クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

09-04 No.32-1

2009年04月24日 14時19分21秒 | Weblog
<Channel Classics>
CCSSA 28109(SACD-Hybrid) 2枚組 \3380
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ全集Vol.7&8 ――
Vol.7
アレグロ変ロ長調K.372(ヴァイオリン・ソナタ第31番変ロ長調K.372)
フランスの歌《ああ、私は恋人をなくした》による6つの変奏曲ト短調
K.374b
ヴァイオリン・ソナタ第11番変ホ長調K.26/幻想曲ハ短調K.396/
フランスの歌《羊飼いの娘セリメーヌ》による12の変奏曲ト長調K.374a
Vol.8
ロンドン・ソナタ集* ――
ヴァイオリン・ソナタ第5番変ロ長調K.10
ヴァイオリン・ソナタ第6番ト長調K.11
ヴァイオリン・ソナタ第7番イ長調K.12
ヴァイオリン・ソナタ第8番ヘ長調K.13
ヴァイオリン・ソナタ第9番ハ長調K.14
ヴァイオリン・ソナタ第10番変ロ長調K.15
レイチェル・ポッジャー(ヴァイオリン)、
ゲイリー・クーパー(フォルテピアノ)、
アリソン・マクギリヴレイ(チェロ)*
"Vol.7"には、1766年2月にハーグで作曲された"ハーグ・ソナタ"からの「ソ
ナタ第11番」、1781年-82年に作曲された「2つの変奏曲」、そして「幻想曲」
や「アレグロ」など当初はソナタとして作曲されながらも楽章のみが残る形
となった"未完のソナタ"を収録しており、初期と後期の作品からモーツァル
トの個性と発展が浮かび上がる。
最終巻となる"Vol.8"に収録されたのは、ロンドンに滞在していた8歳の神童
モーツァルトが1764年に完成させた「ロンドン・ソナタ集」。
新モーツァルト全集には"ピアノ三重奏曲"として分類されている「ロンドン
・ソナタ集」のチェロ・パートには、イングリッシュ・コンソートの首席
チェリストとして活躍する女流奏者アリソン・マクギリヴレイが参加。
ポッジャーとその演奏をさせるクーパー、二人が信頼を寄せるマクギリヴレ
イによるトリオが、8歳の神童モーツァルトの超人的な才能を最上の演奏で
実証してくれる!
楽器は"Vol.1"-"Vol.6"までと同じく、ポッジャーがジェノヴァのペザリニ
ウス1739年製のバロック・ヴァイオリン、クーパーはデレック・アドラムが
1987年に製作した"アントン・ワルター(1795)"のレプリカ(Vol.7)を使用。
また「ロンドン・ソナタ集」では、クーパーが名工ジェイコブ・カークマン
によって1766年に製作されたチェンバロを弾いており、作曲当時の楽器で神
童の音楽を追求するという熱意と探究心が壮大なプロジェクトを締めくくる。





<Melodiya>
MELCD 1001446 \1880
レナータ・スコット・イン・モスクワ ――
ベッリーニ:
歌劇《カプレーティ家とモンテッキ家》より ジュリエットのロマンス、
歌劇《夢遊病の女》より アミーナの情景とアリア
ドニゼッティ:歌劇《愛の妙薬》第2幕より アディーナのアリア
ヴェルディ:
歌劇《椿姫》第4幕より ヴィオレッタのアリア、歌劇《リゴレット》第2幕
より ギルダのアリア、歌劇《椿姫》第1幕より ヴィオレッタの情景とアリ
ア、歌劇《ボエーム》第3幕より ミミのアリエッタ、歌劇《蝶々夫人》
第2幕より 蝶々夫人のアリア
トスティ:かわいい口もと
ロッシーニ:タランテラ
プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》より ラウレッタのアリエッタ
レナータ・スコット(ソプラノ)、アントニオ・トニーニ(ピアノ)
1964年秋、ミラノ・スカラ座がモスクワに引越公演を行った際に開催された
レナータ・スコットのリサイタルは、十八番のオール・イタリアン・プログ
ラム。
METへのデビューを翌年に控えた30歳のレナータ・スコットがモスクワの秋
空に響かせた美しき歌声。メロディアから初CD化となる1964年の貴重な記録
である。
1964年、モスクワ音楽院ボリショイ・ホールでのライヴ録音。ディジパック
仕様。

MELCD 1001089 \1880
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2(録音:1965年)
同第8番ハ短調Op.13《悲愴》(録音:1976年)
同第17番ニ短調Op.31-2《テンペスト》(録音:1959年)
レフ・ヴラセンコ(ピアノ)
グルジアの首都トビリシ出身のレフ・ヴラセンコ(1928-1996)は、1956年の
フランツ・リスト・ピアノ・コンクール第1位、1958年の第1回チャイコフス
キー国際コンクールではクライバーンに次ぐ第2位を獲得。
1991年にはソ連国家芸術家の称号を与えられ、モスクワ音楽院でプレトニョ
フを育てた名教師としても知られている。1959年-1976年の録音。ディジパッ
ク仕様。

MELCD 1000770 6枚組 \9450
ムラヴィンスキー・エディション-ショスタコーヴィチ:交響曲選集 ――
交響曲第5番ニ短調Op.47《革命》(録音:1954年4月24日)
オラトリオ《森の歌》(録音:1949年)*
交響曲第7番ハ長調Op.60《レニングラード》(録音:1953年)
同第6番ロ短調Op.54(録音:1972年1月27日)
同第10番ホ短調Op.93(録音:1976年3月31日)
同第11番ト短調Op.103《1905年》(録音:1959年2月2日)
同第12番ニ短調Op.112《1917年》(録音:1961年10月)
同第15番イ長調Op.141(録音:1965年5月26日)
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)、
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団、
ヴィタリ・キリチェフスキー(テノール)*、イワン・ペトロフ(バス)*、
ソヴィエト国立アカデミー・ロシア合唱団*、
モスクワ国立合唱学校少年合唱団*、ソビエト国立交響楽団*
ムラヴィンスキーの生誕100年を記念してリリースされたショスタコーヴィ
チの交響曲選集。
突き刺さるようなトランペット、鋼のような弦楽セクション、演奏からビシ
ビシと伝わる研ぎ澄まされた集中力。ああ、これぞムラヴィンスキーとレニ
ングラード・フィルのショスタコーヴィチ。
1949年-1976年の録音(ADD、Stereo/Mono)、24bitデジタル・リマスター。
ジュエルケースによるスリップケース付きBOX仕様。



<Hyperion>
CDA 67683 2枚組 \4360
バッハ・ピアノ・トランスクリプションズVol.7-
レーガー・トランスクリプション全集 ――
J・S・バッハ(レーガー編):
前奏曲とフーガ ニ長調BWV.532/コラール《ああ人よ、汝の大きな罪を嘆け》
BWV.622/コラール《アダムの堕落によってみな朽ちぬ》BWV.637/コラール
《ああ、いかにはかなき、いかに空しき》BWV.644/コラール《いざもろびと、
神に感謝せよ》BWV.657/コラール《われ心から待ち望む(Herzlich tut mich
verlangen》BWV.727/コラール《われ汝の御座の前に進みいで》BWV.668/
コラール《われ汝に別れを告げん》BWV.736/コラール《いまぞわれらに救い
は来れり》BWV.638/コラール《愛しきイエスよ、われらはここに》BWV.730/
コラール《高き御空よりわれは来れり》BWV.606/前奏曲とフーガ変ホ長調
《聖アン》BWV.552/前奏曲とフーガ ホ短調《楔》BWV.548/
パッヘルベル(レーガー編):
キリストは死の絆につきたまえり/コラール《われ汝に呼ばわる、主イエス・
キリストよ》BWV.639/コラール《バビロンの流れのほとりに》BWV.653b/コ
ラール《来ませ、聖霊、主なる神よ》BWV.651/コラール《おお愛する魂よ、
装いせよ》BWV.654/コラール《古き年は過ぎ去りぬ》BWV.614/トッカータと
フーガ ニ短調BWV.565
マルクス・ベッカー(ピアノ)
デミジェンコの弾くブゾーニ編曲(Vol.1/CDA 66566)から着実に歩みを続けて
きた"バッハ・ピアノ・トランスクリプションズ"の第7集は、"ドイツ3大B"の継
承者マックス・レーガー(1873-1916)のトランスクリプション全曲!
"絶対音楽"の信奉者として"ドイツ3大B"の後継者という立場を強く意識し、その
作風によって当時の人々からは"現代のバッハ"、"第2のバッハ"とも称されたレ
ーガー。その膨大な作品の中で最も名声を勝ち得た"オルガン作品"が、第7集の
重要なキーワードとなっている。なぜならば、ここ収録されているレーガーの
バッハ・トランスクリプションの原曲は、なんと全てがオルガン作品。
このレーガーによる20曲のバッハ・ピアノ・トランスクリプションとは、J・S・
バッハのオルガン作品と、オルガンを得意とした自身の作曲技法をシンクロさ
せることによりたどり着いたバッハの音楽に対するレーガーの1つの結論なので
ある。
ラソ♯ラと半音で動く「トッカータとフーガ ニ短調」冒頭のモルデントや、ま
るで最初からピアノのために書かれたのではないかと思わせる数々のオルガン・
コラールなど、レーガーのマジックにゾクゾクさせられる。
デミジェンコ、レーン、プロウライト、ロスコーなど、ピアノ王国ハイペリオン
が誇る錚々たるピアニストたち続くのは、レーガーのピアノ作品全曲を制覇した
"マックス・レーガーの化身"マルクス・ベッカーという最上のキャスティング。
RPCシリーズ第47集(CDA 67636)の驚異的な演奏で鮮烈な印象を与えたドイツの若
き鬼神が、文字通りその手でレーガーのトランスクリプションの音楽史におけ
る重要性を全世界に示す!

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09-04 No.32-2

2009年04月24日 14時18分47秒 | Weblog
CDA 67721 \2180
ヒンデミット:ヴィオラのための作品全集Vol.1 ――
ヴィオラ・ソナタ(1939)/ヴィオラ・ソナタ ヘ長調Op.11-4
ヴィオラ・ソナタOp.25-4/瞑想曲
ローレンス・パワー(ピアノ)、
サイモン・クロフォード=フィリップス(ピアノ)
ウォルトンのヴィオラ協奏曲(CDA 67587)やボーウェンのヴィオラ作品全集(CDA
67651/2)などでの圧巻の演奏により、若手有望株から一気に英国随一のヴィオラ
奏者にまで飛躍を遂げたローレンス・パワーの新たなシリーズ"ヒンデミット"の
ヴィオラ作品全集がスタート!
モダンな作風がナチスの標的となり退廃音楽の烙印を押されるなど、20世紀ドイ
ツを代表する作曲家でありながらも一部の作品を除き過小評価されてきたヒンデ
ミット。
多くの楽器のために書かれた「ソナタ」は、「画家マティス」などと同じく現代
でも揺るぎない評価を得ている品でヒンデミットの代表作である。
この器楽のための"ソナタ"の中でも、自身がヴィオラ奏者でもあったヒンデミッ
トの"ヴィオラ・ソナタ"の完成度は突出しており、大規模な作品とはまた違った
魅力がヒンデミットに対するイメージを劇的に広げてくれる。

CDA 67728 \2180
ラヴェル:歌曲集 ――
歌曲集《博物誌》/ロンサールここに眠る/ドゥルシネア姫に思いを寄せるド
ン・キホーテ/暗く果てしない眠り/激しい風が海のかなたから/草の上で/
民謡集/おもちゃのクリスマス/クレマン・マロの2つの碑銘/5つのギリシャ
民謡/2つのヘブライの歌
ジェラルド・フィンリー(バリトン)、
ジュリアス・ドレイク(ピアノ)
バーバーの歌曲集(CDA 67528)が2008年グラモフォン賞声楽部門賞に輝き、アイ
ヴズの歌曲集(CDA 67644)も同時ノミネートされるなど、目下絶好調の世界的バ
リトン歌手ジェラルド・フィンリーが、ジュリアス・ドレイクとの名コンビで
贈る"ラヴェル"の歌曲集。
師であるフォーレにもカルチャーショックを与え、論争を巻き起こした傑作「博
物誌」や、伝承曲を題材とした「民謡集」や「5つのギリシャ民謡」など"ツボ"
を押さえた選曲もかなり魅力的。
巨匠ハイティンクからは厚い信頼を受け、レコーディングではバーバーやアイヴ
ズ、シューマンなどの様々な歌曲を録音してきたフィンリーの歌声によって、一
味違うラヴェルの音楽が空間いっぱいに広がる。
ハイペリオンの歌曲集への世界的評価は絶大なだけに、このラヴェル歌曲集への
期待も高まる。

CDA 67745 \2180
ベートーヴェン:
弦楽五重奏曲ハ短調Op.104/二重奏曲変ホ長調-2つのオブリガート眼鏡を持つ
WoO.32/ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.16
ナッシュ・アンサンブル〔マリアンネ・トールセン(ヴァイオリン)、マリン・
ブロマン(ヴァイオリン)、ローレンス・パワー(ヴィオラ)、 フィリップ・デュ
ークス(ヴィオラ)、ポール・ワトキンス(チェロ)、イアン・ブラウン(ピアノ)〕
どんな時代のどんな編成の作品にも対応できる脅威のレパートリーと柔軟なスタ
イルを持ち、これまでに240曲を超える新作初演を行ってきたイギリスの超絶室
内楽団ナッシュ・アンサンブル。
楽聖の名作を取り上げてきたと思いきや、他人が編曲した「ピアノ三重奏曲
Op.1-3」にベートーヴェン自身がさらに手を加えて完成、出版したといういわく
付きの「弦楽五重奏曲ハ短調Op.104」、モーツァルトの作品から影響を受けて
作曲した「五重奏曲」を自ら四重奏に書き換えた「ピアノ四重奏曲変ホ長調
Op.16」というユニークな組み合わせで勝負をかけてきた!
ベートーヴェンの"作品"でありながらも、本来の姿とは少し違う"作品"。申し分
のない演奏と録音、ユニークなカップリングは室内楽ファン聴き逃すべからず。

CDA 67708 \2180
ジャクソン:合唱作品集 ――
朝まで/ソング/チェチーリア・ヴァーゴ/オルビス・パトラトル・オプティ
ム/アヴェ・マリア/三位一体の賛歌/ノット・ノー・フェイスレス・エンジェ
ル/おお、聖なる宴よ/ルクス・モルトゥオールム/サルヴェ・レジナ/サル
ヴェ・レジナII
スティーヴン・レイトン(指揮)、ポリフォニー
ガブリエル・ジャクソン(1962-)は、北大西洋の英国領バミューダ諸島生まれの
イギリス人作曲家。
ジャクソンの合唱作品は、イギリスの大聖堂聖歌隊や大学の合唱団によって続々
と歌われており、ここ日本でもチルコットやローリゼン(ラウリッドソン)などに
続く作曲家として注目を集めている。
中世の作曲技法やアイディアをリスペクトし、チューダー朝時代の音楽に通ずる
部分を持つジャクソンの合唱作品を、レイトン&ポリフォニーの英国黄金コンビ
が歌った決定盤!歌声はもちろんのこと、合唱の新しいレパートリー探しにも
重宝すること間違いなし。

CDA 67722 2枚組(1枚価格) \2180
ハイドン:弦楽四重奏曲集Op.17 ――
弦楽四重奏曲第28番ハ短調Op.17-4/同第27番変ホ長調Op.17-3/同第26番ヘ長調
Op.17-2/同第25番ホ長調Op.17-1/同第29番ト長調Op.17-5/同第30番ニ長調
Op.17-6
ロンドン・ハイドン弦楽四重奏団
ガット弦とバロック弓の使用を特徴としているロンドン・ハイドン弦楽四重奏団
は、18世紀オーケストラの名奏者ホープリッチとのモーツァルト&ブラームス
(GCD 920607)、ハイペリオンからのリリース第1弾「弦楽四重奏曲集Op.9」
(CDA 67611)での新鮮な演奏が好評価を受けたイギリスの若手奏者たちによるア
ンサンブル。
ハイドンの「弦楽四重奏曲集Op.17」は、エステルハージ家の楽長時代(1771年)
に作曲された6曲で構成される作品集。
ロンドン・ハイドン弦楽四重奏団は作曲当時のスタイルによる演奏を追求して
おり、ダイナミクスやアーティキュレーションの指示が異なる1774年頃出版の
ロンドン・エディションを使用しているところもポイント。




<Helios>
CDH 55343 \1280
マッケンジー:
ヴァイオリン協奏曲嬰ハ短調Op.32/ヴァイオリンと管弦楽のための組曲《ピー
ブロック》Op.42
マルコム・スチュワート(ヴァイオリン)、
ヴァーノン・ハンドリー(指揮)、デイヴィッド・デイヴィス(指揮)、
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
後期ロマン派のスコットランド人作曲家アレグザンダー・マッケンジー
(1847-1935)の"ヴァイオリン"を主役とした2つの作品をカップリング。
スコットランド人としての誇りを持ち続けたマッケンジーの音楽は、祖国の民
謡をルーツとする美しく雄大な作風を持つ。ヴァイオリン協奏曲もピアノ協奏
曲(CDA 67023)に勝るとも劣らぬマッケンジーの代表作である。
CDA 66975からの移行再発売。

CDH 55357 \1280
ペニャローサ:モテット全集 ――
玄関と祭壇の間で/あなたの慈しみを/主よ、思い出したもうことなかれ/我が
竪琴は悲しみに/主よ、わが行いに従いて/アドロ・テ/アヴェ・ヴェルム・
コルプス/われは黒けれど、美し/聖なるマリア/ユニカ・エスト・コロンバ・
メア/アヴェ、ヴェラ・カロ・クリスティ/アヴェ・ヴェレ・サンギス・ドミ
ニ/イン・パッショーネ・ポシトゥス/私は祈り/我らの父/幸いなるかな、
天の后/聖なるみ母よ、十字架に/オ・ドミナ・サンクティッシマ/我ら無知
なる罪を義にあらため/デウス、クイ・マヌス・トゥアス/おお主イエス・キ
リスト/トランセウンテ・ドミネ・イエス
ブルーノ・ターナー(指揮)、プロ・カンティオーネ・アンティクァ
モラレスが台頭する前のスペイン・ルネサンスを支えた作曲家フランシスコ・
デ・ペニャローサのモテット全曲を収録。
ジョスカンの作品とされてきたモテットが実はペニャローサの作品だったとい
うエピソードが、その実力の全てを代弁している。
CDA 66574からの移行再発売。




<APR>
APR 5669 \1880
20世紀中期のロシア・ピアニズム-スビャトスラフ・リヒテル ――
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調D.845(録音:1957年3月、モスクワ)
同第17番ニ長調D.850(録音:1956年8月、モスクワ)
即興曲変ホ長調D.899-2(録音:1950年、モスクワ)
スビャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
ロシア・ピアニズムの歴史をたどる"APR"の重要シリーズ"ロシアン・ピアノ・
トラディション-20世紀中期のロシア・ピアニズム"。
これまでにネイガウス自身、ギレリス、ザークの録音がリリースされてきた"ネ
イガウス(ノイハウス)・スクール"の続編はリヒテルのオール・シューベルト。
リヒテルが国外進出を始めた1950年頃に収録されたシューベルトの復刻である。

APR 5668 \1880
20世紀中期のロシア・ピアニズム-レフ・オボーリン ――
ベートーヴェン:
6つのエコセーズ変ホ長調WoO.83(録音:1930年頃、モスクワ)、
ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2(録音:1957年頃、モスクワ)
ショパン:
12の練習曲Op.25より 第14番ヘ短調Op.25-2、第15番ヘ長調Op.25-3、
第17番ホ短調Op.25-5(録音:1943年頃、モスクワ)、
マズルカ第30番ト長調Op.50-1(録音:1951年頃、モスクワ)、
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58(録音:1951年、モスクワ)
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調S.244-2(録音:1942年頃、モスクワ)
チャイコフスキー:
四季Op.37bisより 6月-舟歌、11月-トロイカ、12月-クリスマス(録音:1952年頃、
モスクワ)
レフ・オボーリン(ピアノ)
リヒテルと同じく"ラフマニノフのピアノ協奏曲-ロシアでの初録音集"(APR 6005)
には登場していたものの、単独での録音が待たれていたレフ・オボーリンが"イ
グムノフ・スクール"の続編として登場。
第1回ショパン国際コンクールの優勝者であると同時に、アシュケナージらを輩
出した名教師でもあったオボーリン。ショパン・コンクール優勝から数年後の
1930年頃に録音されたベートーヴェンなど、若かりし日の演奏の復刻も意義深
い。

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09-04 No.31-1

2009年04月24日 14時18分20秒 | Weblog
<GEGA NEW>
GD340 \1850
ニコライ・ロスラヴェッツ(1881-1944):
ヴァイオリンとピアノのための小品集
朝の雰囲気*/夢*/エレジー*/3つの詩曲*/3つの舞曲/ポエム・ロマン
ティク*/夜想曲*/伝説*/24の前奏曲より(第4、9、11、12、17、20、24番)
(*印は世界初録音)
スチュアート・イヴァノフ・デュオ:【カロリン・スチュアート(Vn)、
スヴェトザール・イヴァノフ(Pf)】
2009年
ロシア・アヴァンギャルドの代表的作曲家ロスラヴェッツが生涯に渡って作
曲したヴァイオリン作品をまとめたもの。未出版・世界初録音作品多数。ロ
スラヴェッツの創作変遷のプロセスはスクリャービンのそれと重なる所が多
い。すなわち後期ロマン派の影響に始まり次第に独自の無調様式に至るのだ
が、その過程でシマノフスキ、印象派からの影響を見せる。初期の《朝の雰
囲気》、《夢》、《エレジー》などはグラズノフ、ブラームスあたりを思わ
せる叙情的小品。次の《3つの詩曲》で大きく変わり(前3曲との年代の差は
たった1年)、拡大された調性とでもいおうか、スクリャービン、シマノフス
キを思わせ、無調まであと一歩というところ。そして《3つの舞曲》では既
に独自の様式を確立している。しかし様式は変われど基本的に彼の音楽は
薄明のなかで、どこへ向かうとも知れず、うねり、たゆたい、ひたすらフェ
ティッシュなエクスタシーを歌い続ける。

GD254 \1850
「ロシア音楽の名曲集」
ハチャトリアン:剣の舞/
チャイコフスキー:《眠れる森の美女》よりパノラマ、ワルツ
グリンカ:《ルスランとリュドミラ》序曲
プロコフィエフ:《3つのオレンジへの恋》より行進曲とスケルツォ
ボロディン:だったん人の踊り
チャイコフスキー:《白鳥の湖》よりワルツ、白鳥の踊り
R.コルサコフ:熊蜂の飛行
チャイコフスキー:
《胡桃割り人形》より小序曲、こんぺいとうの踊り、トレパーク
カバレフスキー:《道化師》よりギャロップ
ヴァシル・カザンディエフ指揮
ソフィア交響楽団
ソフィア交響楽団はブルガリア有数のオーケストラ。カザンディエフは廉価
盤シリーズでよく名前を見かけるブルガリアの指導的指揮者。

GD341 \1850
ヴァニア・ヴァトラロヴァ=スタンコフ/オペラ・アリア集
「清らかな女神よ」-ノルマより(ベッリーニ)、「あなたたちは泣いてるの?
私をお城に連れてって」-アンナ・ボレーナより(ドニゼッティ)、「花から
花へ」-椿姫より(ヴェルディ)、私の名前はミミ-ボエームより(プッチーニ)、
「何を恐れることがありましょう」-カルメンより(ビゼー)ほか全10曲
ヴァニア・ヴァトラロヴァ=スタンコフ(Sop)
ノエル・トレディニク指揮
ソフィア交響楽団
録音:2008年4月
ヴァトラヴァ=スタンコフはブルガリアの若手ソプラノでレナータ・スコッ
ト、ミレッラ・フレーニ、モンセラ・カバリエらの教えを受け、現在ヨーロ
ッパを中心に活動している。



<ELECT RECORD>
EDC836/845 10枚組 \14500
「ヴァレンティン・ゲオルギュー・80歳記念集大成」
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(録音:1969年)
(2)リスト:ピアノ協奏曲第1番(録音:1954年)
(3)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲(録音1952年)
(4)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番(1985年)、
(5)ベートーヴェン:合唱幻想曲(1985年)
(6)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》(1958年)
(7)シューベルト:さすらい人幻想曲(1958年)
(8)リスト:ロ短調ソナタ(1958年)
(9)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番(1987年)、
(10)シューベルト:即興曲より第2、3、4番(1980&1966年)
(11)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ《月光》(1966年)
(12)メンデルスゾーン:《無言歌》より8曲(1967年)
(13)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(1986年)
(14)モーツァルト:幻想曲 ニ短調(1963年)
(15)シューマン:ピアノ協奏曲(1985年)
(16)フランク:交響的変奏曲(録音年不明)
(17)グリーグ:ピアノ協奏曲(1986年)
(18)シューマン:幻想曲、子供の情景(1974年)
(19)ショパン:
アンダンテ・スピアナートと大ポロネーズ、ポロネーズ変イ長調、
夜想曲第5番(1966年)
(20)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(1985年)
(21)メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番(1963年)
(22)ウェーバー:小協奏曲(1963年)
(23)ショパン:ピアノ協奏曲第1番(1987年)
(24)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(1986年)
(25)パウル・コンスタンチネスク:ピアノ協奏曲(1987年)
(26)ヴァレンティン・ゲオルギュー:ピアノ協奏曲(1987年)
(27)メンデルスゾーン:《無言歌》より7曲(1980年)
ヴァレンティン・ゲオルギュー(Pf)
ヨシフ・コンタ指揮放送交響楽団(1.22)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮チェコ・フィル(2.3)
クリスティアン・マンデアル指揮クルジュ・ナポカ・フィル(4.9.13.17.24)
エミール・シモン指揮クルジュ・ナポカ・フィル(5.15.20.23.25.26)
リヒャルト・シューマッハー指揮放送交響楽団(16.21)
ヴァレンティン・ゲオルギューは1928年生まれのルーマニアの代表的なピア
ニストで幼い頃よりエネスコと親交があった。またクーベリック、ラトル、
マズア、小澤征爾ら数々の著名指揮者とも度々共演している。主にルーマニ
ア国内で活動していたため、国外にはあまり知られておりませんが、そのレ
ベルの高い演奏に隠れファンも多いようです。本CDでは1950年代から1980年
代の終わりごろまでのルーマニアにおける音源をCD化。まとめて紹介される
のはこれが初めて。またブックレットはルーマニア語のみ、となっておりま
す。

EDC860 \1850
「リメンバー・マドリガル1963-2008」
ゲオルゲ・バザヴァン:世界の歌/ミハイ・モルドヴァン:オバルシ
コルネリア・タウトゥ:民族的喜遊曲
ミリアム・マルベ:大地の渇きのための儀式
コルネリウ・セザール:炎と回転/アリエル・ラミレス:ミサ・クリオージャ
ペンデレツキ:スターバト・マーテル
マリン・コンスタンティン指揮
マドリガル室内合唱団
マドリガル室内合唱団は混声アカペラ合唱団。ペンデレツキの《スターバト
・マーテル》はクラスター状の音の持続が時に読経か声明のように聴こえる。
まさに混迷の今という時代にふさわしい歌。カレーラスが有名にしたラミレ
スの《ミサ・クリオージャ》をルーマニアの合唱団が歌っているのが面白い。
手を叩いたり叫んだりするモルドヴァンの《オバルシ》、打楽器の原始的な
リズムに乗せられて歌うタウトゥの《民族的喜遊曲》はまさにカルミナ・ブ
ラーナの世界。シャーマニズムの儀式か乱交パーティそのもののようなマル
ベの《大地の渇きのための儀式》など聴いていて飽きることがな



<NMC>
NMC D145 \1980
「ワイヤード」-ハープシコードとエレクトロニクスのための作品集
ポウル・ホイッティ:セブン・ページズ1/ジェームズ・ディロン:旋回音
ポウル・ディブリー:INVIII/ポウル・ニューランド:1-2
マイク・ヴォーン:イン・メモリアム/ポウル・ニューランド:3-4
ポウル・ディブリー:INVI
ソーラブ・ウドゥマン:秋の大地を吹き渡る吐息
サム・ヘイデン:火花/ポウル・フィッティ:セブン・ページズ2
ジェーン・チャップマン(Cemb)
録音:2007年
ハープシコード、またはそれに電子音響を加えた作品を集めた。電子音響は
ハープシコードの音をリアルタイムで加工するもの、予め制作された別種の
音響を同時に流すものありとアプローチも様々。ポウル・ホイッティのセブ
ン・ページズ1では弦を鳴らさずに鍵盤を上下させる時のガタガタするノイ
ズだけで構成するという思い切った作品。マイク・ヴォーンはほとんどエリ
オット・シャープばりにチェンバロがノイズ・ロック、パンク・ロックと化
す極めてアグレッシヴな大作。チャップマンはトン・コープマンに師事し、
レパートリーは17世紀から現代までと幅広く、イギリスの最もプログレッシ
ヴなハープシコード奏者と評されている。

NMC D143 \1450
(ANCORAシリーズ)
「ネガティヴ」-リチャード・バレット作品集
誰もが逃走を(チェロ独奏のための)
アース(トロンボーンと打楽器のための)
アナザー・ヘブンリー・デイ(クラリネット、エレクトリック・ギター、
ベースのための)
ネガティヴズ(6人の奏者のための)
写本I(6人の奏者のための)
エリション(アンサンブル):【F.ゴーワクリー(Vc)、D.バックリー(エレキG)、
K.ボアースマ(Db)ほか】
録音:1993-1993年
※Etceteraレーベルで出ていたもの
リチャード・バレットは1959年生まれでベルリンで作曲と電子音響を学んだ。
本盤では電子音響を使った作品はないが、音響の美学にその影響が感じられ
る。《アース》は原初的な打楽器のリズムにトロンボーンの唸るような響き
が、さながら古代の儀式を思わせる。《写本》Iでは一つの音の持続から次
第に激しくなってゆく音事象の変化が聴きもの。

NMC D150 4枚組 \5940
「NMC ソング・ブック」-NMCレコード創立20周年記念委嘱作品集
委嘱作曲家/J.アンダーソン、J.ディロン、サイモン・ホルト、藤倉大、
ジェームズ・マクミラン、M.フィニシー、P.M.デイヴィス、D.マシューズ、
ジョナサン・ハーヴェイ、ギャヴィン・ブライヤーズ、ジョン・ホワイト、
マーク=アンソニー・タネジ、ハリソン・バードウィッスル
ほか全110トラック
エリザベス・アサートン(S)、スーザン・ビックリー(MS)、
ジェイムズ・ボウマン(C-T)、マイケル・チャンス(C-T)、
ハウ・ワトキンス(Pf)ほか多数
制作:2009年
NMCレコードは創立20周年記念として短い歌曲をNMCに縁のある作曲家に委
嘱、若手からベテランまで、図らずも21世紀歌曲の壮大な万華鏡が出来上
がった。日本の藤倉大も参加している。ブライヤーズ(タイトルはなんと
《老人と海》!)、タネジ(ごく短い曲ながらユーモアと挑発にあふれてい
る)などの新作が聴けるのもうれしい。伴奏はピアノ、ハープ、打楽器、
チェンバロ、ギターとさまざま。

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09-04 No.31-2

2009年04月24日 14時17分47秒 | Weblog
<DIVINE ART>
DDA21212 2枚組 \3960
「スターバト・マーテル」-ハイドン作品集
(1)スターバト・マーテル
(2)交響曲第44番「悲しみ」
(3)ヴァイオリンとチェンバロ、弦楽のための協奏曲ホ短調
(4)リベラメ・ドミネ
アンリ=クロード・ファンタピエ指揮
レ・ソリスト・ド・パリ管弦楽団
(1)(4)A.M.ボンディ(Sop)、C.エーダー(MS)
A.ライヒャルト(T)、J.クラッティンガー(B)
A.ホイドロン(Org)、
フィリップ・カイヤール合唱団(ジャン・ブリディエ合唱指揮)
(3)ジャック・フランソワ・マンツォーネ(Vn)、フランソワーズ・プチ(Cemb)
録音:(1)(4)1978年3月、(2)(3)1964年
アンリ=クロード・ファンタピエはハイドンのスペシャリストとして知られてい
る。マルケヴィッチに指揮を、デュティーユに作曲を師事し、ブザンソン国際指
揮者コンクールに優勝している。優れた音楽学者でもあり、18世紀音楽の演奏に
は特に定評があった。学術的見識に基づきながらも瑞々しいハイドンである。

DDA21214 2枚組 \3960
チャールズ・エイヴィソン(1709-1770):トリオ・ソナタと鍵盤ソナタ集
(1)トリオ・ソナタOp.1(2つのヴァイオリンと低音のための6つのソナタ)
(2)ハープシコード・ソナタOp.8
(2つのヴァイオリンとチェロの伴奏付の6つのソナタ)
エイヴィソン・アンサンブル:
【P.ベズノシウク&C.ボルディング(Vn)、R.タニクリフ(Vc)、R.ハワース
(Cemb&Org)】
録音:2005年12月
エイヴィソン・アンサンブルによるエイヴィソン作品集第4集。今年生誕200年の
エイヴィソンは1709年、音楽家の両親のもとに生まれ、ロンドンでコレルリの弟
子であったジェミニアーニに師事した。そのためエイヴィソン古典派の時代の作
曲家だがイタリア・バロック音楽の影響が強い。トリオ・ソナタにヴァイオリン
とチェロの伴奏付のチェンバロ・ソナタという珍しい作品を収録。

DDA25052 \1980
「アメリカのピアノ・ソナタ」
エリオット・カーター:ソナタ
ミクロス・ローザ:ソナタ
エドワード・マクダウェル:ソナタ第4番《ケルト風》
ピーター・セイヴライト(Pf)
録音:2008年
昨年100歳を迎えいまだ現役のカーター:ピアノ・ソナタは1983年に発表されたも
ので作風は前衛色は影をひそめ、調性を感じさせる比較的穏健な佳曲。「ベン・
ハー」などの映画音楽で知られるローザはカーターと同世代。祖国の大作曲家バ
ルトークの影響を感じさせる。マクダウェルはアメリカのリストとも言うべきロ
マンティックな大作。

DDA25069 \1980
「春の川のほとりで」-近代イギリスのフルート音楽
ハミルトン・ハーティ:アイルランドにて
エドワード・ジャーマン:間奏曲
マイケル・ヘッド:春の川のほとりで
ウィリアム・オルウィン:ソナタ
ヘイヴロック・ネルソン:エイリー・チェリー、ベネズエラにて
トーマス・ダンヒル:ヴァルス・ファンタジア
ケネス・レイトン:フルート・ソナタ
スタンフォード・ロビンソン:月の乙女の踊り
ジャーマン:フルートとピアノのための組曲
ケネス・スミス(Fl)
ポール・ローデス(Pf)
録音:2007年
19世紀末から20世紀半ばまで活躍したイギリスの作曲家によるフルート音楽精
選。フランス音楽の影響を受けつつアイルランド民謡を思わせる親しみやすく、
どこか懐かしい小品がたくさん入っている。ケネス・スミスはニコレ、ゴール
ウェイらに師事、長年に渡りフィルハーモニア管の首席を勤めた。ソリストとし
てもシノーポリ、モーリス・アンドレらと共演し多くの録音がある。



<DIVERSIONS>
DDV24135 \1980
(1)ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲第2番《ロンドン交響曲》
(2)ウィリアム・マティアス(1934-92):ケルト舞曲集Op.60
オウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮
ウェールズ・ナショナル・ユース・オーケストラ
録音:2008年8月6日カーディフ
2006年に創立60周年を迎えた伝統あるユース・オケ、ウェールズ・ナショナル・
ユース・オーケストラの第2集。(第1集はエルガー:交響曲第2番、ホディノット:
任官の踊り、品番:DDA25045)。まずはヒューズ得意の「ロンドン交響曲」でぐい
ぐいオケを牽引。ヒューズはフィルハーモニア管と当作品を録音していた(ASV)。
次のマティアス(1934-1992)はヴォーン=ウィリアムズの次の世代の作曲家で、
《ケルト舞曲集》は色彩豊かな組曲。ヴォーン=ウィリアムズ、ウォルトンらの
影響を感じさせつつ、独自の抒情を確立している。聴いていると映画《ロード・
オブ・ザ・リング》《ナルニア国物語》の一場面が浮かんでくるのは、あなが
ち的外れな印象ではないだろう。

DDV24137 \1980
「カンティレーナ」-フルートとピアノのための音楽
J.S.バッハ:フルート・ソナタ第6番ホ長調BWV1035
サン=サーンス:ロマンス
プーランク:フルート・ソナタ
フランソワ・ボルン:カルメンによる華麗なる幻想曲
プロコフィエフ:フルート・ソナタOp.94
オディン・ボールドヴィンソン(Fl)
パトリシア・ロメロ(Pf)
録音:2007年
ボールドヴィンソンはバロックから20世紀音楽まで幅広いレパートリーを持って
おり、柔らかな音色が持ち味である。

DDV24139 \1980
「南風よ吹け」-イギリス北東部で歌い継がれている歌
ボビー・シャフト/古いタインマウスの断崖/
スティーム・ボート/南風よ吹け/他、全20曲
マーガレット・アシュトン(S)
ピーター・ハリソン(Fl)
レイチェル・グレイ(Vc)
ジョン・トレハーン(ピアノフォルテ)
録音:2006年、2008年
イギリス・ヴィクトリア朝時代(1837-1901年)に歌われていた民謡、町の流行歌
を集めた。素朴な調べから古きよきイギリスの街角の風景が見えるようだ。




<METIER>
MSV28504 \1850
ブライアン・ファーニホー:室内楽作品集
小雨(アンサンブルのための)
G.Sのためのトリプティーク(コントラバス独奏)
書き出し(ヴィオラと打楽器のための)
コロラトゥーラ(オーボエとピアノのための)
イン・ノミネa3(アンサンブルのための)
アルゲブラー(オーボエ独奏)
ロジャー・レッドゲイト指揮
アンサンブル・エクスポゼ:
【クリストファー・レッドゲイト(Ob)、コラド・カノニチ(Cb)他】
録音:2003年
ダルムシュタットで一時代を築き、日本でも若手作曲家が大いに影響を受けた
ファーニホーの主要な室内楽を集めた。神経を逆なでする楽器の叫び、頻発する
特殊奏法。ラッヘンマンと並ぶ、今もっとも攻撃的な作曲家である。

MSV28507 \1850
「北極光」-現代イギリスの弦楽四重奏曲
ジョン・カスケン:弦楽四重奏曲第2番
ジュディス・ウィアー:弦楽四重奏曲
ロバート・サクストン:歌と踊りとエリプス(楕円)
クロイツァー四重奏団
録音:1999-2002年
新世代のイギリスの作曲家の弦楽四重奏曲を集めた。カスケンは1949年ヨーク
シャー出身。この弦楽四重奏はストラヴィンスキー、ベルクの影響が感じられ
る。ウィアーは1954年スコットランド出身。現代的な響きのなかにイギリス民
謡的な香りが感じられ美しい。サクストンは旋法的な旋律が集積し、結果的に
クラスターとなって密度の濃い音の流れが形作られる。

MSV28509 \1850
ポール・ホイッティ:39ページズ
ダラー・モーガン(Vn)
マリー・デュレア(Pf)
録音:2007年8月
ホイッティはオックスフォード・ブルックス大学で現代音楽のディレクターとし
て活動しながら作曲を行っている。ヴァイオリンとピアノのデュオでありながら
極端に音が切り詰められ、点描的で隙間のある空間が続く。途中、突然フランク
のヴァイオリン・ソナタが引用されびっくりする。

MSV28512 \1850
トーマス・フォルトマン:サックス作品集
(1)サクソフォン・ソナタ
(2)カソリック・ブルース
(3)バッハ・キャブ
(4)エベンエベン
(5)クローバーのなかの3匹の子豚
(6)ソンクラン
(7)ポップ・オー・カカピトル
(8)ソナチネ「ゴレッティの出来事」
(9)リトル・アメリカン・ナイト・ミュージック
(10)サーカスのなかの鯨
(1)(2)(5)(10)マルコ・ファラシ(A-Sax)
(2)ロベルト・フラティ(Br-Sax)
(2)スティーヴ・ポッツ(S-Sax)、
(3)(4)(8)ダヴィデ・ヴァリーニ(S-sax)、
(6)(7)(9)ベルリオーズ四重奏団(サックス四重奏)
(8)ミロ・ヴァネッリ(T-Sax)
(10)ルーバー・マラーニ(S-Sax)
(5)(10)フランチェスカ・コルシ(Br-Sax)
(1)マルコ・ポデスタ(Pf)
(2)エトーレ・カンデラ(Pf)
(3)(4)(5)(10)カルロ・ラペーニャ(Pf)
(10)デヴィス・タロッリ(ドラムス)
フォートマンはスイス生まれで70年代はジャーマン・ロックのスターとして
成功した。その後ソロ活動し入るとともに器楽曲の作曲にも力を入れるよう
になる。これらはサックス、サックス・アンサンブルのために書かれた曲で
ロック、ジャズの影響が色濃い。




<コウベレックス・レーベル>
KRS5004 \2100
いかに幸いな人-「賛美歌21」の歌詞によるジュネーヴ詩編歌
(1)詩編1 いかに幸いな人 「賛美歌21」113
(2)詩編5 朝ごとに主に祈る 「賛美歌21」115
(3)詩編24 地とそこに満ちる 「賛美歌21」122※
(4)詩編25 主よ、わが魂は 「賛美歌21」124※
(5)詩編36 悪は罪人の 「賛美歌21」128
(6)詩編42 涸れたる谷間に 「賛美歌21」130
(7)詩編65 聖なる主の家で 「賛美歌21」137
(8)詩編96 全地よ、主に歌えよ 「賛美歌21」145
(9)詩編100 全地よ、主に向かい 「賛美歌21」148※
(10)詩編118 みめぐみふかき主に 「賛美歌21」152
(11)詩編124 いざ語れ、主の民よ 「賛美歌21」157
(12)詩編127 主が建てなければ 「賛美歌21」159※
(13)詩編138 心をつくして 「賛美歌21」165
(14)詩編150 ハレルヤ、うたえ 「賛美歌21」172
(15)詩編1 いかに幸いな人 「賛美歌21」113
(16)(第2部)その氷魚とは水辺の木)
(17)(第3部)神に逆らう人は
(18)(第4部)いかに幸いな人
(19)シメオンの賛歌 去らせたまえ 「賛美歌21」180
関西学院聖歌隊 指揮:水野隆一
リコーダー:小栗 献、藤原真由美、安江桜子、山下 悟
宗教改革者カルヴァンが聖書に含まれている詩のみを歌うことにして始めら
れた「ジュネーヴ詩編歌」。16-17世紀の作曲家による原作、編曲作品のう
ち「賛美歌21」に収録されている15曲をすべて収録。日本語の歌詞は日本
基督教団賛美歌委員会によるもの。関西学院聖歌隊のアカペラ演奏は、のび
やかでいてあたたかく、詩編の深い祈りに通じるものがある。
旧約聖書「詩編」の進行と祈りの深みから湧き上がる神への賛美が宗教改革
の精神によって甦り、その清凛たる歌声は、現代人の魂を至高なる方へと導
いていく。
推薦:今橋 朗(日本基督教団賛美歌委員会委員長)

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09-04 No.30-1

2009年04月24日 14時17分29秒 | Weblog
<NAXOS> 各1枚 \1000
8.570992
ラヴェル:
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲
夢幻劇の序曲「シェエラザード」
演奏:ライプツィヒ MDR放送合唱団/フランス国立リヨン管弦楽団
準・メルクル(指揮)
一連のドビュッシーの録音で、その鋭敏な感性をまざまざと見せつけてくれた
準・メルクル。今回は、一層色彩的で情熱的なラヴェルの作品集をお楽しみいた
だきましょう。2世紀末-3世紀初めのギリシアの作家、ロンゴスによる純愛物語
「ダフニスとクロエ」によるバレエ音楽はディアギレフのロシア・バレエ団の依
頼によって書かれました。精緻なオーケストレーションは音の魔術師ラヴェル
(1875-1937)ならでは。様々な指揮者、管弦楽団による名演が存在しますが、き
っと当盤もその中の一つに数えられるであろう輝きを有した演奏です。序曲
「シェエラザード」は本来劇音楽として構想されたものですが、序曲だけが完
成。こちらも美しい音楽であることは言うまでもありません。

8.570722
シマノフスキ:交響曲第1番, 第4番 他
1.演奏会用序曲 Op.12/2-3.交響曲第1番へ短調 Op.15
4-6.交響曲第4番「協奏交響曲」 Op.60
7.練習曲変ロ短調 Op.4-3(管弦楽版…G.フィテルベルク編)
演奏:ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(ピアノ)…4-6/エヴァ・マルチク(ヴァイ
オリン・ソロ)…2-6/マレク・マルチク(ヴィオラ・ソロ)…2-6/ワルシャワ・
フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト(指揮)
最初の交響曲に、自ら「対位法、ハーモニーの怪物的管弦楽作品」とあだ名をつ
けたシマノフスキ。彼自身はワーグナーや R.シュトラウスの影響を否定したと
言いますが、やはり初期の作品である「演奏会用序曲」には先人風の響きが感じ
られるのは仕方ないことでしょう。しかしその2年後に書かれた交響曲第1番に
は、彼独特の「肉感的なうねり感」がたっぷり。驚くほどに魅力的です。第4番
の交響曲ではピアノが縦横無尽の活躍するストラヴィンスキー風の新古典主義音
楽が楽しめます。特に終楽章での燃え上がるマズルカ風の音楽は一聴に値します。

8.570930
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第2集
1-4.交響曲第2番ヘ長調 Op.81
5.主題と変奏 Op.58(ピアノと管弦楽編曲版 )
6.ガヴォット Op.55-2(管弦楽編曲版 )
7.タランテッラ Op.44-6(管弦楽編曲版 )
演奏:リア・デ・バルベリース(ピアノ)/ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
ベルカントから純音楽へ・・・「オペラではないイタリア音楽の再生」を図った
マルトゥッチ (1856-1909)。彼の最高傑作の一つ、交響曲第2番です。この曲は
1904年に完成されたブラームスとシューマンへの思い入れを感じさせる堂々たる
大曲です。当時「演奏反対運動」が巻き起こったにも拘らずマルトゥッチは各地
で初演を断行、以降はこの曲を愛したトスカニーニによって演奏が引き継がれた
という曲、交響曲としての完成された形と、メロディ、語法全てがバランス良く
集積された聴き応えのあるものになっています。

8.572129
ワイルド・ナイツ!-吹奏楽のための作品集
1.ティケリ(1958-):ワイルド・ナイツ!(2007)
2.ズベイ(1964-):シャドウ・ダンス(2006)
3.ブリアント(1972-):ダスク(2004)
4-6.エテザディ(1973-):アナヒタ(2005)(夜間飛行/ナイトメア /眠りと静寂-光
の到来)/7-11.マッケイ(1973-):ソプラノ・サクソフォンと吹奏楽のための協奏
曲 (前奏曲/フェルト/金属/木材/フィナーレ)
演奏:ヴィンセント・グノジェク(ソプラノ・サクソフォン )…7-11/カンザス
大学ウィンド・アンサンブル/スコット・ワイズ(指揮)
カンザス大学吹奏楽部の素晴らしい演奏で、 21世紀に書かれたバリバリ新作を
ぶいぶい聴いてしまう凄アルバムです。多くの受賞歴のあるティケリの「ワイル
ド・ナイツ」はエミリー・ディキンソンの詩に触発された愉快な曲。マッケイの
ソプラノ・サックス協奏曲は、彼の師であるコリリアーノのクラリネット協奏曲
へ敬意を払ったという作品。他にも夜の女神「アナヒタ」を描いたエテザディ、
ブリアント、ズベイと吹奏楽マニアにはおなじみの作曲家の渾身の作が並びます。

8.570556
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第2集
1-5.歌劇「カーチャ・カバノヴァー」より(ペーター・ブレイナー編)(序曲/ティ
ホン、その時あたりに…/また自慢する…/間奏曲と歌/嵐が近い)/6-11.歌劇
「マクロプロス事件」より(ペーター・ブレイナー編)(死は私に触れていた/グレ
ゴール、プルスの死因 /それは何だか変ですよね?/私は頭が空っぽです。/本当
にあなたが大好き/そう?)
演奏:ニュージーランド交響楽団/ペーター・ブレイナー(指揮)
第1集(8.570555)に続く、ブレイナーによる華麗なる編曲で聴くヤナーチェク
(1854-1928)のオペラ名旋律集です。今回取り上げられたのは、人妻の官能的な
恋愛を描いた「カーチャ・カバノヴァー」と、ふとしたことで不老不死になって
しまったオペラ歌手の物語「マクロプロス事件」の2演目。ここでもブレイナー
の施した編曲の素晴らしさは言葉に尽くせません。例えば「カーチャ」でのクラ
イマックス、カーチャが愛人の名を告げて嵐の中に飛びだして行く場面での、段
階的な音の増やし方などは聴いているだけでぞくぞくしてしまいます。不気味さ
と、妙な明るさが入り混じる「マクロプロス」も聴きもの。不条理なのだけど許
してしまいます。

8.570774
バックス:交響的変奏曲・左手のためのピアノコンチェルタンテ
1-7.交響的変奏曲(1916-18)/8-10.左手のためのピアノコンチェルタンテ
演奏:アシュリー・ウェイス(ピアノ)/ボーンマス交響楽団/
ジェームス・ジャッド(指揮)
NAXOSではすっかりおなじみとなった、イギリスの作曲家バックス(1916-1953)。
今作もピアノのための作品です。彼のピアノと管弦楽のための作品は5曲あり、
そのどれもに例のごとく、愛する人ハリエット・コーエンの面影がだぶります。
演奏に50分近くを要する「交響的変奏曲」は、それぞれの変奏部分にタイトル
が付けられた音による叙事詩とも言える大作。聴き応えたっぷりです。かたや、
小規模の「左手のための小協奏曲」はアイルランドの海辺の景観を思わせるロ
マンティックな曲。繊細で移ろいやすい和声、ハーモニーが魅力的です。

8.572013
ピッツェッティ:夏の協奏曲他
1-3.夏の協奏曲(1928)(朝の祈り/夜想曲/ガリアルドと終曲 )/4-6.ソフォクレ
スの「オイディプス王」への3つの交響的前奏曲(1904)/7.悲劇「クリテムネス
トラ」の2つの前奏曲より(1962-64)…世界初録音/ 8-10.管弦楽のための三部作
「パンアテネの祭り」(1936)(前奏曲 /パラスアテナの人々がダンスを踊る/行列
の行進曲)…世界初録音
演奏:テッサローニキ州立交響楽団/マイロン・ミカイリディス(指揮)
1968年4月(ピッツェッティの死から2か月後)、音楽学者ウォーターハウスは「カ
セッラおよびマリピエーロと並ぶイタリア現代作曲家であるピッツェッティ
(1880-1968)」に対する讃美の文章を発表しました。彼は1940年代にはファシズ
ム政権と親しかったり、「皇紀2600年奉祝曲」(交響曲イ調)を作曲したりとユニ
ークな経歴の持ち主でもあります。このアルバムには、彼の40年に及ぶ創作活動
から生まれた珠玉の作品の中から世界初録音を含む4曲を収録しています。バロ
ックの形式を踏襲した「夏の協奏曲」、初期の作品の中でもきわめて独創的な
「交響的前奏曲」、他晩年の作品まで、現在決して人気が高いとは言えないピッ
ツェッティの作品の偉大なる片鱗が明らかになることでしょう。

8.570320
プレイエル:協奏交響曲・ヴァイオリン協奏曲
1-2.協奏交響曲変ロ長調(Benton 112)/3-5.協奏交響曲イ長調(Benton 114)
/6-8.ヴァイオリン協奏曲ニ長調(Benton103/103A)
演奏:デイヴィッド・ペリー(ヴァイオリン)/ヴィクトリア・チャン(ヴィオラ)
…1-2/イザベラ・リッピ(ヴァイオリン)…3-5/ボルティモア室内管弦楽団/
マーカンド・ザーカー(指揮)
高名なピアノ製作者として知られるプレイエル(1757-1831)は、ハイドンに作曲
を師事、ヴァンハルにピアノを学びピアニストとして各地で活躍しました。この
アルバムに収録された作品は、今までにほとんど知られていないものばかり。例
えば、変ロ長調協奏交響曲は、彼が F.X.リヒターの代理人としてストラスブー
ルで最初に働いた時に書かれた 1760年代のもので、本来単一楽章とされていま
すが、第1楽章があったことは文献からも明らかで、ここでは、ヴィオラと鍵盤
楽器のために書かれたスコアを元に復元した楽章を第1楽章として演奏していま
す。他にも珍しいヴァイオリン協奏曲など、緻密な研究に基づいた興味深い作品
が並びます。

8.570526
アレンスキー:ピアノ協奏曲へ短調他
1-3.ピアノ協奏曲へ短調 Op.2/4.ロシア民謡による幻想曲 Op.48/5.スヴォロ
フの思い出に/6.交響的スケルツォ
演奏:コンスタンティン・シチェルバコフ(ピアノ)/ロシア・フィルハーモニー
管弦楽団/ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
R=コルサコフに師事し、その才能を早くから認められるも、その後独自の様式を
確立することがなかったため恩師からも「あいつはその内忘れられてしまうさ」
と揶揄されてしまったというアレンスキー(1861-1906)。確かに、民謡を多様し
た作品も、このピアノ協奏曲も、ちょっとショパンやチャイコフスキー風であっ
たりと、ゴツゴツしたロシア風の音楽を好む人からは敬遠されがちな作曲家です。
しかし、もう一度立ち止まってこの抒情味溢れる音楽を聴いてみてください。
ああ、なんて清々しくて荘厳なのでしょう。と、言うわけで、決して「亜流」
ではありません。

8.572061
ニエミネン:フルート協奏曲「パロマー」他
1-2.「パロマー」(フルート協奏曲)(2001)(日没/夜、古代の人々と鳥たち )/
3-6.「影を通して、古えの声を聞く」(クラリネット協奏曲)(2002)(人々が深く
眠る時/海の使役人/カデンツァ(M.ラーサッカによる)/求めない、そして信じな
い)/薄暮の小道 (1995)
演奏:パトリック・ガロワ(フルート)…1-2/ミッコ・ラーサッカ(クラリネット)
…3-6/シンフォニア・フィンランディア/パトリック・ガロワ(指揮)
フィンランドの現代作曲家、ニエミネン(1953-)の作品集です。彼の音楽はどん
な「主義」とも一致することはありません。見たまま、経験したままを音として
表わす、いわば「音楽による絵画」です。このフルート協奏曲はパトリック・ガ
ロワのために書かれた作品で、古代のメロディが現代的なフォルムを纏って立ち
現れます。庭でさえずる鳥の声、星のささやきなどを歌うフルートの音色を柔ら
かく包み込む多彩な楽器群。この親密で透明な空気感がたまりません。

8.570822
カバレフスキー:ピアノ・ソナタ全集
1-3.ソナタ第1番ヘ長調 Op.6/4-6.ソナタ第2番変ホ長調 Op.45/7-9.ソナタ第3
番ヘ長調 Op.46/10-12.ソナチネハ長調 Op.13-1/13-15.ソナチネト短調
Op.13-2
演奏:アレクサンダー・ドッシン(ピアノ)
組曲「道化師」の軽快な音楽でおなじみカバレフスキー(1904-1987)は、とりわ
け子どもや若い人向けの作品を多く作曲し、芸術の大衆化を図ったことでも知ら
れます。彼のピアノ・ソナタとソナチネは、概ね経歴の初めの頃に書かれたもの
で、それほど革新的な形式や個性的な和声を有している訳でもないのですが、名
ピアニスト、ホロヴィッツやモイセイヴィチらに愛奏されたこともあり隠れた人
気を誇っています。とりわけソナタの第3番は現在でも広く愛されています。要
求される技巧はそれほどでもないのですが、極めて演奏効果の高い曲でもありま
す。

8.570891
ブゾーニ:ピアノ作品集第5集
1-2.J.S.バッハ(ブゾーニ編):前奏曲とフーガ変ホ長調 BWV.552「聖アンナのフ
ーガ」/ 3-8.6つの練習曲 Op.16/9-14.6つの小品 Op.33b(憂鬱/快活/小スケル
ツォ /古風なファンタジア/フィンランドのバラード/すべてのものが立ち去り)
/15.ショパンのハ短調前奏曲による10の変奏曲 Op.22(1922年改編版 )
演奏:ヴォルフ・ハーデン(ピアノ)
イタリア生まれとはいえ、母方がドイツ系であったり、生涯ほとんどドイツで過
ごしたせいもあったりでブゾーニ(1866-1924)の音楽に横溢するのは紛れもなく
ドイツの精神です。とりわけバッハの音楽への傾倒が知られ、オルガン曲の編曲
のような直截的なものから、明らかに影響を受けたと思われる対位法を駆使した
作品まで数多くのバッハの残り香が感じられる曲を残しています。このアルバム
では、ブゾーニらしいバッハの編曲物と、ショパンの前奏曲による変奏曲、そし
てオリジナルの曲を楽しむことができます。ブゾーニらしい多彩な表現をお楽し
みいただけます。

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09-04 No.30-2

2009年04月24日 14時16分54秒 | Weblog
8.572169
ディキンスン:オルガン作品全集
1.ケンブリッジ・ポストリュード/ 2.前奏曲/3.「神の御子は今宵しも」によ
るポストリュード/ 4.オルランド・ギボンズの賛美歌46番による前奏曲/ 5.
オルランド・ギボンズの賛美歌20番による前奏曲/ 6.オルランド・ギボンズの
賛美歌34番による前奏曲/7.トッカータ/8.「大聖堂の殺人」の瞑想曲/9.ピア
ニッシモの練習曲/10.哀歌/11-13.3つの言明/ 14.鐘/15-24.パラフレーズ 1
/25-31.青いバラの変奏曲(J.ベイトに捧ぐ)/32.ミレニアム・ファンファーレ
1-6,10-14,32…世界初録音
演奏:ジェニファー・ベイト(オルガン)
1934年生まれのイギリスの作曲家ディキンスン(1934-)。同姓同名のミステリー
作家とは別人ですが、この人も多くの著作があり、またピアニストとしても活躍
しています。彼の父親フランクはコンタクトレンズの専門家で、アメリカ及び南
アフリカでのコンタクトレンズの普及と研究に生涯を捧げた人です。と、同時に
才能あるオルガニストであったため、息子ピーターも自然に音楽に親しみ、素晴
らしい作品を作り上げたのでしょう。彼の50年近くの歩みがこの1枚に凝縮され
ています。

8.572196
アルベニス:ピアノ作品集第3集
1-6.6つのスペイン風ダンス Op.37(第1番ニ長調 /第2番変ロ長調 /第3番変ホ長
調 /第4番ト長調 /第5番変イ長調 /第6番ニ長調)/7-12.6つの小さなワルツ
Op.25(第1番アレグレット /第2番メランコリック /第3番アレグロ・ベン・リト
マート/第4番アレグレット /第5番コン・ブリオ・エ・リトモ /第6番アレグロ・
モルト )/13-18.6つのサロン風マズルカ Op.66(第1番イザベル /第2番アレグロ
/第3番オーロラ /第4番ソフィア /第5番クリスタ /第6番マリア )
演奏:ギレルモ・ゴンザレス(ピアノ)
アルベニス(1860-1909)のピアノ作品集第3集は、舞踏のための組曲を集めました。
スペイン風、ワルツ、ポーランド風のマズルカと曲想は様々ですが、全ての曲に
は、生きる喜びが散りばめられ、肉感的でちょっと妖艶な香りが漂っています。
20歳の頃に書かれた「ワルツ集」での初々しさもすてきですし、アルベニスら
しさがよく出ている「スペイン風ダンス」の情熱的な感触もたまりません。1885
年頃書かれた「サロン風マズルカ」はショパンの影響が感じられる作品で、タイ
トルには各々の曲を献呈された「お金持ちの娘さん」の名前が付けられていま
す。演奏はおなじみゴンザレス。文句なしに楽しめます。

8.572073
ガルシア・アブリル:アストゥーリアスの母-アストゥーリアス語歌曲コレクショ
ン 1.ヴァケイラス/2.私の戸口の前で立ち止まらないで/3.昨日、泉の前であ
なたを見た/ 4.私は港に上陸する/5.私は水兵ではない/6.彼女は私に向かっ
て叫んだ/7.ナランホ・デ・ブルネス山/8.叫ぶな、娘よ、叫んではいけない
/9.失われた星/10.坊や、眠りなさい/11.雷鳥の歌/12.オレンジの蕾が花開
く/13.水の精よ、さようなら/14.アストゥーリアスの母
演奏:ホアキン・ピクサーン(テノール)/ローサ・トレス=パルド(ピアノ)
1933年、生ハム「ハモンセラーノ」で知られるスペインの小都市テルエルで生ま
れたガルシア・アブリルはマドリッドで学び、協奏曲、管弦楽曲など多くの作品
を作曲、現代スペインを代表する大作曲家となっています。この歌曲集では同じ
くスペインの一都市アストゥーリアスの民族音楽を元に、その特徴的な地形(複
雑な海岸線、聳え立つ険しい山地)を音楽によって描くことに成功しています。
しかしながらアストゥーリアス語と訊くと、何だか難しそうなイメージを抱いて
しまうかもしれませんが、ここで聴ける歌はどれも人懐こくて親しみ易いもの
ばかり。聴いたら誰もが好きになってしまうに違いありません。

8.572036
シューベルト:ドイツ語歌曲集第31集疾風怒濤期の詩人たち
1.古いスコットランドのバラード「エドワード」D.923(第2版)/2.真夜中に
D.464/3.義務と愛 D.465/4.クローエに寄す D.462/5.婚礼の歌 D.463/6.万
霊節の日のための連祷 D.343/7.真珠 D.466/8.ツムシュテーク(1760-1802):ハ
ガールの嘆き/9.オルフェウスの歌 D.474/10.ハガールの嘆き D.5/11.私のク
ラヴィアに寄せて D.342/12.ある兵士に寄せる挽歌 D.454/13.朝焼けに寄せる
リラ D.273/14.ロルマ(第1作)D.327/15.歌「そんなにも快く」 D.284/16.死
に寄せて D.518/ 17.ます D.550(第4版)
演奏:カロリーネ・メルツァー(ソプラノ)/コンスタンティン・ヴォルフ(バス=
バリトン)/ウルリヒ・アイゼンロール(ピアノ)
1767年からおよそ 20年続いた「疾風怒濤」の時代は文学史上重要な時期とされ、
理性に対する感情の優越を主張し、それまでの古典的な形式からロマン派へと続
く、強い感情を持ち合わせた作品が多く生まれたことでも知られています。文学
ではシラーやゲーテ、音楽では中期のハイドンがこの時期に活躍、それぞれ個性
的な作品を書いています。ここに収められたのは、その時期に書かれた詩にシュ
ーベルト(1797-1828)が作曲した歌曲です。中でも興味深いのはバラード「エド
ワード(エドヴァルト)」。第3稿の決定稿と違い、第2稿では最後まで母と息子が
一緒に歌うことはありません。母を歌うメルツァーの恨み節も聴きもの。心が芯
まで冷える思いを味わうことができるでしょう。

8.570719
マクミラン:十字架上の最後の七つの言葉
1-7.十字架上の最後の七つの言葉/8.キリストは勝利し給う/9.誰もあなたを罰
した人はいなかった/10.ここに身を隠し(合唱版) 9.10…世界初録音
演奏:ドミトリー・アンサンブル/グレアム・ロス(指揮)
2009年に50歳の誕生日を迎えるイギリスの作曲家、マクミランの1993年から
2005年までの合唱作品を集めた記念すべき1枚です。アルバムの中核を成すのが、
名作「十字架上の七つの言葉」です。BBCテレビの依嘱によって書かれたこの作
品は4つの福音書の言葉からインスピレーションを受け、以降、様々な形として
彼の他の作品にも影響を及ぼしています。美しく穏やかで抑制された合唱の響き
を断ち切る荒々しい管弦楽、印象的なヴァイオリン・ソロなど、聴き手は一瞬足
りとも緊張の糸を切るわけにはいきません。「私の音楽を、若き優れたドミトリ
ー・アンサンブルの演奏で聴くのはとてもぞくぞくします。とりわけ指揮者グレ
アム・ロスは刺激的です。」と作曲家に言わしめた名演でどうぞ。

8.572031
ペンデレツキ:ウトレーニャ
ウトレーニャ(朝課)(第1部キリストの埋葬/第2部 キリストの復活)
演奏:イヴォナ・ホッサ(ソプラノ)/アグニエツカ・レーリス(メゾ・ソプラノ)
/ピョートル・クシェヴィチ(テノール)/ピョートル・ノヴァツキ(バス)/ゲン
ナジー・ベズベンコフ(バス)/ワルシャワ少年合唱団/ワルシャワ・フィルハー
モニー管弦楽団&合唱団/アントニ・ヴィト(指揮)
1962年に発表された「スターバト・マーテル」、そして 1963年の「ルカ受難曲」
に連なるペンデレツキ(1933-)の宗教的合唱作品である「ウトレーニャ」の登場
です。始めてこの曲を聴いた人は、地の底から響くような合唱に身震いすること
でしょう。しかし用いられた詩は、ロシア正教の早朝礼拝の典礼文だというから
驚きです。(この曲を朝から聴くのは少々勇気がいることでしょう)第1部(名指揮
者オーマンディに捧げられた)でキリストの埋葬を描き、第2部ではその復活を描
いています。衝撃的な大音量に圧倒される部分も多いのですが根底を貫いている
のは静かな神への祈り。聴き終わった時の脱力感がたまりません。


●ナクソス・ヒストリカル(日本語帯付き )
8.111004
グレート・コンダクター・シリーズ/フルトヴェングラー 初期録音集第3集
1-2.ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」より(第1幕序曲 /第3幕間奏曲 )/3.ウェー
バー(ベルリオーズ編):舞踏への招待/4.メンデルスゾーン:真夏の夜の夢序曲
Op.21/5.メンデルスゾーン:フィンガルの洞窟序曲 Op.26/6.ベルリオーズ:
ファウストの劫罰 Op.24よりラコッツィ行進曲/ 7-9.メンデルスゾーン:劇音楽
「真夏の夜の夢」 Op.61より(スケルツォ /夜想曲/結婚行進曲)
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ヴィルヘルム・フルトヴェングラ
ー(指揮)…1-6/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/エーリッヒ・クライバ
ー(指揮)…7-9
フルトヴェングラーの初期録音集第3集は、ベートーヴェン、ブラームスからブ
ルックナー、ワーグナーへの橋渡しと言える、初期ロマン派の作品集です。ウェ
ーバーの「魔弾の射手」序曲と間奏曲での渦巻く興奮、「舞踏への招待」での華
麗で重厚なワルツの部分、そしてベルリオーズでは「ラコッツィ行進曲」での快
活でぞくぞくするような躍動感など、フルトヴェングラーでないと造り出せない
瞬間に満ちています。

8.111352
グレート・ピアニスト・シリーズ/リヒテル 初期録音集第1集(1948-1956)
シューベルト(1797-1828):1.楽興の時第1番ハ長調 Op.94 D.780/2.即興曲第2番
変ホ長調 Op.90 D.899/3.即興曲第2番 Op.142 D.935/4.ショパン(1810-1849):
練習曲ホ短調 Op.25-5/5-8.シューマン(1810-1856):幻想小曲集 Op.12(抜粋)/
10-16.フモレスケ変ロ長調 Op.20
録音:スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
20世紀の最も偉大なるピアニストの一人、スヴャトスラフ・リヒテルの偉業は今
更ここで語る必要もないでしょう。彼の驚くほどの演奏技術、そしてバッハから
ショスタコーヴィチまでの堅固な解釈、そしてカリスマ性。これらを持って全て
の聴衆を魅了した彼の最も初期の演奏がここに収録されています。中でも1948
年に録音された幻想小曲集の抜粋は、オリジナルの78回転盤のリリース以来、
初の復刻となります。

8.120879
グリーグ:ノルウェーの歌(オリジナル・キャストによる録音 )(1944-1945)
1971年にアンドリュー・ストーンによって映画化された「ソング・オブ・ノル
ウェイ」のオリジナル・キャストによるヴァージョンです。ジョージ・フォレス
トとロバート・ライトがグリーグの半生をミュージカル化、あの有名なピアノ
協奏曲で幕が開き、次から次へと場面が転換していきます。1944年ニューヨーク
で860公演、ロンドンで526公演を行ったというほど人気演目でした。契約の関係
で、キャストの幾人かに変更がありましたが、ここで聴けるのはオリジナル・
キャストです。



<MARCO POLO>
8.225346-48 3枚組 \5340
S.ワーグナー:マリーエンブルクの鍛冶屋
演奏:ミヒャエル…ティル・シュルツ(バリトン)/アルフレード…アントン・ラ
イス=フーバー(テノール)/フリーデリンデ…レベッカ・ブロベルク(ソプラノ)
/ヘルヴィッヒ…クリストフ・フォン・ヴァイツェル(バリトン)/ムトハルト…
カール・シュナイダー(テノール)/マダルドゥルト…アンネ・ヴィーデン(アル
ト)/ヴァーヒルト…マーヒャ・ドイブナー(ソプラノ)他/
ダンスク・バルティック・フィルハーモニー管弦楽団/ PPPミュージック・シア
ター・アンサンブル・ミュンヘン/フランク・シュトローベル(指揮)
物語は中世、西プロイセン、マリーエンベルク。 1410年に実際に起こったタン
ネンベルクの戦いに着想を得たこのオペラは仮面舞踏会のために美しく飾られた
薄暗い酒蔵で始まります。愛しい恋人アルフレードに会いにきたフリーデリン
デ。しかしアルフレードは彼女の継父の投げた石で顔にケガをしてしまいます。
騎士である名誉を汚さないためにアルフレードはケガの原因を「馬から落ちた」
ことにするのですが・・・。

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