マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

京都西山のタケノコ ご近所で春のめぐみ

2016-05-09 14:21:57 | 

茫日、洛西。

タケノコの日本一の名産地が近いのに、今まで一度たりとも
食指が動かなかった。 

だけど、まったく知らないというのは勿体ないだろう。
ということで、電車とタクシー乗りついで行ってみた。

 

 

筍亭と書いて、じゅんてい。 阪急桂駅から西山へとタクシーで10分強というところ。意外に近い。

時間の余裕をみて、天鏡院の山門で降りて、花を見ながら抜けて行くのも一興。







一番は新緑の竹が見どころだろう。



 


おちついた佇まい。 シーズンだけあってけっこう客が多い。

予約の際、立て込んでると、昼下がり2時ごろにお願いされてしまった。

そんなことでカリカリなどしない。 泰然と構えよう。

部屋に入る前にロビーで記事を見たが、ここの社長はおつに澄ました人にあらず、

ほんまのタケノコ職人みたいな風貌で、いっぺんに好感を持った。








さて、料理は個室で供される。 

前菜三種。

佃煮、たけのこ真丈、穂先の梅酢和え



 


…づくしが苦手なので、お造りが出ると嬉しくなります。

ヒラメと湯葉。

酒だな。
 



 

 

 木の芽和え。 春のめぐみです、大好き。

イカの食感なしのタケノコのみ。 

 



そして、定番中の定番。 若竹煮。

長らくタケノコ一筋に携わってきただけのことはある。 しみじみ、うまい。

歯ぐきを押し返すような、適度な歯ごたえ。 しっとりとだしの風味。
 

 

 

 道明寺蒸し
 

 

 

 
湯豆腐は竹の割木を鍋にして。 風流なもんですなぁ。

両側の竹の湯呑みで受けてるのは、竹の生木から浸み出して来る水分。
 

 

    

 


こいつで酒を割って飲むといいですよと教えられて、酒にちょっと入れてみると

「うわわっ…」 苦いのなんの。 たとえへ言うなら、火事場から拾っていた酒の味。

竹の清浄感より、スモーク利き過ぎて…これ飲んで大丈夫なのかい?

豆腐はいい感じにのぼせあがって、良い感じ。

 

 

 

天麩羅 ズッキーニや青とう、ピンクのは忘れた。 
 

 

 

タケノコサラダ

これもトウが経ったものだと、えぐみが出てくるだろう。

 

 


シメはタケノコごはん、吸物、香の物

 
 

 

ラストに水菓子

 

 

 鮮やかなもんでした。  これで料理だけで6300円。

他に朝掘り白子タケノコや、料理が増えて1万5千円ぐらいまであるけど、

ま、ゼイタク言わなきゃこれで十分。

気分はのんびり。

 

    




裏庭に出るってぇとこんな具合。

竹取物語のじいさんばあさんが、ふいと出て来ても不思議はない。

 


男ってものはまっすぐ帰ってはならない (森繁久彌)

2016-05-01 03:26:58 | 

私も実は肝に命じている。

真っ直ぐ帰ってはいけない…。

しかし手元不如意だったり、ヤボな仕事あって帰らねばいけない時は帰る。

そんな時は恥ずかしく下向きがちで帰路につく。

森繁翁は若手の俳優へのことばとしたらしいが、我々とて同様。

酒場には何かが転がっている。

何にもねぇよというアナタ、 そりゃ、気がつかぬアナタが悪い。



 



ひょいと寄ってしまうのだ、新梅田食道街。

JR大阪駅と阪急梅田駅の間にある、100軒の飲食街。

昭和25年の創業で、ここは最も古くからある中の一軒、「北京」。 

中華ではなく、スタンディングバー。 







足をかける横棒があるからBARと言われる。

改めて足元を見てみたら、ありゃ、なんだか武骨な鉄骨みたいな感じ。

昔のバーはこの足棒の端っこにピカピカに磨き込んだタンツボがあったりした。

タンツボですぞ、しかし…!








角ハイボールにポテサラ。

生ビールみたいにいれられるハイボールはやだね。

バーテンダー殺しってんだ、ありゃあ。

そして…アテの白眉、エッグ一丁!







耐熱の焼きものにポンポンとSサイズの生玉子を割り入れて、

オーブンレンジへ。 アツアツで出てくるこれはすべての酒に合う。

醤油も選択できるが、こいつは塩をかけただけのものが一番美味い。

主人は「エッグは孝行息子で…」と言うが、これで300円。

物価変動のない卵だけに、稼いでくれたのである。

世界の酒「北京」。 もっとも新梅田食道街の匂いを体現する一軒。




 


贅沢メシも早や佳境となり・・・

2016-05-01 00:15:14 | 神戸 元町


一世一代!とは言わないまでも、ここんとこないゼ~タク飯も

いよいよメインとなりにけり。

メートルが見せに来てくれたのがコレ! どど~~ん!!




 


ひ、ひぇ~~っ!!アップで見るとキツイなぁ…。

ブルターニュ産オマール。

爪の付け根が青い模様が入るのがブルターニュ産で、値段も持ち味も全く違うそうだが。

いかんせん、こちらは産地が判るほどオマール食べ付けていないと来る。







 
ひらひらと花弁が散らしてあるような美しい一皿に。

オマールの身を、味噌と卵のソースで。

花弁のようなのは人参とビーツをたいたもの。

その下に、オマールとチンゲン菜。




 


陶然となるようなソース。 プリリと歯を押し返すようなオマール。

う~ん、こいつぁいつまでも食っていたい…。

美味いというよりも快感がずっと続く感じ。


身はほんの少しなのでオマール恐ろしく歩留まりが悪いが、

美味い物は少しだからいいのだともいえる。

このくらいでよしとしないとイカンだろう。



さ~て、肉料理の登場!


丹波の高見牛のロース・ステーキ

ま、ほんの一切れだけどね。

前言取り消しみたいになるけど、

せめて倍はいただきたい。




 

 
牛テールを煮詰めた濃厚な牛うまみソース。

火入れ具合は言うことなどなし。 結構なもんです。

カボチャの実と皮のパウダー、菊芋のチップ 、カボチャの付け合わせ



 


洋梨のデザート クールダウンといったところだろうか。 

タイムの泡、カマンベールのムース。 

緑のイイ香りのソースは、ベルベーヌという仏産リキュール。

これがたまんないね。 貴婦人って感じで。


デザートは続いて・・・



 


アッシュのスペシャリテ、「砂漠のバラ」

形がそれっぽいね。

チョコレートサブレとチョコアイスクリーム。 下にはオレンジムース。

粉々にしてかき混ぜてどうぞと来た。


壊すのもちょっと快感ね。



 


相方の頼んだのは、イチジクの生とコンポートのサバイオン・ソース。




 


赤ワインのソルベ、ヘイゼルナッツとドングリ、ワインのソースとゼリー。

ちょっと大人の味。



 



小菓子とコーヒー


エルブリの革新的料理人、フェラン・アドリアが創作したモラキュラーキュイジーヌの影響は

受けない訳にはいかないのかもしれないが、科学する料理みたいなものは

感心はするけど、なかなか感動まで結びつかないところがあるな~。


世の中の流れを映して、山口シェフの料理がどう変化していくのか楽しみである。

追い続けたいけれど、そうそう行けるものでもなく、たまに、ホントにたまには

ホテルのメインダイニングを愉しめる、そういうゆとりがこの先もあるといいなぁ、

と思うばかり。 経済的というより、気持ち的な余裕ね。


帰りに北野界隈を歩いて三宮まで。

静かな夜の住宅街は、なかなか気分良かった。