関西以外の方は、たこ焼きをただのおやつと思っておられるだろう。
縁日に売られるベビーカステラのようなものと混同されるかもしれん。
ところが、大阪では飲食店の一ジャンルとして成立している。
その証拠に、店内の小さなテーブル席に座るのはほとんど大人。
ボクらは即座にビールをたのんでしまうが、一番合うのは水。
サイダーでたこ焼きを食べる人もいれば、牛乳にだって合うのだ。
おやっさん、今日も孫と一緒に黙々と鉄板の前に立つ。
ここがうまい屋の檜舞台である。
手前に立つのは女性陣、さしずめ黒子といったところか。
夏は地獄のように熱く、冬は足からしんしんと冷える。
来る日も来る日も焼き続け、うまいと言わせるものを作り続けるのは
やはり並大抵のことではない。
外はカリッ、中はトロリ・・・などと通常は言うが、ここのはよく焼いた
ウェルダン。阿倍野のやまちゃん的なトロトロをお好みの方は、イメージがかなり違うのでとまどうかもしれぬ。ラードをしっかりときかせて二度焼きしてある。一見普通に見えるたこ焼きだが、そこには工夫も独創性もある、そこが妙味というものだ。
生地にだしが効かせてあるので、そのまんま口に放り込み、
火傷しそうなところへ、冷たいビールをグイッ。
ひゃぁ~たまらん、たまらん。
半分はソースをつけて食べる。
火事(隣からのもらい火)にも身内の不幸にも打ち勝ってきた、
強く、やさしく、情のある味だ。
お土産に買って帰り、冷凍しておいて、何かの拍子にチンして酒肴に
するというのもいいが、やはり店で焼き立てを頬張るのが究極。
ほんとに、いつまでも、いつまでも。
うまい屋 大阪市北区浪花町 天五中崎商店街
新梅田食道街の皆さんの集まりがあり、ただのファンとして参加させていただいた。ところは都島通り沿いの「ばん東」。若主人はまんでぃほりでぃ会で顔なじみ。
ディレクターのP氏、編集者のS氏も同席。外から食道街に望むことを
好き勝手に言わせていただいた。
造りはよこわ、かつを叩き、ひらめ、さざえなど。
阪急百貨店や、大阪駅北ヤードがどう変わろうが、この高架下にある新梅田食道街の肩寄せ合う、ささやかな心温まる空間だけは変えないで欲しいと思う。きれいになったら、なんぼでも替わりの店があるというもの。あの雑踏から一歩入った、避難場所みたいな感じがいいのだ。
地鶏鍋グツグツ・・・
たとえば、あの強めの呼び込みがある筋は面倒なので、スルーしてしまうこととか。消臭剤がやたらキツいトイレをどうかしてほしいと言う。
できることはすぐしよう、と言って下さる。即効力あり。
「毎日」「三起」「奴」「とり平」の当代主人の皆さん。
かき入れ時に見せる厳しい顔つきとはずいぶんちがう。
学生時代、アメフトにどっぷりだった春駒さん、ラグビーに賭けてきたMASARAさん、いろいろバラエティに富んでいて面白い。
他、きじさん、味楽さん。
知らなかった店にも寄ってみたいと思った。
いい人たちで気分のいい会で昼間の一杯ができた。
散会後、寒さに震えながら三々五々。
こっちは夕暮れてから、ほかの会が待っているので、
さぁて、つなぎの一杯求めて動き出しますかな。
旬菜 ばん東 大阪市都島区都島本通3