ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ナハキハギ

2018年12月05日 | 草木:低木

 2012年は、私にとって人生の曲がり角だったかもしれない。リストラされ、300坪の畑を借りて農夫のまねごとを始めるという生き方の変化があった。だけでなく、その年はよく出掛け、たくさんの人と会い、話をしていた。
1月、ヤンバルのNさん邸で会食
3月、ヤンバルのIさん邸で会食
3月、美女Fさん、友人Nと伊是名伊平屋旅
4月、我が娘のように思っているA嬢と粟国島の旅
5月、友人Kをヤンバル観光案内
5月、友人Nをヤンバル観光案内
6月、ヤンバルのIさん邸でイノシシ鍋会
9月、友人Kと宮古諸島旅
10月、友人のデイサービスの手伝い
11月、ヤンバルのIさん邸でピザパーティー
などがあり、その他に飲み会も毎月1回以上はあった。元気だったなぁ私も。

 5月の「友人Kをヤンバル観光案内」した時は海洋博公園も回った。今年になって(数ヶ月前)、その時の海洋博で撮った写真を整理し、不明植物を調べていたら、その1つがナハキハギという名であることが判明した。ナハキハギのキハギはキハギ(木萩)というマメ科の落葉低木があり、ナハは那覇の意。那覇とつく植物を初めて知った。

 ちなみに、ヤンバルへはもう5年くらい私は行っていない、2013年7月以来行っていない。畑を辞めて暇のある今、行きたいのだが、今所有している車は長距離運転には向かず、私の腰も長距離運転には耐えられそうもないので、もうしばらく我慢。

 
 ナハキハギ(那覇木萩):添景・薬用
 マメ科の低木 沖縄島、八重山諸島に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明だが、漢字表記の那覇木萩は新しく参考文献に加えた『ネイチャーガイド琉球の樹木』にあった。同書に「ハギの名がつくが幹は径10センチを超えることもあり、小高木状にもなる」ともあり、そこからキハギ(木萩)だと思われる、
キハギ(木萩)という植物があり「マメ科の落葉低木。山地に普通の萩の一種。高さ約2メートルに達する」(広辞苑)のこと。別名にオオキハギとある。ナハはおそらく、分布が沖縄島で、沖縄島の那覇辺りで多く見られたからではないかと想像する。
 葉は3出複葉、小葉は広楕円形で、頂小葉は大きく側小葉は頂小葉の半分くらいの大きさという特徴がある。裏面に灰白色の毛がまばらにある。葉腋から散形花序を出し、花を10数個つける。花は白色または帯紫白色の小花で、開花期は夏。豆果は扁平で長さ2~4センチ。結実期は夏で私のは5月。文献の写真は9月。
 高さ1~6mになる。海岸近くの日当たりの良い場所に自生し、群生することもあるとのこと。薬草になり、牛馬の飼料にもなるとのこと。
 
 莢

 記:島乃ガジ丸 2018.12.2 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行


キソケイ

2018年11月12日 | 草木:低木

 前回アップしたオオシロソケイ、その記事を書いている時に「そういえばキソケイの写真も撮ってあった」と思い出す。キソケイは、写真の日付を見ると2005年5月となっていて、「愛知万博の旅」へ出掛けた際、その会場で撮ったものと思われる。そこで、キソケイという植物があることを知ったが、その後13年以上経った現在まで、沖縄でキソケイを見たことがない、あるいは、ガサツな私はその存在に気付いていない。
 キソケイが沖縄にもあるのかどうか参考文献をいくつも調べてみたが、沖縄の植物を紹介している文献8冊の内、1冊だけ『沖縄園芸百科』に記載があった。「庭木によく植えられています」とある。沖縄にも庭木としてあるようだが、1冊だけにしか掲載がないということは、おそらく、そうメジャーではないといことなのだろう。

 沖縄でも育っているジャスミンの仲間は前回のオオシロソケイの他、マツリカ、オウバイモドキ、ホシソケイ、ハゴロモジャスミンなどがあるが、この内沖縄でもっとも有名なのはマツリカ。マツリカといっても「知らない」というウチナーンチュは多いかもしれない。しかし、マツリカは茉莉花と漢字表記し、この字はよく見かける。沖縄ではメジャーな清涼飲料水のラベルに書かれていたりする。その清涼飲料水とはサンピンチャ。
 沖縄ではサンピンチャと一般に呼ばれているお茶、最近はお洒落にジャスミンティーなどと名乗って缶入りやペットボトル入りとなって店頭に並んでいるが、ウチナーンチュにとってはサンピンチャ、私も子供の頃からその名で親しんでいる。

 サンピンチャの材料は緑茶とジャスミン(マツリカ)の花、今回紹介するキソケイもジャスミンの仲間で、花には同じく芳香があるとのこと。であるが、キソケイがサンピンチャの材料になるとは聞かない。やはり、キソケイは植物そのものが沖縄ではメジャーでは無いのかもしれない。マツリカは沖縄でメジャー、よく見かける植物。

 
 キソケイ(黄素馨):生垣・添景
 モクセイ科の常緑低木 ヒマラヤ原産 方言名:不詳
 名前の由来、ソケイは広辞苑に素馨と漢字表記があり「モクセイ科の常緑小低木。ジャスミンの一種」のこと。ジャスミン属のことを和語ではソケイ属と言う。「本種はソケイの近縁種。ソケイが白花であるのに対し黄花であることからキソケイ(黄素馨)という名前。素馨なんて難しい字には何か意味がありそうだが、それは不明。
 高さは2~3mほどに留まり、民家の庭に使い良い。葉は奇数羽状複葉につき、革質で光沢がある。花は鮮黄色で、枝の先端に数個ずつ付き、モクセイ科ジャスミン属は概ね花に芳香があるが、本種の花にも芳香がある。開花期は5~7月。
 ちなみに学名は、
 キソケイ Jasminum humile
 オオシロソケイ Jasminum nitidum
 マツリカ Jasminum sambac
 ソケイ Jasminum grandiflorum

 記:島乃ガジ丸 2018.11.11 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『ネイチャーガイド琉球の樹木』大川智史、林将之著、株式会社文一総合出版 



オオシロソケイ

2018年11月05日 | 草木:低木

 大城(オオシロ)という名字は、沖縄ではメジャーであり、おそらく沖縄で多い名字のトップ10に入ると思われる。祖慶(ソケイ)もよく耳にする名字だが、さほどメジャーではない。私の親戚友人知人に祖慶さんという人はいない。ただ、我が家の墓の隣の墓は祖慶さんであった。墓にそう名前が記されている。それで、祖慶名字は親しく感じる。
 祖慶さんの墓の隣の無縁墓に住んでいる自由人は、「煩い爺さんがいるんだよ」とよく祖慶さんの悪口を言っていたが、持ち主に断りもなくそこを居間兼台所として使っている方がよほど悪いと私は、口にはしなかったがそう思っていた。
 今年のシーミー(清明祭)の時、以前に増して祖慶さんの墓に自由人の持ち物が置かれてあったので、「ここの人達はもうウシーミーを済ませたの?」と訊いた。
 「ここ?ここはもう移転したよ」とのことであった。この辺りは公園予定地となっていて、我が家の墓もいずれ移転することになる。「そうか、立ち退き作業がもう始まったのか」と、のんびり屋の私も少し気が焦った。という2018年の5月だった。

 オオシロソケイから我が家の墓の移転まで想いが飛んでしまった。
 オオシロソケイはカワラヨモギ、リュウキュウヨモギ、ハナツメクサなどと同じく「2011年に海洋博公園で撮った何者か判明している植物写真」の内の1つ。何者か判明したのは、撮った写真と図鑑を見比べて頑張って調査した私の努力の賜物・・・では無く、写真を撮った時にすぐ判明した、傍に名札があった。
 オオシロソケイはサンピンチャ(ジャスミンティー)で有名なマツリカと同じモクセイ科ジャスミン属の低木で、花の形もマツリカに似ていて花に芳香があるのも同じ。
 
 オオシロソケイ(大白素馨):パーゴラ・添景
 モクセイ科の常緑低木 パプアニューギニア原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。本種はモクセイ科ソケイ(ジャスミン)属の1種で、他のジャスミン属に比べて花が大型なのでオオ(大)、花色が白なのでシロ、Jasminum属の和名であるソケイ属のソケイ(素馨)でオオシロソケイだと思われる。
 基部から多く分枝して横に広がる。枝の中の強い勢いのあるものは他のものに巻きついて伸び半ツル性となる。低木状にもなるので刈り込んで添景として使える。
 葉は革質で、長さ7センチ内外の広被針形、先は尖り基部は円形。花は枝の上方に集散花序を出し数個つける。色は白色で裏面は紫がかる。他のジャスミン類マツリカなどと同じく芳香がある。開花期についての資料はなく不明。私の写真は2月。
 ちなみに学名は、
 本種オオシロソケイ Jasminum nitidum
 マツリカ Jasminum sambac
 ソケイ Jasminum grandiflorum
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2018.11.2 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『ネイチャーガイド琉球の樹木』大川智史、林将之著、株式会社文一総合出版


ハナセンナ

2018年10月11日 | 草木:低木

 既に手放した畑だが、後を継いだGさんが忙しい人なので日照りが続いたら水掛けに、台風の前後には台風対策、後片付けの手伝いに行っているが、ほぼ毎日畑に通っていた頃に比べれば、私に自由時間はたっぷりある。自由時間を家でボーっとしているわけではない。9月には埼玉から友人Kが遊びに来て、2日間付き合い、先日は東京から友人Iが仕事のついでに遊びに来て我が住いに一泊していった。
 その他、家にいる時の多くの時間をパソコン作業、主に薬草の勉強でその表作りなどしており、目が疲れたらその合間に親戚の庭掃除などやっている。と書くと忙しそうみたいだが、時間に追われてはいない。いずれも締め切りのある仕事ではない。のんびりやっている。のんびりやっているとたまにはボーっとしたりもする。ボーっとして過去のことを思い出し、脳廃る爺になっていたりもする。

 ハナセンナの写真のプロパティーを見ると撮影時期は2005年4月となっている。その頃は週休3日で会社勤めしていて、安かったけど一応給料を貰っていて、独身なので勝手に貯金ができ、年に2~3回は旅に出てのんびり生きていた頃。「結婚はできないだろうなぁ」と諦めて、「1人でのんびり生きて行こう」と、精神的にも楽だった頃。
 当時住んでいた首里石嶺のアパートは、ボロだったけど、西日がまともに差し、クーラーは無くて夏は激しく暑かったけれど、大家とも隣近所の人達とも仲良くできていて、おそらく私の(ハードルの低い)最も幸せだった頃でもある。
 近くに古くからの友人もいて、徒歩2~3分の箇所にK、そこからさらに5~6分行ったところにMの家があって、たびたび訪ねユンタクしていた。
 ハナセンナの写真はそのMの家のすぐ近くにあったもの、場所は覚えているが既にその場所は無い、建物が建て替えられてその周辺は昔の面影が無い。「あー、あの頃に帰りたい」と思っても帰る場所が無い。脳廃る爺は空想の中で帰るだけ。
 
 ハナセンナ(花旃那):添景・生垣
 マメ科の落葉低木。原産分布は南アメリカ。方言名:なし
 名前の由来、参考文献に記載は無いが、センナについてはコバノセンナと同じで、本種の属名であるSennaという学名から。本種は他のセンナ属の植物に比べ花がより目立つところからハナ(花)と付いたものだと思われる。
 陽光地を好み、半日陰では花付きが悪くなる。耐潮風性も強くないので海浜地の植栽には向かない。高さ2~3mになるが、強剪定に耐えるので形を整えやすい。
 羽状複葉の葉はコバノセンナに似ているが、コバノセンナの小葉が丸っこいのに対し、こちらの小葉は細長く、先端が尖っているので区別できる。鮮やかな黄色の花はコバノセンナとほぼ同じ見た目。開花期は10月から11月。
 学名はCassia corymbosa Lam.
 
 花
 ちなみに、他のセンナの学名と開花期は以下。
 コバノセンナ(小葉の旃那)
 Cassia coluteoides Colladon 開花期は10~12月。
 ハネセンナ(羽旃那)
 Cassia alata L. 開花期は7~10月。
 フタホセンナ(二穂旃那)
 Cassia didymobotrya Fresen. 開花期は10~11月。
 モクセンナ(木旃那)
 Cassia surattensis Burm. F. 開花期は5~6月、及び10~11月。

 記:島乃ガジ丸 2018.10.11 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行 


カラムシ

2018年06月20日 | 草木:低木

 畑を辞めたので、畑の後片付けが概ね終了した5月中旬頃から動物、植物調べをする時間がたっぷり持てるようになった。既にアップした記事の中に以前から「間違っているかも」と思っていた「フヨウ」を再調査し、「サキシマフヨウ」を追加した。
 ある御方から「ヤツデとしているものはヒマではないですか」とのご指摘があって、ヤツデとヒマについても再調査し、間違いを確認して訂正した。
 そして今回、気になっていたもう1種、ノカラムシも再調査した。ノカラムシは私の住む近辺(住まいだけでなく、散歩する公園などでも)でよく見かける植物で、既に2005年10月にガジ丸HPで紹介している。その時既に「ノカラムシがあるのなら、野(野生の)でないカラムシもあるであろう」とは想像していた。そしたら、

 それから3年近く経った2008年5月、那覇新都心にある県立博物館で「チョマ」と名札のついている植物を見つけ写真を撮った。家に帰って調べるとチョマはカラムシの別称と広辞苑にあったので、「そうか、これがカラムシか」と一旦は思った。
 ところが、撮った写真をパソコンに入れてズームして名札を見ると、チョマは「ナンバンカラムシ、カラムシ、ラミーなどの総称名」とある。というわけで、写真のものがナンバンカラムシなのかカラムシなのかラミーなのか判断できずにいた。さらに、注意深くない私にはカラムシとノカラムシの、見た目の違いも判断できずにいた。
 

 今回、手持ちの図鑑だけでなく、宜野湾市民図書館へ行ってそこの図鑑も参考にした結果、写真のチョマと名札のあった植物はカラムシであると判断した。
 カラムシとノカラムシの違いについては、私が気付いた限りで言うと「カラムシの葉は丸っこい、ノカラムシの葉はそれより細っそりしている」であった。

 
 カラムシ(苧):繊維
 イラクサ科の低木 本州以南~沖縄の各島に分布する 方言名:マーウー
 名前の由来は資料が無く不明、漢字表記の苧は広辞苑にあり、「イラクサ科の多年草。茎は多少木質で・・・木綿以前の代表的繊維で、現在も栽培される」とのこと。名前の由来も「むしは朝鮮語 mosi(苧)の転か、あるいはアイヌ語 mose(蕁麻)の転か」と広辞苑にあったが、『琉球弧野山の花』には「和名は茎(から)を蒸して皮をはぎ、繊維をとっていたことによる」とあった。別の文献にもそう書いてあるものが多かった。
 写真に写っている名札にはチョマとあるが、チョマを広辞苑で引くと苧麻と漢字表記があって「カラムシの別称」とのこと。写真に写っている名札には「繊維原料として古くから栽培・・・ナンバンカラムシ、カラムシ、ラミーなどの総称名」とあった。
 方言名のマーウーは真苧の意、「ノカラムシ(方言名ウーベー)とは違う、質の良い繊維の採れる真のウ(苧)ですよ」といった差別化かもしれない。
 高さは150センチほどで茎は木質をおびる。広辞苑には多年草とあったが、前述の写真の名札には落葉草本性低木とあり、亜熱帯の沖縄では低木となるようだ。
 カラムシを用いた織物としては「宮古上布と八重山上布が有名だが、現在では宮古上布のみが残っている。首里でも少し織られている」(沖縄大百科事典)とのこと。

 記:島乃ガジ丸 2018.6.20 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行