マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

淀川を渡って園田まで

2006-11-29 02:39:43 | Weblog

福島でひと仕事済ませ、運動のために十三まで歩く。
暑くもなく寒くもなく、歩くにゃ丁度いい季節。

岸辺に小さく三連の不調和な鳥居を発見。
淀川テクニックという河畔に打ち上げられた漂着物でオブジェを作る
アーティストの痕跡だ。一度、展覧会で観たが、ゴミをスーパーでもらうトレイにのせてラップし、それらを壁一面に貼り付けたのは圧巻だった。

恐山のように見える。不思議な力を感じて、この鳥居よう通らん。
乞食の飼う犬に吠えられながら撮影。
おっと乞食と言われりゃ心外か・・・。

どうでぇこの邸宅。囲いまでして河原で農作物まで作っている。うちより広いじゃねぇか!これでいくばくかでも家賃払ってりゃ文句はない。

玄関先にゃ郵便ポストが(届くのか?)あり、侵入者用か赤いパトランプまで設置。おまけに「釣り餌」の文字が。釣り客用に商売までしてやがるぢゃねぇか。呆れたね。見て見ぬふりで何十年も放置してきた行政だか警察も罪は重い。そのうち、強制代執行なんてことになって大ごとになる。小さな芽の時に速やかに穏便に処理せねばいけなかった。

ちっとも世捨て人ぢゃないのが腹が立つ。世間との接点も未練もたっぷり持ち過ぎ。悠々と犬の散歩してんだから。

気分を変えて、十三から園田へ。駅南側のささやかなカフェ「シンラ」へ。外から見たら喫茶店には見えない。主人が手作りで作った店で、コーヒーやケーキ、多少のフードを出す。園田というベタな店ではなかなか洒落系かも知れぬ。

高度成長の時代、一つ梅田寄りの神崎川なんて、ひどい真っ黒な重油を流したような川の色で、通過する際は阪急電車の窓を閉めなければ鼻が曲がった。それに比べて、今はキレイになったもんだな…と話す。
特に愛想もしないが、放っておいてくれるので、心地よいかもしれぬ。

お近くに立ち寄りの際は探してみて下さい。ロールケーキなども主人の手作り。原価率をかけた素材。野菜は主人の母が育てたもの。店主・田中功はボクの従兄弟なのだ。



蕎麦屋酒の意外な効能

2006-11-27 12:57:51 | 

寿司屋で一杯やるのもいいが、蕎麦屋の酒というのも捨てがたい魅力がある。北新地「とき」。

からすみ大根。子供の頃、「サザエさん」で波平が水屋に隠したカラスミを探すシーンがあって、「いったいどんな食べ物か?」と思っていた。
そのままだと歯の裏にくっつくのに、大根があることによって歯ざわりもよくなり、塩分も丁度よくなる。生の大根と合わせたヤツはえらい。

同行の酒徒が持ち込んだ清酒「竹鶴」。広島県竹原市が地元で、なんとニッカウヰスキー創業者の生家とか。人肌に温めて旨い燗あがりのする酒だ。

地鶏のタタキ。茗荷、葱と。

だし巻き。本格的な料理はそば懐石みたいになって大仰な。蕎麦屋の種物で使う材料をちょっと手をかけて出してくれるのが蕎麦屋の醍醐味だ。幕内的には、だし巻きを注文されると一人手を取られるのだが、焼きたては旨いもんだなぁ。男はいつまでたっても玉子焼き好きだ。

十割そば。挽きぐるみの色目にしたら、蕎麦本来の香りが足りない。打って時間が経過しているのでは。もう少しプンと野の香りがすると、この燗酒に合うのに惜しい。洋風割烹「カハラ」ではここで十割蕎麦を打たせて、カラスミをおろしかけた一品が登場する。

蕎麦屋で寿司が出てくるあたり、大阪らしいかも知れぬ。口卑しい大阪人のことだ、蕎麦ぢゃ腹が満たされぬから、何かご飯ものはないのかとなったのだろう。苦肉の策だろうが、ここの巻き寿司は海苔の香りが香ばしく、満腹でも手が伸びてしまう。

ここで、懐かしい人物に会った…


中野振一郎。彼はペェペェの学生、ボクはプー時代に遊んだのだが、今や日本を代表するチェンバロ弾き。数々の内外の賞を総なめにしているので活躍ぶりは知っていたが、オレもこんな仕事しているし、いつか会えるだろうと思っていた。まさか蕎麦屋でバッタリとは。二十数年ぶり、思わず「しんちゃん!」と手を握ってしまった。
蕎麦屋の再会。蕎麦屋酒はこんな効能もあるのだ。

と追加情報…上記のチェンバロ・チューニング中の画像はファンサイト
「中野振一郎の音楽帖」より借用。(最敬礼…)http://homepage3.nifty.com/cembalo/index.htm
ほほぉ~…いろいろネット上を見てみると、しんちゃん大出世なのだ。
当たり前か。知らぬは別世界に棲む私ばかりだったりして。
こちらにも彼のディスクが。この際、チェンバロも聞いてみたいなぁ。
http://music.yahoo.co.jp/shop/p/12/236434


寿司屋のアテで飲む

2006-11-27 01:51:05 | 

寿司っ食いにしたら風上に置けないかもしれぬが、寿司屋にゃいい肴がいっぱいあるからして、その辺のしょむない居酒屋に入るならば、寿司屋で一杯やりたい、とかねがね思っている。ってなわけで、下寺町の「まさる」。ここは仕事系の寿司屋だが、アテ系も充実している。まずビールで清めて酒にする。魚には誰が何と言おうと瑞穂の国の日本酒でなければならぬ。
         
造り盛り合わせ 締め鯖、戻り鰹、いか、うに、太刀魚、煮あわび…
         
牡蛎の煮びたし 縮まらせず火を入れる方法を知りたし。
         
小柱の串焼き  いちいち串に刺すのは手間だなぁ・・・

         
白子の醤油焼き パラッと山椒。クリーミー。
         
鮟肝。フォアグラよりこっちの方が好き。
         
煮穴子のつまみ。海苔との相性抜群。
         
小肌 もうちょいきめ細かく、酢を効かせたのが好き。 
         
雲丹かに寿司 握ってなくて一口どんぶりのよう。芸が細かい。
ああ、いつもこの店に来ると、飲み過ぎる。ここはアテが旨すぎるのが難といえば難だ。それと、いつ行っても迷う・・・方向音痴と笑わば笑え。もちろんシラフの時に迷う。


愛媛・西条市の食材!

2006-11-24 00:58:16 | 

石鎚山の清冽な地下水、野菜、牛豚など豊富な食材。愛媛の西条市の食糧自給率は7割になるという。
そんな地方の生産者と一線で活躍する料理人を結びつけて、地方から直接情報発信していこうと西条市の伊藤市長の鼻息は荒い。市長、元気だしよく喋ること。こういう創業者タイプが地方には必要なのだろう。前線に立って旗を振るタイプと見た。でないと、まず動き出さない。

そんな西条自慢の食材を使ったメディア向け試食会が行なわれた。これまでも京都・梁山泊の橋本さん、神戸北野ホテルの山口さんなどが腕をふるってきたが、今回は大阪西区新町「トラットリア・パッパ」の松本喜宏シェフ。
      
前菜、ももくり豚フィレ肉のキュウリのソース、カリカリベーコン添え。酸味のあるキュウリのソースは面白い。橋本氏は以前、キュウリのカツレツを揚げた由。
      
里芋のゴルゴンゾーラ・グラタン。これは相当旨い。ネットリした里芋の食感、チーズのコク。パンで全て掬い取ってしまった。
      
ワタリガニのバラノリのリゾット、みかん卵の卵黄添え。蟹身がほぐしてあって海苔と相まって、こりゃまたずいぶんと日本的な印象。考えりゃ、かにちりの後の雑炊の出演者たちではないか。もうちょいイタリアンっぽいのが食いてぇな。
      
ペンネ・マカロニのももくり豚と大和芋の煮込みソース。ごろごろと見えるのが大和芋、しっかり食感を残す。豚は煮込んでも固くならない。
     
石鎚牛のロースト・絹かわなすの赤ワインソース・大和芋のグリル添え
旨い水を飲んで育つ牛と思えばひとしお。なすは少し季節はずれであるが、夏場、現地の畑でもぎたてを食ったコーディネーター氏は絶賛。
「絹かわなす」とはどんなナスかというと・・・
      
ちょいと大ぶりな、泉州の水なすを思い出すようなもの。ここで小話。

「こないだ大きな茄子見てな」「ほぉ、どれぐらい大きいねん、30cm位か?」「いや、もっとや」「1m位か?」「いや、まだまだ」「いったいどれだけでかいねん」「そやな、闇夜にヘタ付けたみたいな」・・・デカ
      
ラストは、ホウレン草のジェラート、チョコのパウダー&ホウレン草とココナッツのプリン。かすかな青臭さが心地よい、体が内側から健康になりそうなデザート。 自分の育てた野菜がこうした料理に変わる…これを見た生産者たちはヤル気になることだろう。


錦市場で一杯

2006-11-22 03:12:04 | 

京大病院へ検査に行き、無事だったので、ちょいとお天道様の高いうちから一人、軽く祝杯。

錦市場の烏丸寄りの貝屋「大安」。横のスペースをいじって、イートインできるようになっている。そこで焼き牡蛎1個¥150を7個と蛤を1個所望し、シャブリ1杯と黒糖焼酎を2杯。忙しい時には全くそんな気にならず素通りするのに、現金なもんだ。

同じく錦を寺町の方に戻った、穴子専門店「丸弥太」の奥のイートインで一杯。これは「和え物」。かくやのように千六本に切った沢庵、大葉、胡麻などで合えたおつな一品。これで菊正やってりゃ江戸前のようだ。
蕪の漬物と。

焼き穴子。泉南産とか書いてあった。五徳に大きな銅鍋がかけてあり、訊くと、追い足し追い足して使っている穴子のタレとか。女将らしいのがこれが一番大事だという。非常にあっさりしてて、一味をパラリとかければ穴子の雉焼きになる。一杯やりながら、市場を行き交う人を見る。あ~ホンマに御機嫌さんだった。