マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

ウエスタンスイング 春のパンまつり

2011-02-26 11:28:21 | Weblog


ただただメシ食ってボ~ッと生きてんぢゃねぇよ。 
私のライフワークのひとつが、ウエスタンスイングという音楽。
だあれもやってくんないから、自分でやりだした。ただ、それだけのバンドも、もうかれこれ7年ぐらいになる。


春はウエスタンスイングから。 「アッハ~!!」


パイオニアの一人、ボブウイルスというおとっつぁんは、演奏中よく声をあげた。
「Talk On, Talk On」 だったり、「Take It A Way, Leon」だったり、「All Together」だったり。
その声がバンドを元気にし、ソロにも拍車がかかる。
たぶん、ニューオリンズジャズなどで行われていた掛け声をそのまま、使ってみたのだろう。
ときどきウルサイが、まぁこれもウエスタンスイングの味のひとつである。 



            



今回はドラムスにカントリー界からチチ長田さんを招き、 トランペットにケータ野坂くん、
最近ジョイントすることが多い歌姫、はいどらんじあyocoちゃん。


絶滅危惧種音楽、ウエスタンスイングの真髄を、なんていうとしんどいだけ。
いい大人が11人もよってたかって、おおくりする「春のパンまつり」。

夙川を、ひと足早い春色に染めてご覧にいれまする。

3月20日(日) 午後14時オープン 15時スタート   Fortworth (さくら夙川下車2分)

 


たまに肉ならこんな店

2011-02-24 23:10:56 | Weblog

いつの間にか肉料理といえば、焼肉になってしまった。 
ソウル五輪の88年(パルパル)辺りから、巷に焼肉が増え、家庭で当たり前のようにキムチが出て、
完全に焼肉は一ジャンルとして市民権を得た。

しかし、あえて言いたい。 諸君ら、ビフテキを忘れていないだろうか。
いくら良い肉であっても、薄切りにして炙り、タレで食べたりする焼肉では少々感動が薄くないか。厚切りにし、コックさんが仰々しく焼いてくれ、ぐわしっと噛む喜び、ビフテキのダイナミズムこそ、大いなる野生時代への回帰。ステーキとコリアンバーベキューでは土台土俵が違う。声を大にして言いたい、「汝のテキを愛しなさい」。

焼肉けっこう、塩で始めて、タレでご飯を行くうまさは、拙者も認めるところ。だが、焼肉はあくまでも日常の延長線上にある。たまにはハレの直会である最上の肉・ビフテキを忘れず味わってもらいたい。 





というわけで、記念日的な日に、目指す店へ。
阪急 桂駅からたっぷり歩く。 これから肉を食いに行くと思えば、なんでもない。





このキッチンから味は紡ぎ出される。 新しいとはいえないが、よく手入れされている。
鍋前の磨き込まれた壁を見よ。浅田真央が滑り出しそうだ。
洋食屋のいいニオイがし、今から始まる饗宴の気配が漂っている。





まずは定番のジャガイモのオーブン焼き。





ここは近江牛の専門店。ミスジを造りで。
明治の文明開化の時代から、こうして牛肉をワサビで食べたりしていた。
日本人だなぁ。





タン塩焼き  レモンなし。レモンは臭みをカバーするためにある、カバーする必要なし。





グラスワインはもう少し種類を増やして、いいグラスで出すと料理も引き立つだろう。





イセエビのポワレ ソース・アメリケーヌ

むちゃくちゃ美味い。 皿まで舐めたい。





スープ  コンソメジュレ   
クラシックな手間のかかるコンソメをコツコツとるような店も
少なくなった。そうすると技術の伝達も途絶えてしまう。





ステーキはロースとフィレ

ご主人の信条は「いい牛肉は小豆色をしている」 小豆色が空気に触れると発色して、
食欲をそそる色へと変わって行く。
これをここでは分厚い鉄板で焼く。塩と胡椒。ブランデーでフランべ。





歯が入るごとに肉汁がにじみ出し、肉本来の味が広がる。 これはなかなか焼肉では味わえないのだ。
いい肉だからいたずらにレアにすることもなく、キツネ色のもっとも食欲をそそる色合い、焼き具合。
辛子を塗ったり、ニンニクチップを添えたり・・・悦楽の境地をさまようばかり。

主人はウソだらけの食肉から、飲食全般に対し、我慢すえかねる人で、「どない思います?」と
当たるを幸い、ぼやきまくる。 ぼやきと言っては語弊があるか。





世の中、合理主義、拝金主義になってしまい、儲けたものが勝ちになってしまった。
それは飲食店や食に携わる人間にとって決していいことばかりではない。
肥育して屠畜し、精肉業者におろす。この一連の流れの中にも、高く売るためには脂肪交雑にする。
シモフリにするために、あらゆる方法を駆使し、結局は牛自体に負担をかけて作り上げることになる。
それを無知な人間は美味い、美味いと食べる。なぜなら、ほんまもんの味を知らないから。

手間暇かけて、値段も張るほんまもんは陽の目を見ず、生き残っていけなくなる。 
偽物ばかりが横行してそれが正常と言えるか。 主人の嘆き節は続くのである。
気持ちは大いに分かる。憤りも悲憤慷慨もしたいとこだが、こっちも一応、記念日なので…。

たまに来たのだ、これで終わってなるものか。
胃袋の中のステーキをよいしょと片隅に寄せて、さらにオーダーしたのは・・・

うひひひ、ハンバーグステーキ。
子供っぽいと笑うがいい。






リング型で焼き上げ、真ん中にポンと生卵を割り入れ、再びオーブンへ。





ナイフをいれるとハンバーグのダムが決壊、デミグラスソースの海へ。





ああ、このまんま、このソースの中で溺れ死んでしまいたい。





いやいや、ご飯を食わねばいけない。
ああ、なんとご飯が美味いこと。 これやぜ、これ!
諸君、洋食屋のご飯は美味くなければならんのだよ。

デミグラスソースにご飯を入れてまぶしたり、ひと匙とて無駄にはできない性格である。
一度ソース作って見たまへ。どれだけ具材が必要になるか。





イセエビの頭の赤だし   この贅沢、何をかいわんや





ケーキもご主人の手による。 もう堪能!


ウイスキーを一杯所望すると、ブルイックラディ15年というスコッチを出してくれた。 アイラの名酒。


主人は、いい肉はもたれない、毎日でも食べられるというのだけれど・・・





毎日食ったら、財布の方がもたず、暮らしの心配で胃がもたれるだろう。


ちょいと散財の夜。 仕事ガンバって、一夜、肉世界にどっぷり浸かりたいという向きには、お勧め。




             くいしんぼう  山中     京都府西京区御陵溝浦町 物集女街道 西京都病院スグ   




港神戸ぢゃ味噌だぜぇ

2011-02-16 11:09:15 | Weblog

むかし、餃子はそれほど食べられていなかった。 餃子より焼売の方が先輩格だ。焼売は華僑たちが持ち込んだもの。焼餃子は、水餃子の余りものとして翌日、自然に凍った餃子を鍋で焼き直して(だから鍋貼と称す)食卓に出した。
そいつを憶えてきた中国東北地方からの引揚者たちが、戦後に渋谷恋文横丁辺りから始めた、というのが定説になっている。いつの間にか餃子人気はうなぎ昇りとなり、今や中華から独立した国民食の一つとなっている。





ここは港・神戸。神戸で焼餃子といえば、味噌だれで食べる。なぜか神戸だけにある食性。
大陸にいる時、日本人たちは黒酢を受け付けず、味噌で食べていたということで、
戦後、南京町のぎょうざ苑が始めたといわれている。すでに60年。
元町「赤萬」も50年近いのではあるまいか。





味噌だれはだしで延ばしてあるのだろう。ニンニクもきかしてある。
二つの味で食べられるのはうれしいね。


味噌餃子、文句なく美味い!


それと、どうしても必要となるのは・・・・・





これだ! これは不可欠。

一心不乱に餃子つまむ → たれつける → 口へ運ぶ → 咀嚼する → ビールを流し込む、を繰り返すと、

2人前なんて、あっという間になくなった。






それにしても、なぜ焼売は餃子に大きく水をあけられてしまったのだろうか。
高度成長期の、王将などのめざましい躍進。ビールとの抜群の相性にもよるだろう。
もっちゃりした焼売の食感より、バリッとした鍋貼の歯切れのよさが好まれた。
時代の空気というのもあるだろうが、あんに入れたニンニクがポイントかもしれない。
ニンニク=精がつく。大いにスタミナ食として、働き手たちの栄養源と理解されたこともあるのだろう。
そういえば、やたら嫌われたニンニクの匂いも、韓流などの影響もあるのか、それほど言わなくなった。



             餃子舗  赤萬      神戸市中央区北長狭通り2




60年の“道”のり

2011-02-14 16:58:33 | Weblog

許せよ、ちょいと旧聞。
 
本日は、新梅田食道街60周年記念デーのてんまつの一席を。

こんなのも出たりして。



天真爛漫なキャラクターも、
飲み屋街でばったり出会うと不気味である。
二匹とも笑っていない・・・。
ま、そりゃいいや。



各店がこの日、60周年に賛同して、値下げサービス品目白押し。
へそ曲げて賛同しない店もあって、100店もありゃそりゃいろんな奴がいる。




これは立ち呑み「毎日」さんがやってた、玉ねぎ天。
なんせ無料配布! うれしい!
惜しむらくは、でかい。 食べでがあるのだが、
でかいと腹が膨れ、いろんな店で買い食いできなくなる。





なつかし、チンドン屋さんなども出てた。
昔のチンドン屋は怖かった。脂粉を厚塗りにして、シワ深く、その目は笑っていなかった。
ガキがちょけると、「コラ!」なんてすぐに怒られた。今は温和、なにより年下!怒られもしない。





限定200食のてっちり用のふぐ。1パック500円の超破格。
まさに投げ売り。出血腹斬りサービス。
どっと行列ができて、10分やそこらでなくなった。





立ち呑みの「やっこ」さんは60周年にちなみ、60円にこだわった。
日頃は一品、310円が料金レベルである。3時間の時限サービス。





ただし、アテは3種類のみ。
いつもは造りを中心に2~30種類ぐらいはあろうか。常連は面白くないかもしれんが、
知らない人もこのチャンスに入れるという意味ではいいだろう。




これだけで180円。 東南アジアのどこかに来たような、お大尽気分である。





ハリハリもええだし出てますなぁ。





串カツの「松葉総本店」さんへ。 阪神百貨店前の階段脇はボクのガキの時分からあったが、
実はこっちが本店。

ここは次々揚げて行き、客は好きなのを勝手に取って食べる方式。
とんでもなく流行った時代は、これで飛ぶように売れたのだろう。
温め直してもらったりする。





これでビール、ハイボールをやる。





ちょっと気になる、アンニュイな雰囲気を醸し出す女性がいた。
最古参のおばちゃんはもう引退されていた。





坊主がこういうのに乗っかって、串カツを食べている姿に、おっちゃん胸が熱くなる。
この子たちはきっと、こうした情景を一生憶えている。





焼き鳥の「とり平」さんも。 この日は焼き鳥を休み、鴨関係でご奉仕。





鴨もつ煮、 鴨団子汁、 生ビール  オール300円!





やたら元気なバイトの娘たち。 もう一杯ワイン飲んぢゃうぞ! イェ~イ。





すしの老舗「春駒」へ。 
この日はいなりずしと粕汁がセットで100円。




ふ~ふ~、あぢぢぢ…。  あ~胃の腑が暖まるぅ。





時間が過ぎると道は静かになる。  万博までこの道は地道だったという。
雨が降ると、店にまで吹き込んだという話。 なので、梅田食道街と「道」の字を使う。
昨年、ミナミの釜たけうどんもここに出店した。 人ごみをさけて、さぁ路地を歩いてみよう。





JRへ続くこの出口は途切れることのない人波だ。
さぁ、諸君、中へ。中の路地へ入ってみたまへ。

大きく変わろうとする梅田。 新しい梅田でも60年、変わらない一角がこの食道街。
酒の飲み方も変化しつつあるが、食道街の路地こそはオヤジたちの避難経路。

いろんな店があるので、あちこち覗いて、子供みたいに寄り道してみるのも愉しいかも。
新梅田食道街よ、いつまでもと言いたいなぁ。


        新梅田食道街   大阪市北区角田町    阪急からもJRからもほぼ1分、どんくさいと2分。



濃いよ、昼酒、尼崎

2011-02-11 16:58:10 | 



尼崎という街、鹿児島、沖縄出身の住民が少なくない。
それは、大正時代、沖縄と大阪が航路で結ばれ、尼崎は九条と並び、重要な港であったことから。
尼崎の工場地帯にも多くの労働力が南から流入していたと考えられる。




西成系、大正系、生野系ホルモン焼き、いろいろにあれど、
それぞれの町に生きる人たちを反映していとおかし。
ここは40年以上続く店。もちろん昼間っから一杯やれる。近所の人がおかずに買って帰る。
店先のホルモン用の鉄板がいい具合にくたびれて、斜めに傾いている。





もちろん郷に入れば郷に従い、ホルモンをいただくのが常道。





大腸、肺など。コテコテに見えて、意外に薄味なのである。
ボクなどはもう少し、醤油もニンニクなんぞもきかしてと思うが、このアッサリ感が長年信任されてきた。





冷奴を入れるケースのような、これを楊枝でつつきながら焼酎湯割りなんぞをグビグビ。
一味をかけて、この場合七味ではダメだ、一味。 飲んで鼻つまんで走り出したい気分。
ああ、このディープ感。 そして解放感。 なんだろう、男はこういうのがたまに食べたくなる。


いや、食べたいというと語弊がある。 こういう気取りのない店の空気の中に身を置きたくなる。
そして、まだまだいける!と気合を入れ、ふんどしを締め直してシャバへと歩き出す。

昼間、仕事を抜け出してこういう店でぐだぐだしてる気持ちは悪くない。ぜひ、会社で叱られた
営業マン諸君には、外回りと称して来てもらいたい。今日はまぁいいさ、明日があるという気になるぞ。





ここが圧巻! 4本ほどの商店街の出口(入口でも)がすべてここに集まっている。
体内の静脈だか動脈が集まっている場所のようだ。
そんな場所でホルモンを食べる気持ちは、格別なのである。



       ホルモン焼き「鹿児島屋」     尼崎市玄番北之町   出屋敷との中間辺り