖怪メロディーにプログレとヘヴィメタルが絡み付く世界が面白く、ライヴを楽しみにしていた。これが凄く楽しかった。B&Vo.のマーガレット廣井氏は女物のドレスの中性的ルックスでお酒の一升瓶を飲みながら演奏。ギターのKatzuya Shimizu氏は80年代のジャパメタ風ルックスでライトハンド奏法を駆使して超絶技巧を披露。サングラスを外すと結構イケメン。ドラムの賢三氏は坊主頭に上半身裸。3人ともキャラが立っていて、曲もいい。特にハードロック/ヘヴィメタ・ギターにはキッス、エアロスミス、ヴァン・ヘイレンなどで育った私の感性を無性に惹き付けるものがある。曲調は嘘つきバービーに酷似しているがこのギターの存在感は唯一無二。要注目のバンドだ。物販で最新2曲入りCDを購入。でもこのバンドはやっぱりライヴ命だね。



ネモトラボルタ/八十八ヶ所巡礼@下北沢CLUB Que 2011.7.28(thu)
続いて八十八ヶ所巡礼。女の子達が一斉に前へ押し寄せる。私はギターのKazuya Shimizu氏の真ん前で、髪を靡かせるために愛用する扇風機をしっかり確認した。女子の人気はVo&Bのマーガレット廣井氏。UFO CLUBの時と同様に女性と見間違えるような髪型とドレスに一升瓶を抱えて登場。再び観た感想は、とてもハードロック的であること、それを牽引するのは賢三氏のパワフルなドラムとマーガレット氏のヘヴィーなリフ、そして何よりもShimizu氏の馬鹿テク・ギターである。それがただのヘヴィメタ/ハードロックにならないのはテンポ・チェンジの目まぐるしい曲展開とマーガレット氏の独特な世界観を持ったヴォーカルである。アンコールも含め60分、涅槃のロック世界に遊んだ。このバンドはメンバーは素顔をあまり見せないし、ローディーや物販スタッフもいて、将来のブレイクを期待させる存在だ。もっとギター小僧にアピールしてもいいと思う。



八十八ヶ所巡礼/東京カランコロン/SEBASTIAN X他@渋谷クラブクアトロ 2011.9.27(tue)
トリにこの日の主役、八十八ヶ所巡礼。彼らを観るのは3回目。今までの2回は圧倒的に女子のファンが多かったのだが、この日は最前列こそ背の低い女の子の列だがフロアの前半分は圧倒的に欲求不満の(?)男子。のっけから激しいモッシュが巻き起こる。確かに八十八ヶ所のサウンドはプログレ・ハード・ロックで暴れるには最適だ。特にドラムス賢三氏のパワフルな爆音がモッシュ・ボーイズを熱狂させる。"日本版スティーヴ・ヴァイ"のKatzuya Shimizu氏がステージ前に出て驚異的なテクニックのギター・ソロを聴かせると無数の拳が宙に振り上げられる。マーガレット氏はいつものように一升瓶片手にドレス姿で激しくベースを叩き弾く。途中で弦が切れるアクシデントも。背の高いベース・アンプによじ登ること2回。信じられない狂乱のステージに、前に出たバンドのことが頭から吹き飛んでしまう。前回の下北沢Club Queの時私はShimizu氏の真ん前で観ていたのだがこれほど激しい混乱は起こらず平和なライヴだった。クラブクアトロというハコのせいか、2ndアルバムが野郎どもの心を掴んだのか、いずれにせよステージ最前列で観るのは危険なバンドになってしまった。アンコールを含め1時間に亘るステージは変態衒学スラッシュ・メタルとでも呼べる素晴らしいものであった。3人のそれぞれ違った個性(「主犯格」「参謀と演技指導」「極道と含み笑い」)が見事なトライアングルを成しており、プロレス的なショーとしても面白い。



八十八ヶ所巡礼/下山/オワリカラ他@下北沢Basement Bar 2011.10.24(mon)
八十八ヶ所巡礼が登場すると前列を固めた女の子たちから歓声が沸き上がる。「PALAMA・JIPANG」からスタート。いつも通りの妖怪プログレ・ハードロックが展開され、曲によってはモッシュが起こる。途中でマーガレット廣井氏のベースの音が出なくなるというハプニングはあったが、さすがに上手い。しかしある意味予定調和的な世界は安心印ではあるが意外性やスリルに欠けるのも確か。ハードロックやプログレの宿命である様式美を打ち破ってくれることを期待したい。



ロリータ18号/八十八ヶ所巡礼/Droog@下北沢 CLUB Que 2012.9.18 (tue)
Droogが終わると後列で眺めていた女子が一斉にステージ前に移動する。1年前は男女半々だった八十八ヶ所巡礼のファンが圧倒的に女子中心になっていて驚いた。新作「○△□」を出してからのライヴは初めて。新作を出してもあまりメディアには登場していないのにこの人気沸騰ぶりは凄い。クチコミとライヴだけでやってきた稀有なバンドである。楽曲/演奏が他のバンドと一線を画しているのは彼らのPVを観れば一目瞭然だ。私は”妖怪プログレ・ハードロック”と呼んでいるのだが仏教や霊界をテーマにした個性的な歌詞と超絶変態ギターを武器にした異能サウンドは、寺山修司のアングラ風味、三島由紀夫の武士道精神、夢野久作のドグラマグラの21世紀的展開といえる。敢えていえば筋肉少女帯、人間椅子、ゆらゆら帝国の流れを受け継いでいる。しかしそのどれとも違う非日常世界が八八の持ち味である。マーガレット廣井氏はMCで「親孝行バンド八十八ヶ所巡礼です」「愛国心はありますか、貴様ら」と言ったり君が代」を歌ったりするが、この道徳心/愛国心がマジなのかパロディなのか謎なのも興味深い。新曲も完璧な演奏、最後はKazuya Shimizu氏がギターをお尻で弾くという技を見せた。



八十八ヶ所巡礼@渋谷クラブクアトロ 2012.10.12 (fri)
15分押しで客電が消えると大歓声と共にアリーナの客が前方へ押し寄せる。「○△□」の一曲目「某WNO夜」からスタート。Katzuya Shimizu氏のバカテク・ギター、賢三氏のハードコア・ドラム、マーガレット廣井氏の唸るベースと浮き浮きヴォーカル。激しいビートに前列は最初からモッシュ状態。「欲望愛好家の楽園へようこそ」というMCで「PALAMA・JIPANG」「仏滅トリシュナー」と人気ナンバーに突入。Shimizu氏がステージ前方で短い早弾きフレーズを聴かせ客の歓声を引き出すヘビメタ・パロディ的演出も楽しい。MCは殆どなく次々とハード&ヘヴィス&ストレンジなナンバーを連発。観客は絶え間ないテンポチェンジも気にせず腕を振り上げてジャンプしまくる。5年くらい前、吉田達也氏を中心に磨崖仏レーベルのプログレ/前衛バンドが集まり「変拍子で踊ろう」というイベントをやっていたが、この子供達はいとも簡単に無意識に変拍子でダンスしているのだから驚きだ。



八十八ヶ所巡礼@下北沢 CLUB Que 2012.12.7 (fri)
CLUB Queのキャパは280人。二日間で560人。観客は圧倒的に20代の若者である。ヴィレヴァン常連風のサブカルっぽい男女が多い。下北沢は八八のホームグラウンドでもあり、高円寺を中心とする中央線文化とはひと味違う洗練された香りがある。左のマーガレット廣井側に女子が、右手のKatzuya Shimizu側にギター小僧らしき野郎共が集中する"右高左低"型。これは新生不失者と同じ構図である。ギターソロでShimizuが前方に出てくると観客が腕を上げて歓声を上げ、それに応えてShimizuもメタルギターヒーロー宜しくエビ反りや歯弾き・背中弾きなどトリッキーな奏法で煽る。激しいビートはギターもベースも必要以上にクネクネ動き回り変拍子を多用した複雑なものだが客はモッシュで盛り上がりっぱなし。新曲を2曲披露した。一聴して八八とわかる変態ナンバー。前方はかなり熱くなっており、普段あまりMCをしないマーガレットが「真ん中の方の女子たち辛くないかい?」と気遣う場面も。アンコールを含めて110分のステージだったがそこで鳴らされた音数は普通のロック・バンドの倍の高密度の濃厚な演奏だった。演奏力では今の若手の中でも群を抜いて優れていることは間違いない。このブログでもライヴ・スケジュールを告知するので是非ライヴを体験することをおススメする。

3年半
共に歩んだ
八十八歩



コレ以降今年2014年の記事は下記をご覧下され。
八十八ヶ所巡礼@新宿LOFT 2014.8.18(mon)
八十八ヶ所巡礼@下北沢CLUB Que 2014.9.30(tue)
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