ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヤンバルアカメガシワ

2017年07月16日 | 草木:中木

 一昨年の8月まで住んでいたアパートは首里石嶺にあり、徒歩30分圏内に末吉公園、弁が岳公園、首里城公園があり、散策場所としてよく利用していた。9月に宜野湾市に引っ越してからはいずれもご無沙汰している。ご無沙汰はその3ヶ所の公園だけでは無く、散策そのものをこの2年、ほとんどやっていない。
 それはさておき、首里城公園を散策する際、私には概ねお決まりのコースがあった。首里城内は入園料が必要なので入らない。その周りにある龍潭(池の名)から首里城城壁の外を巡る散策路を歩き、首里駅方面の鳥堀へ抜け、そのまま家路というコース。

 龍潭を抜け、首里城を右手に見たまま城壁沿いに歩いて、階段を上って首里城を後ろに見る辺り、階段を上りきった辺りに、葉に特徴のある木が立っている。葉に深い切れ込みがあり、花札の桐の葉に似ている。2008年の5月に見つけ、写真も撮った。
 同じ年の7月には首里よりも南にある東風平で同じ木と思われるものを見つけ、花が咲いており、実も着いていたのでその写真も撮った。葉に特徴があり、花の写真も実の写真も撮っているのでその正体はすぐに判明しそうだが、時間がかかった。

 ヤンバルアカメガシワを紹介している図鑑は一つしかなく、その写真では私の撮ったものがそれであるという確信が持てなかったのだ。しかし、宜野湾市民図書館に良い資料があった。『やんばる樹木観察図鑑』、それには花の写真も実の写真も載っていた。

 
 ヤンバルアカメガシワ(山原赤芽柏):公園
 トウダイグサ科の常緑中木 沖縄島以南、台湾、熱帯アジア等に分布 方言名:タヒ
 名前の由来については資料がなく不明。アカメガシワは広辞苑にある。漢字で赤芽柏と書き「若葉が鮮紅色だからいう」とのこと。そのアカメガシワと同じトウダイグサ科で、見た目が似ているからその名が付いたと思われる。ただし、両者は別属。
 ヤンバルと付くが、『沖縄植物野外活用図鑑』には「海岸近くの石灰岩地域に多く見られる」とあった。石灰岩地域とは沖縄島だと南部で、ヤンバルではない。それなのにヤンバルと名が付いているのは何故だか不明。「海岸近くの石灰岩地域」である東風平で私は見ており、「石灰岩地域」である首里城公園の一角で見ている。
 高さは3~8m、葉は長い葉柄があり、無分裂から深裂のものまである。葉柄が10~25センチと長いのが特徴。若葉、花序などに淡褐色の星状毛が生える
 葉脇から円錐花序を出し、小さな花を密につける。色は帯黄白色、開花期についての資料はないが、私の写真は7月、ということで夏としておく。果実は球形で、ブドウのように房状に多く付く。色は緑白色。材は家具材などに利用される。
 
 花
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2013.8.17 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行


ヤエヤマネコノチチ

2017年07月16日 | 草木:中木

 2008年の梅雨明けした頃、嘉数高台公園を散策している折、「おっ!」と思わず声が出るほどの美しい色模様をしたチョウを見つけた。「おっ!」と思わず声が出るほど美しいので、名前は思い出せなかったが、それが有名なチョウであることは記憶していた。写真を撮って、家に帰って調べる。沖縄県の天然記念物フタオチョウであった。
 図鑑には、フタオチョウの食草はクワノハエノキとヤエヤマネコノチチとあり、ということは嘉数高台公園にはそのどちらかがあるということになる。クワノハエノキはそれ以前に知っており、末吉公園にあることも知っている。が、ヤエヤマネコノチチは初めて見る名前、名前が面白くて会いたいと思った。八重山の猫の父、どんな姿だ?

 私が常時参考にしている文献では3冊にヤエヤマネコノチチが紹介されていた。それらの文献の説明を読み、写真もチュージューク(マジマジといった意のウチナーグチ)観て、嘉数高台公園を再訪したが、観察力の乏しい私には結局探せなかった。
 ただ、文献の説明からヤエヤマネコノチチは「八重山の猫の父」では無く、「八重山の猫の乳」であることが判った。「だよな」と納得。「猫の父」ではどんな姿なのか特定できない。猫の父も猫の母も猫の子も、見た目区別が難しい、父の特徴は何だ?となる。その点、「猫の乳」はその姿がほぼ特定できる。特定というか、私は容易に想像できる。猫の乳をチュージューク観たことは無いが、たぶんこんなだろうなぁ、と。

 ヤエヤマネコノチチに会えたのは海洋博公園、名札が付いていたのでそれと判った。特に特徴のある木では無い(と私には見えた)ので、この先どこかで会ったとしても気付かないはず。もしも気付けば、「やー猫の乳さん」と挨拶してやろう。

 
 ヤエヤマネコノチチ(八重山猫乳):公園
 クロウメモドキ科の落葉中木 奄美諸島以南の琉球列島に分布 方言名:ヤマクワー
 名前の由来は『沖縄大百科事典』に「果実の形が猫の乳首に似ていることに由来する」とあった。『琉球弧野山の花』にも同様にあったので間違い無いだろう。分布は奄美諸島以南の琉球列島とあり、学術的発見が八重山だったのでヤエヤマ(八重山)か、琉球列島の代表として「八重山にするか」と適当にヤエヤマとと付いたのか、これは不詳。
 本種は琉球列島の固有変種。分布地が文献に詳しくあり、奄美諸島、沖縄諸島、宮古、八重山で、基本種ネコノチチは本州(岐阜県以西)~九州に分布するとのこと。
 葉腋から花序を出し花を集散状につける。花は黄緑色で小さく目立たない。実は長楕円形で光沢があり、初め黄赤色に熟し、後に黒く熟す。
 高さは10mていどで低地~山地の林縁などに生える。石灰岩地に多いとのこと。沖縄県の天然記念物フタオチョウの、幼虫の食草となっている。
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2013.8.17 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行


モクセンナ

2017年07月16日 | 草木:中木

 2005年11月20日、沖縄に2店舗だけ残っていたスーパーダイエーが、その2つ(浦添店と那覇店)とも、ついに店仕舞いとなった。
 ダイエーは確か、沖縄に初めてやってきた大型スーパーであった。スーパーと言えばそれまで食料品と日用雑貨しか置いていなかったのが、スーパーダイエーは食料品や日用雑貨だけでなく、衣料品や書籍、文具などを含め、多種類の商品を揃えており、また、レストランやファーストフード店や子供の遊び場なども供えていた。一箇所でいろいろなものが買える。ダイエーは便利であった。しかも、デパートとは違い、価格も貧乏人向けであった。沖縄1号店である那覇店は、当時私が住んでいた実家から徒歩15分という比較的近い距離であったこともあり、オープンした頃は私もよく買い物に行っていた。
 その頃は、沖縄に元からあるいくつものスーパーチェーン店を蹴散らかすような勢いであったのに、まったく平家物語にある「盛者必衰」とはこのことであろう。
 私は新聞を取っていないので、ダイエーの店仕舞いの期日を最近まで知らなかった。先々週の週末に、たまたまダイエー浦添店に行ったら店仕舞いセールをやっており、それでもうすぐ店仕舞いするんだなと知った。私がそこへ行ったのは1年ぶりくらいのこと。

 ダイエー浦添店へ行く手前に大平インターなるものがあって、その近くに黄色に輝く一角があった。数本のモクセンナが並んで植えられており、その花が満開なのであった。ダイエーの面している道路には街路樹としてフヨウが植えられている。これもまた花が満開であった。ダイエーが消える頃に、今が盛りと咲き誇る花が近くにあった。ダイエーもまた、一から出直して、盛り返して欲しいものだと、私は思ったのである。

 
 モクセンナ(木旃那):添景・花木
 マメ科の落葉中木 原産分布はインド 方言名:なし
 センナはラテン名Sennaから。既に紹介済みのコバノセンナ、ハナセンナなどは潅木状となるが、本種は中木状になるので、モク(木)センナという名。キダチセンナとも。
 高さは3mから5mになる。葉はマメ科の植物に多い羽状複葉。沖縄島の南部方面(糸満市など)の道路に街路樹として植栽されているのをよく見る。枝が細く、強風には弱いようで、風当たりの強い場所での植栽には向かない。潮風にも強くない。
 他のセンナ類と同じく黄色い花が咲く。花は枝先につけ、特に樹冠に多い。上から見ると見事な黄色の景色となる。開花期は5~6月と10~12月。
 
 花
 
 花の群れ

 記:島乃ガジ丸 2005.11.20 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ムラサキソシンカ

2017年07月16日 | 草木:中木

 宜野湾市役所前ポストに用(もちろん、郵便物を入れるという用)があり、そのついでに、ちょっと散歩することにした。市役所の北側の道路に出たら、さっそく写真の対象が現れた。その道路に街路樹としてヨウテイボクの一種が植えられてあり、その花が今(11月19日)満開となっている。ヨウテイボクは多種あるので、その木が何というヨウテイボクかは知らない。とにかく、まだ写真に収めていないことは確か。
 後日調べたところ、文献にある写真のどれとも一致しない。しばらく悩んだが、ムラサキソシンカの説明文に、花色は紫、白、桃色などがあるとあったので、また、ムラサキソシンカの開花期が他のヨウテイボクと違って11月から12月とあったので、宜野湾市役所の北側の道路に植栽されているヨウテイボクは、ムラサキソシンカと判明した。
 なお、ベニバナソシンカとナツザキソシンカの写真はまだ撮れていない。

 
 ムラサキソシンカ(紫そしん花):花木・添景
 マメ科の常緑中木 原産分布はインド、中国南部 方言名:無し
 高さ2~3m。他のソシンカに比べ花びらが細い。ムラサキという名だが、花色は紫の他に白色、桃色など変異がある。開花期は11月から12月。
 細い花びらは蘭というよりも風車(かざぐるま)に見える。柔らかくヒラヒラした感じなので、硬いふうしゃではなく紙でできたかざぐるま。英名はButterfly Tree。
 
 花

 ベニバナソシンカ(紅花そしん花):花木・添景
 マメ科の常緑中木 原産分布は南アフリカ 方言名:無し
 高さ2~3m。半ツル性になる。ベニバナという名の通り花色は紅色。開花期の具体的な記述が文献に無い。『沖縄園芸植物大図鑑』には春から秋と大まかに書かれてある。
 英名はPride of Cape。

 ナツザキソシンカ(夏咲そしん花):花木・添景
 マメ科の常緑中木 原産分布は熱帯アメリカ 方言名:無し
 高さ3m。花びらはフイリソシンカとムラサキソシンカのちょうど中間位の細さ。桃色の花びら5弁のうち、上の1枚だけに赤い斑点がある。開花期は6月から9月。
 英名はButterfly Flower Pink Orchid Tree。

 記:島乃ガジ丸 2005.11.20 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


ムクゲ

2017年07月16日 | 草木:中木

 既に辞めて、今は別の職場にいる元同僚のTは、植物に詳しく、土壌や、植物の病気、害虫、取り木、挿し木、接木などにも詳しい、いわば園芸のプロであった。その彼が、今は園芸とはまったく無縁の仕事をしている。惜しいことである。
 もう5年ほども前になるか、職場の事務所が建て替えられる前のこと、古い建物の傍に小さな花壇があって、そこに珍しいムクゲが1本植えられてあった。ムクゲは1本なのであるが、その枝の先々からは違う種類の花がいくつも咲いていた。白、赤、桃、紫などさまざまな色。色だけでなくそれぞれに八重咲き、一重咲きなどもあった。「何ともまあ、珍しいムクゲだこと」と感嘆するのであるが、このムクゲはTによる作品。
 1本のムクゲのいくつかの枝に、いくつもの別の種類のムクゲの枝を接木して、接がれた枝からさまざまな色形の花を咲かす。楽しく賑やかなムクゲである。Tが、暇を見つけては一人でコツコツと、何年もかけて作り上げた作品であった。
 事務所の建替えの際、このムクゲは移植された。今は新しい建物の傍にある。が、移植する時に枝をばっさりと剪定されてしまったので、花は元の一種類だけの花となってしまった。Tの作品は消えてしまったのである。まことに残念に思う。

 ムクゲは、尨毛と書いて別の意味もある。「むく毛の犬」という言葉はよく聞く。頭頂部の薄くなった私には羨ましい言葉、「獣のふさふさと長く垂れた毛」という意。

 
 ムクゲ(木槿・槿):添景・生垣
 アオイ科の常緑中木 原産分布は日本、韓国、他 方言名:ハナガチ、ブンデンカ
 ブッソウゲと同じハイビスカス属。高さ3mくらいまで伸びるということ、庭での使い方が添景や生垣であるということもブッソウゲと同じである。それなのに、ブッソウゲは低木で、こっちは中木。じつは、文献によって低木にしたり中木にしたりと違いがある。つまりは、低木にも中木にもなるということ。そういう樹木は多くある。ブッソウゲに比べると自然樹形が整うので、添景に用いやすい。よって、ここでは中木とした。
 陽光地を好み、成長は速い。剪定に耐えるが、当年枝に花をつけるので、剪定は花の終わった後にする。多数の園芸品種があり、花の形は一重、八重、色は白、桃、紅など。開花期は4月から11月。お隣、大韓民国の国花となっている。 
 
 花1 白花一重咲き。
 
 花2 白花八重咲き。少しピンクがかっている。
 
 花3 紫花八重咲き。
 
 花4 紫花一重咲き。もっともよく見かける種。

 記:島乃ガジ丸 2005.10.11 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行