お彼岸で実家に帰った時、弟からブルーノ・ワルターのコレクションを借り受けた。
その中の1枚に、ワルターが戦後ヨーロッパでの復帰演奏会でウィーン・フィルを指揮したモーツアルトの交響曲第40番、25番という歴史的名盤があった。
ワルターが75歳の時の、ウィーンの楽友協会大ホールでのライブ録音である。
小生のライブラリーにはない1枚であり、ぜひ聴いて見たかった1枚であった。
指揮:ブルーノ・ワルター、演奏:ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
モーツアルト「交響曲第40番」、「交響曲第25番」のCDジャケット
先ずは、交響曲第40番を聴く。
何せ初めて聴く演奏である。
どんな演奏なのか、固唾をのんで演奏が始まるのを待つ。
出だしは先ず、聴衆の拍手から始まった。
その拍手の間から、老巨匠が指揮台に向かって歩いて行く靴音が聞こえて来る。
途切れることなく続いていた拍手が一段と大きくなる。
きっと、指揮台の前で老巨匠が聴衆に向かって挨拶を送ったのだろう。
そんなことを考えているうちに、小生もいつの間にかこの演奏会が行われた1952年5月18日の演奏会場のウィーン楽友協会大ホールにいるような気分になってきた。
拍手が鳴りやんで、かの小林秀雄が評論「モオツァルト」論の中で「疾走する悲しみ」と評した有名な冒頭の旋律が鳴りだした。
これまでブルーノ・ワルターが指揮したモーツアルトの交響曲第40番はコロンビア交響楽団のステレオ盤、ニューヨーク・フィルのモノラール盤で何回も何回も聴いていたが、その聴きなれた旋律が、まるで初めて聴くかの如く胸に沁み入って来た。
第2楽章の崇高なまでの美しさの表現、「心が洗われる」とはこういう事を言うのではないだろうか。
そして、ライブならではの高揚感と熱気の中での第3楽章、第4楽章の激しい感情の起伏の表現、特に第4楽章の火花の散るような疾風怒涛の演奏には、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
ウィーンの町とウィーン・フィルに限りない愛着をいだいていたブルーノ・ワルター、そのワルターを敬愛してやまないウィーフィルのメンバーたち、そして、何よりもワルターの演奏を熱望していた聴衆、この3者が一体となってなしえた記念碑的演奏会であった。
特にこの日、楽友協会大ホールにつめかけた聴衆にとって、この夜の演奏会は忘れることのできない、至福の時となったに違いない。
冒頭、40秒にもわたる拍手と、演奏が終わった時に湧きあがった拍手にその思いが現れているように小生には思えた。(冒頭と演奏後の拍手を入れた試みは出色であったと思う。)
そして、小生にとっても、タイムスリップした感のある、この「24分24秒」は、恍惚の一時となった。
借り受けて来たコレクションの中にもう1枚、
モーツァルト生誕200年の1956年、ウィーン楽友協会主催のウィーン芸術週間でのライブ録音でモーツァルトの交響曲40番とレクイエムがある。
これも必聴の1枚であり、すぐにでも聴きたい1枚である。
その中の1枚に、ワルターが戦後ヨーロッパでの復帰演奏会でウィーン・フィルを指揮したモーツアルトの交響曲第40番、25番という歴史的名盤があった。
ワルターが75歳の時の、ウィーンの楽友協会大ホールでのライブ録音である。
小生のライブラリーにはない1枚であり、ぜひ聴いて見たかった1枚であった。
指揮:ブルーノ・ワルター、演奏:ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
モーツアルト「交響曲第40番」、「交響曲第25番」のCDジャケット
先ずは、交響曲第40番を聴く。
何せ初めて聴く演奏である。
どんな演奏なのか、固唾をのんで演奏が始まるのを待つ。
出だしは先ず、聴衆の拍手から始まった。
その拍手の間から、老巨匠が指揮台に向かって歩いて行く靴音が聞こえて来る。
途切れることなく続いていた拍手が一段と大きくなる。
きっと、指揮台の前で老巨匠が聴衆に向かって挨拶を送ったのだろう。
そんなことを考えているうちに、小生もいつの間にかこの演奏会が行われた1952年5月18日の演奏会場のウィーン楽友協会大ホールにいるような気分になってきた。
拍手が鳴りやんで、かの小林秀雄が評論「モオツァルト」論の中で「疾走する悲しみ」と評した有名な冒頭の旋律が鳴りだした。
これまでブルーノ・ワルターが指揮したモーツアルトの交響曲第40番はコロンビア交響楽団のステレオ盤、ニューヨーク・フィルのモノラール盤で何回も何回も聴いていたが、その聴きなれた旋律が、まるで初めて聴くかの如く胸に沁み入って来た。
第2楽章の崇高なまでの美しさの表現、「心が洗われる」とはこういう事を言うのではないだろうか。
そして、ライブならではの高揚感と熱気の中での第3楽章、第4楽章の激しい感情の起伏の表現、特に第4楽章の火花の散るような疾風怒涛の演奏には、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
ウィーンの町とウィーン・フィルに限りない愛着をいだいていたブルーノ・ワルター、そのワルターを敬愛してやまないウィーフィルのメンバーたち、そして、何よりもワルターの演奏を熱望していた聴衆、この3者が一体となってなしえた記念碑的演奏会であった。
特にこの日、楽友協会大ホールにつめかけた聴衆にとって、この夜の演奏会は忘れることのできない、至福の時となったに違いない。
冒頭、40秒にもわたる拍手と、演奏が終わった時に湧きあがった拍手にその思いが現れているように小生には思えた。(冒頭と演奏後の拍手を入れた試みは出色であったと思う。)
そして、小生にとっても、タイムスリップした感のある、この「24分24秒」は、恍惚の一時となった。
借り受けて来たコレクションの中にもう1枚、
モーツァルト生誕200年の1956年、ウィーン楽友協会主催のウィーン芸術週間でのライブ録音でモーツァルトの交響曲40番とレクイエムがある。
これも必聴の1枚であり、すぐにでも聴きたい1枚である。
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