木工旋盤 専科・Woodturning・ウッドターニング・EBONY BLOG

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箱根の寄木

2008年08月03日 | 木工旋盤
 もう何年(8~9年)も前に箱根の畑宿の金指ウッドクラフトショップで購入したリンゴ型BOX(高さ幅共に70mm)です。確か6,000円ぐらいだったと思います。
ショップの向側の作業場で金指さんが寄木を張り付けている作業を見学させていただいてからショップに戻って さんざん時間を掛けて選んだ物です。
 購入したあとショップに入ってきた金指さんに「何を選んだ?」と聞かれて 見せたら「う~ん やっぱりね!」と言われたのを今でも覚えています。
 
  
 複雑に見えますが正三角形の種木の素を作って束ねて六角形にしてから幾つも寄せて盤塊を作ってから切りとって木工轆轤で挽いた挽物です。3種類の木で2種類の種木です。ここが選んだポイントでした。
 蓋は最初からゆるゆるでした。きついと使えないので安全側になっているのでしょう。

 よく知られいる箱根の寄木細工には寄木の種木盤を薄くスライスしてカラクリ箱などの表面に貼り付けた物があります。
 極めて精緻な模様が作られていて感動させられます。
 一枚の種木盤からズクと呼ばれる薄い紙状のものが鉋で何枚も削りだされます。

 種木は木目に対して直角の木口切りに切断されていて スライスした時にズクが木口削りにならないように板目又は柾目になるように張り合わされています。木口削りでは薄くスライスしにくいからでしょう。
 金指さんの無垢寄木の種木は木目と平行にに切断されて張り合わされていてその種木盤の塊を削りだして作っています。このリンゴ型BOXでは上部と下部は木口になっています。

 ズク張り寄木の模様は平面的ですが無垢の寄木模様は立体的になります。
 どちらにしても種木の素を正確に作れないと接着面に隙間が出来てしまって まともな物が作れません。
 正確な種木の素作りと少しの隙間ぐらいなら うむをいわせずくっつけてしまう強力な専用のプレスで全く隙間のない寄木ができます。

 私のはとても正確とはいえない いいかげんな種木の素を輪ゴムや指圧での張り付けなので隙間だらけで手作り風合いたっぷりです。この手作り風合いは箱根細工では絶対真似ができない良さ(?)ではないかと負け惜しみをいっています。(^_^;)

ズク張り寄木と無垢寄木は 作り方が少しだけ違い それぞれ作る職人さんも別々のようですので ズク張りと無垢寄木を混ぜて作る作品はないみたいです。

 ターニングでは何でもありのようで無垢寄木も積層も嵌木(インレイ)もバーニングもごちゃ混ぜにしていますが どうせ当分の間は伝統工芸には なりっこないので好き勝手で良いと思っています。(^_^;)

  
 

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