つい先日、小生が月2回通っているTカルチャースクールの今年の書道展の締め切りがあり、当日の朝、何とか気に入る作品が出来上がって、かろうじて間に合わせることができた。
作品を何にするかは、ずっと前から決めていた。
数年前に葉室 麟という作家が書いた「銀漢の賦」という時代小説を読んで感銘を受けた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/fd/d3144de8450e9ad20f20df5c4c5c51a9.jpg)
葉室 麟という作家との初めての出会いで、以来、同氏のファンとなって手当たり次第に作品を読んだ時期があった。
その「銀漢の賦」の中で出会ったのが、宋の詩人蘇軾(そしょく)の書いた「中秋月」という漢詩である。
その時、いつかこの漢詩を筆で書いて展示会の作品に仕立てて見たいと思った。
そして、その引き金を引いたのが、この原作をもとにNHKが「風の峠」というタイトルで毎週木曜日に6回にわたってテレビ放映したことであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/e2/fa7cbe02836b8ec7de94a71afa6e8cb5.jpg)
このテレビドラマ、原作に優るとも劣らぬ出来栄えで、また、このドラマに占める漢詩「中秋月」の重要さが特に強調されているのが印象に残り、大いなる刺激を受け、さっそく書き始めたのだが、お手本がある訳ではなく、自分のオリジナルの書体で書かなければならず、書いても書いても「これは!」といった出来栄えのものが書けず、途中で挫けそうになったこともしばしばで、まさに「悪戦苦闘」の末、結局は、提出日当日の朝書いたものを提出すると言うはめになった次第である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/fc/5696d3afa0f50cc8e85c95936cb5d333.jpg)
中秋月 蘇軾(そしょく)の漢詩(北宋)
暮雲収蓋溢清寒
銀漢無聲轉玉盤
此生此夜不長好
明月明年何處看
読み方
中秋の月
暮雲(ぼうん) 収め尽くして 清寒(せいかん)溢れ、
銀漢 声なく 玉盤を転ず。
此(この)生 此(この)夜 長くはよからず、
明月(めいげつ) 明年(めいねん) いずれの処にて看みん。
意味
日暮れ方、雲はすっかり無くなってさわやかな涼気がみなぎり、
銀河には玉の盆のような明月が音も無くさしのぼった。
この楽しい人生、この楽しい夜も永久につづくわけはない。
この明月を、明年はどこで眺めることだろう。
作品を何にするかは、ずっと前から決めていた。
数年前に葉室 麟という作家が書いた「銀漢の賦」という時代小説を読んで感銘を受けた。
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葉室 麟著「銀漢の賦」(文春文庫)
葉室 麟という作家との初めての出会いで、以来、同氏のファンとなって手当たり次第に作品を読んだ時期があった。
その「銀漢の賦」の中で出会ったのが、宋の詩人蘇軾(そしょく)の書いた「中秋月」という漢詩である。
その時、いつかこの漢詩を筆で書いて展示会の作品に仕立てて見たいと思った。
そして、その引き金を引いたのが、この原作をもとにNHKが「風の峠」というタイトルで毎週木曜日に6回にわたってテレビ放映したことであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/e2/fa7cbe02836b8ec7de94a71afa6e8cb5.jpg)
蘇軾の「中秋月」を、源五が引き取った十蔵の娘の蕗に説明する場面(NHK木曜時代劇「風の峠」第3回より)
このテレビドラマ、原作に優るとも劣らぬ出来栄えで、また、このドラマに占める漢詩「中秋月」の重要さが特に強調されているのが印象に残り、大いなる刺激を受け、さっそく書き始めたのだが、お手本がある訳ではなく、自分のオリジナルの書体で書かなければならず、書いても書いても「これは!」といった出来栄えのものが書けず、途中で挫けそうになったこともしばしばで、まさに「悪戦苦闘」の末、結局は、提出日当日の朝書いたものを提出すると言うはめになった次第である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/fc/5696d3afa0f50cc8e85c95936cb5d333.jpg)
書けども書けども、思い通りにいかず、反故紙の山を築く結果に。
中秋月 蘇軾(そしょく)の漢詩(北宋)
暮雲収蓋溢清寒
銀漢無聲轉玉盤
此生此夜不長好
明月明年何處看
読み方
中秋の月
暮雲(ぼうん) 収め尽くして 清寒(せいかん)溢れ、
銀漢 声なく 玉盤を転ず。
此(この)生 此(この)夜 長くはよからず、
明月(めいげつ) 明年(めいねん) いずれの処にて看みん。
意味
日暮れ方、雲はすっかり無くなってさわやかな涼気がみなぎり、
銀河には玉の盆のような明月が音も無くさしのぼった。
この楽しい人生、この楽しい夜も永久につづくわけはない。
この明月を、明年はどこで眺めることだろう。
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