マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

余芸にあらず、ちゃんこ鍋

2009-02-17 01:22:00 | 

ちゃんこ鍋屋というと座敷があって、相撲甚句が流れ、手形の色紙がそこらじゅうの壁を飾り・・・というイメージ。だが、ここはそんな固定イメージを払拭し、テーブルに黒を基調にした店内。女性好みのオシャレな空間にしてある。エレベーターで一緒になったのはOLのグループ。女性ファンもついているとみた。



お通し 数の子山葵漬け

テーブル席にしたのには、花田勝氏、おにいちゃんの育った花田家は
畳の生活をしたことがないんだそうだ。洋風一家だった。


お造り ぶり、まぐろ、烏賊


自家製さつまあげ


濃厚チーズ豆富(梅肉・蜂蜜) 蜂蜜をかけるとクレームブリュレのよう


技能賞!若のぶり大根   見事なべっこう色。
若、なんていっても、名前貸ししてるだけじゃないのと思ったら大間違い。単品メニューにも、おにいちゃんの意見が随所に反映されている。

そして、いよいよお目当てのちゃんこ鍋・・・



普通はソップと味噌ぐらいだが、ここは種類が多い。

塩鍋、味噌鍋、醤油鍋のほか、コラーゲン鍋、銀だらおろし鍋、胡麻坦坦鍋、豚々レタス鍋、北海ちゃんこ鍋・・・

女性に一番人気のコラーゲン鍋は3年ほど程前に考え、早すぎたので一旦引っ込めたのだが、他がやり出したので復活させた、と勝氏。
銀だらおろし鍋なども藤島部屋の味だったとか。



元祖を名のる塩鍋をたのむ。

サービスのおねえさんが手際よく鍋を作り、取り分けてくれる。
これにも理由があって、男女で来ると、必ず女性客がが取り分けさせられるのがイヤ…そんな意見をふまえてのこと。



あっさりしているので、稽古でクタクタに疲れて食欲のない時でも
食べやすいのが、この塩ちゃんこだったという。
そういえばおにいちゃん、小兵だったので食べることには苦しめられた。




だしには柚子胡椒、胡麻、ネギを加えて。
もう、まちがいなく旨い。



シメは中華麺。スルスルと入って行く。



女性ターゲットなので、別腹のデザートはもちろん選択肢をもたせてある。



ミルクプリン?



おにいちゃんの好みで、年中食べられる、きなこ黒蜜氷。

タレントやスポーツ選手が名前だけを貸してロイヤリティを取るビジネスは多々あるが、おにいちゃんは料理の中身やオペレーションに関してもかなり突っ込んで参画している。かなりのアイデアマンでもある。
経営感覚も非凡なものを感じさせた。
優しい笑顔で笑ってらっしゃるが、並のおにいちゃんではございませんぜ。



          Chanko Dining 若    大阪市北区堂島1 




サザン上等お好み焼き

2009-02-16 21:35:58 | 




こういうウインドー、ノスタルジーですね~

よく見て下さい、洋食メニューのあるお好み焼き屋、普通ではありません。




創業大正15年。場所は岸和田の目抜き通り。
元は女給もいたようなカフェーです。
各所に名残りが偲ばれます。





狭い個室になっていて、いい人と来て、暖簾下ろして、女性は
甲斐々々しくお好み焼いたり、世話を焼いたりしたのでしょう。
たしかにお好み焼きにはそんな艶っぽい側面があります。





浜のかしみん焼きのおばちゃんいわく、ここには特別な日に
べべ着替えて、お出かけ気分で来たといいます。
さしづめ我々が百貨店へ行くような気分だったのかな。
それくらい、ワンランク上の店でした。




玉子3個使い、小麦粉は使わない、デラックス双月焼き。
玉子が今よりずっと羨望の目で見られていた時代、
さぞかし夢見るようなメニューだったでしょう。





ロケだったので、奥さん緊張して、咳き込んで止まらなくなった。
気の毒しました。




こちらにはまだ玉子メニューが。この焼きそばもさることながら、
オムライスが名物。ケチャップライスの中に生卵の黄身が入り、
スプーンでつぶすとドロ~リ・・・ 玉子フェチ垂涎の逸品です。





泉州銘菓村雨が欲しかったのですが、
もう仕舞ってました。あれもなんとなくノスタルジーなんです。


        お好み焼き「双月」    大阪府岸和田市五軒家町3





脱帽~っ

2009-02-16 00:44:28 | 

例の会、今年一発目はフレンチ。



アミューズ ほんの一口ずつ
スプーンのまま食べるのは、白ニンジンのピュレ
右のは、豚の血液のパテ

白ワインは冷えたアルザスのゲベルツトラミネールを。爽やかに。


マグロのタルタル  ホイップのようなのがワサビのピュレ
仄かに山葵の辛味が。周囲は優しいカブラのジュレ 
縁にこぼしたインスタントコーヒーみたいなのは
塩を赤ワインで色づけしてあるもの。



真ん中に牡蠣のフライが隠されたスープ仕立て。
白いんげん、ベーコン、カブラなど。
こんなビストロメニューみたいなのが、ほっとするなぁ~。
焼き立てパンもうまし。

メインはシャポー型のふた(これが屋号のラ・クロッシュ)をして運ばれ、
一斉にサッ!とオープン。ここが唯一の演出くさいところ。

メインは3種類からのセレクト・・・


鯛のブイヤベース仕立て ホタテ、タラ白子 上のは板海苔?

川田一郎シェフはホテル・プラザ~ビストロ・サカナザなどを経て、
ラ・クロッシュを開店。魚料理には定評があった。よって魚にした。

続く鶏・牛頬は連れのもの。



鶏肉のなんとか・・・内部に手長海老のソースが

赤ワインはカオール・クロ・シギエ。コクのあるしっかりタイプ。





牛ほほ肉の赤ワイン煮 
ビストロの定番メニュー 悪い訳がない。

デザートも3種類からのチョイス。



真ん中は洋酒に含ませたババ。 全日は関係ない。



クレームブリュレ



ヘーゼルナッツのアイス  カカオのソース
必ずなんかが立ってるのがいとおかし。


土佐堀川の見えるレストラン。ギャルソンもこなれています!
迎えも送り出しも、シェフが立ってくれる。お話できんかったけど。



   
          ラ・クロッシュ   大阪市中央区北浜3



うどん族の一斉蜂起

2009-02-08 17:27:20 | 

北新地のイタリア料理屋でその会は開かれるというのだが、
迷いまくった。かっちょわるー。



店探しの最中、堂島川の美しさに足が止まった。

ようやく辿り着いた時には宴たけなわ。
大阪の讃岐うどん店の集まり、通称「新麺会」初めて寄せてもらう。
参加者およそ150人!くらくら・・・もし讃岐うどんがご禁制になったら、
警察はここに踏み込めば一網打尽である。



各会派というか各派閥というか、グループが次々に紹介される。
職人の縦の関係をなかなか目にすることがないので興味深かった。



まずは、八尾の『一忠』グループ。
右から二番目の森岡さんと、そこで修業した山田製麺所、桂ちゃん、
一心(か一誠)のみなさん。
一忠は私が言うまでもなく、釜揚げうどん一本で名をなした。
讃岐の長田に飛び込み修行し、今や長田の仕事を見られるのは一忠のみともいわれる店。弟子たちはその釜揚げうどんを継承する。



次は新麺会の世話人、木田武史、たけちゃんの『釜たけうどん』ファミリー。ご自分も脱サラで讃岐の三徳に飛び込んだので、真面目に研究する人にはやさしい。讃州、釜ひろ、その他大勢の職人を輩出している一大勢力。誰が誰か顔がよくわかりません。



釜たけ出身の久保さん(前右)率いる「情熱うどん讃州」グループ。
短い期間にもう一家を成すようになったとはすごいパワーや。
たけちゃんから見れば孫弟子にあたるわけ。



「エロエロ一派」と紹介されていた、さらボン父率いる門真のうどん店、
『三ツ島更科』グループ。30有余年うどんを続けて、このとっぽさ。
去年関西一週間でベストうどん店に選ばれ、意気軒昂!新作も次々打ち出し、剛麺という太打ちで勝負する店。これは行かねばならない。

他にも門真の『やしまグループ』がいたし、宮崎や鳥取からもうどん屋さんが来てた。つまり日本一の讃岐うどん結社と思っても間違いなかろう。大手も無視できぬと見え?こんな方も・・・




中吊り広告でもおなじみ。H百貨店のカリスマバイヤー、薬師寺さん。その他、製麺所、出版関係、麺系ブロガー(これを追っぱらわず、うまく使うのが新進讃岐うどん隆盛の遠因でもある)、などのテーブルがある。



昨年、注目すべき活躍をした店には日本コナモン協会から、その栄誉をたたえ、賞品を授与される。やなもり農園の野菜である。変な賞状をもらったりするより、よほど気がきいている。去年ブレイクした千日前「白庵」、滝井「踊るうどん」、江坂「紅葉庵」、谷九「皐月庵」さんなどが登場。



熟年で自家製麺で踏ん張る服部の「銭形」さん、「一忠」さんにも
功労賞?が贈られる。



これだけ横のつながりができたのには、やはり釜たけ木田さんの人柄、バリアを持たない懐の深さが作用しているだろう。うどん店ができたと知るや何処へでも出かけて行き、助言を惜しまない。

味なんてものは他言厳禁、一子相伝のものとすべし・・・という考えもあろう。だが、ことは吹けば飛ぶよなうどん屋である。情報を共有し切磋琢磨することでレベルの底上げに成功し、客はリピーターとなり、それぞれ生活できるようになる。口で言うのは簡単だが、なかなかそうはできない。
つまりはコーディネートできる人材が大事なのだ。これは他業種でも通用することだと思う。

ちなみに、この夜は一切うどんは出ませんでした。誰のを出すかでもめますやろ~。


いいメロディは頑丈な家屋のごとく

2009-02-08 02:22:26 | 音楽

…ってことを言ったのはフォーク歌手のピート・シーガーだったと思う。
頑丈に作られた建物は、学校に使われ、集会所に使われ、病院に使われして、時代が変わっても生き残って行く。

歌もそれと同じで、歌詞を替え、意味を替えて生き残って行く。
「リパブリック賛歌」がいい例かもしれない。


John Brown’s Body・・・と歌われたのは南北戦争の時代。
おたまじゃくしは蛙の子、ごんべさんの赤ちゃんが・・・と童謡になり、
まぁるい緑の山手線・・・とカメラ屋のCMソングにもなる。そういえば、大正時代には花の歌にもなったはずだ。

それを聴いたのはTBSの小沢昭一的こころ。大正時代の演歌師が
路上で歌ったというその歌を、小沢さんは朗朗と歌った。
そのタイトルが思い出せなくて、気になってあちこち探し回り、
「いきすいあわれいとおかし」さんのブログで見つけた。
そうそう・・・ばらの歌だった。平凡過ぎて、かえって覚えられない。

かつて歌詞をメモったが、完璧に抜けております。
平身低頭、謹んで拝借し、ここへ再録させていただきまする。
こんな歌知ってる人も、大概いなくなっているんだろうなぁ。


   『ばらの歌』 (大正5年)

  詞 神長瞭月(1888-1976) 曲リパブリック賛歌 


  小さな鉢の花ばらが
  あなたの愛の露受けて
  薄紅の花の色
  きのう初めて笑ってよ


  堅いつぼみに口当てて
  小雨降るような夢ごごち
  あなたは何を話したの?
  花はあなたを待っててよ


  光り輝く春の朝
  花の霜露身に受けて
  匂い染めたるミルド駅
  どうぞ愛してちょうだいな


  花を尋ねていでしまま
  帰らぬ人の恋しさに
  丘に登りて名を呼べば
  山びこばかりが答えてよ


  月のある夜がおイヤなら
  昨日も今日も闇夜だわ
  花に変わって私から
  おいでなさい、と待っててよ


  あなたのお家は川下よ
  私の家は川上よ
  ところ一里をへだつとも
  想う心はひとつだわ


  あぁ川上よ、川水よ
  あなたのほうへと流れてよ
  だから水際に降り立ちて  
  わたし毎日歌うのよ


  西と東に別れても
  白雲遠く隔つとも
  体二つに違っても
  結ぶ心はひとつだわ


いいでしょう?この歌が埃っぽい書生節だの添田唖蝉坊の歌に挟まって歌われたというのだろうか。「笑ってよ」「待っててよ」が久保田万太郎の芝居のようでもあり、小津安二郎映画のセリフのようでもある。こんな品のある日本語が使われているのだ。愛唱歌に加えたい。