マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

快適なり、北新地大バコ中華。

2018-04-26 01:47:06 | 大阪キタ

 茫日、北新地打ち合わせ中華。

 ここは安くてよござんす。 

 堂島浜「遥華」。
 

 



 スタイリッシュに走る中華よか、こんなざっかけたのがよろしいなぁ。



            


 
  ま、その代わり、フカヒレの量も知れている。





 

  大阪の中華は、川口の居留地から始まったという。

 

             


  
   中国人居留地があって、川口から出た中華で今生き残っているのは…





   
   ミナミの大成閣はそうだったかな…、あと九条の吉林菜館。    
 


              

 

  ここなら同輩との無礼講でも、後輩におごるにしても、財布の怪我は最小限。

 

              



  福建炒飯だったかな。 

 

 


泣かせてよ、とろりとからしそばで。

2018-04-22 00:16:32 | 京都

京都の中華料理については、姜尚美さんの力作「京都の中華」(幻冬舎文庫)に詳しいが、

さかのぼると、大正13年創業の「支那料理ハマムラ」に始まるという。

港があり、居留地のあった神戸や大阪に比べて、京都は雑居地となるのが遅れたそうな。







関西人にはおなじみのマーク。宣伝のため一般公募、たしか立命館の学生の作。

このハマムラで料理長を務めた王華吉という方が、「飛雲」、「第一楼」を経て「鳳舞」という店を持った。 

この「鳳舞」系と、祇園の路地奥にある「盛京亭」系の二つの流れがある京都中華。


瀟洒な「鳳舞」の建物。中華料理店に見えない。

鯉が泳ぐ池のある庭園のある個人店が2009年まであった。



 



ここから多くの店が独立しているが、もっともよく特長を残す一軒が、

河原町二条にある「鳳泉」。

王さんの下、42年もの間、鳳舞で厨房を務めたのが、ここのご主人。



 



我ら鳳舞に間に合わなかったので、ここからしか偲ぶことが出来ないが、

まず油の匂いがしない。 掃除が行き届いている。 床や壁、メニューなどのべたつきが無い。



本格的な夜の時分どきには早いので、のんびりやらせてもらうことに。

となりには常連らしき高齢のご婦人がラーメンなぞ食べてらっしゃる。 いいな。 

まずは紹興酒を常温でもらう。


 
  



 ピータンなぞ、もらうことにした。

 何の変哲もない、化粧っ気のないのがよござんす。



 


 
 さて、と、何をもらおうか。

 

 
 


 来訪の目的は、からしそばと決まっている。

 あとは当てずっぽうだが、焼売なんぞを。 

 

 



 後で知ったのは、このメニューの書き方も鳳舞ゆずり。

 品数を絞り込み、盛り付けがシンプルなのも鳳舞ゆずりだそう。 

 それに驚いたのは、厨房が静かなこと。

 我らが知る中華の厨房は中華鍋にお玉の音がカンカンして、炎はボーボー、

 その間に中国語の破裂音が飛び交うというもの。

 その騒がしさが一切感じない。

 どうも、その辺もまた、京都の中華の特長のようだ。


 
 焼売が来た。

 この不揃いなところも、手造り感満載。

 あとで知ったが、これもここの看板メニューなんだって。



  
 


 クワイのカリッとした食感が心地よい。

 酢醤油に溶き芥子を加えて、あっさりとした持ち味。

 6時過ぎなのに、後から来た客には「もう売り切れてしまって…」と弁解している。

 まだ夜はこれからなのに、品切れは早過ぎるんぢゃないの?

 
 胸騒ぎがして、早めの注文をした。

 「からしそばありますか?」

 と問うと、「あります。ローメン一丁」と通した。

 暫くして、持ってきたのがこれ。

 

  



 「エビカシワそばです」

 と言われ、間違いかと思い、

 「え?カラシそばを頼んだんだけど」

 というと、若いホール係、不安になったのか聞きに戻った。

 そして「これがカラシそばです」

 こっちが物知らずだった、と赤面。


 イメージではもっと芥子色を想像してた。 
 
 しかし食べるとほんのりと和芥子の風味が立ち昇って来る。

 辛味はあくまでも抑えめ。

 もっとツンと来るのかと思ってた。

 手元で芥子を増量した。

 

 あっさりしてるが、鶏・海老は多くて食べ応えあり、

 途中で酢や醤油を足したり、好みで塩梅を替えるのもいいだろう。


 
 花街で着物に匂いが移ることはご法度として、ニンニクニラ、ラードなどは不使用。

 芸者衆が一口で食べられるようにしたり、あっさり食べられるように

 タケノコを多用したり、鶏ガラスープに利尻昆布を足してベースとした。

 花街のおかあさんたちにうるさく叱られたと「一之船入」や「斎華」からも聞いたことがある。

 独自の進化を遂げている京都中華。 頑固なまでに残っているのもこれまたおもしろい。




楽天地裏 洋食駄菓子の味

2018-04-15 22:05:29 | 大阪ミナミ

かつて千日前に楽天地ありき。 現在のビックカメラなんば店の場所。

さかのぼれば、プランタンなんば~千日デパート~大阪歌舞伎座~大阪楽天地。

大正3年(1914)から昭和5年(1930)まであった活動写真、演芸、レジャーの殿堂。

琵琶少女歌劇があり、のちの大女優田中絹代はそこの出身。

 

 

 

 左手前、絣の着物で振り向いている丁稚さんでも、入場券を買えば一日遊べて、帰りに

 楽天地裏の「自由軒」でカレーを喰って帰れた・・・私らの万博体験みたいなもんだな。

 こういう体験のある、叩き上げの商人が意外に大阪には多いのである。



 千日デパートの業火は中学ごろか、テレビ画面で臨時ニュースが入ったのを覚えてるが、

 のちに、一帯は元々千日墓地でさらし首まであったと知っては、穏やかではいられなかった。

 ともあれ、健在なり「なんば自由軒本店」。 明治43年創業だから、今年で108年。

  

 



 40年ほど前に初めて訪れたが、まぁ、ほとんど変わっていない。

 だが客層は変わった。

 圧倒的にアジアの外国人が多い。

 のれんに染め抜いた大衆洋食の文字が潔い。
 



 


 
 自由軒というとカレーライス。 日本人にとって洋食との出会いはカレーといっていいだろう。

 ここでカレーというと、あらかじめご飯にカレーをまぶしこんだ名物カレーのこと。

 ご飯とセパレートタイプは、別カレーと呼ばねばならない。

 さて、大げさではあるが、その食べ方を披歴するとしよう。



  



 飯の上に生玉子、全卵を割り入れた姿で運ばれてくる。

 卵の載っていないところを食べてみよう。 最初は甘いがあとから少しスパイスが来る。



      


 まず、この玉子をつぶして、ご飯全体にまぶしこむ。 

 香辛料の体験が無い大阪人にとっては辛すぎて、辛味を和らげるために卵をくれと言ったのか。

 はたまた精のつく卵喰って、どこかへくりこもうとしたか。

 

 昔、同級生とどこかで普通のカレーを喰った時に、そいつは食べる前にカチャカチャと

 カレーソースとライスをこの状態になるまで、丹念にまぶし込んでいて、

 こいつとは友達になれないと思ったことがある。 肥後くん元気にしてるかな。


     


 
 このままで食べると、カレーがマイルド過ぎて、ぼやっと曖昧模糊とした味になってしまう。

 これを締めるのが、テーブル上の無敵のスパイス・・・ウスターソースである。

 適宜、ドボドボと好きなようにかければよい。



     


 
 なんぼなんでも、かけ過ぎた! ここのカレーは最初からウスターをかけることを想定した

 味付けになっているのだ。 これぐらい多くたって平気、平気!


     

 

 こいつを全体にサックリと混ぜ合わせて、準備段階は終了。

 うかうかしてると冷めるので、ここまで来たら、一気呵成にお願いしたい。
 

 旨いとか、旨くないとかいろいろに申せども、

 まあ、明治から続く大衆洋食の記念碑的な一皿だ。

 私にはなんだか、洋食の駄菓子といった風情がある。

 日頃は思い出しもしないが、ときに喰いたくなり。

 喰ったら、もう当分はいい。


     

 

 勝手に広告塔に使いよって、厚かましいなと最初は思ったが、

 織田作だって勝手に「夫婦善哉」の中に自由軒カレーを登場させてるではないか。

 織田作の姉、竹中タツさんがこれを見て、喜んでいたというから、

 オレがとやかく言う問題ぢゃない。

  


なんば座裏に、この店あり。

2018-04-08 17:33:12 | 大阪ミナミ

 「座裏」、かつてのなんば新歌舞伎座裏のことだ。 裏路地に怪しげなオカマスナックなどもあったが、

 新歌舞伎座が取り壊された今、生き残りをかけてレベルの高い飲食店も増えているらしい。



 新歌舞伎座の周囲は塀が張り巡らされ、建築計画によると来年7月、ここに地上19階建ての

 ホテルが出来るという。隈研吾事務所、鹿島建設の受注。 名称はベルコ難波ビル。

 あの冠婚葬祭のベルコだろう。 持ってやがんなぁ~。



 さて世に日本酒にこだわる店は多いけれど、その嚆矢ともいえるのが「山三」。

 酒蔵訪問や酒米の田植えなど、積極的に裾野を広げてきたのが、主人山瀬さん。 

 ずいぶん久しぶりになってしまったが、行っとかなきゃ。 

 

  


 
  一時、健康を害しておられたと聞いたが、秋田県の酒の会でもお会いしたし、

  お元気そうで安心、ご夫婦とも。

  まずは薄ら寒かったので、片野桜の燗酒。 

 


  

   

  結構ですな。 あては赤なまこの酢の物。



  



  大阪のまん真ん中にありながら、ここは大阪のステレオタイプだと思うと大違い。

  大阪人らしい(?)押しの強さなんか無い。

  お客様が神様的な大仰な接客も無し、 ひたすら旨い酒を飲む店。

  久々に行っても、たぶん毎日行っても、客との距離感は守って小ざっぱりしている。
  
  ただ言っておくが、料理は遅いので、気長に会話したり、物思いにふけったりしていよう。



  乾坤一(大沼酒造店・宮城)に。



  


 
 いつものように、よこわの胡麻醤油和えで行こうとするも、

 「かつお、あるよ?」と勧められ、ほいほいと乗っかる。

 この店は乗っかっておいて、間違いはないだろう。

 ただ、繰り返すが料理の出は遅いからね。料理は一人だし、ま、気長に。



  


 
  これはいいね。 たたきばかりが鰹ぢゃないよ。
 
  生姜や山葵で食べる鰹のさっぱりとした、それでいてヘモグロビンの酸を感じる味わい。

  これは日本酒をよぶ。

  もう一杯所望すると、主人が見立ててくれる。



  



  山瀬さんおすすめ、交野市の「富楼那(ふるな)」(山野酒造)無ろ過生原酒。

  火入れした酒の方が好みだが、こいつはよろしゅござんした。 

 


  



  ベルコのビルができると、周辺の街の姿も変わるかもしれないが、

  いつまでも、と願わずにいられない名酒亭である。

 

 


日本橋大阪・コスプレ大會に巻き込まれ…

2018-04-08 17:01:29 | 大阪ミナミ

茫日、新歌舞伎座から源聖寺坂を転がるようにおりて、日本橋へ。

するってぇと、おまいさん、 大勢の若いもんがたむろっていて面食らう。 ゲゲゲ…







しまったわい、コスプレの日だったらしく。 群衆の歩みはノロノロ。

オッサン、巻き込まれてもうた。

個々のコスプレイヤーには恨みはござんせんがね。



    



 着替えるところもままならないだろうに、涙ぐましいよなぁ。 

 大きな着替えボックスでも持ってたら、商売になるんぢゃねぇか。 



    



 きなくせぇなぁ・・・次の戦争では、キミら真っ先に最前線な。


 おかげで「き田たけうどん」にたどり着いた時には、麺切れ、ありつけないことが分かった。

 これでコスプレに怒るのはお門違いだな。知らずに近付いてしまったオレが悪い。

 「夕方から立ち呑みするよ」と木田さんに言われたが、まだ日は高い。

 しかし、腹が減った。 何を喰うべきか。

 ・・・と行ってみたのが、「ダイニングあじと」。 休みだった。

 支店がやっているとのことで、「Table あじと」へ。 




    


 うん、まあいいんぢゃね? しかし、この通りで今元気なのは、

 あじとグループと、ひでぞうグループ、とき寿司…みんなたいしたもんだなぁ。 

 

    



  ビールをもらって…と。 

  ああ、もうはらへりの助。

  うどんに替わる、何かガツンと喰うものをいかねば!
 
 

    

 


 ほう、ランチプレートね。 まぁ悪くないけどなぁ…

 
 あ、こっちは鉄板ナポリタンか。 こりゃそそりますな。

 
 何かトッピングすりゃいいわけで。

 


    



 
 ほほぉ、サラダ付きは有難いねぇ~。 野菜も食べなきゃだめぢゃにゃ~きゃあ~


    



 トッピングはハンバーグにしたのだ。
 

 こりゃいい! 煮込みハンバーグになってるわけか。



    




 グラスのワインをもらって。  セーターに飛ばすのだけはごめんだ。


 鉄板にギッチギチなので、食べにくいこと。 ナポリタンは倍は喰えたな。


 通り過ぎるレイヤーを横目に見ながらの昼のみも、これまた一興。