マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

カレー千変万化

2009-11-30 23:39:35 | 

カレーの本場、インド人が見たら眉をひそめ、パスタの本場、イタリー人が見たら腰を抜かしそうなインデアン・スパゲティー。
伸びるだけ伸びたような麺であるが、哀しいかな、これでも十分美味いと思える味覚の持ち主なのである。



ぼそぼそしたパスタだが、まぁまぁイケます。ライスに飽きたらこれを頼んでみるよろし。これでルーは一人前。ご飯とちがって、ルーがスパの隙間に吸い込まれていってしまうので、ルーの追加が欲しいが、ツー追加は(200円)安くないので断念、普通サイズで行ってみた。卵の黄身を落とす向きもあるが、ここは遠慮。



インデアンのもう一つの名物はこのキャベツのピクルス。
クセになる美味さ。いちいちフォークを使うのが面倒なので、インデアンフリークはカレーの大皿にドチャッとぶちまけて一緒に食っちまう。

1947年、法善寺が開業の地。ここのカレーに影響を受けた関西のカレー屋は数知れず。たしか初代は映画関係者、カメラマンだったか女優だったか、でも料理取材に関しては鉄のカーテン、決して明かしてくれない。大阪人としてはぜひ一度やらせてほしい。



まんまと食わされました。いっぱい食わされました。辛さはカレーライスほど来ず、いつものようには汗が額を濡らさない。
東京では丸の内にあるというが、こいつばかしは大阪に帰った時に食ってもらいたいなぁ。あ~、美味かったぁ。


          インデアンカレー 北区西梅田・堂島地下センター店


“ちゃん”づけで呼ばれたい

2009-11-29 10:32:32 | 

えーちゃんと呼ばれたい、と口走ったのは、ときの宰相、佐藤栄作。嫌われてましたからな、結構。なんで彼がノーベル平和賞とったんだっけ。訳がわかりません。

世の中に「・・・ちゃん」と呼ばれる店は多いが、こと粉もんに関していうと、顔なじみ、フレンドリーな関係で、時間と共にその街に浸透している大事な街を構成する要素の一つである気がします。

さて過日、神戸の美術館へ。だまし絵展というのを見に。
野菜並べて顔を描いたマルチンボルトに、ルネ・マグリット、エッシャー、ダリ、浮世絵まであり、一緒くたにだまし絵でくくられるのは作者としては心外ではないのかな、と思ったりも。





宙に浮かぶ灯台

帰りは途中下車して、住吉のお好み焼き屋へ。



阪神住吉に完全になじむ、下町お好み焼き屋。
すえちゃんは亡くなったが、娘さん二人が(といっても、もう立派なおば、いや、おねえさんだが…)達者なしゃべくりと元気で切りまわす。

たかだかお好み焼きであるが大阪と神戸とはちがう。ぐちゃぐちゃに混ぜて焼く大阪に対し、広島同様重ねていく神戸式。混沌を味わう大阪と、層になった蓄積を味わう神戸。



貝、すじ、油かす、じゃがいも入り。大貝なんてのが入るのも神戸式。これが風味を加える。
水が一番合うのはわかるが、ここはビール。



なかなかつながりにくく、食べているとポロポロになるのもここの特徴。3種のソースのブレンド。そこに激辛ソースを塗る。
ムチャクチャ美味い!
大阪は何でもかんでもマヨネーズだが、あれは悪しき慣習といえる。



タコ入り焼きそば  地元の人間になって、ここの鉄板にもたれかかり、日長うだうだ飲んで「もう、ええから、アンタ帰り!」と言われてみたい。



決してメシの代わりでなく、おやつなんだよな、お好み焼きって。
美味いまずいだけではない、いろんなことを思い出させてくれるお好み焼き屋である。



            すえちゃん   東灘区住吉宮町1




西梅田・地下街の顔役

2009-11-28 02:40:39 | 

子供のころから大の苦手だった、梅田地下の雑踏。
たぶん何度も迷子になったのだろう、いまだに虎馬である。
今はぶつかってこようものなら睨み返すことぐらい厭わないが、ガキの時分には怖い大人ばかりで、もっと殺伐としていた。



かつては地下鉄の回数券売りのおばはんがウロウロ立っていて商売になった。イラチの大阪の客は、券売の窓口へ並ぶ暇を惜しんで、おばはんから買った。おばはんは喫茶店のコーヒー券10枚綴りで11杯コーヒーが飲めるように、1枚の差額を微々たる儲けとして生業にしていたそうな。70年の万博をシオに消えてしまったが、あのおばはん達は一時、大阪名物であった。



これも子どもの頃からある、大阪駅前、阪神百貨店前の立ち食い串かつ「松葉総本店」。あのなんともいえぬ、ちょいと酸化したラードのような匂いが空腹に猛烈に訴えかける。逆に満腹には気持ちが悪いが。

近頃、阪神百貨店B1はすごい行列。ハリエのバウムクーヘンでも神宗の塩昆布でもなく、ラスクだぜ、ラスク。
わが辞書に、並んでまでラスクを食いたいと思ったことなどなし。



西梅田B1名物、諸国名産売り場。通称アリバイ横丁。
奥行きわずか30㎝ほどの商いももはや老舗のうち。今だに商売になっているのだろうか。



長らく、コテコテの吹き溜まりの如き印象だった「ぶらり横丁」。ずいぶんと小ぎれいになった。辺りにはだしの匂いが漂う。
立ち食いの「まねきそば」。福そば・うどんが200円、かけそば・うどんが230円。何が違うのか、試してないのでわからない。
北海道産昆布使用、無化調を謳う。


カレー丼セット 500円 うひゃひゃボリュームあり。
立ち食いで足鍛えて、デフレ時代を生き抜こう。
うどんはコシのない大阪系のふにゃふにゃうどん。だしは悪くない。でも、まだ麺のグレードを上げられる気がする。



どういう順番で食べるかが悩みどころ。
カレー悪くない。めしがちょいと柔らかめなのが難。

もう、腹パンパンになった。



カレー好きなので、たまりません。


       まねきそば  大阪市北区梅田3 ぶらり横丁



トンネル抜けると、そこは

2009-11-22 02:54:55 | 

箕面の「風の杜」。一夜明けて一転、快晴。
この眺望がこちらの値打ち。庭先に出るとまぶしいのなんの。


モデルは同級生、Kくん。
小学校当時から見ため、性格、ほとんど変わらない。

昼飯は蕎麦屋にしようということで、箕面から初めて有料トンネルを使うことに。


(写真、どちらさまからかの拝借…これが箕面側)
立派なトンネルを抜けると、止々呂美(とどろみ)。ものすげぇ田舎である。八ツ墓村のロケでもできそう。オオタカの営巣地を蹴散らして作った割には、大して役に立ちそうもないけども。(案の定、大赤字の由)でも今までは山越えだったから、便利になったには違いない。

早く着いたので、「ガレリアかめおか」という巨大施設を見学に。
ガラス張りの流線型の凝りに凝った建物だが、使いにくそう。

引っ越してから初めて行く、「拓郎亭」(たろうてい)。吉田拓郎命の主人の店。新しくなってからも快調なご様子。


揚げそばでビール。


運転の友には悪いが、蕎麦屋でしらふほどツライものはない。
ってことで蕎麦焼酎呂山の蕎麦湯割り。


焼き海老味噌  ぷちぷちと蕎麦の実。海老の香りほのか。


鴨くんせい。上品な焼き豚のよう。


普通のせいろ。量もしっかりあるのがうれしい。
少し緑がかっている(蕎麦の甘皮の部分ですな)のが拓郎亭の特徴。もう新そばですよね。


ツレがたのんだおろしそば+海老天の豪華版。
自家栽培の辛味大根はキレイな薄紫色。
誰だい、紫芋混ぜてるなんて言ってるヤツぁ。


ツレIくんが一人、カレー臭をふりまいたインディアン・リどット。
そばの実ライス、蕎麦すいとん、地鶏などが入る。キーマベースのカレーソースにチーズ、バジリコの創作メニュー。
リゾットにあらずリどット(変換しにくいわ!)という店主はたしか落語研究会出身とかで、ひねりをきかしている分、客はちょっとだけしんどい。蕎麦店主を集め、11店で唐変木蕎麦之會なるものを主宰される。


こちら、粗挽きそば 塩でいただく。ふむふむ…こういうありか無しかの風味を楽しむには日本酒だなぁ。ツレの誰もたのまないので、ここは我慢。
カレーの匂いにほだされて、カレーライスを頼むも、とき既に遅し。他のお客の注文の最後にまわされるということで断念。
カレーなんちうものはお玉でライスの上からぶっかければ済むもんではないのかな。



一日限定4個だか書かれていたそばプリン。
手作り感のある優しい味だがこれはこれ。個人的には舌ざわりの滑らかな普通のプリンの方が好みかな。

再びトンネル戻って、一行とお別れ。
その後、ボウリングを何ゲームかして帰ったというから、どれだけ元気やねん。



         丹乃國蕎麦  拓郎亭   亀岡市安町小屋場



同期、息切れ、まだ早い

2009-11-22 00:49:58 | 

某日、小中同期の連中と集い、大阪市内から至近距離のリゾート、「みのお山荘 風の杜」という宿へ。ここの建物、拙宅からも山沿いに小さく見える。
メンバーは朝からドライブ、「チーノ」という明石の海辺のイタリアンでピッツァをしこたま詰め込んできた由。こっちは直前に仕事になり、一人遅れて雨の中をブルーな気分で行く。
待たせたなぁ、さぁメシに突入である。


前菜  鱚菊花和え・合鴨ロース・寄せむかご・栗渋皮煮・トビアラ・銀杏・・・ とりあえずのアンティパストだが、もう少し工夫できるような気がする。点数を絞ってグレードを上げるとか。つかみが大事なので、思わず歓声が洩れるようなものが欲しい。例えばこれから食事が始まるのにでかい(腹の膨れる)栗など外してしまって、秋の色彩をもっと出せないだろうか。


先付け  胡桃豆腐 トマト


造り  鯛・伊勢海老・よこわ・縞あじ

この日のために取っておいた竹筒入り清酒を持参。穴開けるのに電話したりしてひと苦労。チョボチョボとしか出ず、ひとに注ごうとすると肉離れを起こしそうになる。
友人Fさんからは秋鹿を差し入れいただく。来れなかったTくんからはビールが届き、箱入り安うまカリフォルニアワインをグビグビ。


吸い物代わり  土瓶蒸し 松茸・鱧・蛤・才巻海老


金目鯛  蕪・あわび茸


三田牛のすき焼き 松茸 豆腐 玉ねぎ


カマスのポワレ 根セロリのピュレ
こういう和洋折衷な料理も口が変わってオツ。


天ぷら  イチジク衣揚げほか

この手の旅館系の会席料理というのは難しいなぁ。
全部が全部熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、という訳に行かない。コース料理のように一品食べたら次が出てくるわけでもない。不本意であろうが、食べ手のテンポではなく出し手(お運び、しいては厨房の)のテンポで進行するので、ついつい皿がダブついてしまい、客は一皿に集中できず、気が散ることになる。


ああ、目移りしていけねぇやぁ・・・(蟹)

もっとも多くは宴会が目的なのだから、さて真剣にメシ食う人間がどこまでいるか。冷めても美味しいものを考えなければいけないし、豪華さを感じさせるには皿数だっているだろう。僕はもう少し品数を減らして力点を明確にしたらいい気がするのだが。


胡瓜・貝柱重ね・茗荷・うど…
こういう小さな酢の物好きだけどね。

つまりは通りいっぺんの会席を排し、点数を絞り、ここへわざわざ来るに足りる個性のキラリと光る料理をドンと持ってくる。そこが勝負、印象に残る何かを。言うは易しであるが。

シメは松茸釜飯・赤出汁・三種香の物


クレームブリュレ 表面は炙ってある。


酔っ払ったので今夜の風呂はパスして明朝にまわす。

腹はいっぱいだが、明石から買ってきてもらったピッツァ・マルガリータを開こう。ピッツァは冷たいが、その気持ちが温かい。
くだらない話を肴に、一杯やるとしよう。

朝の風呂がまたいい。
ここの朝の陽光の中で入る風呂は最高!


         みのお山荘 風の杜   大阪府箕面市箕面2