憲法9条を変えると、国の形態が変わる。このたいへんな状況は、与党が三分の二をとってから、にわかに現実の問題となった。
それまでは、大きな問題となることはなかったが、小選挙区制という民意の反映を無視した制度によって、これが可能となった。
少数の意見で、全体を引っ張ることができるため、この制度は、まことに不健全である。全体の意見の傾向とは異なる結果がうまれる。
戦争反対の人が圧倒的に多いと思われるのに、一部、戦争肯定派の意見が全体の意見となってしまうのである。かくて戦争体制に引きずり込まれる可能性が高くなってきた。
憲法9条をかえてしまうと、歯止めは効かない。国威発揚のキャンペーンなどはれば、国民はそちらへ誘導される危険性が高い。
歴史がそれを教えている。戦争がどれだけ悲惨であるか、現世代では、知っている人が高齢となり、語り部が減っている。
他方、若者たちが、保守化していると言われるが、これには、保守勢力の管理主義的な教育制度への介入効果が大きく影響していると思われる。元気な若者たちがどこかへ連れ去られたようだ。