(原題:The Last King of Scotland )
----この映画、ウガンダのアミン大統領のことだよね?
「うん。このアミンと言う人は
人間の肉を食べると言われていて、
子供ながらに戦慄したものだった。
失脚してからも
『食人大統領アミン』という映画が作られたりして、
やはりその噂は本当だったのかと…」
----実際はどうだったの?
「その映画『食人大統領アミン』は
さすがに観る気がしなく
実際にこの目で確かめてはいないんだけど、
タイトルにも使われているくらいだから、
どうやら肉片を口にするシーンくらいはあったみたい。
ただ、事実関係としてははどうだったんだろう?
やはり一種の都市伝説みたいなものなのかなあ」
----でも、この映画って主演のフォレスト・ウィテカーが
アカデミー主演男優賞にもノミネート。
他の映画賞も総ナメと言うから、
興味本位に作られているとは思えないけど…。
どんなお話なの?
「物語は実に分かりやすい。
スコットランドの医学校を卒業したニコラスが
自分の技術を役立てようと
ウガンダのムガンボ村にやってくる。
ときは、1971年。
軍事クーデターによってオボテ政権が倒れ、
イギリスの支援を受けたイディ・アミンが新しく
大統領の位置に就いた直後のこと。
元ヘビー級ボクシングのチャンピオンであり、
軍隊のヒーローでもあるアミン。
彼が国の将来への希望を熱く語る彼の姿を見て、
未知の土地へ来たばかりで高揚しているニコラスの心は、
あっという間にアミンに惹き付けられてしまう。
たまたまアミンの捻挫を治療する機会を得たニコラスは、
その処置が気に入られ、彼の主治医として迎え入れられるが…」
----ふむふむ。食人大統領と言われるくらいだから、
ここから彼の狂気が始まっていくわけだね。
「そう言うこと。
猜疑心が強いアミンは、
自分たちの乗った車列への襲撃をきっかけに
内部から情報が漏れているのではと、
側近を次々と粛正してゆく。
そんな中、ニコラスは
アミンの代理として重要な会議に出席。
主治医以上の仕事を与えられた、その期待に応えようと
ニコラスは周囲の不審な動きを彼に密告する。
ところがそのガセネタのために
一人の側近が死刑に。
深い自責と後悔にかられた彼は、
帰国の途に就こうとするが、
なんとイギリスのパスポートを取り上げられてしまう」
----でもウガンダには他のイギリス人もいたわけでしょ。
どうしてニコラスは彼らに助けを求めなかったの?
「そこがこのタイトルとも関係してくるところ。
ニコラスは自分がイングランドではなく
スコットランド人だと言うことを強調。
他のイギリス人に対しても一線を引いている。
一方のアミンもイギリスに対し、強硬な姿勢を取り、
自分を『ラストキング・オブ・スコットランド』と呼ぶわけだ」
----ニャるほど。
となると、この映画は
ニコラスがウガンダから脱出できるかどうかがポイントとなってくるね。
「そう言うこと。
後半、ニコラスはアミン暗殺を企む。
それを映画は
実際に起こったエンテベ空港でのエア・フランス機のハイジャック事件と絡めて描いている。
もちろんニコラスと言う人は実在していないわけで、
そこにはフィクションが混じってくるわけだけど、
暗殺未遂とその発覚、拷問、
そして脱出と続くスリリングな流れは
70年代のサスペンス映画を観ているような興奮がある。
映像の肌触りもあの頃のもの。
あえてクリアにしてはいないところが時代を匂わせる」
----フォレスト・ウィテカーはやはり本命?
「うん。
それがモノマネとかモノマネじゃないとかいう次元を超えて、
彼の演技は一人の特異なキャラクターを編み出している。
ここで描かれるアミンと言う男とは
個人的には決して知り合いたくないけど、
スクリーンで観る分にはゾクゾクする。
気分屋ゆえに
次に何が起こるのか
まったく読めないわけだからね。
ただ、こういう人ほどトップに立ちやすいと言うのは、
いまの日本でも同じだね。
アミンは自分の耳に心地よいことを言ってくれる
イエスマンの取り巻きだけで周囲を固める。
そのため側近たちは
彼を喜ばせることで保身を計り、
本質的に重要なことは口にしない」
----ホントだ。日本の会社構造に似ているね。
「話変わるけど、
ニコラスを演じているのはフォーンをやった人だよ」
----えっ?
「ほら、『ナルニア国物語 第1章・ライオンと魔女』 のタムナスさん。
あと、『X-ファイル』のスカリー捜査官ジリアン・アンダーソンも出ているよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォレスト・ウィテカー、取るかもニャ」
※気に入られたからって、舞い上がってはダメだ度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
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----この映画、ウガンダのアミン大統領のことだよね?
「うん。このアミンと言う人は
人間の肉を食べると言われていて、
子供ながらに戦慄したものだった。
失脚してからも
『食人大統領アミン』という映画が作られたりして、
やはりその噂は本当だったのかと…」
----実際はどうだったの?
「その映画『食人大統領アミン』は
さすがに観る気がしなく
実際にこの目で確かめてはいないんだけど、
タイトルにも使われているくらいだから、
どうやら肉片を口にするシーンくらいはあったみたい。
ただ、事実関係としてははどうだったんだろう?
やはり一種の都市伝説みたいなものなのかなあ」
----でも、この映画って主演のフォレスト・ウィテカーが
アカデミー主演男優賞にもノミネート。
他の映画賞も総ナメと言うから、
興味本位に作られているとは思えないけど…。
どんなお話なの?
「物語は実に分かりやすい。
スコットランドの医学校を卒業したニコラスが
自分の技術を役立てようと
ウガンダのムガンボ村にやってくる。
ときは、1971年。
軍事クーデターによってオボテ政権が倒れ、
イギリスの支援を受けたイディ・アミンが新しく
大統領の位置に就いた直後のこと。
元ヘビー級ボクシングのチャンピオンであり、
軍隊のヒーローでもあるアミン。
彼が国の将来への希望を熱く語る彼の姿を見て、
未知の土地へ来たばかりで高揚しているニコラスの心は、
あっという間にアミンに惹き付けられてしまう。
たまたまアミンの捻挫を治療する機会を得たニコラスは、
その処置が気に入られ、彼の主治医として迎え入れられるが…」
----ふむふむ。食人大統領と言われるくらいだから、
ここから彼の狂気が始まっていくわけだね。
「そう言うこと。
猜疑心が強いアミンは、
自分たちの乗った車列への襲撃をきっかけに
内部から情報が漏れているのではと、
側近を次々と粛正してゆく。
そんな中、ニコラスは
アミンの代理として重要な会議に出席。
主治医以上の仕事を与えられた、その期待に応えようと
ニコラスは周囲の不審な動きを彼に密告する。
ところがそのガセネタのために
一人の側近が死刑に。
深い自責と後悔にかられた彼は、
帰国の途に就こうとするが、
なんとイギリスのパスポートを取り上げられてしまう」
----でもウガンダには他のイギリス人もいたわけでしょ。
どうしてニコラスは彼らに助けを求めなかったの?
「そこがこのタイトルとも関係してくるところ。
ニコラスは自分がイングランドではなく
スコットランド人だと言うことを強調。
他のイギリス人に対しても一線を引いている。
一方のアミンもイギリスに対し、強硬な姿勢を取り、
自分を『ラストキング・オブ・スコットランド』と呼ぶわけだ」
----ニャるほど。
となると、この映画は
ニコラスがウガンダから脱出できるかどうかがポイントとなってくるね。
「そう言うこと。
後半、ニコラスはアミン暗殺を企む。
それを映画は
実際に起こったエンテベ空港でのエア・フランス機のハイジャック事件と絡めて描いている。
もちろんニコラスと言う人は実在していないわけで、
そこにはフィクションが混じってくるわけだけど、
暗殺未遂とその発覚、拷問、
そして脱出と続くスリリングな流れは
70年代のサスペンス映画を観ているような興奮がある。
映像の肌触りもあの頃のもの。
あえてクリアにしてはいないところが時代を匂わせる」
----フォレスト・ウィテカーはやはり本命?
「うん。
それがモノマネとかモノマネじゃないとかいう次元を超えて、
彼の演技は一人の特異なキャラクターを編み出している。
ここで描かれるアミンと言う男とは
個人的には決して知り合いたくないけど、
スクリーンで観る分にはゾクゾクする。
気分屋ゆえに
次に何が起こるのか
まったく読めないわけだからね。
ただ、こういう人ほどトップに立ちやすいと言うのは、
いまの日本でも同じだね。
アミンは自分の耳に心地よいことを言ってくれる
イエスマンの取り巻きだけで周囲を固める。
そのため側近たちは
彼を喜ばせることで保身を計り、
本質的に重要なことは口にしない」
----ホントだ。日本の会社構造に似ているね。
「話変わるけど、
ニコラスを演じているのはフォーンをやった人だよ」
----えっ?
「ほら、『ナルニア国物語 第1章・ライオンと魔女』 のタムナスさん。
あと、『X-ファイル』のスカリー捜査官ジリアン・アンダーソンも出ているよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォレスト・ウィテカー、取るかもニャ」
※気に入られたからって、舞い上がってはダメだ度
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なかなか面白く作ってありましたし、フォレストウィテカー
良かったですね。
ラストが、そんな風に簡単に逃げられないでしょーとかツッコミたくもなりましたけど、、、、
そしてタムナスさん!!
良かったです★
観てからよませてもらいますね
マリーアントワネットは酷評になってしまいました。。。。
この映画、とても分かりやすく親切で、
観客を十分に意識した作りになっていたと思います。
まったく飽きのくることのない懐かしいテイストの映画でした。
そしてあの男の子がタムナスさんだったなんて・・・意外です。予告では気づきませんでした!
日本では映画の初日は
金曜日が祭日以外は土曜日が相場ですが
オーストラリアでは木曜日なんですか?
この映画は、
作りがオーソドックスで、
ポリティカルと言うよりも
モンスター・サスペンスといった趣き。
タムナスさんも
怪物相手になかなか頑張ってましたよ。
よく見ると顔はそんなに似ていないと思いましたが、
スクリーンの中でアミン大統領そのものになっている姿には
本当に圧倒されました。
ストーリー自体はフィクションということなので、
安心して楽しみましたが、実際彼のしたことは事実だし……。
とても複雑な心境になりました。
正直言って
アカデミー賞の予想は、
今回、ウィテカーが他の賞を総ナメにしているから
これもおそらく
そうなんだろうなと思ったという程度のものです(汗)。
もしかしてピーター・オトゥールの大逆転もと、
後で考えたのですが、
またもや彼は涙を飲みましたね。
ぼくはまだ10代の頃、
アミン大統領と聞くと、
その名前だけで震え上がっていました。
刷り込みって大きいですね……。
シネコンは大抵、ガラ好きなんですけど、
オスカーはじめ、たくさんの賞を取った主演男優の作品、
さて、どれだけの影響があるか?と期待していたら・・・
本日公開日でも、全く変わりなし。ガラガラのハコで悠々観れてしまいました。
アカデミー賞であれ何であれ、無関係に鷹揚な田舎住まい、
こんなものなんでしょうかね。
作品は、ほんとにわかりやすかったですね。
人の心が生み出す恐怖の連鎖。
あんな時代、あの国、あの立場でなかったら、
アミンもきっと、やさしい男だったはずなのに…
アカデミー賞と言っても、
日本で観客動員に効果があるのは
作品賞くらいのようです。
たとえばおなじ主演男優賞を受賞した
昨年の『カポーティ』も
あまりヒットはしませんでした。
この作品はストレートに
サスペンス映画としても楽しめるので
多くの人に観てほしいなと思います。
。。。え~~~!!あの人、スカリー捜査官だったんですか?!Xファイルは大好きで全部観たのに、全く気が付きませんでした。感じが変わりましたね~
ところで、この映画は良かったです。主演男優賞を受賞したウィテカーの演技も素晴らしかったのですが、二コラス青年も良かったです。あの人がフォーンだなんて。。。それにも気が付きませんでした(笑)