マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

大阪福島で創作和食ってのを

2018-08-10 15:35:16 | 大阪キタ

環状線福島駅よりも、大阪駅北口の方が近いのかもしれない。

店舗も切れた事務所街みたいなところにポツンとある「福島もう利」。

小洒落たランチがご婦人がたに人気の創作和食の店。 

 




 
 大体、創作フレンチとか、創作イタリアン…創作なんちゃら、と名乗られて

 いいね!と膝を打ったことがない。

 しかし、ここは正直よかったよ!

 小さい料理、一口ずつなので、量感を必要とする人には、まず合いませんがね。



 前菜 グラスのものから、そばチュール・リコッタチーズ・ピスタチオ

    時計回りに、 白海老の海苔巻き 酢めし

    トリュフ入りバスク豚のカナッペ・コーンの新芽

    ホタルイカ・かんずりの酢味噌








 たまらず、エビスの琥珀をいただきました。

 熱い蓋物は、タケノコのスッポンスープ 菜の花・ホタテ

 つい最近、ご婦人がたを連れてスッポン料理を企画して、総スカン喰いました。

 そんなグロテスクなこと一切ございません。いいスープになるんです。






 
 日替わりの日本酒があって、

 毛利つながりで、毛利…いただきましたよ。

 






 造りは、ほんの一口ずつでいいから、異なる食感の魚を食べたいもの。

 その辺り、的を得てますな。

 左上から時計回りに…天然真鯛・伝助アナゴ・ノドグロ・サエズリ。

 鯨喰いの関西人以外、判らないかもしれないが、サエズリとは、鯨の舌。

 脂抜きしてある。トロリと蕩けて行く食感がエロい。







 こちらのスペシャリテでもある手打ちそば。

 宍道湖シジミのせいろ。

 かなりしょっぱいが、そば湯を挿すとガゼン、酒肴となる。





 

 サワラの煮付け エシャロット 南高梅

 関西の人間には馴染みのサワラだが、関東へ行くと宝物みたいな扱いで

 バカ高い料金に化けるそうである。 哀れな話だなぁ。






 
 野菜のメインがこちら。

 煙が充満した蓋もので出て来る。

 アスパラ、ヤングコーンの瞬間くんせい。

 カラスミパウダーがふられ、イクラのひと回り小さい、マスの卵かな。





 
 お肉のメイン 山形牛のステーキ

 ハネシタを低温調理した後、炭火で炙ってあるらしい。

 下世話で申し訳ないが、この5倍は喰いたい。

  





 ご飯は鯛めし 北新地や銀座の「銀平」育ちのこだわりかもしれない。

 ご飯のおかずに、本シシャモ、香の物(白菜・キュウリ・ショウガ・いぶりがっこ)、アオサのお椀。

 日本人に生まれてよかったぁ~、外国人でも食べる分には一緒やけど。

  





 デザート  フランボワーズのブランマンジェとバニラアイス

 キーウイ・チョコレート・抹茶のケーキ






 このお昼のコース(1種類のみ)が、税サ込み¥5940

 ご婦人がたがおしゃべりしつつ、のんびり楽しむにはいい時間が送れますね。







カウンターの背中は松本民芸家具だったかな。

この中に食器が詰められている。

創作ナンチャラを馬鹿にしてはいけないっていうのが教訓。 




神戸豚まんの一脈、新開地にあり!

2018-08-02 22:31:46 | 神戸

天津包子を豚饅頭と名付けて売り出した元祖、「老祥記」を頭目とする神戸の豚まん。

いやいや「三宮一貫楼」だ。「四興楼」だ「太平楼」だ…と集まれば意見が分かれる。

自分のひいきの豚まんがあるのが神戸たるゆえん。

大阪なんてほぼ、「551蓬莱」の一人勝ち。「二見」ファンもいるにはいるんだがね。 

神戸豚まん西の雄!老祥記の次に古い歴史のあるのが新開地の「春陽軒」。

      

       

 

 聚楽館(現ラウンドワン)を上がって商店街を北上。 落語席「喜楽亭」のまだ先。

 こんなゲートがあるけども、明石焼きのたちばなはとっくに三宮に引っ越している。


 

      


  
 元祖和風中華料理店の金文字がいいでしょう。

 目の前の駐車場も全部春陽軒の店だったらしく、初代は日本人だし、日本人に合う中華料理を

 やっていたようだ。火鍋が名物だったらしい。



      



 だんだん人の流れが東へ移り、県庁が三宮に移り、映画も斜陽となるにつれ、

 新開地は荒れて、昼間っから仕事にあぶれたオッサンが車座で酔っ払ってるような町へ。

 春陽軒も一度は店を畳んだが、客にせがまれて豚まんだけを商っている。


      


 
 豚まん、何で食べる?っていうのが巷のヒマねたになる。

 私なら連続2個食べて、1個の半分はそのまま。半分は芥子を溶いた酢と醤油。

 もう1個は芥子とウスターといきたい。

 春陽軒の面白いのは、9割の客がウスターソースと味噌を混ぜるという。



              


  
 豚まんは老祥記同様、小型。 なので6個7個と昼飯に食べる人がいるという。


              



 いろいろ味噌の分量を試してみてください。と小皿を複数持ってきてくれた。



              


 
 あんに味噌が使われている。

 しっかり味が付いてるので、まずはそのまま食べてほしいが、

 真似したソース+辛味噌は、味変にはもってこい。

 常ならビールを頼んでしまうが、そうすると、皮がお腹の中で膨らむ。

 そうするとツライので、お茶をガブガブが正しい姿。



              

 

 
 食べっぷりがよかったのか…、持ち帰り専用で最近復活させたという焼売を

 こちらも試してみて、と蒸し立てを出して頂いた。こちらは芥子とソースで。

 どこの馬の骨かわからぬ者に親切に接していただくのは、ほんとに有難い。

  

 

             

 
 ジューシーで結構な具合だった。 

 
 神戸の中華料理は、居留地の外側にあった在日華僑に向けた南京町市場周辺から広がった。

 南京町にはすでに10年前の大正4年「老祥記」が天津包子を翻案した「豚まんじゅう」を売り出していた。

 春陽軒初代は、老祥記で豚饅頭と出会い、これを新開地の客層、ベタベタな日本人庶民に向くようにと、

 変えて行ったのではないだろうか。


 

       

 

 

 大正14年というと、うちの親爺と同い年だ。 途方もない昔のようだが、まだ生きながらえてる親爺を見ると、

 ついこないだという気もしてくる。

 昔の新開地を辿るよすがとして、これからも長く続けて行ってもらいたい一軒である。