マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

男ってものはまっすぐ帰ってはならない (森繁久彌)

2016-05-01 03:26:58 | 

私も実は肝に命じている。

真っ直ぐ帰ってはいけない…。

しかし手元不如意だったり、ヤボな仕事あって帰らねばいけない時は帰る。

そんな時は恥ずかしく下向きがちで帰路につく。

森繁翁は若手の俳優へのことばとしたらしいが、我々とて同様。

酒場には何かが転がっている。

何にもねぇよというアナタ、 そりゃ、気がつかぬアナタが悪い。



 



ひょいと寄ってしまうのだ、新梅田食道街。

JR大阪駅と阪急梅田駅の間にある、100軒の飲食街。

昭和25年の創業で、ここは最も古くからある中の一軒、「北京」。 

中華ではなく、スタンディングバー。 







足をかける横棒があるからBARと言われる。

改めて足元を見てみたら、ありゃ、なんだか武骨な鉄骨みたいな感じ。

昔のバーはこの足棒の端っこにピカピカに磨き込んだタンツボがあったりした。

タンツボですぞ、しかし…!








角ハイボールにポテサラ。

生ビールみたいにいれられるハイボールはやだね。

バーテンダー殺しってんだ、ありゃあ。

そして…アテの白眉、エッグ一丁!







耐熱の焼きものにポンポンとSサイズの生玉子を割り入れて、

オーブンレンジへ。 アツアツで出てくるこれはすべての酒に合う。

醤油も選択できるが、こいつは塩をかけただけのものが一番美味い。

主人は「エッグは孝行息子で…」と言うが、これで300円。

物価変動のない卵だけに、稼いでくれたのである。

世界の酒「北京」。 もっとも新梅田食道街の匂いを体現する一軒。




 


世界ふしみ発見

2015-01-04 02:23:06 | 

 

茫日、ひさびさの伏見桃山。

大手筋商店街はこの日も元気だった。
 

         
    

 

商店街の中にある酒屋「油長」、たぶん先祖は油屋なんだろう

この一画が角打ちでも立ち飲みでもなく、カウンターで飲めるようになってる 
 






伏見の大小20蔵の80種の日本酒をズラリと揃えていて、

いうなれば伏見酒の観光案内所か関所のようになっている。







吟醸酒房といってもね、あくまでもテイスティング。

ここでグデングデンになるまで飲めるかどうかは知らない。








3種類、お酒を選んで

とても安価なアテが。豆腐と蕗のとう味噌だったかな

醤油もなしの豆腐がバカに酒に合う。

酒造りに向くのは水が良いわけで、豆腐作りにも向く。








ちょっと混み合ってきたのでサッと引き上げて、目指すもう一か所へ

 

 

       



徒歩で5分圏内。小さな蔵、藤岡酒造へ。

小売りのコーナーがあり、その片隅に酒蔵を垣間見ながら飲めるスペースが。

さよう、飲めなければ意味が無い。








べんがら色のおくどさんがあって、気分が盛り上がる。

平日限定飲み比べセット¥800

左から、美山錦おりがらみ・特別限定酒 山田錦40%・同おりがらみ







どれもきれいな酒で、ほっこりとする。

ただ私の場合、にごりはなぜか酔いが早いので、清酒好みだなぁ。





しかも、冷酒ばかりではどうしても飲み疲れするので、燗酒好き。

こちらでは嬉しいことにちゃ~んと燗つけてくれる。 しみじみ美味い。

ただし、忙しい時は手が取られるので、状況を見てね。







酒の邪魔をしないアテが数品。お漬物を所望。




      



窓ガラスの向こうに、酒の仕込み作業が見える。

いい気なもんだなァ、こんな早いうちから一杯やりやがって…

と言われてんきゃいんだけど。

ただし11時半~18時まで。

会社帰りなんて当然向かない。


 


秋到来、ケケッおでんだい!

2014-10-24 00:30:39 | 

FaceBookを見ていると、友人がおでんを仕込んでいた。 おでんに燗酒かぁ…。
私もかねてから作りたいと思ってはいたものの、ヒマがかかるので回避していたが、
とうとう…おでんモードにさせられてしまった。


しゃあねぇ、やったるかぁ!!

 

         



チビ太のおでんの3種類ってなんだっけ?という話になり、その頃、赤塚家に出入りしていた友人に

聞いてきて、とたのんだら、色紙までいただいた。 赤塚先生イイ人だった。

ちなみに上からコンニャク、ガンモ、一番下は意見の分かれるところだが、

先生いわく、ナルトであった。


せっかく関西にいるのだから、やっぱ関東煮とよびたい。かんとうに…ちゃいます、かんとうだき。

どこが一番違うのかというと、鶏ガラなど動物性と和のダブルスープ。

それにシーシェパード聞いてるか、のクジラが入るところにある。








水ナスみたいだが、皮鯨(コロ)。

冷凍の皮鯨(本皮)を適当な大きさにして水から漬け、塩をひとつまみいれて沸騰させ、

塩抜きと脂抜きをする。これだけで700円ほど。関東煮を標榜するならぜひ、そうでないならスルーを。







煮ぬき、牛すじ、平天、ごぼ天、厚揚げ、ちくわ、糸こん、コロ、ひろうす







主役は大根、こんにゃく、里いも、ブナシメジ







木綿とうふ、つみれ、シューマイ…数えたら16種類。

種類が多い方がバラエティが楽しめて、味も複雑になる。

スジ、コロなどだしが出るものから順に入れて行く。

これだけで夫婦二人分である。

食い過ぎかえ?








一緒くたに炊いたのでは、仕上がりにムラができてしまう。

なので大根は前日に炊いて、冷ましておく。

こんにゃく、里芋も別に炊いておく。

そう、丁寧に手をかけてやることが味につながる。

本来は四角いおでん鍋があればいいのだが、そんな贅沢は言ってられない。



むふふふ…

     




これは、日本酒だわい。 冷蔵庫の香住鶴の純米酒を。

ヒマな時は道頓堀「たこ梅」に似せた辛子をブレンドするのであるが、

そこまでの気持ちの余裕なく、既製品のチューブのやつ。




     

      




残った具はそのまま放置せず、具は取り出して。

だしは漉しておき、冷蔵庫へ。

翌日だしを温めて、再び具を入れれば美味しく食べられる。


コロはだしに複雑な味を加えてくれる。

課題はコンニャクの味の滲み方。

まだまだ不十分なので、田楽味噌をつけて食ったらイケた。

いよいよ冷気漂い、冬めいて来た。

冬の間中、もう一度や二度、関東煮が登場することもあるかな。




ぶあいそうの愛想

2014-09-17 00:50:22 | 

ほろよいで次に向かったのは、円頓寺。






昔、あっちこっちほっつき歩いてた頃には、寂れた駅裏の商店街みたいなところだったが、

戦争で焼けなかった町家が周辺にいくらも残り、そこへ新鮮に感じる若者の流入もあって、

大阪でいう中津や福島みたいに注目のエリアみたいになっていた。

変われば変わるもので、街なんてものは短いスパンであたふたしてはいけないのかもしれない。

さて、ず~っとマークしてて、ようやく来れた「五條」。



     



ここは死んだ料理研究家 加藤敏彦さんから聞いていた。

どうよ、この佇まい。 ひやかしお断り的な、他の追随を許さぬ孤高の存在がある。







まずは敬意を払って、看板のどて焼き。







八丁味噌がデミグラスソースのようだ。

大阪と違うのは、豚モツであること。

ちょっと甘めの味付け、これが名古屋だ。







一味をかけようとすると・・・・・・見たこともないメーカーだ。

名古屋のローカルブランドのようだ。 これぞ旅の醍醐味なり。







美味なるものは美しきかな…。 

どて焼き ¥280 

続いて、串かつを所望!







これも基本、名古屋ではとんかつである。

1本¥80







バットの中にウスターのプールがある。

いわずもがなの二度づけ禁止。







せっかくなので愛知風に、どて味噌につけてみた。

ソース一辺倒でなく、こっちも好き。

但し、名古屋に来てやらないと、大阪でやっても有難くない。







ちょっと甘ったるくなった口は、ハイボールで洗い流して。







きゅうり昆布漬 ¥250   きゅうりの浅漬けに潮吹き昆布をまぶしてある。

ちょっとおつな、箸休めになる。

釜前の亭主。 妻が接客。 おばさんの愛想は決してよくない。







鶏皮の唐揚げ ¥300

だがね…、飛び込みの一介の旅人に対して余り愛想がいいっていうのも考えもの。

この歳になると、ある程度放って置いてくれた方が親切というか…

いろいろと想像をたくましくすることが大事なので、愛想の悪いのもまた愛想のうちなのだ。

ああ、大人というのは、ややこしいわ。







とん焼き、皮焼き  各¥100

それになんこつを一皿 ¥300







名古屋も棄てたもんぢゃない。

し、失敬な…いいぢゃん、名古屋の気分と言えねぇか。







店をポイッと出ると、いつの間にか陽は落ちかけていた。





      

大阪へ帰りたくないが、さりとて名古屋にゃゆっくり酌み交わす酒友もいない。

まだ帰りの電車までには、十分時間がある。

とにかく、街を歩きだしたのだった。


   

       
         

     


しらたまの歯に滲みとおる知覚過敏哉

2013-10-16 03:42:47 | 

忘日、大阪市内の魚のうまい店へ。

ビールで喉をうるおし、日本酒へ。
枡にグラスを入れて、こぼして注ぐやつ、アンタどう思う?






あれは何のサービスなんだろうね。
第一あの枡はどうやって保管してるのか、本当にキレイなのか?
繁盛店ならばまぁいいよ。ヒマな店の場合、ベタッと油じみてホコリが浮いてくるのだよ。
それを酒を沢山こぼしてくれて…と嬉しがってる客もいるが、おらやだね。
その分、大きなグラスで出せってんだぁ、このべらぼうめがぁ…(志ん生で読んでね)
この店のことではない。







とこぶし煮 680円  へたなアワビならとこぶしよぉ。
だしまで全部飲んじまった。







なす煮びたし 380円
こういうのはホッとしますな。







生かつお造り  780円
たたきばかりが有名だが、新鮮なら造りで行きたいやないの
  


甘鯛の塩焼き 1280円 



稚あゆの塩焼き 580円  もちろん頭からカプッと






がしら煮付け  1680円

たっぷりの煮汁を身に絡ませながら。

ああ、サトイモも美味い。

こいつで日本酒いただけばもう、たまりましぇん。







ピラニアに襲われたような無残なお姿に。

ここまで食ったら成仏できまっしゃろ

チ~~ン!



海鮮旬魚「悠」   大阪市天王寺区玉造