マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

ふつうがいいねッ!

2006-12-28 17:40:21 | 

新梅田食道街を酒仙師匠と。この師匠、無論いい酒は熟知しているが、TPOに合わせて「いかようにも飲んでみせましょう…」という名匠。純米吟醸の無濾過のと一切言わない。ただ、むしゃむしゃぐいぐい。邪気も裸足で逃げてゆく。

遠出した後だったので、手近なところでと、新梅田食道街。「山守屋」は北新地の老舗洋食店の次男だか三男の店。入るのは初めて。
カウンターに座り、いつものようにビールでノドの通りをよくして始める。

けふのおすすめ、から小鉢物を4品もらう。お大尽だ。章魚とわけぎの
酢味噌、肉じゃがなどで麦酒。悪かない。

(おっと、呑みに行く時間が来てしまった。続きはのちほど…)ってわけで中断したら、年が変わってしまった。新年に年の瀬の記事を書いている場合ではないのであるが、ひとまずケリをつけねばいけない。


明太子だし巻き。玉子の中に卵。ああ、俺たちゃ玉子好き。

めざし。こういふもので熱燗やるのもだんだんよくなってきた。
若いと、しけてやがんなぁ…という間違った見方をしてしまう。

やっぱしポテサラ。マスタードも効かせてあるのが嬉しい。ポテサラのことを語らせるとうるさいヨ。今までのフェイバリットをあげるなら、世田谷・祖師ヶ谷大蔵の「兵六」のポテサラ。ポテトと玉ねぎのみ。何度も真似してみたが、ああはいかない。新梅田のベルのポテサラも好きだ。

ここを出て、ちょっと「松葉」で串カツをつまむ。ご存知、大阪駅前階段脇の暖簾立ち食いダークダックスの「松葉」の本店。あの景色と立ちこめるラードの匂いはほんのガキの頃から覚えている。

ちょいと二、三本つまんでパッと出る。これが正しい串カツ道なりき。
長時間ねばるのは邪道だらう。そんな店ぢゃない。

最後は行きつけの(といっても、店の人間と親しく話すほどの常連ではない)「ベル」でオーシャンウイスキーを。ここ新梅田食道街で50年続く店。女将のごく普通のもてなしがいい。梅田にあって近所で飲んでる感じがする。ここでちょいとやって、酒仙大人と店先で右と左に別れる。

大阪駅北ヤードの開発と共に、この新梅田食道街もこの先どうなることか分からない。JR大阪駅と阪急梅田駅の間にへばりつくようにあるこの一角・・・大事に飲み歩きたい。


三津寺の美肉

2006-12-25 11:37:07 | 


三津寺といえば、大阪ミナミの一大焼肉激戦区!特に堺筋の方に近づくに連れ、韓国系の店がどエライことになっている。ここは心斎橋筋と御堂筋の短い間にある。こことて一頭買いの有名店、ホルモンの店など火花がバチバチ飛んでいる。
三津寺のトイ面、アクロスビルB1に今年5月に開店した『牛匠ひがし』。
高級感ある店舗で、もくもく煙った感じは一切ない。ロースの見事なサシ! 俺ぐらいの年齢になると、こういうのは少しありゃいい。


前菜に出てきた4種盛り。左上からレバー・手毬寿司・刺身・ユッケ…
これから始まる肉の饗宴を期待させるプレリュードやん。
運んでくるオネエサンも肉に負けず劣らず、なかなか可愛いのだ。

塩タンは2種類。厚切りタンも結構。レモンをつけると持ち味が消えるので、そのまんまで行った。豪州産もよろしんぢゃないですか。

正肉は豊後牛。大分ニード牧場のオーガニック牛を一頭買いする。この一頭買いも珍しくなくなってしまったな。ニードって職を持たずぶらぶらしてる牛を想像してしもた。売りはこうした稀少部位。これが部位の形そのままにカットされて、お重で出てくる。

ちょっとオレには似合わず上品であるが、さっと炙って塩で食すと、口の中でとろける。塩は塩辛さの異なる3種を厳選。燃料は炭だが、維持が大変なのでガスに切り替えるという。意外に温度調節が難しいのだ。個人的には朗報…。

野菜は黒門鍋治の大阪野菜などを籠盛りで各テーブルに売りに来る。趣向としては面白い。一旦引っ込んで、焼き野菜になる。

上ミノとトロテッチャン。心地よし。もうちょいピリ辛にするなどパンチがあってもいいかもしれん。
酒は南海酒販の井上氏がアドバイザーとして、ワインなどもごっそり揃えている。へぇ、梅酒が23種もあるぢゃないの・・・

シメは焼肉屋にはちょい珍しいガーリックライス。都ホテルの鉄板焼きにいたこともあるオーナー東氏の肝煎りで始めたそう。見えるところでやれれば、もっとそそるだろうがな。でも…やっぱり最後は…

冷麺も行っときたい。ぜひメニューに、独自の一品物も研究して加えてね、とお願いしてきた。腹さすりながら地上へ。仕上げに法善寺まで歩き、バー「路」のカウンターへ。ハイボール、ジンリッキー。あんまり老舗とは言いたかない。オレと同い年なんだ。


バイオリン・ビッグバンド

2006-12-17 04:17:05 | 音楽

        
畏友、大矢貞男がバイオリン集めてビッグバンドやるねん…と言ったのは数ヶ月前。それってストリングスってことぢゃないの?と突っ込んだけど、まぁいいでしょ。

ってことで形になりました。まだまだ急作りな感じですが。
大矢君がスコアを書いて、カウントベイシーやエリントン、クリスマスソングなどもやります。

いいねぇ、大矢くんの柳に風って感じの飄々とした人格。本人は言葉少なめ、その分、フィドルは多弁。

彼を筆頭に、ジプシージャズのYu-maさん、アイリッシュの大森さん、ほかプロで活躍するバイオリン弾きが集まるそうなので、もまれてきます。(アマチュアももちろんいるけどね)
どんなことになるのか、MCとかもどうするつもりなのか…
ソロが来たらサッと立って演奏するんやで。かっちょええやろ。
ま、田舎の中学のブラバンでもやりよるけど。
わいはFor The Bandに専念します。Swingあるのみや!
スイングがなければ耳日曜や!!

・・・と、いうことで画像追加。総勢17名。上手に切れてますがバンマスの大矢くん。スパニッシュ、ジプシージャズ、アイリッシュ、クラシック、ロックのフィドラーの中に混じって頑張ってきました。冷汗冷汗…。
多数お越しくださったお客さん、有難うございました!
         


GIOVANOTTO ジョバノット

2006-12-16 03:22:46 | 

11月17日にオープンしたばかり。屋号のジョバノットは元マーブル・トレの人気シェフ、上村和世さんのイタリア修行時代のニックネーム。「若い衆」とかそんな意味だそう。場所は難波神社に面した南側。同行したのは先頃自分の監修でインスタントラーメンを出した清水くん一家と友人の新聞記者さん。まずはキリッと冷えたスプマンテ(発泡酒)を一杯。

ポレンタ、広島の野菜(チンゲン菜・ホウレンソウ)のスープ。
山本ファミリーという生産者。正直、一見、残りの味噌汁に見えた。
味はまったく別物だけど。

オリーブのパン粉揚げ。アンチョビが射込んである。
楊枝でピンチョス風に。サクッといい箸(フォーク)やすめ。
因みにパンは、バケットがパンデュース(北浜)、バトンというベーコン入りのハードパンがブランジェリー・タケウチ(京町堀)のもの。旨いっす。

カワハギのカルパッチョ。淡白なカワハギの身と、濃厚な肝。
そこへフルーツトマトとシブレット。10年もののバルサミコ。
いやもう、不味いはずがない。これ日本酒でもいける。

鱈白子のムニエル・香草バター。これも味が想像できるだらう?白子はフェンネルなどの香りを移した無塩バターでキツネ色にされ、ナイフを入れると、上等のベシャメルのようにトロ~リ…唖然、陶然…たまりまへん。

ホタテ・シラサ海老・ウニのタリアテッレ。上からボッタルガ(カラスミ)のパウダー。海の幸が渾然一体となりパスタのソースとなり、旨みは充分。歯応えも心地よし。でも折角なら、それぞれの具材の形がもうちょい大きい方が日本人好みかもしれぬ。それと形の見える程度にね。

>ここでイノシシのカペレッティというのがあったが、完全に撮り忘れて食っちまった。小さな帽子という意味のラビオリ。牛肉のフォンドボーを下に敷き、パルミジャーノをふりかけて。

バウムクーヘン豚のロースト。しかもクラブ・ハリエのクーヘンを(屑だけどね)食ってる近江の豚。羨ましい。付け合せはカリフラワーに着色したようなロマネスク(伊産ブロッコリー)という。脂も上品。さすがにバウムクーヘンの味はしない、当たり前だが。

いのしし、和牛サーロイン、ヒレの盛り合わせ。ソースはタスマニア産マスタード(豊中のヴァイカンパニーのやつ、相変わらず流行やね。トラットリア・パッパもそうだった)とグリーンペッパーの2種。付け合せの天然クレソンは勝尾寺のもの。肉は脂も少なく快適な味、食感。

ドルチェの盛り合わせ。ベイクドチーズケーキ・パンナコッタ・カタラーナ(クリームブリュレ)・ティラミス・ジェラートモンブラン・ボネ(チョコレートプリン)・ラフランスのソルベ・などなど…いや、まんぞくまんぞく。
連れの小学生の娘は大人と同じだけペロリと食べて、まだモンブランを別に注文していた。育ち過ぎても知らんぞ~!

上村シェフ夫妻。念願の自分の城をご満悦であちこち見せてもらった。
トイレもきれい。奥のテーブル席に座ったが、次回はカウンターに座って、料理が出されるさまを眺めてみたい。

腹ごなしに梅田まで歩いて帰った。夜眺める御堂筋は別世界なり。
ガスビルもきれい。銀杏並木も美しい。
これ、この季節、食後にナイスですぞ。


ぶとり会 大阪場所 続編

2006-12-15 15:11:05 | 

新今宮・今宮・芦原橋あたり、なかなかスポットが当たらぬが、丹念に探せば旨い店はきっとあるはず。と、いつぞや歩いて見つけたのが、こちらの店。知らないと素通りしてしまうこと間違いなし。僕は「かす丼」にぴんと来た。それ以来のつきあい。


煮凍り2種。左がスジのこごり。女将がフランス料理へ行き、前菜でうやうやしく出てきたテリーヌをひと目見て「これ煮凍りやん!」と喝破したように、フロマージュ・ト・テットなど豚の頭肉の煮こごりに相違ない。
同じく牛頬肉の赤ワイン煮などツラミやしな。言い方ひとつでウチらのお惣菜やんというのは解かりやすい。右はハモのこごり。おかずにゃならん、一杯のアテや。
         
女将がさいぼしを自慢するので、どうせ信州や熊本土産の桜ぼし(馬のホースジャーキーみたいな)みたいな物を想像していたら、見事に裏切られた。サシの入った馬肉を桜のチップで燻製にした、まるで本格的なコーンビーフのごときもの。生姜醤油で食うが旨いし柔らかい。こりゃウイスキーだ、と慌てて切り替えた。
         
卵焼きの中に甘辛く煮た牛肉が巻き込まれ、なお上に牛肉が乗っているというこれも味が濃い。だが旨い。
         
これが今夜の主役「脂かすのはりはり鍋」。小腸の脂を絞ったもので、その絞った脂はヘットや石鹸の原料となる。絞った後は油分はもちろんありながら香ばしい。ハリハリのだしはアッサリしたものもあるがここのはすき焼き風あまからダレ。少々水菜が入っても薄まらない。途中合流した北新地の料亭息子が黙って「生卵2個」を発注。こいつをすき焼き風に食いだしたからたまらない。全員、「ボクも卵!」
         
生卵2個ずつたのむ新地の偉丈夫、いか里大人。「オレは幼少の頃からの肥満児やねん、キミらみたいなぽっと出のデブとはちがう」という。
彼一人で生卵5個が流し込まれた。
          
これも気になり発注した、カツライス。カツの上からハヤシライス風のブラウンソースがかかる。一口ずつ食ったがいける。
         
水菜は4,5束食ってしまった。仕上げはうどん。あっという間に胃の腑におさまってしまった。
        
もったいないので、最後はまたも卵発注し、たまごでとじ、各自もらった
白ご飯の上にかけて、ミニ玉子丼にして食う。どれだけ旨いか。
        
ああ、ごっそ~さんでした。さすがに動けまへん。
昨日や今日できた脂かす屋とはかすに対する理解がちがう気がする。どんと地に足つけた店。まだまだ知らぬ美味は潜んでいる。「新なに和」ご贔屓に。