マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

卵とケチャップ、噫、幸せの子供ぐち

2011-04-30 04:00:25 | 

子供っぽいといわれようが、オムライスには吸引力がある。
これ発明した人はエライな。

銀座煉瓦亭には、元祖オムライスってのがあって、
それは卵でご飯を和えてあって、フライパンで紡錘形に焼いたもの。ちょっと雰囲気が違う。
20年以上になるか、墨田区のレストラン吾妻で出会った「雪崩式・結果裏巻き」は衝撃的だった。

昨今の、あまりにシャバシャバ、ドロドロのスクランブルエッグがご飯に乗り、ドミグラスかけて
オムライスというのは、ズルイと思う。技術も何もあったもんぢゃない。
まぁ、ごはんと卵、結果的には同じなんだけど。



実家でも食べていただろうに、どんなオムライスだったか思い出せない。

大阪ミナミでオムライスといえば、ココ。
これはアレですね、フライパンとお皿を斜めにして、落下する角度で、
卵とご飯をクルリンと着地させて巻くやり方。
これは私も得意とし、割と失敗がない。

難しいのは、ホテルのオムレツ形式ですな。フライパンをあおって、紡錘形に整える方が技術は上。



オムライスへ行く前に、ここのもう一つの名物、串カツでビールと行こう。
クリームコロッケをオプションで。



サクッ…が快感。 そこへグビリ・・・。 ビールが油を流し、リセットしてくれる。

ランプかモモの牛肉を、ひっぱたいて薄く伸ばし、細い串を打つ。なかなかめんどくさそう。





連れがたのんだ、カレーライス+海老フライ。 懐かしい型を使ったご飯が結界となっている。
海老フライは開いたタイプ、ちゃんとタルタルが添えられているのが良い。 




一時調べたことがあったが、オムライスは中がチキンライスと思っている人が多いが、
実は、チキンを守り通している店はほとんど少数派だった。
ブロイラーで美味しくなくなったからやめた、という店も結構あった。

明治軒さんはたしか牛肉をトロトロに煮込んだものを少量使う。なので、ほとんど気付かない。

オムライス、ハヤシライスに比べて、チキンライスの存在は風前の灯なのかもしれないぞ。



                レストラン 明治軒     大阪市中央区心斎橋1-5  畳屋筋×清水町 南西角



次の日曜日!

2011-04-18 13:45:18 | カントリー

いよいよ、次の日曜です。
カントリーミュージックの祭典、Fortworth Jamboreeが開催されます。
今年で10回目、いいタイミングでよんでいただき、ありがたいことでございます。



出演の8バンドのうち、カントリーが4バンド。
ブルーグラスが2バンド。
ハワイアンのおじさんたちが1バンド。
そして、我々のウエスタンスイング!

主催者であり、神戸の重鎮 福原照晃&カウボーイドリーマーズ。
京都の大御所 永富研二&テネシーファイブ。
斯界の大奥から三姐が集まる WOMANS&ホンキートンクデビルス。
ブルーグラスの老舗 シャギーマウンテンボーイズ。
ブルーグラス界で唯一プロミュージシャンでがんばる 稲葉和裕とブルーグラスランブル  And Many More!

勝手にキャッチをつけましたが、スゴイでしょう。スゴイんです。
カントリーをかじった方なら、震えるような面々の中で、
まともにカントリーかじってないので、厚顔無恥のまんま、楽しませてもらいます。

うちだけが一番多くて、総勢12人。ビッグバンドか!!

   


おお、行ってやろうぢゃないの、と言われる方は、ぜひ阪神西宮のアミティホールまでお越しくださいまし。

関西のカントリーを鳥瞰するという意味でも絶好の機会ですし、
ただただウエスタンスイングをサポートしてやる…というお気持ちならば、
尚のこと、うれしきことです。

私にご一報くだされば、前売テケツお取り置きいたします!

関西から元気を!! みんなで張り切ってまいりましょう!


うれしいね。復活、銘酒屋

2011-04-16 01:54:14 | 

いま、大阪の玄関口、梅田が「うめきた」を中心に大きく変わろうとしているが、
南の玄関口、天王寺だって黙ってはいない。阪急に対して近鉄が対抗するというか…。
お互いかつてのパシフィックリーグで闘った間柄である。

天王寺駅と近鉄百貨店を結ぶ阿倍野陸橋がもはや通行止めになり、
飛田遊郭へ通じる旭通り商店街が姿を消し、阿倍野筋西側はガラリと姿を変えた。
でも、向かいのちん電沿いは相変わらずですよ・・・。



三井住友BKのあった辺りですかね、Hotel Trustyという高層ホテルがほぼ出来上がっている。
しかし、スイスホテルより南にそんな宿泊ニーズありましたかね。

愛する「明治屋」も最後の最後まで孤塁を守ってらっしゃったが、ついに断念し、昨年10月いっぱいで閉店。
こっちはうっかりご無沙汰してるうちに、閉店となって寂しいことこの上なかった。
「明治屋」なけりゃ、阿倍野に出かけるアリバイもなく。変貌する街に居心地悪いばかりで。

そんな明治屋が転居。引っ越したのはキューズタウンというこの大型施設の中の1階。
この中はグリルマルヨシ、名門酒造、アベノなどが入って、昔からの顔ぶれが生き残っている。




新しい店舗が揃う中に、ひときわシブイ輝きの店。
それが新生「明治屋」である。
太田和彦氏からも花が届いていた。彼はこんな記念碑的な店がつぶれるのを黙って見過ごすような
大阪人は見限った…みたいなことをどこかに書いていたそうな。

案じていたが、暖簾に扉から置き看板まで前のまんま。そのまんま外して持ってきた由。

中へ入ると、まったくデジャブである。
 
来る人来る人、「あれ?一緒や…」と首をひねるのが可笑しい。


カウンターはもちろん、四斗樽の場所から、初代からの銭箱、牛の像まで同じ。
神棚の位置も、黒板の漢字(女将が書いている由)まで。





よくもここまでまぁ、酒飲みの心を分かってらっしゃるというか・・・
建築屋は閉める前に何度も足を運び、ここで飲んだという。
長年、客と店の人たちが作ってきたアトモスフィアに触れた。
で、変えてはいけないものを悟ったのだろうと想像する。





こいつだけは新しくなったという銅壺。
外観と蛇口はちがう職人が関わっているらしく。蛇口を修理する人が廃業し、
長年洩っていた。それを秋の休業の際、ニュース番組で知った別の職人が、
「私に修理させて下さい」と名乗りを上げてくれたのだという。
まだ、棄てたもんぢゃないね。





酒は長らく松竹海老という樽を使っていたが、阪神大震災を機に廃業。
現在は、梅の宿(奈良)。以前はもっと甘口で、ちょいとベタつく感じがあったが、
それがいかにも古い大阪っぽかった。でも、少し辛口になったのは時代の要求でもあるような気がする。

こんな時代だ、日本酒にがんばってもらわねば。 

がんばれニッポン!がんばれ日本酒!





酒肴も復活した。カウンター、客テーブル、猫の額ほどの小上がりも復活。

キッチンもきれいになった。昔の水屋的な台所も懐かしかったが。

漆喰の壁はすでにうっすら汚れていて、嫌味にならぬ程度にわざわざくすみを入れたという。

復活に乾杯。 よくぞここまで再現してくれたことに乾杯。 鼻の奥の辺がツ~ンとしてくる。





きずしに、シューマイ…

この辺りを口にすると、ああ明治屋ここにあり。という気がしてくる。

惜しむらくは、会話が途切れた瞬間、いい間で耳に入ってくる、ちんちん電車の軌道音が聞こえないことだ。

酒飲みたちは戯れ言で、10分に一回とか録音を流そう…などというのであるが。





極楽にいる滝沢一お師匠さんよ。そっちの酒の味はいかがでやんすか。
アナタに教えてもろた酒場は、みごとに復活しましたよ。

知らない人には蛇足だが一言。ここは大人の酒亭。その辺の居酒屋とはちがう。
少しずつ譲り合って酒をしみじみと楽しんでいた大人たちの店である。
酒を飲みに来る店である。どうも食堂かなんかと勘違いしてる若いのが多くて、ゲンナリする。
黙って酒を飲む。 肴はせいぜい2,3品がところ。 長居は無用。それがスマートな酒場の使い手ってもんだ。

言い忘れた。あとはご不浄もきれいになった。
昔はウェスタン風のスイングドアが片方だけついていたが、 
万事昔風だが、こいつばかりは近代的な方がいい。


              「明治屋」   大阪市阿倍野区阿倍野筋  ヴィアあべのウォーク



紀州駅裏酒場

2011-04-10 11:41:57 | 

Western Swingの王 Bob Willsは酒に強かった。しかしアル中気味で、酒によって命を縮めた側面はある。
Bob Willsを引き合いに出すまでもなく、外国人のアルコール分解酵素は日本人の比ではない。
Seldom Scene、Country GentlemanのJohn Duffeyはカティサークの瓶持ち込んでグイグイやってたし、
Sam Bushもスカッチ、氷なしだった。

西部劇みたいにクイッと呷るのはカッコイイが、日本人が真似してると、まぁ、たいがい胃がイカレますな。
日本酒とでは土台、アルコール度数がちがいまさぁ。


男らしくない、などと言われても構わないので、水のみながら酒飲みたいもんだ。


畏友、北畠健三師匠いわく、「酒が好きなんぢゃない、酒場が好きなんだ」

そうなのだよ。

酒場にただよう詩情を味わいに、あっちこっち丁稚してる訳で、
ただただ酒が飲みたいならば、ワンカップ買って、自販機にもたれて呑んでらぁ。

いい飲み屋には歌があるもんだ。 スイングだい。 いやさ、ブルースだい。





詩情は旅情が加わると、尚更沁みてくる。

なので、何処にいても、古い酒場を探すことになる。




壁一面の、品書き。  いいねぇ~!




こういう駅裏の酒場で、流れ流れて、どこぞの踊り子と一杯やりたい・・・

イワシのたいたん 370円




おでん 1個130円   でかくてちょっと困った。

 



富山の酒一 純米大吟醸   一杯1200円が530円に値下がりしてた。
猪口も大ぶり。




ろうそく色のきずし   和歌山の人、このペラペラのバランもどき、好きだね。




山芋のじゅじゅ焼き 530円
これはオリジナルだな。お好み焼きより軽い。


たぶん、名物。  いわしの団子汁  480円
汁ものをすすりながら、酒をやるのはいい。




駅裏といっても、こんな立派な街中にある。
酒屋の角打ちが大きくなって居酒屋になったふう。階上では宴会もできる規模。





水了軒、つぶれたが会社更生法などで、復活してるのだろうか・・・。
和歌山も、ちょいと元気なかった。


                    多田屋    和歌山市美園町5丁目


和歌山、これも忘れ難く

2011-04-03 17:35:32 | Weblog


和歌山といえば中華そば。 今はなき道頓堀極楽商店街に一時入っていたが、
食べるチャンスがなかった。いずれ和歌山へ行こうと思い、ようやく叶った。

和歌山ラーメンの名前は東京のマスコミを経由して全国に知られるようになった。
隣りにいながら、大阪の人間はほとんど認識してこなかったのではないか。





シンプル極まりないメニュー。ある意味、男らしい。

そばをすすりながら、あるいはそばを待つ間に、すしを食べる。
しかも「早寿司」というのが和歌山らしい。

さすがはなれ寿司文化のある地帯である。
本来は奈良の柿の葉寿司のように、葉っぱで包み、熟成を促進させ、
同時に防腐殺菌作用もあったアセの葉というものを使った。
竹の葉にも似て、さわやかな香りがするものらしいが、今は悲しいかなビニール製。

そばと寿司を合わせる辺り、元々うどん・そば屋だった時代の名残とみられる。





和歌山ラーメンの一派を成す井出系の大本山。

スープは鶏がら豚骨だが、ある時アクシデントで煮すぎて乳化が進んでしまい、
スープが濁ってしまったという。食べてみたら濃厚でコクがあったので、その手法を踏襲したのだろう。

もう一派は醤油ベースのあっさり系だという。車庫系と称された。





麺はストレート麺。 このスープの感じは徳島ラーメンとも通じる。
徳島はチャーシューでなく、バラ肉だけどね。

スープのタッチは、尼崎の最古のラーメン屋「大貫本店」とも似ている。





旨い、フツーに旨い。のどごしよろしく、あっという間にスルスル入って行く。
少々やけどしようが、一気呵成に食った方が旨いに決まっている。


普通の中華そばをたのむと、盛りが少ない。この感じも徳島と似てるな。
しかし、京都の老舗などでもあるような、白ごはんがない。
よって早寿司を食べるしか方法ないのだ。 鯖寿司と中華そばとの取り合わせには
まだ初対面で、なかなかもろ手を挙げて「合う!」とは言い難い。





店は和歌山駅からも近いが、やたらと暗い。

昭和28年開店。狭い店内に、これが音に聞こえた井出なのかと感慨ひとしおだった。





ラーメン後は、けやき通り沿いのバーへ。





地方に来ると、バーに行き、できるならばバーテンダーと話し、地元情報を聴き出す。
きちんとしたバーテンなら、それなりに街のよさを教えてくれるはずだ。

グラスの赤、アモンティリャード、カルバドスが2杯。





「紀州和歌山バー紀行」なんていうバーガイドの冊子を、日本バーテンダー協会和歌山支部が
作っている。 旅の人間にも親切。 徳島のバー鴻さんのことも知っていた。



             中華そば  井出商店      和歌山市田中町4

             BAR  DEN            和歌山市岡南ノ丁