マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

今福鶴見の勇

2010-05-26 15:26:55 | 

ラーメンに開眼したのは東京で、である。それまで関西で旨いところで食ってこなかった。というか、大阪はうどん文化の地、ラーメンには割かし冷淡だったように思う。
荻窪の「丸福」で並んで食い、目からウロコだった。名人気質の笑わない店主が居て、もやしの茹で方に至るまで手順通り。煮玉子に初めて出会った。元ダレに煮玉子の煮汁をチョロッと入れる。コクのあるストレート麺の醤油ラーメンであった。

神田「ピカ一」のラーメンも衝撃だった。ネギと生姜の匂いが後をひく、これも澄んだ醤油ラーメン。今、いたる所にあるつけめんは、当時まだまったくの少数派で、深夜酔った帰りに何処もやってなくて仕方なく入る「つけめん○王」ぐらいしかなく、何度もトライするがその都度、感動なく出たものだ。

ということで、我がラーメン愛は醤油に尽きる・・・!
コテコテと背脂が一面に浮いたり、店前まで豚クサイラーメンは去れ。つけめんも変に食べ過ぎてしまい、食後、膨満感に苦しむので、やはり適量の醤油系を是としたい。



この海苔一枚が、守旧派を主張する!
ケレンを求めず、基本に忠実に、オーソドックスが一番と言う店主や、いさぎよし。されど立ち止っているのではなく、ああでもないこうでもないと、スープに麺に工夫を凝らし、かなりの原価をかけた醤油ラーメン。これがカドヤ食堂の看板商品である。



それでこの価格。壁ひとつ隔てた部屋に製麺機を置き、自家製麺にする。
のど越しのいい、歯切れのある麺。じんわりと旨みが溶け出したスープは主に淡海鶏を。チャーシューには白金豚を使う。



すでに昼の営業時間は過ぎた。
ちょっと悪戯に、和風のラーメン作るから・・・と、亭主の大きな背中が動く。



出てきたのがこれ!四角いきつねが2枚乗った、和風中華そば。
和だしに中華めん。こういう和風ラーメンが食堂などによくあった。
大国町の洋食屋に生き残っていたり、姫路のきいそばというのも、
この世界ではなかったか。未体験ながら、なつかしく、美味。



ホントは味噌も行ってみたかったが・・・今回は我慢しよう。



奥さんの実家がここで大衆食堂を営んでいたことから、この屋号がある。

この佇まいで食べられるのも、あと僅かとなった。
6月末か7月には西区新町に進出し、勝負に出る。



           カドヤ食堂    大阪市鶴見区鶴見4




まったり、ミナミの一日

2010-05-22 22:09:52 | 

過日、とある読書会があり、行った精華小学校。
難波の街のまん真ん中でこの佇まい。今も精華小劇場や講習会などに有効利用されてはいるが、この無駄切りの仕分け時代、なかなか生き残っていくのは難しいのかも知れない。知らない人にはぜひ一度訪れてほしい。



芝居町道頓堀や宗右衛門に近いため、芝居・歌舞伎関係者の子女が多く、藤山寛美さん、林家ペー先輩もそうらしい。
ここで街の歴史なんぞにちょいと触れ、それから大手を振って飲みに行くのなんざ、なかなかおつなもんである。



校舎から校庭、精華裏(雁次郎横丁いいましたっけ)を見下ろす。
見たことのない景色。



その後、同好の志と向かったのは、道頓堀「たこ梅本店」。

戦後今の場所に移ったので、江戸弘化元年からあったのは、日本橋の南詰めから二軒目にあった立ち呑みだった。亭主に無理をいって、階上の座敷を貸してもらう。

二階にある、たこと梅の電灯の笠。粋なもんである。おそらくは、刀の蒐集に凝り、雁次郎に似てるというのが自慢だった先々代の趣味によるもの。



こういう小さな料理で、燗酒をぐいぐいやるのも昔風で悪くない。
道頓堀川を挟んで丁度向こう側が花町、宗右衛門町。
作家宇野浩二が育った十軒長屋があり、向こうから対岸のお茶屋の明かりを眺めていたらしい。



皆様と別れ、一人クールダウンのために法善寺の老舗バー「238」のドアを押す。



法善寺山門前で昔の姿をとどめるのは、こことアラビア珈琲店、インデアンカレー本店、この辺ぐらいになってしまった。叱ってくれる先輩も減っていく中、こういう古い店に来ると背筋がピッとする。



千日前辺りで飲み始めると、どうにも去りがたい。
明治の初めまで墓地だった昔の磁力みたいなものが時間を忘れさせるのか。

千日前の路地裏「河内カルメン」を覗き、みっちゃんの顔を見て。
日本橋、「バー薔薇」へ。



アテ盛り合わせ。食わなくてもいいのに、食っちゃう。
妹テクミちゃんの料理、よろしゅござんす。
ここの客はミナミ人間が多いから、調子合わせてると終電ヤバくなり。




暗くなった黒門市場を速足で歩く。

ん、酔っているのか・・・鯛が宙を舞っていた。


じじむさいかよ、ぬた・おから

2010-05-19 23:13:43 | 



過日、久々のぶとり会を開催した、神戸二宮の某所。
薄暮の街を抜けて、店に入った時はまだ明るかった。



まずは赤星を抜く。「ぷは~・・・」



きずしは鯖と鯛。

亭主は金盃・森井本店で40年勤めあげた人物。
震災でやめて、その後、人知れずここで再開。
探し回って、やっと再会できた常連たちがいる。



ここの素晴らしいのは、何より、こういう煮物で飲めること。
別々に煮たものを盛り合わせてくれる、炊き合わせは逸品。
なんとも幸せな心持ちになる。
これだけ弁当箱に詰めて持ち帰りたいぐらい。



わけぎぬた  漢字で書くと沼田。じゅくじゅくのmuddy watarな感じを表す。

酒の合いの手に、ぬたなど丁度いい。
ムチャクチャ旨いものでもなく、予想を違わぬ味というか。
奥歯でネギをギュッと噛む感じがいい。そこへ酒をすいっ・・・
この良さは、鼻たれのガキにはわかるめぇ。





生たこ焼き  さすがは神戸だな



だし巻き  男は玉子焼きに弱い。巨人大鵬玉子焼きの世代だからか。
そば屋でもあれば頼むし、弁当にも入ってて欲しい。
うちのは東京下町風で、ちょっと砂糖が入るパターンだったが、
だしを効かせたのも、両方美味いと思う。



子だこ煮つけ  関西っぽいな。



なまこ酢  ぐっと噛み締める感じがいい。



高野豆腐  この切り方が面白い。
だしをいっぱい吸っている。



すじ焼きは近くの鶴参から仕入れた和牛のすじと聞いた。美味!
ポテサラが付け合わせられるのもうれし。
どれもこれも、料理人の手がかかっている。

残念ながらこの日、おからは無かったが、
にしん煮付、きんぴら、湯どうふなんぞも食べた。



チーズクラッカー さすがにこれはそのまんまだった。


ビールから日本酒、焼酎・・・粛々と進み、
亭主の腕、スーパーサブのおかあちゃん、健在でした。
おあとは、花隈のワインバーへと向かった。




           季節・一品料理 「藤原」   神戸市中央区二宮




ショウガの薫り

2010-05-17 11:52:45 | 
新ショウガの季節となりやしたな。 新というのにすがすがしさを感じやす。



まっとうなる江戸前寿司店のショウガってのは美味い。
でもあれはちょっと口をリセットするためにあるもんで、
そればっかりバカみたいに食うわけにもいかず。

ある年、自分で漬けてみたら、わりかし簡単と知り、
それからは例年、新ショウガ見たら漬けたくなる。

ってことで久々やってみた。お手本は東京赤坂の某寿司店。



和歌山産の新ショウガの皮をむく。本当はここが薬効成分なんだけど。
赤い先端部やデコボコしてる部分は除去。
手や指にショウガのニオイがついて、さわやかな心持に。

適当な大きさにしといて、天然塩を適宜ふり、揉んで馴染ませる。


これを茹でる!新しいものならサッと熱湯をくぐらすだけでも。
泡が出てきたら、ザルにとって水分をとっておく。
 

用意した甘酢。ショウガの風味を味わいたいなら甘すぎぬよう。
米酢と砂糖。うちは三温糖と水飴(尼崎のヒノデ飴)もちょいと加えた。
溶かしながら火にかけ、沸騰させる。




熱いうちに清潔な瓶にショウガを並べ、熱した甘酢を上から満たす。これだけ。

色白のショウガが1時間もすれば自然に薄ピンクに染まってくる。
ちょっと白桃のようです。すぐは辛いですが、数日で食べられるように。


一杯やる時に瓶からひとかけら取り出し、よく切れる包丁で薄切りにすりゃあ格好の肴に。
酒飲みの金原亭馬生さんが、こいつで一杯やってるのが美味そうだったな。



細かく刻んでチャーハンに入れてもいいのだ。

馬生さんはうちで小皿にいろんな肴を並べてコップ酒だったな。
冷や奴だの、らっきょうだの谷中ショウガに味噌だの、梅干しの叩いたのだの…
その中にショウガの甘酢漬けもあった。
きっと、おとっつぁんも好きだったにちがいない。

なぜなら・・・志ん生が。(爆死)


5月は音楽づいており

2010-05-16 09:36:40 | 音楽

高槻ジャズ・ストリートに始まった5月。 ボクらがやったのは表ではなく裏よ、
裏ジャズ。ストリートには裏道もあるってことで。

友人ういりの店「Route171」でグダグダ昼間っから飲んで演奏しようと思ってたら
楽器が地上に出ていて、結局外で道行く人向いて演奏することになった。
マイクなんてないしね、ボーカルの茶西かわいそう~~★



でも、もともとウエスタンスイングなんて音楽は、外でバーンダンスの伴奏するような、そんなヘビーデューティーな音楽だったわけで。悪条件も楽しまなきゃ。



東京のシンガー、奥沢明雄と一緒にオッピドムとミナミの音音も楽しんだし。
若い頃は才気走ってたけど、年齢を重ねてちょっと角がとれて、落ち着いていい歌い手になってた。
ボブ・ディラン・ナイトではボブ浅野と一緒にご近所で。これも面白かった。
マンドリン、新しくしといてよかったなぁ~。



そして、昨夜はこれまたご近所のライブハウスで、
フォークの集まりに特出させてもらい、2曲歌ってきた。
新しい仲間が生まれそうな気配も。

今日はブルーグラスのコンサートあり、こっちもフィドル下げて出かけようかと。
すべて近所。下駄履きで行ける距離。地元で事足りるのはいかがなものか。
5月、ボクの周囲の音楽シーンも動き出している。

さぁ、ウエスタン・スイングも来月のフォートワースジャンボリーに向けて
隊伍を整えなければならぬ。新人トランペットも引き込むからね。行くで!