マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

福島人気のイタリアン!

2007-07-30 19:31:28 | 

大阪駅からひと駅の福島だが、梅田界隈よりも使いやすい小さなレストランや料理屋やワインバーがあったりする。
この離れ具合がいいともいえる。
路地にある「ラ・ルッチョラ」というイタリアンもそんな一軒。鈴木浩治シェフは一度仕事をさせてもらったが、かなりのイケメンである。

ある日のランチをここで。打ち合わせがてらなので、酒がないのは甚だつらいところ。なにワインの一杯二杯…と思うのだが、こっちからは言い出せず、水で食べることに。なんだかせつない。



アンティパストは、琵琶湖の深いところで獲れるというビワマス。
それを軽い塩とオリーブオイル。桃と合わせて。
鮭鱒は特に好きでもなく、刺身で出てこられるとどうも釈然としないのだが、この鱒は旨かった。
トロリとした身は緻密で桃の甘みと合わせると、同時に溶け合って消えてゆく。淡水魚にはない濃厚さを感じた。余韻の残るところへ辛口のよく冷えたスプマンテを含みたいもんだ。

パスタは写真撮らなかったが、ショートパスタの豚肉のラグー。
美味。判り易い味。打ち合わせ、そっちのけで食べる、食べる。



アコウのアクアパッツァ。
飛び跳ねる水の意味。魚を焼いてから水を加えて、蒸し焼きにする。
いい魚はいろいろゴテゴテ手を加えない方が旨いと思うのは、イタリアンも日本もおんなじ。自家製のドライトマト。
あ~キリッとした白ワインが飲みてぇ。
店ができた時分に来た頃は暇だ…とか言ってたが、なんの今では繁盛店になっている。
こういう店をええかっこせず、一杯飲みで使えるようになりてぇもんだ。

  ラ・ルッチョラ  福島6丁目  火休


波乱の土用

2007-07-30 03:51:19 | 

中国産うなぎ問題で揺れる今年の土用。日頃からスーパーの店頭で見るあちゃら製は、温暖な気候で短期間で太らせた肉質が粗雑である。あれにはまったく食指が動かない。と思っていたらのこの有様。やはり足下にあるものを食べよ。日本は食糧自給率を上げねばならぬ。あれ食うぐらいなら鰻を絶つ覚悟があらぁ。

ひと足先の土用。例の会の集まりは肥後橋にある老舗「だい富」。
たしか長谷川幸延が贔屓の店と記憶。大阪にあってきりっとした折り目正しい店だった。

玄関先もいい。夏用の暖簾が粋だ。こういう風情を醸す店も少なくなった。

戸口の脇に、この行灯。江戸焼きとある。
江戸掘で江戸焼き。江戸前というのは、鰻から始まった言葉だ。

麦酒を所望。初手は冷たい魚ぞうめんから。

白焼き。山葵と醤油で。 こちらのは徳島産。白焼きがもっとも鰻のタチが出る。外国産になるともっと脂っぽく、変な餌の臭みが感じられる。
焼いて蒸して、脂を落としてあるから、口中でスッと融ける。関西焼きだとこうはいかぬ。

う巻き  玉子好きはたまらない。


うざく。 胡瓜がほんのちょっと。普通は逆だ。これで2合は飲める。

鰻骨せんべい。 鰻の中骨を掃除し乾燥させ、から揚げにしてある。
ポリポリとした食感で、ビールのお供にもってこい。

肝焼き。たまらず燗酒に切り替える。酒器もすっきり。薄手の陶器がいい。ごつごつした土ものは似合わぬ。
うな重。本当は丼派なのだが、大人気ないので黙ってお重で頂く。
お重って偉そうに構えてるだろ。それに角が食いにくくてしゃあねぇ。
山椒はないと寂しいが、うるさい店では不用意にかけると、「そんな臭み消しかけなきゃ食えないもん出してねぇや、味見てからかけてくれ!」なんて怒られることがある。それも、一理ある。

タレの絡み具合もほど良き哉。びちゃびちゃにかける「つゆだく」ってのは下品な響きだよな。ちょいと白いご飯が残って、そいつを香の物で締めるぐらいがベスト。よくを言えば、沢庵よか奈良漬のふた切れも欲しい。

隣の女性がうなぎを半分近く残したので、引き取る。
そいつをば、三遊亭円生師が好んだというピビン鰻めしにする。
要は引っ掻き回して鰻をグチャグチャに小片にし、ご飯にからませるというもの。
これがどうも、実にまぁ、バカうまっなんてぇ具合で・・・(円生で)。
写真は一応おさえたが、さすがにこれを載せては人品を疑われそうなので、やめておく。

    鰻「だい富」  西区江戸堀1丁目 肥後橋商店街近く


濃いの街・大阪京橋

2007-07-29 11:22:53 | 

京橋はサラリーマン天国だ。
安い酒場、立ち飲みが少なくない。
競争が激しいので、それなりのレベルの店が看板を張る。
ここは岡室酒店などが軒を連ねる一角。
まだ明るいうちから一杯やれる。

その中の一軒、「七津屋」へ。ここはちょうど谷間になっていて、
上には繁盛屋台でおなじみの「とよ」がある。

串かつ 普通にうまい。

焼酎に鉄板焼きのバラとズリを注文。あとは枝豆。
近隣のパチンコ屋の客が、勝っても負けても来るのだろう。
常連度はかなり高い。味はそれなりによろしいんぢゃないでせうか。
こういう店はまた、アテがうま過ぎてもなんだか居心地が悪い。
やはり、ほどのよさなのだ。


河岸をかえて、駅前15歩の「丸藤」。
もちろんスタンディング。
パッと飲んで、スッと暖簾を跳ね上げて帰れるのが
立ち飲みの真骨頂だ。まずビール!

どてやき。東京下町にも煮込みという不動のアテがあるが、
しっかり正体が見えて、歯応えがあり醤油が勝つのを好む東に対して、トロトロで甘めの味噌が勝つのが西のどてやき。
ワインでも加えれば、パンとでも十分いけるわい。剛の者は
おでんの豆腐を頼み、こいつをかけて食うとか。

アルマイト皿がヘビーデューティーでいいでしょう。
ねぎま、豚肉アスパラ巻き。串カツも行こう!

珍しいところではミンチカツがあった。
なかなか結構なもんだ。

ニンニクの素揚げ。匂いなんか気にしな~い。

環状線にて梅田へ移動。
御堂筋沿いにある精肉店やまたけの上にある
串かつの「あかひげ」。



梅田の一等地で、牛串かつ80円と、二度づけ禁止スタイルで
気を吐いている。ところがビルの2階、なかなか目に付かない。
階上にステーキ屋も持ち、そこで自家製カレーも出すので、
ならば、こんなん作ってくれませんか…と提案する。

カツカレーライス串! ご飯を豚肉で巻いて揚げてある。
おもしろき食感。

かへりはおなじみ新梅田食道街へ。
サラリーマンたちがあふれかえり、立錐の余地もない。
みごとなダークダックスぶり。
客を一人でも多く入れるため、店から「はい、ダークでね!」と
要請が出る。ボニージャックスでもデュークエイセスでもなく、ダーク。
こんなことまでして飲みたいのやなぁ、と我がことながら感心。


    京橋  七津屋     説明しにくい。パチンコ屋の近所。
         丸藤      環状線の改札を出て、右を見よ。
    梅田  あかひげ    旭屋書店ならび。やまたけ階上。
         奴       新梅田食道街。かやくご飯が美味。 


農の景観

2007-07-25 00:33:11 | 

翌朝は、誰が袖の料理長西くんにくっついて、湯布院の里の駅、
ゆふいん川西農村交流センターへ。
ここに直売所があり、周辺の農家の人たちが自宅用の野菜を持ち込む。
湯布院には大きな市場がなく、名だたる旅館の料理人も買いに来る。


朝採りだから、畑から客の口に入るまでの時間も距離も短い。
だから新鮮でアクも少ない。
バックヤードに加工場を持ち、地鶏おにぎり(旨い)、ジャンボいなり(これもいけた)、おはぎ(同行カメラマンによると旨かったそう)、ゆず味噌、ブルーベリージャムなどを作って販売。らっきょうの漬け汁なんてのもあって、水で薄めて飲むと体にいいっていうんだけど。

宿「誰が袖」へ取って返し、朝食。
朝・生卵のある食卓・・・

朝食も八寸風に出すのが面白い。瓢箪型長皿に瓢亭玉子?
クレソンのわさび和え、クレソン・胡瓜・かぼちゃなどの三五八漬け(塩・米麹・ご飯の割合)なども出してもらう。
料理長は亀の井別荘に5年修業した。亀の井主人、中谷健太郎は湯布院の隆盛の基礎を作った一人で、「湯布院映画祭」「湯布院音楽祭」などを驚異的な推進力で作ってきた人物。味のチェックもうるさかったらしく、まさに亀の井学校というべきものだったようだ。納豆、豆腐、切干大根など、普通のものが普通に旨い。もちろん、玉子かけご飯がうめぇのうまくねぇの。

宿を切り回すのは主人、太田さんのお母さん、多津さん。
主人、洋一郎さんは42歳。本職は床屋、湯布院のメインストリート湯の坪街道に大正時代から続く理髪店の三代目。旅館の他、カレー屋、ケーキ屋も出し、つかこうへい演出の芝居にも出るという人。湯布院の景観を守る活動もしている。息子と夫婦に間違われるという多津さんは、骨董屋、カメラマンと、なんとまぁマルチな親子がいるもんだ。

太田さんに案内されたのは、江藤農園。湯布院の旅館ホテルの料理人が作るゆふいん料理研究会と意見を交換し合い、野菜作りに精出す江藤雄三さん。左の太田さんとは同級生。「玉の湯」の朝食に出るクレソンのポタージュも彼の畑のもの。

右に立つ奥さん、国子さんは農水省をやめて農業に飛び込んだ。アニメ声で「毎日楽しい!」と言いながら土を触っている。まもなく家の前で直売所を始めるという。ちょっと辺鄙ではあるが、湯布院土産にはこんな野菜が一番。間違っても湯の坪街道でト○ロなんぞの店に金を落としてはいけない。

湧き水を引き込んであるクレソン畑。台風で冠水してしまうと溶けてしまう。ギリギリセーフだった。

今回、由布岳は不機嫌なまんま、一度もくっきりと頂上の姿を見せてくれなかった。あの喧騒の湯の坪街道をちょっと離れると、こんなどこにでもある、農の風景がある。農業を忘れた観光は成り立たないのと同様、農の基本を忘れた国に前途は暗い。食糧自給率28%(穀物)でほんとにいいのかぇおまいさん、と思った。

いま湯布院旅館御三家というと、今は亀の井別荘、玉の湯、そしてここ、「山荘 無量塔(むらた)」。ここは外部から来たオーナーが始めた宿だが、評価が高い。湯の坪からかなり離れた丘の上の静かな宿。東北から移築した建物。サービスの人間も折り目正しく、変な民芸の旅館と大ちがい。

Pロールはここの名物。こぶしよりでかいロールケーキは軽くスッとお腹に収まった。おかげで昼飯を忘れてしまうほどだった。


  「川西農村交流センター」
  「旅宿 誰が袖」
  「江藤農園」
  「山荘 無量塔」


大分からタクシーに乗って

2007-07-23 11:17:44 | 

夜の便で大分空港に着き、タクシーで30分ぐらいだからと聞いていたので
乗ると、¥16980(高速含む)もした。高ぇ~!
今回の宿、「誰が袖」へ着くと、スタッフがボクの到着と晩飯の開始を
(後者が主だな)首を長くして待っていた。
ビールを一杯。麦焼酎の水割りをいただく。

鱧の湯びき、かぼちゃ煮、茄子煮、いんげんの胡麻和え


地鶏の煮物椀 しいたけ、こんにゃく、小松菜、針生姜。
これが出色の旨さ。ここに郷土料理の団子汁のだごを小さくして入れたらいいのに、と提案。観光客にはちょい嬉しいもんだが、主人は散々
食べさせられたらしく、見るのも嫌そう。

鮎塩焼き 久しぶりに食うと骨抜きに失敗す。


豊後牛ステーキは人気メニュー


おしのぎ そば


とうもろこしの掻き揚げ


ご飯も汁も結構。

柚子のソルベ


もう一杯やりたくて宿のすぐ前にある旅館「二本の葦束」のバーBaroloへ。宿の敷地は以前来た時よりでかくなっていた。
宿のセンスはどうにも相容れないが、バーは結構だった。

ちょっと強いアルコールを欲しくてマティーニ。
オリーブが4個もついてきたのはうれし。


「誰が袖」は長屋作り。2年前に建てたものだが、古く見せる工夫がされている。宿の名は、室町時代の「閑吟集」にある「誰が袖ふれし梅が香ぞ…」という色っぽい一節より名付けられた。男二人の部屋では鼾が聞こえるだけで、色っぺぇことなどねぇわ。

 由布院温泉 旅宿「誰が袖」  由布市湯布院町川北918