ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『知らない、ふたり』

2015-11-23 20:07:41 | 新作映画


----『知らない、ふたり』
ニャにそれ?知らないニャあ…。
「またまたフォーンったらとぼけちゃって。
これはこの頃ぼくがことあるたびに、
Twitterで呟いている映画。
公開は来年1月9日からだけど、
早くから『ハッピーアワー』『サウルの息子』と並んでプッシュ。
ということで『ハッピーアワー』のときのツイートを、
改めて…。

12月から1月にかけてぼく好みの映画が立て続けに公開。
『ハッピーアワー』『知らない、ふたり』、そして『サウルの息子』。
それらに共通するのはこれまでに観たことのない語り口を持った映画だということ。
話の内容で映画を選ばない人、
人喰い巨人映画や仮装宇宙映画にがっかりの人へオススメ。

もうすべての映画は撮られてしまった。50年前、そうゴダールは言った…。
かっこいいと思った。
しかし『知らない、ふたり』『ハッピーアワー』『サウルの息子』、
これらの映画を観ると、
いやいや映画はまだ捨てたもんじゃないよ…と、その可能性に賭けたくなる

----そうだった、そうだった。
『ハッピーアワー』のときは、
これまでの映画との違いについて熱く喋っていたけど、
この映画も、やはりこれまでにはないアプローチの映画ってこと?
「そうだね。
この今泉力哉って監督、
視覚と聴覚の両方から攻めていってる。
ここに登場する7人の男女。
そのうちなんと4人が韓国人」

----えっ、舞台は日本なんでしょ?。
「そう。
それもちょっと懐かしさを感じさせる静かな夜の路地だったり、
あるいはコンビニだったり。
その風景の中を韓国語が流れていく。
この試みって、これまでありそうでなかった。
事実コンビニに行くと、
アルバイトの店員さんは中国や韓国の人が多い。
ぼくはそんな彼らが日本語で客と会話しているだけで、
その勤勉ぶりに頭が下がっちゃうんだけど、
と同時に、
彼らは、どんな日常を送っているのか?
そういう興味があったんだ」

----ニャるほど。
年齢にして10代後半から20代。
日本の若者と、
そう違いはないはずだよね。
「うん。
監督が彼らを主人公に持ってこようとした意図。
それはもしかしたら、
韓国のスター(NU'ESTレンミンヒョンJR)を使うことによる
集客アップを頭に入れてのことかもしれないし、
関係性がぎくしゃくしている日韓関係への静かな異議申し立てかもしれない。
でも、ぼくが思ったのは、
ビジュアルは日本の風景、でもサウンドは韓国語という
その映画的なオモシロさを狙ったんじゃないかなということ」

---ふむふむ。
それはユニークな映画になっていそうだ。
「物語としては、
AさんはBさんが好き。
でもBさんの思いは別のところにあって…
という思いのすれ違いを描いたもの。
正直言って、そう、さして目新しいものじゃない。
ところがそこに、
それぞれの人の過去の傷を持ってくることによって
物語の奥を深くしていっているんだ」

---というと?
「この映画では、
彼、あるいは彼女が
それまでの人生には出会わなかった他の人を思い、
あるいは思われる。
そのことがきっかけとなり、
やがては自分の心の傷も癒えていく…。
そういう構成にしてあるんだ。
その語り口にしても
時間軸を入れ替えたり、
またはキャメラが捕える角度を変えたりすることで
物語をミステリアスな方に振ったり
コミカルな方に振ったりする。
これはかなり映画を知っている監督だと思ったね。
そうそう。
ビジュアルのことで付け加えれば、
主要舞台を靴修理のお店という、
あまり知られざる職場に目をつけているのもいい」

---ニャるほど。
確かに、最近の映画は、
パン屋だの喫茶店だのって
おしゃれなお店での物語が多すぎる気がするニャあ。
「しかも
そこで働く人がまるで化学者のようないでたち。
真っ白なユニフォームなんだ。
想像してごらんよ。
この全身白衣の若者たちが、
日本的な情景の中に飛び出てくるのを。
空気がざわついて
俄然映画がオモシロくなる」

---でも、視覚と聴覚だけじゃ
ものたりない気もするニャあ。
「そこがまたうまくシナリオを練ってあるもので、
クライマックスは木南晴夏芹沢興人の息を呑むふたり芝居。
とりわけ木南晴夏の熱演には涙を誘われた。
この人『20世紀少年<第2章>最後の希望』での女子高生・小泉響子役のイメージが強すぎて…。
気が付いたらこんな大人の役をやるようになっていたとは。
それまでの淡々とした語り口がここで一気に爆発。
チラシのイメージもぼく好み。
これはぜひヒットしてほしいな」


フォーンの一言「タイトルもそそられるのニャ」身を乗り出す

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