マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

コスパなふぐも悪くない

2010-02-28 18:22:10 | 

数多い鍋料理の中、やはりふぐ、てっちりというと目の色が変わる。いくら、クエだのスッポンだの言われても、ふぐというとひと味違うのは、あの雑味のない淡白さにあると思う。こればかりは初めて食べてハマるというものではない。何度か食べている間に分かってくる、そういう味なんだと思う。

年に何度かは頂きたいと思う、てっちり。天然ものに勝るものはないだろうが、3~4万円はおいそれと出せぬ。ここはグッと涙をのんで養殖でもよしとしよう。いやいや、養殖とて捨て難いものがある。



てっさ
ちょいと厚切り。量がたっぷりあるのが嬉しいふぐ刺し。少し取っておいてしゃぶっとしてもよし。



湯引き  
これも昔は何処が美味いのか分からなかった。
ほとんど歯応えとポン酢の味である。でもムニムニ食べて酒を飲むと、そこはかとなく、てっちりで一杯やってることの愉しみ、贅沢さをしみじみ感じることができる。安いんだけどさ。



ひれ酒
こればかりはぬる燗ではいけない。アツアツの飛びきり燗をふーふー言いながら頂く。てっちりの時でないとまったく欲しいとは思わないが、なけりゃ寂しい。 ¥680



空揚げ
誰かにふぐの美味さを問うと、答えに窮し、空揚げが美味いと言った奴がいた。上身もいいが骨のついたアラの部分の空揚げがまた美味。手づかみでワシワシ食いたい。



焼きふぐ たまり醤油で和えたのを炭火で炙る。
たまらん香りが食欲を刺激する。


何度かつけ焼きにすると、さらに風味もよろしく。
これを専門的には“メイラード反応”とよぶ。




さぁてメインエベント、てっちりの用意も揃い・・・



ここは紙鍋なのが面白い。アクが出ない。

てっちりの美味さ・・・普通の鍋は具材をいろいろ入れて、味が複雑に絡み合うことのうま味。だがてっちりの場合は珍しく掛け合わせない。引き算のうま味。あるかないかの淡味。それと、ふぐを食べている充実感だろうか。昔なら、これに生命の危険も伴う緊張感まで付いてきた。



淡白な中にも、ふぐから上品なだしが出る。
これを残してなるものか。



したがって雑炊となる。漢字で書くときたない。
ぞうすいと平仮名にしたい。
客席係の女性が作ってくれる。社内である程度認められないとぞうすいは作らしてもらえないと聞く。



ああ、あったまる。
改めて、鍋の第一はてっちりだと思った一夜であった。

これに、メイプルナッツアイスか柚子シャーベットがついて、
秘玄極味コース ¥5780  どう?腹も立たない値段でしょ。



          玄品ふぐ 高槻の関   高槻市城北町2



路地ウラ海の家

2010-02-28 01:58:35 | 

屋号の脇にFM10.6とある。小さなFM局でもやってるのかなと思ったら、単に「てんろく」と読ませるという。およよ。場所は天六から一本隔てた、レンガ通りにある『MUSH UP』。店先は海の家っぽい。


入った所の壁面にセルロイドのお面。ナショナルキッド!まぼろし探偵!スーパージェッター!おっさん、涙を禁じえない。



縁日っぽくて、これはこれでいい。ただお面を飾るかぎりは拭き掃除を敢行してね~。

さぁて、今夜もビールから始めますか。



まずはふっくらと炙り、咬みごたえたっぷりの宇和島天ぷら。
ごく普通のありがちな「じゃこ天」とはちがう。¥380

店主がああでもないこうでもないと、故郷宇和島を探し回り、やっとこさこの頑固職人を見つけたという。アツアツをガブッ・・・!うまいっ!!

アラカルトもあるが、ほとんどはおまかせ俺コース¥2000。
注文は基本、客が書き込む自己申告制。



北海道のウニは、山形ハーブソルトで。甘い。
右はヒオウギ貝。色とりどりのホタテみたいな奴。なんであんなに塗ったみたいな色なんだろ?



ウチワエビも愛媛県深浦港から。
身は少ないが伊勢エビより美味いかも。 



ワカメ、これもまた店主自慢。



背子ガニは豊岡市津井山より。
でっかいカニもいいが、酒の肴にちょいっと欲しい時はこのサイズで十分。



ミルガイ 歯応えが歯に蘇ってくる。



これも愛媛のアコウガイ。目の前で開けた貝には、マジックでも何でもなく、真珠が入っている!!
これは当たった人にプレゼント。



俺たちの空揚げ  1P¥280 丹波地鶏使用

空揚げは人気なので、一晩2回のチャンスに注文を募り、いっぺんに揚げる。




俺料理  今夜はかぶら蒸しだった。こういうきちんとしたものが出てくる面白さ。見た目とのギャップを楽しんでもらえる。



俺のTKG ¥480
TKG 何かというと、玉子かけごはん。
こういうノリを面白がれる人に。



         Mush Up  北区天神橋6丁目れんが通り



天六裏通りで立つ

2010-02-24 15:11:35 | 



天六の立ち飲みストリートにある佳店「肴や」。
ギネスの生なんぞが飲めて、つまみ系が何でもイケる店。
そこの2号店が一本東側に出来ている。



赤星¥420を抜いて、いかのマリネ¥380をつまむ。



天然鯛昆布〆 ¥600 

肴やご主人の実家は、太融寺辺りで鮮魚店をしていると聞いた。だから魚は得意なのだ。



珍しい、さごしのきずし ¥420 
さごしとは、関西で言う鰆の幼魚。



牡蠣などの海鮮蒸し  ポン酢で



いか玉だったか、玉子焼きだったか・・・



おまかせ5貫  上まぜ¥1000

ここでにぎり寿司を出したかったという。
肴やでも出してるけどね。

本格的にトグロを巻くというよりは、待ち合わせなんかにもってこい。さくっと飲んで、ささっとつまみ、風のように消えてゆくのだ。
いざ、次へ!


            BARO   大阪市北区池田町6  



日本酒応援しなきゃ

2010-02-23 02:17:21 | 

ひと昔前、3000ほどもあった酒蔵が、今1500ほどになっている。早晩1000を切るのではないかとの説。阪神大震災の痛手から廃業した灘御影の蔵も少なくない上に、焼酎に食われ、ワインにやられ、売れ行き不振・後継者不足・杜氏の高齢化・・・まさに存亡の危機。フランスや米国では日本食ブームも手伝って、さかんに日本酒が飲まれているというのに、日本人は鈍感というか冷淡。いつまでも酒臭いオッサンのイメージが付いて回るらしい。日本人よ、日本酒を飲みたまえ。

てなことで、ボヤきをまくらに某日、日本酒の会に行って来た。
今回のテーマは「熟成」。寝かせていた日本酒を飲んでみようという会。



静岡の「磯自慢」。かつて東京で知ったが、なかなか関西では見かけることが少なかったいい酒。同じ磯自慢の純米吟醸だが、片方は97年製。片や09年製。双方共に火入れはしていない生酒。ひなびた漁港にある蔵だが、オールステンレスにするなど酒造りに対する情熱は並々ならぬものがある。

さすがに12年冷蔵庫で寝ていただけのことはある。凝縮感があり、アルコールの角がとれ、厚み深みを感じる。09年製はいい酒ではあってもロリコン、薄っぺらい感じがする。この固さが時間と共にとれて行くという。



主宰者『遊山』安田さんは利き酒師で、ソムリエでもある。
新聞紙を開けて取り出したのは、愛知の「義侠」。
極道が喜びそうなブランドだ。
96年製だから13年たつ。特A山田錦、手植え、稲掛け、天日干し。熟成感、米のうまみをしみじみ感じる。



仙台の「綿屋」は美山錦55%精白。
さわやかな香りと適度な酸、後味にキレのあるきれいな酒である。水で口を洗いながら味を確かめる。
プロのようによう吐き出さんので、当然全部飲む。




秋田の純米吟醸「爛漫」。12年もの。日に当てないようにして冷蔵庫の片隅に大人しく置いておくと、(家庭ではなかなかそんなスペースなどないが)まったく劣化していないことに驚く。
木酛づくり。最初は美味いが、コシがなくてすっとフェイドアウトする。もうちょい余韻が欲しい。




ユッケのエゴマ包み、蒸し豚・コチュジャン葱、ハツ刺身



赤カブ漬物、犬鳴ポーク・牛蒡煮、冷奴・・・
こういうのをつまみながら。肉と日本酒を合わせるというのはなかなか経験なく、さすが安っさん、肉のプロです。

もういけません、ぼちぼち「美味けりゃええやん」的な気分に
なってきており。



見事な赤身は、モモの一部ラムシン。



鍋はテッチャン鍋。美味しい脂がついた小腸、カキノキダケというキノコが珍しい。



主宰者自ら焼いていただきます。



こんがりと周囲を焼き固め、休ませ、中がミディアムレアになったところで・・・



切り分けていただきます



肉と日本酒、悪いはずはありません。


コテッチャン、脂が勝負なだけに新鮮さがモノをいうのはいうまでもありません。



本醸造の「雪中梅」14年もの。これは燗で。
ストレートに美味いです。アルコール添加だからといって、目の敵にすることはないでしょう。
ほとんどひやで頂きましたが、熟成酒は温度帯を変えることで個性がうんとちがってくるのが、また面白いところ。
あとは3カ月単位で味が変化してくるものだそう。

もう少し収納しやすかったら、日本酒人気は保たれたのかもしれません。家庭ではたいがい「ジャマになる!」と日曜のオトウサンのように扱われてしまいます。

日本酒の会はおひらきとなりましたが、もう少し食い足りないので、階下へ降りて、ホルモンでもつまもうということに。



タレを含ませながら焼く、ウルテ。バカうま。



カルビとロースでしたかな。



タンスモーク・・・だったか。



シメに一口だけ所望したカレーライス。これが腹いっぱいなのに止まらぬ美味さ。さすが、松竹座裏で「クミン」というカレー&ワインの店をやってるだけのことはある。同行のH氏と半分ずつしてしまいました。



         焼肉酒亭 遊山  大阪市生野区巽東2



市場の横の必殺戸板がえし

2010-02-22 16:36:32 | Weblog

朝の陽がまぶしい天満市場、そのすぐ脇にある。
元は「天満与太呂」という食堂だったのが、老齢で閉めるというので数年前、引き継いだ「ひろや」。



店内は昔のまんま。お世辞にもきれいとは言えないが、なんか美味いものの出てくる気配は漂う。



徹夜仕事あけの人が一杯やっている。隣りには桜ノ宮のホテルマンがいた。うどん、丼、一品、なんでもあるが、黒板のお造りは順になくなって行く。といっても市場は隣り、元ラガーマンの廣末氏、1分で走って買ってこれる。



名物「赤ガッパ焼肉」580円 朝からピッカーンと眼が冴える、濃い焼肉だ。こんなに精つけて何処いかはりまんねん…ちゅうやつ。



「本家スタQ」 スタミナ胡瓜ということだ。叩いた胡瓜にニンニクがゴロゴロ・・・。



よせなべ(味噌)¥680 一人鍋で一杯やれば、朝から怖いもんなどなし。

ここの面白いのは変則的な戸板がえし営業。午後3時になったら、形態がガラリと変わり、経営者も変わり、イタリアン・バールに早変わりする。


「お兄ちゃん、暖簾逆に出てるでぇ」とご近所さんに注意されるそうだが、これで合っている。ひろやの裏だから、これで「裏HIROYA」と読ませる。裏の店主吉田氏はイタリアンのキッチンに務め、表の客だった時に誘われた。




ちょっとベテランのOLぐらいの感じの女性がよく詰めかける。
キャピキャピした店なんかしんどいし~…いう感じか。
おっさんに交じってグビグビやってる姿は、頼もしいと言うかなんというか。こっちの方が人目に付く来やすい時間帯だし、表の方が裏扱いされるのが癪に障る…と表主人はボヤく。



グラスワインはこの表面張力!
国産の信州ワイン。これで¥350はよござんす。



アンティパスト5種 ¥1000
(キノコ、フリッタータ、カンパチのカルパッチョ、カマンベール、パルマ産生ハム)

また↓別日は・・・3種のアンティパスト ¥800



ブリのカルパッチョ、ローストビーフ、フリッタータ このボリューム!
これにガーリックトーストでも付ければ腹いっぱいになる。



赤のデカンタは¥900  仏伊などの手頃なフルボトルもある。




胃袋の煮込み ¥550
牛の4つの胃袋全部を使ったトマト煮込み 美味!
トリッパなどと言わないところが、なんかいい。




仔羊のロースト@¥480の良心価格。
そりゃ女子だって来るわなぁ。




シメに人気の 生うにのクリームソーススパゲッティ ¥1300
上等上等。



取材拒否店だが、壁に見つけたグラビア。表主人は熊田曜子のファンで、連れてきたら受けると取り付けた。よ~し・・・(気合い入れてどうすんだ、え?)



         ひろや         北区天神橋5丁目 天満市場の横 
 
         深夜1時~午前11時 (裏HIROYA 15時~23時)