マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

北浜界隈

2007-10-31 18:43:45 | 

     
高麗橋野村ビルディング。昭和2年(1927)昭和の初めに活躍した設計技師、安井武雄によるもの。さぞや颯爽としたものだっただろう。
平野町のガスビルも安井。角の曲線がいかにも彼らしい。昭和の初めには流線型という言葉も流行った。


         
いいビルを見ていると気分がいい。だけど今どきのビルはもう結構です。見上げていると雨がポツ・ポツ・・・

    

頑固そうな門番がいて、ビルに入ってみる気がそがれた。1階にカフェ・サンマルク。向かいは三井住友銀行。ほとんど憶えちゃいないが北浜は子供の頃、よく歩いた。

    
ツタのからまる青山ビル。中に居酒屋とか麻雀大学、こんなとこにも丸福珈琲店が入る。

    
開店したての大衆酒場「ひらやま」へ。ここは比較的新しい立ち飲み屋、江戸堀忘れな草系列店。
ポテサラでハイボール。

    
まぐろの中おち。醤油でササッとづけにすると酒によく合う。

    
ここの名物、どぜうの蒲焼。金沢へ行って修行したらしい。
生きたのをこうして一匹ずつさばく。一串80円

    
こちこちと歯に骨があたるのも悪くない。ただ家まで奥歯に小骨が刺さっていたのには閉口した。
斜め前には蕎麦の土山人。古いビルのたもとには酒飲み心をくすぐる店が生息する。


      大衆酒場ひらやま  大阪市中央区伏見町 
 


400年の茶店

2007-10-30 23:53:07 | 


掛茶屋の侘びた佇まいを残す「瓢亭」。これがメインのエントランス。
床几には煙草盆、水甕、笠や草鞋が掛けられている。
国定忠治が一休みし、真ん中から団子持ったお女中が出て来たっておかしくない。でも作りもんではこうはしっくり行かない。
その昔、ここは茶屋と共に南禅寺の門番の役目もはたしていた。


亭内に踏み入れるのは15年ぶり。打ち水がされ、ひんやりとする。
すべて離れになっている茶室が5棟のみ。さほど敷地は広くはないのだろうが、庭木、植え込みや琵琶湖疏水からの水が巧みにまわされ、深い森の中にいるような錯覚に陥る。高歌放吟する料亭に非ず、静けさが心地よい。


中でも「くずや」という400年前と同じ佇まいという茶室へ通される。


小さいが深い床の間。「茸山の浅き明るさ踏み入りて 竹喬」とある。
色付き始めた紅葉が二葉。そこに平八郎の名が。
衣笠辺りに住んだ日本画家たち、小野竹喬が句をひねり、福田平八郎が絵を描いた合作だと思われる。もちろん、こんなこと空ですらすら言えるほどの博識ではない。帰ってから調べたに決まってる。浅学菲才にはそういう楽しみもあらぁ。


花生けには桔梗 山野草は十四代目主人、高橋英一さんが丹精こめて育てたもの。


くずやは夜なのでよく分からないも、萱葺き屋根。四畳半と二畳ほどの次の間からなる。頭もぶつけそうな、茶室の狭さ。密談にはピッタリである。「ふふふ…おぬしもワルよのぉ…」
適当に座り、「この場合、どこが上座ですか」と聞くと、あらら、ボクの席がそうだった。接待ならばチョンボや。軸も見えない場所なのだが、正面の窓から景色が見えるからだという。もちろん夜なので漆黒の闇しか見えぬ。
同行の若い衆が出された湯呑を見て、「酒ですか」と言った。何でやねん。


長男義弘さんが結婚されたばかりで、そんな話題を接待に来てくだすった女将さんとする。ほどなく膳が運ばれてくる。今夜は蒸す。女将が窓を開けると涼しい外気がすーっと入ってきた。ビールが美味い。


向付 鯛の片木造り 山葵 黒皮茸 菊花
器  交趾菊形向付 丹山作
淡路であがるとびきりの明石鯛がかつぎの水口さんによってここへ運ばれる。ぽったりとした厚み、見た目にも美しい半透明の身。
瓢亭ではお向うに年柄年中鯛を使う。以前来た時は細作りが中高に盛られ、加減醤油がかかっていた。今回の食感の方がはるかに贅沢。


先付 松茸と水菜のお浸し もって菊
庄内で栽培されるもってのほかという菊。正式名称は延命楽という。
何がしかの薬効成分あったのだろう。
冷酒は月桂冠の生貯蔵酒かな。余りのナショナルブランドにアレレ…と思ったが、酒をたしなまぬ一家ゆえ、研究してと言ってもしょうがないか。あ、言えた間柄でもなし。
  

汁 白味噌仕立  蓮根豆腐 花びら茸 おとし辛子
器 瓢箪南瓜蒔絵吸物椀
白味噌には二番だしを使うそう。一番だしだと強すぎて白味噌の風味を損なうのだそう。隠し味に赤味噌を少量溶き入れる。


口取り 瓢亭玉子、小海老といくらの香酒漬、雲丹松風、かます鮓、
栗、松葉銀杏、はじかみ
器  蒔絵菓子盆
瓢亭が掛茶屋の時分から出していたという茹で玉子。ほんの一滴、指先に醤油をつけて糸のように黄身に垂らすんだそうだ。
「玉子もっと欲しいと言われませんか」とH氏が聞くと、「お持ちしましょうか」ときた。玉子好きには朗報。瓢亭玉子は何個でもお代わりできるぞ。キオスクの煮ぬきみたいにキヤスク言うない。
 

雰囲気のある蓋物の赤絵のなんとか・・・


蕪と穴子の炊きあわせ さや隠元の千切り ふり柚子
箸がすっと入る蕪、口の中でほろほろと解けて行く。


焼物  杉板焼 花水木、柿の葉、かぼす、菊花蕪
仕上げに杉板で挟んで、ほのかな香りをつける。


中は幽庵地に漬けた鰆、椎茸
この素っ気のなさ、ある意味やぼったさを残しているのが茶の料理ということなのだろうか。オレならもうちょい変な色味を考えてしまうかも。このおかめそばみたいな配置なかなかできそでできない。


いよいよ最後。秋深し、土瓶蒸し。またこれで飲めてしまうので、冷酒またも追加。


吸物  土瓶蒸し 松茸、鱧、鶯菜 酢橘
松茸はシャキシャキ、鱧もどちらももう名残りだなぁ・・・

ご飯は松茸ごはん! 少量油あげが入る
やめときゃいいのに、オレだけおかわりしたッ。

水菓子 代白柿(だいしろ)
紀州の大ぶりな種なし柿。信じられない美味さ!とろりとした上品な甘味。柿の世界を逸脱する美味さ、こりゃたまらん!渋柿で入手し自家で甘くするという。焼酎をへたの部分に擦り込むんだったっけ。ああ、ちゃんと聴いておきゃよかった。


シメはお茶事で。北区の嘯月(しょうげつ)謹製、栗きんとん。品のある甘さ。和菓子の基本となるきんとん、裏ごしした餡を長い箸でくっつけて行くのだが、簡単そうに見えて奥が深そう。瓢亭はずっとここの生菓子を使う。

そして抹茶をいただく。かくして充実の時間が流れていく・・・


一歩外は幽玄の世界。玄関先の行灯に蝋燭が揺らめく。


京都の街中にいることや、今という時間をも忘れさせてしまう。
太陽の下にさらすと、なんと箱庭の世界にいるのか…ということに気付くのだろうが、闇を味方につけた見事な道具立てに感心しきり。
美味い料理だけだと社会の趨勢によって右往左往することもあろう、だが瓢亭には常に立ち返るべき茶懐石という太い柱がある。それが何百年も生き残って来れた強みなのだろう。ブレない。その代わり華美なことはしない、あくまでも、さりげなく自然体で。つまり利休言うところの、花は野にあるように…。

同じ京料理とはいえど、吉兆の料亭料理とは大きくちがう瓢亭の懐石料理。その違いを一回や二回食べただけでツラツラと論評などできるものか。まだ腑に落ちたというところまで食ってないもの。まだ歴史の深淵を覗き込んだ、とぐらいしか言えないのが悔しいったらありゃしねぇ。



     瓢亭   京都・南禅寺草川町  http://hyotei.co.jp/


まだまだ行くぜぇ~、ぶとり会!

2007-10-28 01:26:04 | 

ごちゃごちゃっとした裏通りにある。隣は商人宿みたいな場所。




「はい、注文は何しましょう・・・!」

ピータン  結構だねぇ

ピータン豆腐

春雨とミンチの土鍋煮

上海名物 小籠包  熱いスープが飛び出す!

もち米の包子  メシだけに腹にガツン

レタスのオイスターソース炒め  シャキシャキ

麻婆豆腐   ちゃんと麻と辣がきかせてある。

茄子にんにくミンチの土鍋煮

豚天  塩でいただくと出色のうまさ!フカッとしたフリッター。

古老肉  スタンダードすぶた


泡盛にカリー春雨という逸品があるが、これこそまさしくカレー春雨。

味はカップヌードル・カレーと同じ。ここへ白飯を入れたらイケた。


上海焼きそば

具を細かく切り揃えている、炒飯。

2本目の半分ほど残った紹興酒はご婦人たちに進呈。

シメはLa Brancの店頭で、スペインのブランデー。
かくして鯨飲馬食・鱶飲豚食の夜は大団円を迎えたのだった・・・。
次回は師走の福島場所だ。


    上海料理 金国  大阪市都島区東野田町3  


ぶとり会京橋、ひきつづき・・・

2007-10-26 22:53:39 | 

京橋駅から北へ伸びるビギン京橋商店街をず~っと歩く。

イカ焼屋のインパクトある意匠。
本物のスルメに特殊な加工がされている。

アーケードが途切れてもまっすぐ進む。
とんかつの店「ミヤコ」。

ぶとり会、洋食には目がない。揚げもの大好物である。

千切りレタス なつかしタイプの自家製マヨネーズ

たたきキュウリ

ヒレカツ ドミグラスソースが結構

ロースカツ  カツ好きはこっちやな

ポークチャップ これにもソースがたっぷり

厚切りロース  ポン酢ベースのソースで。

コロッケ 油をよく吸っている感じだが、美味い。
ベシャメルソース。

家族経営の大衆洋食なので、何でも安い!
600円のスパゲティが気になる。

イタリアンスパ
イタリア人が聞いたら、「何処が!」と言われそう。

カレースパ  ハハ、かけただけ。

焼きそば風スパ  なるほどなぁ、醤油ベースで炒めてある。
オムスパもなんとなく答えは見えるけど、いっときたかった。

夏向きの白い暖簾がまだかかっていた。

近所の名代の焼き鳥屋に表敬訪問。外でご挨拶のみ。

    とんかつミヤコ   大阪市都島区都島中通3


ぶとり会・京橋場所

2007-10-25 00:39:30 | 

いい年こいたオッサンが集まり、ただただ濃い食べもんをムシャムシャグイグイと食べ飲むのがぶとり会。メタ坊のご近所修学旅行といったところ。第8回は京橋場所。メンバーは神戸の師匠、京都の巨匠という名カメラマンが2名、大阪の編集者、天満のプロデューサー、売れない満腹ライターの私という顔ぶれ。ゲスト特別枠というのもあるが、デブでなければいけないという紳士協定がある。
まずは集合時間まで数十分あり、京橋駅前で単身立ち飲み。
湯豆腐、どて焼、玉ねぎの串カツで一杯。



定時に集合したメンバー。パチンコ屋の前に並ぶ立ち飲みストリートの「岡室酒直売所」へ。いつも混雑している京橋の名店。

マグロ刺身

大衆居酒屋の定番、ポテトサラダ

鶏の軟骨から揚げ

雪印6Pチーズを5P。
韓国海苔をつければ最強のコンビ。

いつの間にか客も若くなっている、というか、こっちが年食ったのかも知れないが…店内にくたびれたオッサンはいない。

鮮やかなレモンイエローの沢庵とキュウリの毒々しい漬物。
玉子丼が食いたくなったと師匠。

ポテトのから揚げ。こんな普通のものがバカうま。

まだほんのアペリティフに過ぎず。
ぶとり会の本番はこれから始まるのだった・・・

移動中、「くれおーる」のたこ焼きをプロデューサーが購入。

ソースもマヨネーズもいらない。素焼きが美味。
たこ焼きは美味い。だが・・・熱いッ!

2軒目はかなり離れた洋食屋へ。せっせと歩く。