A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【このCD2014①】『青木智幸/望月治孝 - Tomoyuki Aoki / Harutaka Mochizuki』

2014年12月25日 05時08分15秒 | 素晴らしき変態音楽


このCD2014①
『青木智幸/望月治孝 - Tomoyuki Aoki / Harutaka Mochizuki』

自主制作 限定 200部 / ¥2,000
Electric Guitar, Vocal-Aoki
Alto Saxophone, Vocal-Mochizuki

1 交わらぬ二重
2 私信-哀歌
3 断章
4 断章
5 長いお別れ
6 跳躍へのレッスン I
7 跳躍へのレッスン II
8 跳躍へのレッスン III
9 なぜぼくの手が

Track1,5-Music:Composed By Tomoyuki Aoki / Lylics: Tomoyuki Aoki
Track9-Music:Harutaka Mochizuki / Lylics: From Nobuo Ayukawa(なぜ僕の手が)
Track1,3,4,6,7,8-Improvisation

Recorded In Early Spring 2014 At A.B.U. Studio, Hamamatsu

録音・編集:青木智幸
ライナーノーツ:袴田浩之
写真撮影:ema
デザイン:望月治孝



2014年も相変わらずライヴ現場には足繁く通っているし、自宅や職場などで音楽を聴く時間にも変化はないが、CDを買う頻度はずいぶん減った。かといってダウンロードやYouTubeで満足しているわけではない。簡単に言えばCDという形態に魅力を感じないのだ。CD-Rとして複製可能/パソコンに取り込んでしまえば用済み/せっかく買ってもすぐにリマスターや未発表トラック追加や廉価盤で面替。同世代以上の音楽愛好家なら恐らく誰もが感じていることだろうが、CDでは蒐集の悦びを得ることはできない。だからアナログ・レコードに回帰しているのだ。購入するのはもっぱら中古レコードや過去音源のアナログ復刻盤が中心。新録新譜は、アナログ盤が出なければ、よほどのことがない限り購入する気にはならない、というのが正直なところ。



そんな中で、CD/アナログとは無関係に、筆者の心をもっとも激しく揺さぶったのが、静岡をベースに活動する不屈の精神を持つ二人の音楽家の共演CDだった。サックス奏者の望月治孝については、アナログ盤のみのソロ・アルバム『PAS[パ]』のレビューで詳しく書いたので、ギタリスト&シンガーの青木智幸について述べておこう。1992年に静岡県浜松市でロック・バンド「UP-TIGHT」を結成。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、裸のラリーズ、アモン・デュールといった暗黒地下ロックを継承するダークな情念と轟音ギターで異彩を放ち、日本はもちろん海外でも高い評価を得る。それ以来20年以上に亘り浜松をベースに独自の世界を貫く、世界的にも稀有な音楽家である。音楽性や演奏スタイルはジャンルに囚われず、ロック、サイケデリック、アシッドフォーク、即興、ノイズ、アンビエントなど多様な要素と交錯するが、核にあるのはロックへの「信念」に違いない。



「孤」として存在する望月と、「信念」を貫く青木による、比類なき「個」と「個」のエンカウンターは、単なる音楽と云うよりひとつの「思想」と呼ぶべきかもしれない。時代や社会の流れとは関係なく、「表現行為」とは確固たる思想性を創造することによってのみ、歴史を超越することが可能になるのであろう。


【Disc Review】望月治孝 『PAS (パ)』~「孤」の存在と「個」の否在の隙間に鳴る音界

問い合わせ:
UP-TIGHT公式サイト
望月治孝公式サイト

君は夜
夜は魂
魂は僕

The Night Is Yours

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする