マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

飲料案内人試験会場

2009-12-28 17:11:32 | Weblog

数百人が見つめる前での公開試験。真ん中に10人席。右側にカップル席があり、壇上が店という設定で、左の三人が審査をするというわけ。
先月行われた「第1回 アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」を観覧する機会をいただいた。



決勝に残ったのは3人。日本人が2名、豪州人が1名。
まずメートルドテルが1人ずつに指令を出す。カップル客にシャンパンを手早くサービス(3分間)。フレンチのメニューを説明し、合わせたドリンクを勧める(5分間)。10人テーブルに指定されたシャトー・ラ・ラギュールをデキャンタージュして、サービス(7分間)。ワインリストに3種類のワインのブラインドテスト、5種類の酒のブラインドテスト(12分間)と続く。

世界51カ国のワイン関係者、ソムリエ、報道などが見つめる先で全編英語で行われる。並々ならぬ緊張感が伝わってくる。とてもじゃないが冷静に味を分析などできる状況ではない。間違いなく日頃の研鑽がモノをいうはず。




ブラインド試験に使った酒。
3種類のワイン
右からチリの白、ソーヴィニオン・ブラン。
赤はイタリア・ヴェネト州のコルビナ・ヴェネローゼ、熟成タイプ。独のアイスワイン、トロッケンアウスレーゼ、極甘。
ソムリエたちは口に含みバケツに吐き出すが、ボクなら飲んでしまいそう。

その他の酒5種類
ウォッカ(仏)、ヘネシーVSOP(仏)、山崎12年(日)、サザン・カンフォート(米 柑橘系フレーバーワイン?桂花陳酒?と全員手こずる)シャルトリューズ(薬草系リキュール)。




10カ国20名の選手の中から優勝したのは森覚さん。2位の谷宣英さん(共にトゥールダルジャン・ホテルニューオータニ東京)3位はフランクモローさん(豪)。 真面目に勉強してきた者が勝つ、という感じ。欲を言うと、客に緊張感を与えず解きほぐすためにモローのようにユーモアが欲しいところ。その辺は日本人の弱点だなぁ。



参加者の国の審査員は外されるというルールのため、ホームタウン・デシジョンはない。まだ日本とアジア各国とのレベルの差はかなりある。だが微笑みの国シンガポールみたいな国もある。客をリラックスさせて、ワインでも飲んでみようかと思わせるのは技術や知識ばかりではない。世界の高級ワインが集まる中国などに早晩追いつかれそうな気配もある。アジアのレベルが上がれば、それはそれで楽しそうだけどね。



プレスのためにインタビューが行われた。
1位の森氏はまだ通過点という。来年4月チリで世界最優秀ソムリエコンクールが行われるからだ。

そして、別室でガラディナーが始まった。



アミューズ ブーシュ  鮮やかなキャロットのムース



真鯛とスコティッシュサーモンのカルパッチョとたらば蟹のリエット  
ワインは仏、豪、ニュージーランド、仏、伊、チリ、カナダのグラスワインがサービスされる。



舞台では祇園の舞妓さんによる舞い。祇園小唄も結構だが4人では、ちょっと会場がでかすぎた。外国人には何よりの華だ。



仏産ウズラ 小海老 シャンピニオンのココット パイ包み焼き



牛フィレのロースト トリュフ・フォアグラ香りソース




フロマージュ取り合わせ



紅玉りんごのキャラメリーゼとムース
プラリネアイスクリーム



日付が変わると、ボジョレーヌーボー解禁。
フランスのワイン関係者が舞台へ揃い、「解禁の歌?」を斉唱して乾杯となった。



テーブルが一緒になった松尾貴志さんとはほぼ初対面。昔のテレビ演芸の話をする。名誉ソムリエだそうだ。
左はソムリエ界の重鎮。日本ソムリエ協会副会長 岡昌治さん(リーガロイヤルホテル大阪) 海外からの大勢のゲストをお招きするのに神経を使ったご様子。



本場のソムリエやワイン醸造家ってどれだけ洗練された人間なのかと思っていたが、それは先入観であり、早い話、農業関係者である。正直、タキシードなども着なれた感じには思えなかった。やっぱり現場の人。着飾るのはワインを飲む側の人なのだと気がついた。

けっこう酔いました。帰り道、川風の気持ちのいいこと。


        第一回アジアオセアニア・ソムリエコンクール 大阪大会
           リーガロイヤルホテル・大阪  北区中之島5

  


キラリと光る、路地裏粉もん

2009-12-22 23:00:20 | 
過日、誕生日を祝ってくれるという仕事先の連中と一緒に。
ありがたい話やね。 数日違いのT嬢と合同です。



シックな花束、選んだ人のセンスがしのばれます。
まずはビールで乾杯!


しょっぱなはトントロサラダでしたっけ…?

場所は福島の2号線からさらに南西に行った辺り。
この一帯は空襲で焼けなかったんですね。
住んでらっしゃる方も多いんです。
2階の下宿みたいな部屋に陣取って、下から階段を上がって
女将さんが料理を運んでくれます。



しいたけのチーズ焼き

路地にある町家で隠れるように営業する「欣」。
やきやき三輪で修業した梅田さんご夫婦の店。
とても感じのいい若い夫婦、元気なサービスです。



スジキャベツ炒め

鉄板焼きとは制約があるように思えるが、なんのなんの。
クッキングホイルを使うことで持ち運びも簡単にでき、合弗や富美子ではだしを入れて鍋までやってしまう。ホイルを持ち込んだ奴はエライね。



キムチ焼そば  
このウエットな感じ、ズルズルッと行けてしまいます。



玉ねぎチーズ焼き
こうすりゃ玉ねぎも立派な酒の肴になる。
ビールから赤ワインに切り替えてます。



カキのバター焼き
こりゃもう、たまりません



焼そば  すじジャガイモ(だったか)

ソース焼きそばってのはよくできてるなぁ!ワシワシ頂きます。



ナスでしたっけね。ちょいピリ辛



お好み焼き ミックス  上出来です!

素人が何枚も焼いて、これぐらいのお好み焼きが焼けるようになるには何年かかるんでしょうか。

福島界隈でお忍び粉もんする時にはぜひ・・・。
但し、ときどき迷うのが難。




           鉄板屋 欣(よし)   大阪市福島区福島3




瀋陽ってどこだ・・・

2009-12-22 19:27:28 | 

瀋陽とは旧満州の主要都市の一つ。北京から東側に位置する遼寧省にあり、餃子なども実はここが本場といわれる。函館とほぼ同じ緯度、大陸性気候だから今頃は-8度ぐらいになるそうな。(もちろんネットで調べた)

洗練された都会の料理に非ず、中国田舎料理といえば怒られるかな。温かい広東などに比べて素材も限られるだろう。



前菜 蒸し鶏(胡麻ダレ)      ピータンと豆腐の和えもの
ビールで乾杯。定員10人の部屋に11人でギューギュー詰めだが、勝手知ったる間柄、文句などあるはずありません。



キクラゲと青菜の和えもの     押し豆腐の和えもの

初めて食べたら豆腐とは当たらない。中国延辺料理(北朝鮮との国境付近)でも出てきた保存食。
キム大兄から紹興酒を差し入れ頂く。すぐに空いた・・・。



海老マヨネーズ            牛肉ミスジのオイスターソース
サービスの女性たちも過剰なもてなしはないが素朴で悪くない。



 焼餃子 律儀な焼け焦げ      鶏のから揚げ

焼餃子が本格的に日本に伝わったのは戦後。この満州地区からの引揚者たちが食べ付けた餃子を思い出しつつ、闇市で作って売ったと思われる。 寒いので水餃子も余るとたちまち凍って、翌日は焼くしか方法はなかった。     



   清蒸魚  活魚の蒸しもの  この夜は天然鯛

この手の蒸しもののテクニックは中国料理のハイライト!




   蝦とセロリ炒め         豚肉味噌炒め

なんでもない取り合わせだが、高温でササッと炒めると美味くなるんだよなぁ。中華ってのは炎の料理だ。



青菜のニンニク炒め          炒飯

中国では料理人の腕を見極めるに、青菜や炒飯をさせればすぐに分かるという。味だけでなく、香りを生かすのがいい料理人とのこと。



フカヒレスープ 小さいが姿のフカヒレが入っている。

マンゴー杏仁豆腐    文句なく美味。



壁には黒田征太郎による意匠の数々が、楽しい。



これだけ食べても、財布には優しい。ハイコスパな店にはちがいない。でもまぁ、まだ食えるなぁ。


               香園    大阪市中央区安土町2  




弁当戦国時代!

2009-12-21 18:41:43 | 
ピュ~ピュ~・・・ 風が吹いている・・・



食の世界にも、猛烈なデフレの風が吹いております。



これすべて250円弁当。
食後のコーヒー飲んでもワンコインで済ますことができる!
 
全国に250円弁当が点在するのは、ある商業コンサルタントで中小企業診断士の人物が提唱しているからだ。250円でも利益が出るというのだ。素人が方法論もなくデフレに参入すると痛い目に合うので要注意。



ピラフとナポリタンにから揚げなんてのは、腹にズンとくるコンビネーション。野菜のバランス?そんなこと言ってられねぇ!



から揚げはブラジル産の鶏肉などを使えば、かなり安く上がると言うが。ご飯もしっかりと量が詰め込まれていてズッシリ。
いや~激安弁当、端倪すべからざる存在である!



日本料理三ツ星料亭主人が食べる250円弁当の図。
「ようできてるな。変な弁当よりよっぽどええがな。そやけどこのオムライス、ご飯に何にも入ってへんわ・・・」


今夜も殷賑きわめたり、天六

2009-12-21 16:28:59 | 

大阪駅を挟んで東の天満、西の福島が大阪では元気な街である。だがその福島とてそろそろ飽和状態。天満の方がまだ少し小さな店を出す余裕があると見える。
だが、この不景気では何かと出店するのも大変だろうと察する。

天六で元気な韓国料理がここ「ほうば」。いつもよく繁盛している。久々に行くと、客を集める理由が分かった気がした。



定番の圧巻!ナムル15種類。この日は12種類にキムチが3種。まずこれで客をつかむ作戦だ。
奥左から、金針菜・ジャガイモ・クレソン・豆モヤシ・青梗菜キムチ、中段はミョウガ、ホウバ(これが屋号の由来)・モロッコ豆・メロン・カクテキ、下は切れてるがピーマン・根ミツバ・ナス・マコモダケ・白菜キムチ…と並べただけで大層くたびれた。



マッコリ 上澄みも一緒に出してくれる。
にごりはどうも口当たりが優しいかして、私、酔うきらいがある。
注意…注意。



ボタンエビの醤油漬け
大ぶりのボタンエビを、韓国の醤油・焼酎などに漬けてある。
中国ならさしあたり老酒漬けというところだろう。
身がブリッブリでセクシャル。卵の色がすばらしくメタリック。


ミスジのステーキ

レアなミスジの上に、おろしたナスと酢醤油ベースの味付け。
上にクレソンが覆っていた。非常に軽い味わい。
これを見て、誰が韓国料理と思うだろう。
私的には冷たいのが難といえば難。ここいらは熱々を行きたいもの。


かき、たら白子のジョン  

ピカタのように少ない油で揚げ焼きにするのだろう。
ジューシーな牡蠣、鱈白子の濃密さ、
冬の二大美味にカウンターパンチを食った。


すっぽんスープ

油ものの次は優しい味わい。アツアツのスープ。トロリとすっぽんのコラーゲン、おいしさはすべてスープの中に染み出ている。
ああ、これはたまらない。このままおとなしく帰れるものか・・・


ふぐのから揚げ

優しさの後に、スパイシーなふぐのから揚げ。
ガブッと行っては小骨出しつつ、しゃぶり尽す。


そして・・・



このアワビをお粥にします・・・ときたもんだ。

元気にウネウネ動いてらっしゃる。お命頂戴!




ウッヒェ~、これがアワビのお粥。
ってか、これはアワビのリゾットではないか!
元イタリアンにいた新井さんの面目躍如!

歯ごたえを残したアワビと米。肝の旨みが一粒ずつに染み渡る。
特注する丹波産胚芽米を使用。
いい値段なのも、これで納得。
一粒たりとも残せません。さっきのアワビに悪くて。




なんなら皿持って舐め回したいぐらい。
これでもう、完全にノックアウトでした。


シメに、梨のスープ  ほうずきのようなストロベリートマト
優しく消化を促してくれるような、穏やかなエンディング。

店は母と息子夫婦の3人で切りまわす。明るいオモニは厨房で一生懸命働き、バンビのような奥さんも軽やかにサービスにあたる。

序破急がよく計られていた、食事もストーリー性のある一遍の交響曲であると、あらためて感じ入った夜だった。
いつまでも韓国料理を、キムチに焼肉にチゲばかりだと思っているとアナタ、えらい目に合いますで。


      

          韓菜酒家 ほうば    大阪市北区天神橋5