昨日の昼下がりのことである。
電話が鳴った。
『もし、もし』と電話に出ると、無言で電話が切れた。
そして、それから数十秒後、再度電話が鳴る。
『もし、もし』
『おとうさん、俺だけど』
全く聞き覚えがない、若い男の声。
『俺だけど』と言っているが、息子の声とは違うと瞬時に見極める。
そして、すぐに、これは、世に言う『振り込め詐欺』の電話だな、と確信する。すると、さっきの電話は、在宅確認の電話か。
まさか、よりによって『振り込め詐欺』犯から俺のところへ電話がかかってくるなんて、と一瞬緊張し、電話の前で気持ちを引き締める。
『俺だけどって言うけど、どちらさま』
『おとうさんだろう、俺だよ、Tだよ。』
(へえ、こいつ息子の名前名乗ってやがる、名前を知ってるなんて油断できないな、と思いながら、)
『声が違うけど、どうした?』(と先ず『牽制球』を投げてみる。)
『ちょっと、風邪気味で声がおかしいんだ。』
『あのさあ、どっからこの電話してんの?』
『会社からだよ』
(しまった、ちょっと見当違いの質問しちゃったな。慌ててるな、落ち着け。まさかこいつ息子の職業までは知らないだろうと)
『お前、今、何の仕事してるんだっけ?』(とカマをかけてみる。しかし、今考えてみれば変な質問だ)
『前と同じだよ、保険の仕事してるよ』
(ええっ!、こいつ息子の職業まで知ってやがる、ますます油断ならぬなと思っていると、)
『悪いんだけど、お金立て替えてくれないかな。すぐに返すから』
(いよいよ、来たな、と身構えつつ、お前さんの正体は、もうばればれなんだよ、と言う意味合いを言外に込めて)
『声が違うし、電話では本人かどうか確かめようがないもんね』と返す。
『頼むよ、時間がないんだ、お金立て替えてよ』
『お前さん、息子じゃないよね。それとも息子本人だと証明できる?』とダメを押す。
相手からすれば、『本人だと証明してみな』と言う、全く珍妙な、予期せぬことを言われて、このおやじ少々、おかしいんじゃないかと思ったのだろう、一言、二言『悪態』をつくが、何と言ったのか聞き取れない。
そして、唐突に電話が切られた。
以上が『振り込め詐欺』犯とのやり取りの再現である。
この間、時間にすればわずか1~2分だが、緊迫したやり取りだったのだろう、受話器を置いた手のひらがじっとりと汗ばんでいた。
すぐに息子の携帯に電話し、『お前の偽者から、お金を立て替えてくれって言う電話が、今あったよ』と言うと、
「何それ、『振り込め詐欺』の電話ってこと。おやじ、俺はお金の事なんかで心配かけないから安心して。それよりも、ブログのネタが出来て良かったじゃん」
『振り込め詐欺』の電話がかかってきた時の心構えについては日頃、色々考えていたのだが、、今回は当初想定していた、からかい半分に『あしらう』余裕はなく、真剣勝負のような対応になってしまったことに、内心『忸怩』たる思いである。
そして、いざその場になって見ると、仲々思ったようには行かないものだと再認識した次第である。
それにしても、息子の名前や職業まで知っているとは、油断も隙もない話であり、『個人情報』が野放しになっている実態を目の当たりにして、空恐ろしさを感じたのは小生だけではないだろう。
電話が鳴った。
『もし、もし』と電話に出ると、無言で電話が切れた。
そして、それから数十秒後、再度電話が鳴る。
『もし、もし』
『おとうさん、俺だけど』
全く聞き覚えがない、若い男の声。
『俺だけど』と言っているが、息子の声とは違うと瞬時に見極める。
そして、すぐに、これは、世に言う『振り込め詐欺』の電話だな、と確信する。すると、さっきの電話は、在宅確認の電話か。
まさか、よりによって『振り込め詐欺』犯から俺のところへ電話がかかってくるなんて、と一瞬緊張し、電話の前で気持ちを引き締める。
『俺だけどって言うけど、どちらさま』
『おとうさんだろう、俺だよ、Tだよ。』
(へえ、こいつ息子の名前名乗ってやがる、名前を知ってるなんて油断できないな、と思いながら、)
『声が違うけど、どうした?』(と先ず『牽制球』を投げてみる。)
『ちょっと、風邪気味で声がおかしいんだ。』
『あのさあ、どっからこの電話してんの?』
『会社からだよ』
(しまった、ちょっと見当違いの質問しちゃったな。慌ててるな、落ち着け。まさかこいつ息子の職業までは知らないだろうと)
『お前、今、何の仕事してるんだっけ?』(とカマをかけてみる。しかし、今考えてみれば変な質問だ)
『前と同じだよ、保険の仕事してるよ』
(ええっ!、こいつ息子の職業まで知ってやがる、ますます油断ならぬなと思っていると、)
『悪いんだけど、お金立て替えてくれないかな。すぐに返すから』
(いよいよ、来たな、と身構えつつ、お前さんの正体は、もうばればれなんだよ、と言う意味合いを言外に込めて)
『声が違うし、電話では本人かどうか確かめようがないもんね』と返す。
『頼むよ、時間がないんだ、お金立て替えてよ』
『お前さん、息子じゃないよね。それとも息子本人だと証明できる?』とダメを押す。
相手からすれば、『本人だと証明してみな』と言う、全く珍妙な、予期せぬことを言われて、このおやじ少々、おかしいんじゃないかと思ったのだろう、一言、二言『悪態』をつくが、何と言ったのか聞き取れない。
そして、唐突に電話が切られた。
以上が『振り込め詐欺』犯とのやり取りの再現である。
この間、時間にすればわずか1~2分だが、緊迫したやり取りだったのだろう、受話器を置いた手のひらがじっとりと汗ばんでいた。
すぐに息子の携帯に電話し、『お前の偽者から、お金を立て替えてくれって言う電話が、今あったよ』と言うと、
「何それ、『振り込め詐欺』の電話ってこと。おやじ、俺はお金の事なんかで心配かけないから安心して。それよりも、ブログのネタが出来て良かったじゃん」
『振り込め詐欺』の電話がかかってきた時の心構えについては日頃、色々考えていたのだが、、今回は当初想定していた、からかい半分に『あしらう』余裕はなく、真剣勝負のような対応になってしまったことに、内心『忸怩』たる思いである。
そして、いざその場になって見ると、仲々思ったようには行かないものだと再認識した次第である。
それにしても、息子の名前や職業まで知っているとは、油断も隙もない話であり、『個人情報』が野放しになっている実態を目の当たりにして、空恐ろしさを感じたのは小生だけではないだろう。