-----これって『ある子供』のダルデンヌ兄弟の作品だよね。
またまたカンヌで話題になったんだって?
「うん。2度のパルムドールを含む4作連続主要賞受賞。
なるほど、カンヌはこういうの好きなのかって感じ」
----彼らの映画って、
いつもまったく音楽がないんだよね。
「いや、まったくないというわけではないよ。
いわゆる劇伴も含めて映画音楽がないというだけ。
たとえば、だれかがかけたCDとか、
酒場で流れている音楽とかは、
そのまま映画に取り入れている。
ところが、そんなダルデンヌ兄弟が
今回はエンディングにベートーヴェンのピアノ・ソナタを使用。
そのことでも大きな話題を読んでいるんだ」
----ふうん。ところでどんなお話ニャの?
『世界の名匠ダルデンヌ兄弟が初めて描く愛の傑作』。
こう、チラシには書かれていたけど…。
「う~ん。
これは、あまりその筋を知らない方がいいと思う。
というのも、この映画では、
何が起こっているのか、
最初は観客に知らせず、
次第に<謎>が解けていく----
こういうスタイルを取っているんだ。
そういう意味では、題材の重さに比して
映画としては実にサスペンスフル」
----でもそれじゃあ、
ダルデンヌ兄弟の映画が好きな人じゃないと
あえて観に行こうとは思わないんじゃないかなあ。
「じゃあ。少しだけ。
ロルナ(アルタ・ドブロシ)と一緒に暮らしているクローディ(ジェレミー・レニエ)。
果たして彼らはどういう関係にあるのか?
なにやらロルナに必死になって懇願するクローディ。
どうやら、自分が麻薬を断つのを手伝ってほしいと懇願しているようだ。
それに対して、どこか突き放したようなロルナ。
しかし観ているうちに、
ふたりはどうも“夫婦”らしいことが分かってくる」
----変ニャの。
全然、分かんニャい。
「でしょ。
この映画の原題を直訳すると
『ロルナの“祈り”』ではなく『ロルナの“沈黙”』。
ロルナは、ある大きな秘密をクローディに隠していたんだ。
アルバニアからやってきた彼女は、
実は裏社会と繋がっていて、
金のために偽装結婚を繰り返そうとしている。
まずはクローディと結婚することでベルギーの国籍を得て、
次にロシア人にベルギー籍を取得させるため
クローディと離婚しようというわけだ。
ところが問題なのはここ。
なぜ、その偽装結婚相手に
わざわざ麻薬中毒患者を選んだか…」
----うわあ。あんまり考えたくないニャあ。
「うん。これは知らない方がいいだろうな。
さて、金のための結婚だったはずなのに、
クローディと一緒に暮らしているうちに、
ロルナの中に、彼に対する愛らしきものが芽生えてくる。
一度は止めると言った麻薬に
またしても手を出そうとするクローディ。
そんな彼を止めるべく、
なんと彼女は全裸になる。
それはあたかもセックスによって
その苦しみを忘れさせようとしているかのよう。
ここは、それまであまりにも非情に見えていたロルナだけに、
よりいっそうの感動を呼ぶ」
----なるほど。それで『愛の物語』。
「監督いわく、
『失われたラブストーリーと、新しく生まれるラブストーリー』。
しかもこれがジャンプカットどころではない、大胆な省略法で
話をどんどん先に進めてゆくんだ。
たとえば、途中からクローディはまったく姿を消してしまう。
観客に、あれっと思わせ、
あとで、あ~そういうことかと分からせる。
さっきの、ロルナとクローディの関係にしてもそう。
彼女が何を考え、
どういう立場かが観客に分かるのは
映画が始まってずいぶんと経ってから」
----ニャるほど。凝っているニャあ。
さすがカンヌ国際映画祭“脚本賞”受賞だ。
「役者もいいんだけどね。
なかでもクローディを演じたジェレミー・レニエは圧巻。
麻薬中毒患者のやつれを出すため1日1食。
2ヶ月で15キロも落としたらしいよ。
しかも順録りだから、簡単には戻せなかったんだって」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「でも、偽装結婚ってどこかで聞いたニャ」
※それは浅田次郎『ラブ・レター』。日韓で映画にもなった度
お花屋さん
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またまたカンヌで話題になったんだって?
「うん。2度のパルムドールを含む4作連続主要賞受賞。
なるほど、カンヌはこういうの好きなのかって感じ」
----彼らの映画って、
いつもまったく音楽がないんだよね。
「いや、まったくないというわけではないよ。
いわゆる劇伴も含めて映画音楽がないというだけ。
たとえば、だれかがかけたCDとか、
酒場で流れている音楽とかは、
そのまま映画に取り入れている。
ところが、そんなダルデンヌ兄弟が
今回はエンディングにベートーヴェンのピアノ・ソナタを使用。
そのことでも大きな話題を読んでいるんだ」
----ふうん。ところでどんなお話ニャの?
『世界の名匠ダルデンヌ兄弟が初めて描く愛の傑作』。
こう、チラシには書かれていたけど…。
「う~ん。
これは、あまりその筋を知らない方がいいと思う。
というのも、この映画では、
何が起こっているのか、
最初は観客に知らせず、
次第に<謎>が解けていく----
こういうスタイルを取っているんだ。
そういう意味では、題材の重さに比して
映画としては実にサスペンスフル」
----でもそれじゃあ、
ダルデンヌ兄弟の映画が好きな人じゃないと
あえて観に行こうとは思わないんじゃないかなあ。
「じゃあ。少しだけ。
ロルナ(アルタ・ドブロシ)と一緒に暮らしているクローディ(ジェレミー・レニエ)。
果たして彼らはどういう関係にあるのか?
なにやらロルナに必死になって懇願するクローディ。
どうやら、自分が麻薬を断つのを手伝ってほしいと懇願しているようだ。
それに対して、どこか突き放したようなロルナ。
しかし観ているうちに、
ふたりはどうも“夫婦”らしいことが分かってくる」
----変ニャの。
全然、分かんニャい。
「でしょ。
この映画の原題を直訳すると
『ロルナの“祈り”』ではなく『ロルナの“沈黙”』。
ロルナは、ある大きな秘密をクローディに隠していたんだ。
アルバニアからやってきた彼女は、
実は裏社会と繋がっていて、
金のために偽装結婚を繰り返そうとしている。
まずはクローディと結婚することでベルギーの国籍を得て、
次にロシア人にベルギー籍を取得させるため
クローディと離婚しようというわけだ。
ところが問題なのはここ。
なぜ、その偽装結婚相手に
わざわざ麻薬中毒患者を選んだか…」
----うわあ。あんまり考えたくないニャあ。
「うん。これは知らない方がいいだろうな。
さて、金のための結婚だったはずなのに、
クローディと一緒に暮らしているうちに、
ロルナの中に、彼に対する愛らしきものが芽生えてくる。
一度は止めると言った麻薬に
またしても手を出そうとするクローディ。
そんな彼を止めるべく、
なんと彼女は全裸になる。
それはあたかもセックスによって
その苦しみを忘れさせようとしているかのよう。
ここは、それまであまりにも非情に見えていたロルナだけに、
よりいっそうの感動を呼ぶ」
----なるほど。それで『愛の物語』。
「監督いわく、
『失われたラブストーリーと、新しく生まれるラブストーリー』。
しかもこれがジャンプカットどころではない、大胆な省略法で
話をどんどん先に進めてゆくんだ。
たとえば、途中からクローディはまったく姿を消してしまう。
観客に、あれっと思わせ、
あとで、あ~そういうことかと分からせる。
さっきの、ロルナとクローディの関係にしてもそう。
彼女が何を考え、
どういう立場かが観客に分かるのは
映画が始まってずいぶんと経ってから」
----ニャるほど。凝っているニャあ。
さすがカンヌ国際映画祭“脚本賞”受賞だ。
「役者もいいんだけどね。
なかでもクローディを演じたジェレミー・レニエは圧巻。
麻薬中毒患者のやつれを出すため1日1食。
2ヶ月で15キロも落としたらしいよ。
しかも順録りだから、簡単には戻せなかったんだって」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「でも、偽装結婚ってどこかで聞いたニャ」
※それは浅田次郎『ラブ・レター』。日韓で映画にもなった度
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これは来ましたね~~心に。
ジェレミー・レニエ,きっと役作りのために減量したのだろうと思ってましたが
2か月で15キロとは!
そりゃ・・・半病人のようにヤツれるはずですね。
ロルナ役の女優さんは「不機嫌なイザベル・アジャーニ」みたいで
魅力的でした。
彼女が一度だけスクリーンで見せたクローディへの可愛らしい笑顔が素敵でした。