マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

一年の計は雑煮にあり。

2017-01-05 02:40:28 | 

一年の計は元旦にあり。

といいながら、もう数日過ぎてしまったが。

とりたてて新しい年に何かを改めたり、今年こそなどと気を張るのは

もうやめてしまった。

今年は去年の続きぞ。 だらだらと生き延びてやるのだ。


てなことで、このブログもダラダラとやめることなく、細く長くしぶとく…。



 

 

ご存じ、力道山。

没後30年の時にスポーツ番組の中で特集を組み、生存者の話を取ってまわったが、

あれから24年も経つと、もう多くの関係者はおりますまい。

戦後の昭和は力道山が死んだ昭和38年まで。翌年の東京五輪からは新たな昭和の

幕が開いたような気がする。

 

・・・てなことは正月から関係ないか。



正月らしく、拙宅の雑煮をアップしておこう。 



 



家人が大阪なので、白味噌の雑煮。

長いこと大阪に住みながら、親爺が東京下町の小倅だったため、すまし一辺倒。

この濃厚な味わいは所帯を持つまで、ほぼ食ったことなかった。

里芋、京人参、細大根、 吸口に柚子。

これに和辛子を添えるも悪くない。


さて拙宅では、これに黄粉を添える。 左様、餅を一旦出して甘い黄粉につけて食す。

家人の亡父は大和の出雲出身。 大和地方ではこうして食べたそうである。

味を重ねて行く重層的味覚。 年に一度のごちそう感覚だったのだろうか。



 



これがね…大きな声では言えないが、なかなかイケるのだ。 


思えば、京都今宮神社のあぶり餅がこの食べさせ方をする。

「一和」「あぶりや」の二軒が向かい合わせで客を取り合うのだが、

竹串に刺した一口大の餅を、炭で炙り、白味噌ベースのタレにつけ、

黄粉に転がしていたような気がする。

一和などその歴史は千年ともいわれており、日本最古の菓子の呼び声もあるぐらいだ。





 


案外、その発祥は奈良にあり、平安京とともに持ち込まれたのではあるまいか。

まさかとは思うが、食文化にはそんな想像も膨らむ面白さがあるのだ。


酒食に放歌高吟、楽器は生涯のお友だち。

口に入ること、出ることしかほぼ興味のない男でありまするが、

どちらさまも、本年もどうぞよろしゅう。



おまけ…

親戚の幼児のために作ったお年玉。





 


キミは全てにわたって濃厚なる鉄板の洗礼を受けたか。

2016-06-06 04:22:16 | 

地方の人間にうまいお好み焼きを聞かれたら、大阪人は苦慮するのである。

それほど生活に根差していて、たいがい幼小時から食べ付けたものが一番うまい。

しかし、強く求められた時、悩んで出すのがココ。 ま、場所がわかりやすい。

新大阪駅構内にお好み焼き屋は数あれど、駅外で、ホームの北スグ。

ホームから一番近いお好み焼き店。 それが…「登美子」。
 




 

とん平焼きは独特である。

分厚い豚バラを2枚、S字状に合わせて焼く。



 



焼けるまで、おかあさんの手作りキムチをアテに

ビールでも飲んでおとなしく待とう。



 



ここのとんぺいに小麦粉の生地は使わない。

鶏卵1個をつなぎとする。

豚肉の質がモロに出るから、なまじの豚肉ではいけない。 脂がよくないと。







仕上げに辛口のタレとネギをドチャッと載せる。

このネギを一欠けらでも残すと、おかあさん途端に機嫌が悪くなる。

ネギ好きの自分には、まったくそんな心配は当たらない。

「ホルモンも焼いて~」







たまにはこの手のジャンクがよろしいようで。

妙なチャンネルというか、気合いが入るというか…。







この日は息子不在のため、おかあちゃんの登板。

キライなもんはキライ、アカンもんはアカン…の名物おばちゃんである。

かつて阪神ファンだったが、店に来た村田修一がツボにはまり、横浜ベイスターズ贔屓になった。

とたんに村田はお母ちゃんが大嫌いな巨人入りを果たした。



 



すじ玉。

今もDenaファン続けているが、村田だけは別。

巨人勝つな、村田打て~! という微妙な声援を送る。

もう一枚はツレが頼んだイカ玉。





 


座る場所も決められる。 ときにビールも勝手に出してと言われる。 カチンと来ることもあろう。

なかなか客の自由にはならんけど、世の中とは、そういったもんである。

暗黙のルールに従っていれば何にも言われないので、ラクなもんである。

こんな所でまで、自分流を押し通そうと思わず、流れに任せる。

それがもっとも快適に美味いものにありつく方法だという気がする。


 


京都西山のタケノコ ご近所で春のめぐみ

2016-05-09 14:21:57 | 

茫日、洛西。

タケノコの日本一の名産地が近いのに、今まで一度たりとも
食指が動かなかった。 

だけど、まったく知らないというのは勿体ないだろう。
ということで、電車とタクシー乗りついで行ってみた。

 

 

筍亭と書いて、じゅんてい。 阪急桂駅から西山へとタクシーで10分強というところ。意外に近い。

時間の余裕をみて、天鏡院の山門で降りて、花を見ながら抜けて行くのも一興。







一番は新緑の竹が見どころだろう。



 


おちついた佇まい。 シーズンだけあってけっこう客が多い。

予約の際、立て込んでると、昼下がり2時ごろにお願いされてしまった。

そんなことでカリカリなどしない。 泰然と構えよう。

部屋に入る前にロビーで記事を見たが、ここの社長はおつに澄ました人にあらず、

ほんまのタケノコ職人みたいな風貌で、いっぺんに好感を持った。








さて、料理は個室で供される。 

前菜三種。

佃煮、たけのこ真丈、穂先の梅酢和え



 


…づくしが苦手なので、お造りが出ると嬉しくなります。

ヒラメと湯葉。

酒だな。
 



 

 

 木の芽和え。 春のめぐみです、大好き。

イカの食感なしのタケノコのみ。 

 



そして、定番中の定番。 若竹煮。

長らくタケノコ一筋に携わってきただけのことはある。 しみじみ、うまい。

歯ぐきを押し返すような、適度な歯ごたえ。 しっとりとだしの風味。
 

 

 

 道明寺蒸し
 

 

 

 
湯豆腐は竹の割木を鍋にして。 風流なもんですなぁ。

両側の竹の湯呑みで受けてるのは、竹の生木から浸み出して来る水分。
 

 

    

 


こいつで酒を割って飲むといいですよと教えられて、酒にちょっと入れてみると

「うわわっ…」 苦いのなんの。 たとえへ言うなら、火事場から拾っていた酒の味。

竹の清浄感より、スモーク利き過ぎて…これ飲んで大丈夫なのかい?

豆腐はいい感じにのぼせあがって、良い感じ。

 

 

 

天麩羅 ズッキーニや青とう、ピンクのは忘れた。 
 

 

 

タケノコサラダ

これもトウが経ったものだと、えぐみが出てくるだろう。

 

 


シメはタケノコごはん、吸物、香の物

 
 

 

ラストに水菓子

 

 

 鮮やかなもんでした。  これで料理だけで6300円。

他に朝掘り白子タケノコや、料理が増えて1万5千円ぐらいまであるけど、

ま、ゼイタク言わなきゃこれで十分。

気分はのんびり。

 

    




裏庭に出るってぇとこんな具合。

竹取物語のじいさんばあさんが、ふいと出て来ても不思議はない。

 


ついに台所を石もて追われ…

2015-12-17 02:13:41 | 

ふと大根とイカの煮物が食べたくなった。いや、待てよ、

里芋とイカの煮物も旨そうだ。 しかし両方は芸がなさすぎる。

クックパッドなんぞをたよりに、野菜を剥き、下ゆでなど始める。

イカの皮がまぁやすやすとは剥けてくれない。 布巾で簡単に剥けるように料理番組は言うが。

格闘中に帰って来た家人に、

「ええっ!まだ野菜できてないの?何時になったら食べられると思ってるの!」

となじられ、亭主台所を追われる。

よ~く考えりゃ、イカは皮付きの筒切りでよかったのだ。 ああ、あとのまつり。







家人のリカバリーにより、みるみるうちにおかずのテイとなる。

その手早さに、抵抗をする気も失せた。

私が意地を通していたら、あと2時間はかかったかもしれない。

イカの風味が沁みた大根うまし。


       

    




里芋は単体の煮っころがしに。 なかなかどうしての味。










残りのイカは夜半、一人で塩辛にする。

1日2日で食べごろになる。 柚子コショウと自家製味噌がポイント。

いや、ホントにすべての料理人と主婦に頭が下がった思いである。

ぐやじ~が。





    


本日開店!新大阪にだるま

2015-07-17 01:15:44 | 






7月16日(木)は「串かつだるま」の新店、アルデ新大阪店がオープン。


立派な花が店頭にデデ~ン! よかった…しょうもない小っこい花贈らなくて






今まで新幹線駅ナカの、なにわ味めぐりいう場所で、「ねぎ焼きやまもと」や

「うどんの今井」、「たこ焼きくくる」、「焼き肉屋のカレーたむら」などと

軒を並べて来たが、手狭で落ちつかない印象はあった。

だからまぁ、こっちができて格段に使い勝手がよくなった。

御堂筋線から来ると割に近い、2階フロアにある。








特急レーンで串カツが届く。 昔堅気な客は眉をひそめるだろうが、

そんなもん、串かつなんか難しいこと言う食い物ちゃいますねん。

ちょっと前まで、女性など手が出せない、労働者の食い物。

一杯やる間に、合いの手として2,3本つまんで、足元に串落として

ごまかしたりするもんだった。 

決して安倍首相がSP付きで食べに来て

庶民性をアピールするような食べ物ではなかった。


まったくこの出世ぶりは、幼稚園からジャンジャン町で食ってた人間として考えられない。

正直、ちょっと落ち着かない有り様。

けどね、叩かれようがどないしようがポキッと折れない、雑草のごとき強靭な食べもんにほかならぬ。










その頃のならい性で、まず「串5本!」とか頼んでしまう。

串カツは料理自体を指すが、おもに牛カツのことを示す。

二度づけ禁止とか言うが、齧って眺めたりするから二度浸けたくなるので、

このサイズなら十分ひとくちでイケる。 一度しっかりソースをつけたら十分!









こいつはハモ。ハモは落としやお椀にもなるし、照り焼きや湯引きにして

梅肉でやるもんだが、俺はカツでソースが美味いと思う。

京都の割烹屋などでもハモカツあるが、想えばこれ食ってたんだな、ご幼少のみぎりより。









調子よく食ってると、ずいぶんとソースが減った。

向こうは手つかずのソース。手前は私どものソース。

つまりはこれだけ、ソースを飲んだということになる。

それだけに、美味くて清潔で安全なソースでなければいけないということ。


躍進する「串かつだるま」。

店長は近畿大学応援部OB、この日も近大節に校歌を斉唱。








「身体を悪くしてもう閉めよと思う」、と先代主人に相談された赤井英和が

「それはあきまへん」と引き留め、後輩である上山会長に「おまえやれ!」と繋いだ。

あれから幾星霜。 ここまでになるとは誰が分かっていただろう。


とりあえず、みんながみんな狙う東京進出だけは避けているのが賢明。

首都圏とび越えて、バンコク・韓国、今年、台北・マニラを射程圏内に入れているのが痛快。


大向こうが何を言おうが、Go Straight Ahead !  

まっすぐ、まだまだヤンチャやったんなはれ。