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折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

遥けき山の頂を仰ぎ見る思い~平成23年度居合道地区(東日本)講習会

2011-06-05 | 武道

6月4日(土)、5日(日)の2日間にわたり平成23年度居合道地区(東日本)講習会が東京武道館で全国から600人余の居合道の練達の士が集まって行われた。
写真はメイン会場の大武道場での七段の先生方の稽古風景。


居合仲間のTさんに『今度の講習会は滅多に経験できない貴重な講習会だから一緒に受講しましょう』と誘われて、軽い気持ちで参加した。

ところがである、当日会場に行って見ると普段であれば我々が講習会で指導を受ける六段、七段、八段の先生方がこの日は講習を受ける受講生とのこと。

よく存じ上げている錚々たる先生方が一堂に会していて、小生のような新米の四段が一緒に講習を受けて良いのだろうかと気後れと、場違いなところに来てしまったと言う、何とも居心地の悪さを真っ先に感じた。

しかし、こうした経験は滅多にできないし、こう言う雰囲気を肌身で感じて知っておくことも無形の財産になるだろうと思い直して講習会に臨んだ。

講習会は1日目が全剣連居合。

四段、五段、六段、七段、八段の段位別に受講する。

全国から集まった四段の受講者は100人余。
これらが3グループに分かれて指導を受けた。

今回の講習会での四段グループのテーマは『数多く抜く』と言うことで、講師の実技演武の後、3グループが交互に何回も、何回も繰り返し稽古し、修練に努めた。

そして、2日目は1日目のおさらいと古流の研究。

特に2日目の最後を飾った範士八段の先生方の古流の技のさえは、それこそ『遥けき山の頂』を仰ぎ見る思いで拝見させていただいた。

2日間の稽古は肉体的、精神的に疲れ、かなり辛いものがあったが、終わって見るとほっとした気持ちとやりとげたという達成感と相俟って晴れ晴れとした気分を味わうことができた次第である。

 
東日本の各地から600人を超す練達の士が集まって広い武道館も受講者でいっぱいとなった(左)、今回の大震災の被災地岩手、宮城、福島、茨城の各県からも多くの受講者が参加していた。(右)

 受講者の前で全剣連居合12本の模範演武をする講師の先生(左)、四段クラスの講習会の稽古風景(右)


お見事!!おしどり剣士~揃って居合道四段の関門突破

2011-05-14 | 武道
東日本大震災で1カ月遅れとなっていた県下居合道昇段審査会が行われ、受験した当支部の仲間たちは、四段に2名、二段に2名がそれぞれ合格した。

その中で特筆すべきは、関門と言われる四段に揃って合格したAさんご夫妻。


           審査発表 受験番号17番が四段に合格したAさん、28番がAさんの奥さん。


初段、二段、三段と夫婦そろって昇段を重ね、迎えた四段の関門。

日頃の稽古では、誰よりも早く二人で道場に来て、ご主人がそれこそ手取り足とりの懇切丁寧、熱心な指導、そして稽古で培われたお二人の強い『絆』とが相俟って二人揃って難関を突破したのはお見事の一言に尽きる。

これで当支部も五段が1名、四段が4名と充実したものとなってきた。

今は亡き我が支部の居合道の師であったK先生も草葉の陰できっと喜んで下さっていることと思う。

稽古再開、いい汗流す

2011-05-04 | 武道
        久しぶりに稽古に集まった仲間たち。


東日本大震災、電力供給不足、そして、数々の『節電』対策の実施。
その影響を受けて3月半ばから休止となっていた居合の稽古が5月に入った一昨日からようやく再開された。

こんなに長いこと稽古を休んだことは、これまで一度もなかったことであり、ひょっとするとこのまま稽古がもうできないのではないかという不安を抱えての日々。稽古の前は、久しぶりの稽古だから張り切ろうと言う気持ちと、しかし、この長い休みですっかり『楽』の味を憶えてしまった身体が『やだなぁ、もう少し休みたいな』という怠け心とがせめぎ合って複雑な心境であったが、稽古で久しぶりに無心に身体を動かし、汗をいっぱいかいて、そんなもやもやした気分が一気に吹っ飛んで、晴れ晴れとした気分を取り戻した次第である。

思いがけない贈り物~一足早いクリスマスプレゼント

2010-12-21 | 武道
居合仲間のAさんに頼まれて、ある小学校の6年生を対象に行われた『伝統文化を体験しよう!!』という特別授業で、居合を教えたことをブログで紹介した。(12月10日付ブログ『刀の長さ、重さに四苦八苦』)

そのAさんが、先日、満面に笑みを浮かべながら、『読んで見て』と渡してくれたのが、

『AさんとKさんへ   ありがとうございました』

というタイトルの文集である。

  
16人の生徒から寄せられた文集の表紙(左)。Aくんが書いた文章の抜粋(右)。


その文集には、当日居合を教えた生徒から、Aさんと小生へのお礼が綴られていた。

そこには、16人の生徒たちが『刀』を抜いたり、納めたり、刀を振ることを初めて体験した気持ちが、実に素直に、素朴に綴られていて、一文字、一文字に驚きと好奇の思いが込められていて、あの時、みんなはこんなことを思っていたのか、と新鮮な気持ちで、じっくりと読ませてもらった。

また、『最後にKさんが居合の技を見せてくれて本当にありがとうございます。かっこ良かったです』というくだりには、思わず、にんまりしてしまった。

読み進む中で、「はっ」と気付かされた文章、

刀をしまうのがうまいと言われたのが、とてもうれしかった。また、刀を抜く時もうまいといわれたのもとてもうれしかったです。

そう言えば、確かに憶えの早い子がいて、『君は上手だね』とほめたことを思い出し、こちらは、それほど意識せずに言ったつもりだったが、文章にするぐらいだから、ほめられたのが、よほどうれしかったのだな、この一つをとっても、教育は、叱るより、やはりほめることが大事なんだと言うことを思い知らされた気がした次第である。

16人の感想をじっくりと読ませてもらって、実にほのぼのと心温まる気分になった。

この年齢になればクリスマスプレゼントなど無縁のことと思っていた小生にとって、子どもたちからの文集は思いがけない贈り物で、一足早い、とてもうれしいクリスマスプレゼントとなった。

居合の師、逝く

2010-12-17 | 武道
3年ほど前に病に倒れ、加療中だった居合道錬士六段K先生がお亡くなりになった。

先生は、7年前、小生が会社を定年退職し、一念発起して居合を始めてから、今日に至るまで小生の居合の師であった。

居合を習い始めた当初、不器用で覚えの悪い小生に、嫌な顔一つせずに、懇切、丁寧に、根気よく居合の初歩から教えていただいた。

先生のご指導なくして、今日の小生の居合は在りえない、と言っても過言ではない。

また、先生は居合の試合や講習会がある時は、『乗って行けよ』と自ら運転手役を買って出てくださるなど、その気さくで、優しい人柄は誰からも慕われ、尊敬されていた。

『大黒柱』と言う言葉があるが、先生は、まさに、わが居合道支部の大黒柱的存在だった。


K先生がお元気だった2007年1月の『稽古始め』
右列、右から二人目がK先生。


その先生が、病に倒れ、再起が絶望視された時は、わが居合道支部はこれからどうなるのだろうと、一同、暗澹たる思いに打ちひしがれたが、全員が気持ちを一つに、力を合わせて活動を続けて行くことが、先生のこれまでの労苦に唯一報いる道とみんなで話し合い、新しい体制を作って、頑張って来た。

幸い、その後、毎年、昇段者を出すなど、順調に支部運営がなされているのが、先生へのせめてもの恩返しと言えるのではなかろうか。

何回かお見舞いに上がり、病状からして最早や刀を握ることは叶うまいと思われたが、せめて稽古場に顔を出されるくらいに回復し、みんなの稽古を見守って欲しかった。

そして、

『Kさん、しばらく見ないうちに、上達したね』

と、一言、先生に誉めてもらいたかった。

それも、今は叶わなくなった。それが、無性に悲しくて、残念である。

先生、安らかにお休み下さい。

そして、天上からわが居合道支部の活動を見守って下さい。

合掌