ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」のジャケット
甦った名盤
フルトヴェングラー没後60周年の今年、あるレーベルの会社が晩年の大名演、ルツェルン音楽祭でのベートーヴェンの第9交響曲をSACD化した。
同社によると、スイス放送協会の保管庫に秘蔵されていたオリジナルのマスターテープを丁寧に採録、SACDにしたとのこと。
フルトヴェングラーのベートーヴェン演奏の到達点とも言えるルツェルンの第9が、60年の時を経て最高の音質で見事に甦った。フルトヴェングラーファンにとっては、何よりのクリスマスプレゼントである。
オーディオ談笑会の主宰者Kさん邸の音響装置。
タンノイオートグラフが、「水を得た魚」のように朗々と鳴っていた。
甦(よみがえ)る 古き名盤 第九かな
以前は年4回は開かれていたオーディオ談笑会だが、その後、主宰者のKさんの多忙によりすっかりご無沙汰になっている。
そんな中、今年「最初にして最後」の談笑会が開かれた。
今回のメインは、師走とあって定番のベートーヴェンの『第九』。
それも12月20日にSACDでリリースされたばかりのフルトヴェングラーがフィルハーモニア管弦楽団を指揮したルツエルン音楽祭での「第九」である。
先ずは、聴く前のメンバーのコメントは、
「今日聴くのは、フルトヴェングラー没後60周年記念ということで発売になった「ルツエルンの第九」と呼ばれているライブ演奏の復刻盤なんだ」。
「3年前は生誕125周年記念と銘打ってSACDが、そして今度は没後60周年記念か、商魂逞しいね」。
「ジャズの古い名盤の復刻はあんまり進んでいないのに、フルトヴェングラーは特別扱いだね」。
「狂とつくような信奉者が多いってことだよ」。
「リマスターされたからといって必ずしも音が良くなるとは限らないのにね」。
「このSACDはどうかね」。
そして、聴き終わった後の感想は、
「いやぁ、参ったね、予想をはるかに超える演奏、音質だね」。
「とても50年前の録音とは思えないね。音が空間に広がり、コンサートホールでライブを聴いているような臨場感がある」。
「弦の艶やかさ、管楽器の際立つ美しさ、ティンパニーの質感どれをとっても一級品の音だね」。
「第3楽章、弦楽器群が次から次に紡ぎだしていく夢見るような旋律、恍惚として、ため息が出るほど美しい」。
「合唱も空間いっぱいに広がって目の前で歌っているような迫力だ」。
「バリトンが歌い出す場面、声がくっきりと浮き立ち、思わず鳥肌が立った」。
「タンノイが水を得た魚のように朗々と鳴っていた。面目躍如だったね」。
「古い時代の名演奏が新しい命を吹き込まれて甦ったという思いだね」。
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