マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

たまにゃ自宅めし

2008-06-30 17:06:38 | 

6月ももう終わりだ。もう半年過ぎたことになる。はえ~!
なんだ、この速さは・・・。
というわけで、たまには自宅メシ。披露するほどのもんでもないが、
たまのお座興である。



生姜甘酢漬け、らっきょうミックス(スモークチーズとオリーブ入り、天六「レイジーボーン」のパクリ)、イカ塩辛、山椒煮(岡山美星の)、オクラおひたし、焼き茄子、ポテトサラダ。

いつか雑誌で見た、金原亭馬生師匠の食卓に似てきたなぁ・・・
師匠はこれに梅干なんぞあり、冷酒が定番だった。


づけ鮪、山芋とろろ

昔、寿司屋にでも聞いたのだろう。醤油と酒を煮切って、づけ汁を
作る。店によってはだしやら味醂が入るから、ご随意に。
そいつを冷まして、鮪をサクのまま漬ける。今日のは30分程度で
浅い。もうちっと濃いのが好み。
その辺のメバチやキハダなんぞでも、美味くなること請け合い。





こいつで、山かけ鉄火丼にして、あっという間に搔き込む。

口では炭水化物ダイエットなどと唱えるが、一向に実行できぬ。
伊賀・長谷製陶の土鍋がまた、これ、ご飯が美味すぎる・・・。





おつな姿を食卓に添えるのは、ドイツのビオナーデという飲み物。
100%オーガニックのノンアルコール、微炭酸飲料で、ビールの産地
バイエルンで麦芽を醗酵させて作られたもの。
添加物ゼロのファンタ…と言われている。
これを輸入食料店で見つけて買ってきた。@366円
はは~ん、自然な味。メシの邪魔をしない。これもっとレストランで
飲まれてもいいかも。

左からオレンジ&ジンジャー、エルダーベリー、ライチ。
コカコーラからの巨額買収を蹴ったという。 いいぞッ、ゲルマン魂!



仏光寺にて、冷汗

2008-06-29 19:01:22 | 




四条烏丸から二本ほど西へ行った新町通りを下り、仏光寺近く。
この辺り、古い京染めの店などが多い。
料理屋「木乃婦」の手前辺りにある蕎麦屋。
和の佇まいに似つかわしくない石の門が。
いつか世情を騒がせた大馬鹿之門を作った作者のものとみた。





品書きに酒飲み泣かせのアテを見つけ、所望す。
その名も「莫久来」。ばくらいと読む。語源は判らないが、
三陸のほやとなまこを合わせた塩辛である。贅沢なものだ、
洗面器いっぱいあっても仕方ない。
ほんの少しあれば、酒飲みは幸せになれる。
ほやとこのわた¥540 





蕎麦焼酎「そば黒御幣」のそば湯割りに切り替える。
あげ焼き 480円
不思議なことに鶏の油の香りを感じた。なぜぢゃ?





あれば必ず頼んでしまう、そばがき ¥900
熱湯で一気呵成に搔くのだ。
みるみる乾いていくので、熱湯につけてある方が好きかな。
ちょっと香りが弱い。
我が家では何かというと、親爺が作らせていた。





ざるそば¥880  
国内産の玄そば 自家製の石臼で挽き、それを
九一で手打ちにする。こちらは香り、茹で加減申し分ない。

三和土にウッドベースが立て掛けてあり、親爺が弾いたのだという。
水回しは指先がたよりなので、今はやめてしまったのだと女将。





お腹が満たされ、少し仏光寺を西へと歩いてみることに。
古い石畳の路地(ろ~じと伸ばす)がところどころにある。
塵ひとつ落ちていないので、ひっくり返ってみたくなった。






古い薬屋。漆喰の虫籠窓に古い薬の看板が掲げられている。
「奇應丸」「小児たんせき良薬・即治丸」などとある。





郵便局もこんな看板。





古いものが生活の中で生き残っている。
観光地を離れた京都はおもしろい。
市井の中には、始末の精神がそこここに見られた。





やば・・・調子にのって歩いたのは、よかったのだが。

古い町の中にはトイレなどないのであって・・・。

慌てて四条通に向かい、コンビニ見つけて飛び込む。

あっぶねー!・・・もしトイレが使用中だったら、小便タレのオッサンに
なるところだった。

コンビニさん、ありがとうー!
少々二酸化炭素排出しても構いません。
街のホットステーションであり、トイレステーションであって頂きたいと
切に願わざるを得ません。


       そば「味禅」  新町通り仏光寺 



裏寺のコスパ店で

2008-06-27 00:36:27 | 

しゃべりのプロ、Hさんと木屋町で鴨鍋をつついたのは桜が咲く直前のこと。ほぼ3ヶ月ぶり。ご自分のHPをされているので、お元気そうなのは確認済みだ。連れて来て下すったのは、柳通り近くにある寿司屋。
店は新しいが、もうここで50年余り。社交ダンス華やかなりし頃は、
美松ダンスホールにくる男女でたいそう賑わったといふ。
この美松ではかつて、中澤寿志がトロンボーンを吹いていた。




食前 梅酒
先付 豆乳胡麻豆腐
ビールで喉を清めて、さぁて!頂きませう  





前菜 ゴーヤのおひたしをサラダ仕立て 糸かつを
飾りのアジサイを食った客がいるそうな。
アジサイの葉はシソに似ているが、食えば食中毒を起こすらしいので、
要注意。





八寸  和牛網焼き・アスパラのソテー、茄子田楽、もずく酢、
ささげ豆胡麻よごし。

こういう豆皿系は目にも楽しく、ご婦人たちは喜びそう。





向付  鮪とろ・鯛昆布〆・かんぱち(かな?)

とろっちゅうものは、沢山はいらない。でかいのも野暮。
これくらいありゃあ十分。





煮物  鱧の時雨煮  大根おろし
岩手の水神をひやで

Hさん、自転車で琵琶湖一周なすったそうな。浜大津を朝出て、彦根で昼食、夜は余呉湖畔「徳山鮓」泊。客は一人だった由。行程120㌔超の健脚ぶり。翌日は、グルリと湖西を回って帰ってきたというコース。
自転車レーンが完備されているらしい。い~な~。
昔はチャリンコ小僧だったが、今、はたしてオレにできるかなぁ・・・。





蒸し物  ぐじだったか思い出せない。失敬、見事に聞きもらした。

そのくせ、焼酎の肴にいか塩辛を所望し、めっぽう塩辛かったことは
記憶。久しぶりに身震いするほどしょっぱかった。
大根おろしをもらって、うめて事なきを得た。





そして最後に、寿司7貫。海胆はさっと炙りで。
これ、なかなか嬉しいですぞ。

これに赤だし・デザートがついたコースが@四千円しないのだから
かなりのお値打ち!高コスパ店。いい店教わった。





この次は私の手札から・・・とは言ったものの、このコスパ店に匹敵する店、何かあったかなぁ。このハードル、意外に高いっす。



    「和食dining さらら」  中京区新京極通り中之町




夏の燗酒

2008-06-25 00:06:11 | 

酒造メーカーのH女史に伺っていた小料理屋へ。

以前から店前に貼られた「燗あがり極上十選」の中に、
神亀ひこ孫の名前が目に留まり、気になる店ではあった。

中へ入ったら、スナックっぽい設えで、ちょいと身構える。
カウンターの中には女将が一人。カウンターには先客の熟年3人組。
並んだ一升瓶のラベルを眺めつつ、まずはビールでのどを潤す。
お通しに何処か(聞きもらした)の枝豆。




今日できるものは、ツラツラ・・・と立て板に水の女将。
こっちは必死に耳をそば立てる。女将はなかなか存在感ありな方。
まず、蛸のやわらか煮を。
大阪の庶民は夏になると、蛸の刺身、胡瓜のざくざくと鱧皮の酢の物
で一杯やるのが定番だった。
蛸のキュッと押し戻す歯ざわりにビール、結構なもんだ。




春雨のチャプチェ風炒め物。

利酒師でもある女将の勧めで、神亀ひこ孫でなく「真穂人」を。お初だ。
大阪で埼玉の酒を置く店は珍しい。ここでは燗酒を所望したい。

右は熱湯を入れる燗付け器。客は錫製のちろりを自分のタイミングで
引き上げる。冷酒のいきったところのない、穏やかで優しい酒だ。




白海老の掻き揚げ エリンギはおまけ。
女将はなかなかセンスのある一品を出してくれる。
そのどれもが酒に合う。



生節と蕗のたいたん
こんなんめったに食えなくなってしまったなぁ。
「日置桜~山装うひやおろし」に切り替える。
こちらは僅かに個性の強い酒。

気がつけば、まわりも燗酒の客ばかり。
近所で日本酒飲むなんてこたぁ、まぁなかったのだが、
初夏の燗酒、おつなもんである。



扉の足元には蚊取り線香が。夏の香りぞ。


      『海鮮 築山』  高槻市芥川町1丁目

 
  


赤酢のめしがよござんす

2008-06-22 18:18:19 | 

たまには寿司屋にでも行きますかという話になり、阪急淡路へ。

早く着いたので町歩きの挙句、立ち呑み屋へ。暖簾に染め抜かれた
立ちの文字はきっぱりと潔く、さすがに今日びのおっさんOLたちも
よう入って来ぬと見える。



し、しまった・・・
これから寿司屋に行くっちゅうに、うかつにも鰹の造りなんかを
頼んでしまう。



ここは淡路の商店街を北へ抜けた所にある。
いつか来たいと思っていたのだが、機を逸するとこんなもんで、
開店3年にしてようやく、敷居を跨いだ。
若い主は南森町の「寿し芳」中之上さんの弟子。
寿し飯にはオールドファッションな赤酢を使う。

 イカみみ、アマテガレイ、タコ、肝(山わさびって何だっけ)、
 蒸し鮑、肝、毛馬胡瓜・・・この辺りでにぎりに。
 鳥貝、黒ムツ(いかなごの魚醤)、かつお(辛子)・・・
  ここら辺りまで、カメラを置いて食べるに専念。

寿司屋でいちいち撮ってるザマなんて、無粋以外の何物でもない。

ところが小肌が出てくるにつけ、我慢も限界。野暮けっこうだぁ。



小肌 これぞ江戸前寿司のプライド
銀色に輝く、厨房の流し台みたいな色彩、どうよ。



鮪 赤身づけ  昔はトロなんかより断然赤身だったんだぜ。
天ぷらにおける車海老同様、寿司においてはOne&Onlyの鮪。
他に代わる存在なし。



春子(小鯛) 関西ぢゃ小浜名物・小鯛の笹漬けなどで見られる程度
だな。鯛の幼魚なので、その清らかさが喜ばれたのだろう。
おつな味。
寿司になっても酒を飲み続けているので、
こうして小さく包丁を入れてくれるのは有難い。

バチコがつまみに、鶏卵素麺みたいな形状で出る。
白海老、海胆巻き、鉄火巻き・・・と寿司が続く。




煮穴子  皮を上にして握っている。
なぜ、皮目を上にするのかと質問すると、穴子を持って来てくれて
その方がシャリの収まりがいいのだと説明してくれた。若いが
きちんと的を得た職人である。 



煮帆立  北海道の素材を江戸前の技法で。
かんぺう巻きも美味かった。



〆は玉子  ご飯をかまさずに出す。
悪くないが、まだ美味しくなるんぢゃないかな。

この数年、またまた江戸前系、仕事を施した寿司屋が
西にも続々と誕生。
生き残りをかけて、切磋琢磨してくれりゃ、我々にゃ有難い。

そうして江戸前の仕事と大阪の食い切り料理をアレンジした
江戸前系大阪寿司が生まれれば、楽しいことになるはず。



う~ん、酒の種類が思い出せないぞ・・・

庶民的な町、淡路にある素敵な店。若い主夫婦がいい感じだ。
この先、もう少し緊張感のある空気を作ってもいいのかもしれない。
寿司屋ってのはそれが許される形態なんだから。
ま、焦るこたぁないんだけど。



  『千成寿司』  阪急淡路 徒歩3分