ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ミリオンダラー・アーム』

2014-09-09 15:13:01 | 新作映画
(原題:MILLION DOLLAR ARM)

----いつの間にか、
火曜日がブログ更新のようになっちゃったニャあ。
で、今日はニャんにのお話?
「うん。
『ミリオンダラー・アーム』
意外と言っては映画に失礼だけど、
これはなかなか楽しめる一作」

----それって
“ミュージカルじゃないインド映画”ということで
話題になっているヤツ?
「う~ん。
半分は当たっているけど、
根本的なところに間違いがある。
これは、確かにインドもその舞台になるし、
インドの俳優も出てはいるけど、
れっきとしたハリウッド映画。
なにせ、ディズニー配給…」

----へぇ~っ。
どういうお話ニャの?
「では、まずそこから。
主人公はスポーツ・エージェントのJB・バーンスタイン(ジョン・ハム)。
自分の小さな会社に莫大な利益をもたらしてくれるはずだったクライアントを失い、
いまや失意のどん底の彼は、
自宅で何気なく回していたチャンネルの中に、
スーザン・ボイルの歌に熱狂する観衆、
さらにはクリケットの試合の番組を見て、
突然、天啓がひらめく。
クリケットが盛んなインドには
剛速球を投げる逸材が埋もれているのではないか?
しかもインドの人口は約12億。
ここでメジャーリーグを目指すコンテスト形式の番組『ミリオンダラー・アーム』を開催すれば、
注目度もアップするし、一石二鳥だと…。
かくして彼はインドへ飛ぶが…」

----ニャんだか、嘘みたいなお話。
「ところが、これが実話。
この手の作品の恒例となった
映画のモデルの人たちの紹介もエンドクレジットできちんと行なわれるしね。
さて、そのインド人初のメジャーリーガーを目指すのが、
リンク(『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』のスラージ・シャルマ)と
ディネシュ(『スラムドッグ$ミリオネア』のマドゥル・ミッタル)のふたり」

----ニャるほど。
それじゃあ、演技の方は申し分なしだね。
「そう。
しかも、彼ら演じる青年ふたりのサクセスストーリー以外にも
インドのカオス的な熱気あり、主人公の人生のアップダウンあり。
さらには、それまでビジネスにしか目がいかなかった彼の生き方を変えさせる
ひとりの女性ブレンダ(レイク・ベル)との愛の深まりありと、
見どころはいっぱい」

----でもほんとうに全部が実話ニャの?
「さあ、どうだろう?
JBがふたりのことを
家族のように思いやるようになる過程を映画に取り入れると言うのは、
この手の作品の王道だからね。
でも、ぼくがこの映画でとにかく驚いたのは、
アメリカにはとんでもないことを考えつく人がいるんだなという、
映画以前の部分。
で、それをきちっと一本のエンタテインメントに仕上げるハリウッドの企画力。
こういうのが日本でもどんどん生まれると、
もっと映画も楽しくなるんだろうけどね」




フォーンの一言「そう言えば、大物俳優がひとり出ているらしいのニャ」身を乗り出す

アラン・アーキン。その存在だけで映画が引き締まる度

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