(原題:La Mome)
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----これって伝記映画だよね?
「うん。でも相当に凝った作りとなっている」
----えっ?大河ドラマじゃニャいの?
「一応はそうなんだけどね。
あまりにも時制が行ったり来たりしていて、
基準がどこにあるのか分からなくなってくるんだ。
冒頭、ピアフがステージで倒れるところから、
物語は一気に彼女の不幸な少女時代へ。
その後のピアフの人生を喋るのは観る人の楽しみを奪うことになるから
ここでやるつもりはないけど、
かなり壮絶なものだね」
----時制が行ったり来たりと言うのは?
「うん。最初のうちは作者側の視点と思っていたんだけど、
徐々にこれが死の間際の床にあるピアフの回想と言うことが分かってくる」
----そうか、だから
あっちこっちに飛ぶんだ。
なんでそんなことしたんだろう?
「うん。伝記と言うと、
普通はそこに作者の解釈や思いも混じるから、
ほんとうに、その人の実像を描いたのかは怪しくなるよね。
そう言う意味では“回想”も似たようなもの。
それがほんとうにあったことなのかどうかは分からない。
長い年月の間に美化されたり、
逆に悪い方向にゆがめられたり…。
しかも彼女は病魔に苦しめられているんだから。
実は、ぼくはこの映画を観ていて
それが実際にあったことなのかどうか、
不思議に思った箇所がいくつかあるんだ。
たとえば浜辺でのインタビューのシーンとかもそのひとつ」
----ニャるほど。
それは他の人の意見も聞きたいよね。
「で、ここからがクライマックスで
※ネタバレ注なんだけど、
なんと『田園に死す』になっいく」
----それって、寺山修司の?
「うん。あの映画では後半、
前半の回想が美化されたものであったことが
明らかになる。
そこまではいかないけど、
後半、悪夢のようなイメージが次々と出てくる。
ピアフ自身も『見たくないものが…』と
うわごとのように言う」
----それって怖いね。
美しいはずの想い出が消されていく。
「そうなんだ。
本来は自由であるはずの自分の脳の中が、
いやなイメージに占領されていく。
ちょっとたまらなかったね」
----でも、音楽もいいし。
主演のマリオン・コティヤールも
なんかスゴそう。
フォーンは観てみたいな。
「確かに。
これは一見の価値ありだと思うよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ピアフの歌好きニャ」
※思ってたのといい意味で違っていた度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャルより。
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----これって伝記映画だよね?
「うん。でも相当に凝った作りとなっている」
----えっ?大河ドラマじゃニャいの?
「一応はそうなんだけどね。
あまりにも時制が行ったり来たりしていて、
基準がどこにあるのか分からなくなってくるんだ。
冒頭、ピアフがステージで倒れるところから、
物語は一気に彼女の不幸な少女時代へ。
その後のピアフの人生を喋るのは観る人の楽しみを奪うことになるから
ここでやるつもりはないけど、
かなり壮絶なものだね」
----時制が行ったり来たりと言うのは?
「うん。最初のうちは作者側の視点と思っていたんだけど、
徐々にこれが死の間際の床にあるピアフの回想と言うことが分かってくる」
----そうか、だから
あっちこっちに飛ぶんだ。
なんでそんなことしたんだろう?
「うん。伝記と言うと、
普通はそこに作者の解釈や思いも混じるから、
ほんとうに、その人の実像を描いたのかは怪しくなるよね。
そう言う意味では“回想”も似たようなもの。
それがほんとうにあったことなのかどうかは分からない。
長い年月の間に美化されたり、
逆に悪い方向にゆがめられたり…。
しかも彼女は病魔に苦しめられているんだから。
実は、ぼくはこの映画を観ていて
それが実際にあったことなのかどうか、
不思議に思った箇所がいくつかあるんだ。
たとえば浜辺でのインタビューのシーンとかもそのひとつ」
----ニャるほど。
それは他の人の意見も聞きたいよね。
「で、ここからがクライマックスで
※ネタバレ注なんだけど、
なんと『田園に死す』になっいく」
----それって、寺山修司の?
「うん。あの映画では後半、
前半の回想が美化されたものであったことが
明らかになる。
そこまではいかないけど、
後半、悪夢のようなイメージが次々と出てくる。
ピアフ自身も『見たくないものが…』と
うわごとのように言う」
----それって怖いね。
美しいはずの想い出が消されていく。
「そうなんだ。
本来は自由であるはずの自分の脳の中が、
いやなイメージに占領されていく。
ちょっとたまらなかったね」
----でも、音楽もいいし。
主演のマリオン・コティヤールも
なんかスゴそう。
フォーンは観てみたいな。
「確かに。
これは一見の価値ありだと思うよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ピアフの歌好きニャ」
※思ってたのといい意味で違っていた度
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※画像はアメリカ・オフィシャルより。
マリオン・コティヤールがいい演技してたのと、
構成のうまさで見応え十分でしたね。
すでにオスカーノミネート確実と煽ってますが、どうなるでしょうか。
構成は素晴らしかったですね。
ある意味、スリリングでもありました。
ただ、オスカーはどうでしょう?
この時期の映画は、まだまだ。
いつも12月近くに全米公開の作品が
賞をさらっている気がします。
それにしても、マリオンはあそこまで小さくなれるんですね。
今回のマリオンには脱帽です。
惜しむらくは、もう少し『愛の讃歌』をじっくり聴きたかったかな...。
「愛の讃歌」は、あんまり使われていませんでしたね。
個人的には「ラヴィアン・ローズ」が好きなので、
音楽には関しては大満足です。
そうそう、マリオンの腰の曲げ方には驚きました。
>最初のうちは作者側の視点と思っていたんだけど、
徐々にこれが死の間際の床にあるピアフの回想
と言うことが分かってくる
ああー、なるほど。
そうだったんですね。
えいさんの記事を読んで、
いろいろとナットクでした。
とても見ごたえある映画でした。
この映画は、
監督が話法として時代を恣意的にいじくっているのではなく、
死期を迎えたベッドでのピアフの回想という気がしました。
だからこそ、
あちらこちらに時代が飛ぶのだと…。
でも、そのことにあまり触れている人がいなくて、
少し自信喪失気味。
共鳴していただけてとても嬉しいです。