太平洋戦争で焼けなかった中崎町一帯には、まだかろうじて古い町家が生き残っている。
多くはカフェや美容院などに賃貸物件となっているのだけど。
ちょっと入って行くと井戸が残っていたりする。
中国や韓国の旅行者がカメラを持って、徘徊していたりする。
住人とのトラブルになっていなきゃいいんだけど。
路地へ入り込むと、雷で燃えたのであろう大樹があり、白ヘビさんを祀ってある。
そんな路地を抜け、古いアパートなんぞを縫うように歩き、目指すイタリアンの店、
「ランテルナ・ディ・ジェノバ」へ。
まず知らないと入ろうと思わないような超穴場級。
今回の講座のため、10数人で予約済み。
一皿目は乾燥蚕豆のムース・カニとウニのせ。 シブレットが載ると、どこか日本的。
続いては、バーニャカウダ。 イタリア北部ピエモンテ州の冬の鍋料理。
生クリームと牛乳、そこへアンチョビとニンニク。
あ、これはシチリアレストランで見たぞ。 お菓子のカンノーロ。
中にピュレになった、バッカラ(干しダラ)・マンテカーノ(捏ねる)、これはヴェネツィア名物らしい。
皿を彩るのはヒヨコ豆のピュレ。
パスタが2種類、少しずつ出てくる。
手打ちパスタの、シャラティエッティ。
タコとムール貝、ヒヨコ豆のトマト煮込みソース。
うましっ!
続いては、すごく食べてみたかった、シェフの故郷・ジェノバを代表するパスタ。
スパゲッティ・ジェノベーゼ。
でも本式にバジリコソースのパスタは「ペスト」が正しい。 ペスト・ジェノベーゼ。
日本人的にはひびきがイマイチだがペーストという意味で、ヨーロッパ屈指の商業港、ジェノバから、
長い航海に向くように、改良され瓶詰めとして持ち運びよくされたものらしい。
香りが出色。ジャガイモとインゲンが具になっている。
この日のメインは魚料理。キンメダイ(静岡)のカルトッチョ焼き。
こういう取り分けが苦手な人ばかりで、しょうがない私が買って出るしかない。
自家製フォカッチャと共に。
これはゴキゲンだった。
ドルチェはピスタチオのジェラート、チョコレートサラミ・・・これもイタリア北のお菓子。
誰が若き日の大村崑やねん。
店主、ボッフェッリ・シルビアさん。
今では辻調理学校の教壇にも立つ女性。
路地の奥にあるのがウソのよう。
「ランテルナ・ディ・ジェノバ」 ジェノバを代表する古い燈台の名前らしい。
ランテルナとは、ランタンのことね。