マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

天神橋筋商店街からへっこんだ路地へ

2016-10-31 17:21:37 | 大阪天満


茫日、気の置けない友人と一杯やるために、天神橋筋を扇町方面へ。

路地の奥に隠れ家のような酒亭「いわ月」。

酒飲みごころをくすぐる、悪くない店である。

いろいろ飲んだけど、酒の画はこれだけしかない。

 




鳥取を代表する酒、日置桜。 生酛造りの強力はその名の通り、どっしりと力のある酒。

これをしっかりめの燗酒で。

こないだの地震大丈夫だったろうか。



店主の岩月さんものんベえなんだろう、気の利いた酒肴がある。

定番すぎて食指が動かない時もあるが、無いと寂しいのがお造り。

三種盛りは、鯛・タコ・シマアジ。1780円


 



レンコン醤油焼き 550円

無造作にぶつぶつ切って、醤油をからませ焼いたもの。

技巧に走り過ぎないこういうのが、酒には合う気がする。


 

こっちも毎回そそられていけない。

うす揚げの酒盗焼き 480円。

冷蔵庫に残った酒盗なんぞあれば、真似してみたくなるがそうはいかない。

 

 


どて大根 950円

薄味に炊いた風呂吹きダイコンに、すじ・コンニャクの煮込み。

なにわ黒牛のスジだったと思う。



 

 


私的には、これは食べなくちゃいけない。

鯖ずし 1280円



 


つかり過ぎない鯖を大葉かまして小ぶりの棒寿司にして、ぐるりを焼き海苔で巻いてある。

鯖のまったりしたうま味。海苔の香り、大葉のアクセント…美味くない訳がない。 



酒肴は40種前後。 ナイトランチなんていう酒の仕上げのメシものがある。

たのんだことはないが、釜飯だって美味そうだ。 

 

ま、ひとりの時は近くにいても、路地へ踏み込むことなく、きままな立ち飲みに行くことが多いんだがね。

あ~、行きたい。 

 

 


これが鄕愁の東京風味

2016-10-11 15:43:06 | 東京都 中央区

なんだか大阪人のくせに東京に魂売ったみたいに、と言われるかもしれんけど。

だが、東京においては、こういう東京風味さえ急速にヤバくなってるわけよ。

こういう基本の味は忘れて欲しくないわけですよ、ま、東京下町クォーターとしては。 







かつてバイトにいそしんだ日本橋三越前にあるのが、佃煮の老舗「鮒佐」。

江戸から続く名店で、ここの製造部長やってた方の倅が、役者の勝村政信だそうだ。

もちろん、とんかつ屋の小僧の頃には、佃煮なんぞにこっから先も興味なんかなかった。

一番安いのをいただく。







包みが洒落てる。







どうさ、この色艶。

浅蜊、あみ、昆布、ごぼう。

ああ、この見るからに濃口醤油で煮〆たようなのが、ないのだ。

このまんまポイッと口に入れて、冷や酒をグイもこたえられない。

ごはんに載せて、冷たいお茶かけてサラサラやったら、無茶苦茶うまかった。

佃煮、侮るべからず!


 
 


店内にあった、新派の花柳章太郎の額。

この近所の酒亭「まるたか」を贔屓にした

久保田万太郎も一句のこしている。



  日本橋室町鮒佐花火の夜 万 









さて、もう一つの江戸東京風味がこちら。

日本橋「弁松」のお弁当。

元は魚河岸で働く人々へ売った弁当らしい。

これがまぁ、いかにも東京風味の宝箱なのである。






今どき、きちんと経木の弁当箱。

おかずの味はどれも甘辛い。

この玉子焼の甘さはどうだ。 野菜もしっかり色がついている。

タケノコ、シイタケ、濃い。 だが進むにつけ、ちょっと単調になるのは仕方ないところ。


左の隅に甘味である、豆きんとん。

右端にあるのはメカジキの付け焼き。

メカジキなんて、まず関西ぢゃ出て来ない。 他にいっぱい食うべき魚があるから。





 
赤飯のついたセットも人気。

めしがやたら美味い。

おかずが濃いから、めしが進むことよ!

特に手前に入るショウガの辛煮。 ご飯のために生まれてきたか。

 



 

面倒なのは弁当箱に飯粒がくっつくこと。 昔はこうだったよなぁ。

一粒ずつ摘まんでるのがめんどくさくなり、お茶をぶっかけてみた。

箱がしっかりしてるので、漏れることなど無かった。 



食後の羽二重団子うまし。

日暮里が本店だが、弁松もともに東京駅八重洲口出た、大丸地下で買える。