中国が国連安保理決議に違反して、北朝鮮に大型の軍用車両を輸出していたことが、大きく報道されている。世界全体の平和を考えるならば、北朝鮮が、軍事力を強めることは危ういにはちがいないが、先行している国々が自分のことを棚にあげて、他国を非難する不合理にも目を向けざるを得ない。
先行したほうが、言いたい放題という現状は、恥知らず、のそしりを免れない。全体としての公平感を保ちながら、後発組の危険な動きを牽制するというのならまだしも、自分はいいのだが、他者は駄目というこの姿勢は、違和感を禁じ得ない。
とはいえ、北や中国への非難は、慎重であるようだ。物証をつかまれて、中国は平和目的と抗弁していたのを、北朝鮮の核実験をさせないための努力をしていることなどを主張したり、日米韓の事情から、直線的な非難をしないで、「黙認」する事態があったり、国際問題の対処でも、「見なかったことにする」ようなことがでてきている。
人間社会は、タテマエどおりにはいかない。まあタイヘンだ。しかし、われら庶民は、すべてを直視しておかなくてはならない。見なかったふりなどすれば、そのムクイが必ずある。