マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

静岡・孤高の天ぷらへ

2017-12-08 14:20:50 | 静岡

静岡おでん二軒の後、時間調整のために一軒の珈琲店に入ったら、ご親切に手造りケーキまで頂戴した。

有難かったが、この後に天ぷらが控えているのでいらない…なんて言えるはずもなくパクパク喰った。

「笠井珈琲店」というご主人がスイーツを手造りにする素晴らしい店だった。明記しておこう。


というわけで、その近くに知る人ぞ知る天ぷら屋「成生」へ。

 


 

もうすでに首都圏の喰い助にも聞えているだろうが、地元ではそれほど知られている訳ではない。

こんな凄味のある店が、こんな近場にひっそりとあることを知らないだろう。

今年最大の驚きはここでいただいたと言っていいほどだ。

地物のヒラメが刺身で出て、天ぷらの部に突入していく。


まず、肉厚のタチウオ・・・これは手見せというか、つかみだな。

油を感じさせないサクッとした揚がり具合。 

 



名残りのナスはしっかりと揚げる。

誰が呼んだか、おあずけ台という皿の上で、休ませて出される。


 
 



中の半生の状態がぴたり。

江戸前の天ぷらというと小魚が中心であり、上方は野菜が中心となる。

そういう系統づけがイヤで、主人は独自の道を行く。

野菜もいちから目の前で仕込む。土付きの蓮根は大胆に縦に切る。







こう切ることで、輪切りよりも食感が出る。






カボチャは二度揚げして、外側をパリッとさせる。

みごとな甘味。これはサツマイモなどいらんね。

小さなサラダが出て、魚の部に~


アジ。しかも丸々と太った丸アジ。

前田さんという開店以来の刎頚の魚屋がいて、遠州で獲れる魚を

成生のために用意してくれるという。

もちろん主人自身も研究熱心いうまでもない。

 





天ぷら屋といえば、海老・穴子…そうした常識をくつがえすアジの存在感。

生でも焼きでもない、衣一枚の中で蒸し料理になったアジがある。

中華でハタなどを清蒸という料理にするが、蒸しものは質が丸わかりだという。

それと同様、鮮度と見極めがバレバレになるのだろう。


秋田・田沢湖の天然のマイタケ。

手づかみでいく。







アマダイの衣揚げ。

駿府でアマダイというと…

家康はアマダイの天ぷらで死んだな、ここぢゃ大きな声では言えない。







鍋は高温と低温。 油は太白。 たえずガス火の加減を調節しながら。


油を跳ね飛ばすように、余分な衣を飛ばすために、油に投入する。


家の台所でやると、怒られるやつや。







御前崎のサワラ・・・

こんな大きな魚を揚げるのなんて、今まで知らなかった。

みごとに半生に火が通り、ジューシー







千葉のメゴチ…

ようやく江戸前の天種が出た。





ラストは天丼・天茶・天ばらごはん…からチョイス。

私は迷わず、かき揚げの小さな天丼。



 

天ばらごはんも美味そう。







天茶も静岡茶で美味くないはずはない。

浜松のいちじくでシメ。







出しゃばることなく、こちらの質問には的確に応えてくれる。

志村剛生さん。 

また出直してまいります。