ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『チャプター27』

2007-10-26 23:28:27 | 新作映画
(原題:Chapter 27)

-----この映画ってジョン・レノン射殺犯の
マーク・デイヴィッド・チャップマンを描いているんだよね。
それにしてもタイトルの意味がよく分からないけど…。
「このチャップマンという男は、
サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』に深い影響を受け、
その主人公ホールデンに自分を重ね合わせていたんだ。
で、この『ライ麦畑でつかまえて』が全26章。
その次の章を彼が書き加えるような思いで
事件を起こしたという意味のようだね」

----うわあ、凝ったタイトルだニャあ。
「映画は、そのホールデンと同じ行動をチャップマンが取る姿を
ドライなタッチで描いていく。
レノンが『イマジン』の中で
“想像してご覧、財産のない世界”と歌いながら、
自分は贅沢三昧な生活を送っていることなどを
この『ライ麦畑~』の中の言葉を借りて
“偽善者”“インチキ”と彼は見るわけだ。
もちろん、それだけではなく
ファンのジュードやパパラッチのポールに、
執拗なまでに身勝手な主張をする彼の病んだ精神、
その闇の部分も描いていく。
クライマックス近くでは、
彼の人格が分裂。
ゴラム的な描き方がなされている」

-----チャップマンはだれが演じているの?
「これが驚き。ジャレッド・レト。
最近では 『ロンリーハート』
の中で頭の毛を抜いて異常殺人鬼を演じていたけど、
ここでは30Kgもの体重増加でこの難役に挑戦。
まるでそこにチャップマン本人がいるかのようだったね」

-----うわあ。だったらサスペンスも盛り上がりそう。
「いやあ。それがそうはならない。
もちろん誰もが結末を知っているということもあるだろうけど、
映画はそのようなドラマチックな手法をとらず、
チャップマンの3日間の心の軌跡を
彼のモノローグを中心に追っていく。
レノンへの感傷なども描かれず、
ビートルズ・ソングも皆無。
そういう意味では、多くの人が期待している映画とは
おそらく異なっているんじゃないかな」

----ということは、これは
ジャレッド・レトの演技を観るための映画?
「そうだと思うよ。
あとジュードをリンジー・ローハンが演じているのも見モノだけどね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「もう27年も経つのかニャあ」悲しい

※渋い映画だ度

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6 コメント

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Unknown (mig)
2007-11-08 21:36:14
えいさん☆
えいさんはお先に観てたんですね~
わたしこれ、けっこう高評価です。
なかなか興味深い1作でした。
ファンの人はどうみるのか、気になります。。。。
返信する
■migさん (えい)
2007-11-09 00:29:24
こんばんは。

お久しぶりです。
チャップマンが『ライ麦畑でつかまえて』に影響を受けたとは知りませんでした。
それにしても、ジャレッド・レト、
デ・ニーロばりの役者魂でしたね。
返信する
・・・ (となひょう)
2007-12-23 13:08:05
こんにちは。

>レノンが『イマジン』の中で“想像してご覧、財産のない世界”と歌いながら、自分は贅沢三昧な生活を送っていることなどをこの『ライ麦畑~』の中の言葉を借りて“偽善者”“インチキ”と彼は見るわけだ。

・・・バックボーンやら出来事の詳細やら、何も知らない状態で鑑賞して記事をアップしてしまいました。
ちょっと恥かしいです・・・
恥ずかしがってる割には、お邪魔してしまいましたが。
返信する
■となひょうさん (えい)
2007-12-24 16:05:20
こんにちは。

いや、ぼくもそんなに犯人像に詳しいわけではないです。(汗)
ただ、この作品はかなり事実に忠実に作られているとのことで、
そういう書き方をしただけです。

しかし、この「が~ん」の顔文字はスゴい。
4連発ですね。
返信する
えいさんへ (mezzotint)
2008-05-02 09:10:01
えいさん
お久しぶりです。いつもTBのみで失礼しています!
そうでしょう?カポーティのフィリップ・シーモア・ホフマンとかぶるんですよね。話し方なんかも
そっくりって・・・・。しかしジャレッド・レトは
まったくチャップマンとは違うキャラだけに、やはり
凄いと思いました。
返信する
■mezzotintさん (えい)
2008-05-03 09:55:53
こんにちは。

このジャレッド・レトの
アプローチがスゴいですよね。
別の作品では頭の毛を抜いていたし…。
一種のデ・ニーロー・アプローチ。
でも、ほんとうに
フィリップ・シーモア・ホフマンにも似ていましたよね。
返信する

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