マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

六代目襲名祝宴、こいつは春から縁起よし

2017-03-24 01:29:19 | 芸能

文楽の義太夫の語り手、豊竹英太夫が呂太夫を襲名。

友人を介して知遇を得て、こんな晴れがましい目出たい場所に参加させていただくことになった。

 

 


襲名というのは単に先人の名前を受け継ぐだけでは無く、もっと大きくなる決意表明のようなものだ。

しかも、誰でも襲名すればいいというものではなく、人望というか人気というか、

お客の信任厚くなければ人だって集まってくれない。  

英太夫はクリスチャンでもあり、キリストの生誕を語り、ハレルヤ!という幕切れに

度肝を抜かれたことがある。 私の文楽に対する理解はその程度だったのだ。 今はもうちょいまし。 

 
 

 

 
この師匠のえらいのは、橋下知事が助成金を打ち切るとかなんとか言いだす以前から、ずっと

素人衆に浄瑠璃を教え、裾野を広げる地道な努力をしてきたところにある。

橋下さんのおかげで逆に注目が集まり、新しい客層を開拓、若い女性客などが増えたことは喜ばしい。

そこまで計算して知事もモノを言ってたなら素晴らしいが、そうではなかろう。

 

 

来賓の一人、詩人の高橋睦郎さん。

東京でも国立などに足を運ぶが、やはり文楽は大阪へ聞きに来ると仰る。

どちらかというと知で見ようとする東京の客に対し、大阪は情が先行する。

それがやはり大阪の芸能である文楽にはフィットするということかもしれぬ。

 



河内ワインのスパークリングで乾杯。

東京のパーティーみたいにおつにすましたところなく、とにかく大阪の宴会は

みんなよく食べる。これでなくっちゃ。







ローストビーフに、パルミジャーノ・レッジャーノのパスタ。

これからカツカレーを攻めようというところ。

あんまり友だちいねぇから、喰うっきゃないってか。

何人かの知人に会えたのはよござんした。







4月に、呂太夫襲名公演が始まる。 「菅原伝授手習鑑」に「曽根崎心中」…いいやね。

今年は春之輔が4代目春団治襲名するっていうし、襲名流行りの年かな。

早めに終わって、ホテル・ニューオータニ大阪を後に天気も悪くないし、歩いて京橋まで。

このまま環状線に乗ればいいのに。


 




駅前で引っ掛かった。

パーチー帰りだっていうのに、めったに締めないネクタイだってしてるっていうのに…。

我ながら、やっぱりノラだなぁ~。


 


南地畳屋町・路地のカウンターで酔う

2017-03-16 01:13:24 | 大阪ミナミ


茫日、大阪南地 畳屋町。

  

  



この辺り、道頓堀の小屋に出る役者はんや狂言作家、下座、芝居関係者の住まいが多かった所。

この奥にも長唄三味線のお師匠はんがいる。 時おり、粋な音が路地に漏れ聞こえる。

ここはグルメ横丁として知られていて、割烹、寿司、居酒屋、バー、ラーメンなどの有名店がぞろり。

そんな中の、知る人ぞ知る店に。 店主ひでさんはその道では有名人。



  


   
   生ビールをもらって…。

   肴は店主におまかせにする。

   赤ナマコ だいたいがポン酢一辺倒だが、コチュジャンでおつな味になる。  



  

 

     かに身  せせってあるのが嬉しい。
 
     これだけ集めるためにも黙々と箸を動かさねばならん。

 

  



   魚はおいしいところを少しずつ。

   こいつは理にかなっている。 

   いくら美味くても二枚止まりだろう、刺身の美味いのは。



  


     シマアジ。

     山葵もいちいちおろしたて。

     この手の少しずつ多種多彩なアテを出す店が、つまりはこの店のフォロワーのような

     店が増えているように思う。



  


    
    カキ、産地は忘れた。 小ぶりだが美味かった。
 

  
  

  

     タイラギに酒盗。 

 

  



     馬刺しは見た通り、ねっとり



  



    この日は珍しく名物ポテトサラダではなく、カニポテトサラダ。

    通常ならポテトサラダにソースがかかったまま登場する。

    蕎麦の実のプチプチがアクセント。   



  


    
    これはカマスの焼きものだったかな…

    日本酒も次から次。 

    あんまり覚えていないが、黒龍九頭龍 純吟。 醸し人九平次。松の司を燗酒で。

    やっぱり、なんといっても燗が好きなんだ、あたしゃ。 続いては肉の部へ。



  

 

    牛タンの煮びたし  正しい名称は解らず。


    さて、この店の面白いのは、わが先輩が来られるということ。

    さる噺家なのだが、そこらに無防備にキープの焼酎などが置いてある。

    高校の先輩であり、同じ師に教わり、放送作家の仕事をスタートした頃も世話になった。

    店主は20年以上の付き合いなのだという、知らなかった。

    バッタリ会ったら、先輩…一杯ぐらい奢って下さい。

 

  


   
    蝦夷ジカはほとんどレアに炭火焼にして、ホイルに包んでルポゼしたもの。

    焼いた時間と同じだけ休ませて、じっくりと火を通すという意味。

    へっへっへ、付け焼刃に決まってるだろうが。



  

  
   こうなりゃ日本酒では物足りぬ。 どうしたって赤のブドウ酒が欲しくなる。

   肉マークはここのハウスブランド。



  


    
    続いて和牛のイチボとヒウチだったような…。

    和芥子でやるといいんだな、これが。 祇園の安参を思い出す。

    おいおい、他の店を思い出すな、失敬な。彼女と会ってる時に他の女のこと思うか?

    ジュディ・オングかオレぁ・・・ 解らない奴は置いて行くよ、義務教育やないんやから。

    ひでさんは愛想こそないが、訊けば静かに答えてくれるし、

    仕事は丁寧である。 魚と肉の両面で楽しませてくれてお値打ち感もある。



  



    まだ量をバカバカ行きたいという連中は近付かない方がいい。

    その境地は卒業した、美味い物を少しずつ。

    そういう意味でおとなが来るべき店である。

    ガキはあっちへ行け。