マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

銀閣寺道で草を喰む - 1

2014-06-30 23:45:12 | 


春に行ったおうわさを、今時分に。

ここの僅かなカウンター席目指して、全国から予約が入る。

タイミングが合って、すごく久しぶりに行けることになった「草喰なかひがし」。

薄暮の時間、銀閣寺道。







いい歳をさらして、どうだぁ~これだけ喰って来たんだぜ~羨ましいだろ~
みたいな記事は書く気さらさらないのであるが、
ますますもの忘れ激しくなるばかり。 

このブログは個人的な備忘録を兼ねている。
なかなか行けない店なので、ちょいと詳しく書き記しておきたい。



    



カウンター内は、前菜が仕上げの段階。

いつになく中東さん、厳しい表情をされていて、おいそれと突っ込める雰囲気に非ず。





まずは心地よく冷えたシャンパンから始まった。







先付けが出る。 

いいだこ、菜の花、空豆、イノシシ山椒焼き、赤カブ求肥昆布、蛤土筆ごはん







酒は英勲  どれ、冷やからいただくとする。



     



なかひがし名物の朱塗りのおくどさんで、魚が炙られる。

良い匂いにつられて、くぅ~っとお腹がへってくる。







常に思うのは、うましものは美しきかな。

野趣に富んだというが、それが野暮ったい田舎料理になっては面白くない。

また表面的な田舎の装いになってもつまらない。やっぱり京都の料理でなくてはならぬ。

その辺りが中東さんの工夫のしどころであり、見せ場なのだと思う。


白和え  こんにゃく、しいたけ、蕗のとう







蕗のとうの苦み  この苦みこそ冬の間眠っていた身体の神経を揺り起こす
作用があるのだそうだ。春の苦みとは理にかなっているのだ。





白味噌雑煮    紅白の結び蕪、栃餅

  





滑り出しは上々…

まだまだ宴は始まったばかり。



十三、復活の狼煙!

2014-06-03 22:10:37 | 

 3月7日以前の十三ションベン横丁。

 正確には一本東側の線路沿いの路地こそがそれで、ここは中筋通り。

 だが十三好きは、ここもひっくるめてションベン横丁と呼ぶ。

 

   


3月7日はまだ寒かった。

朝6時ごろの出火により、11時間も燃え続け、36軒が灰になった。



       


    
ションベン横丁のある阪急電車「十三」西口は80日余りを経て、6月1日ようやく開通となった。

それに先んじて、飲食店は復興を待たず、仮店舗で営業を再開していた。




        



中筋通りの入口にあった居酒屋「十三屋」。

昼間から飲める、安くて美味い十三のランドマークだった。

それが東口の路地裏で4月末に再開した。喜ばしい。


  
      



成田一徹さんの切り絵のような、雨上がりのせまい路地。



        


十三というのは不思議な街だ。 

梅田からひと駅だが、淀川を挟んだ飛び地の繁華街で、どことなくペーソス漂う街。

高度成長期、大阪湾を臨む臨海工業地帯がもくもくと黒煙を上げ、

神崎川はドブドロになりながらも、経営者はキタ新地へ。

工員さんたちはこぞって十三のキャバレーやクラブに遊び、英気を養った。

「がんこ寿司」なども、十三で生まれ、その時代の空気を吸っている。



       


もちろん、ションベン横丁は良い時代も悪い時代も目撃してきた。


        



そんな空気の中で飲むのは、十三そのものを味わうことで、痛快この上ない。



         



ミンチカツは十三屋の定番。

今までの敷地の半分、いや、三分の一になったかもしれぬが、

十三とは切っても切れない間柄。

まだ、中筋通りがきれいに整備され戻って来れるまで、1年やそこらはかかるだろう。

それまで、どうぞこちらをご贔屓に、と言いたい。



   

 

 帰りには、ホルモン「まる武」へ。

 ビニシーの通りに面した、鉄板の前が特等席だ。