「正直言います。
実は、この映画については三池崇史監督の新作ということしか知らず、
“また三池か、よく作るな”くらいの感じで臨んだわけだけど、
いやあ、申しわけありませんでした。
これは、ほんとオモシロかった」
----おっ、正直。
で、どんな映画だったの?
「では簡単に物語から。
少女が惨殺される事件が相次いで発生。
清丸(藤原竜也)というひとりの男bが指名手配される。
そんな中、被害者の中のひとりの女の子の祖父・蜷川(山崎務)が、
清丸を殺せば10億円の謝礼を支払うという新聞広告を出す。
身の危険を感じた清丸は福岡県警に自ら出頭。
警視庁警備部のSP銘苅(大沢たかお)と白岩(松嶋菜々子)が凶悪犯を
東京まで移送することになる。
だが、清丸の命を狙う者は警察内部にもいて…」
----オモシロそうだけど、
飛行機で輸送すればすぐ終わりなんじゃニャいの?
「いや、
整備士までも清丸の命を狙っていて、それは無理」
----えっ?
「蜷川は、彼の暗殺に失敗した者にも一億円を支払ったばかりか、
自分の会社に迎え入れてまでいるんだ。
だから、たとえ自分の仕事を棒に振ってでも
彼を殺そうとする男は次々と現れる。
ヘリもロケット砲の標的になる危険性があるということで、
結局は陸路を行くことに。
かくして高速道路完全封鎖。
救急車、警備対象車、パトカーなどで埋め尽くしての
大移送劇が始まる」
----ニャるほど、
それはオモシロそうだ。
「うん。
アクションとしても
ここまでやったのは久しぶりじゃないかな。
クラッシュするパトカーの数一つとっても
とても日本映画とは思えない。
さて、物語に戻ると、
護送チームには銘苅と白岩に加え、
警視庁捜査一課から奥村(岸谷五朗)と神箸(永山絢斗)がその任に。
さらに福岡県警(伊武雅刀)が同行。
彼らは、秘密裏に新幹線に乗り換えるが
ネット上にはなぜかその情報が漏れている」
----ということは、
彼らの中に裏切り者が…?
「さあ、それは映画を観てもらうにして、
この状況では
彼ら5人が互いに疑心暗鬼に陥るのは必至。
で、映画は、
外と中、両面のサスペンスが生まれるってワケだ。
ということで、途中まで
ぼくはウォルター・ヒルの『ウォリアーズ』あたりを考えていたワケだけど、
話は、さらに膨らんでゆく。
なぜ、この仕事に、
銘苅と白岩が選ばれたのか?
物語は、日本の統治機構と財界の大物・蜷川とを繋ぐ闇まであぶり出してゆく」
----日本映画のお家芸って感じだね。
「山本薩夫監督あたりのね。
『金持ちが仕掛けたゲームに貧困者が踊らされている』、
これは劇中に出てくる言葉だけど、
いい悪いは別にして、
清丸を狙う連中には、
みんな“理由”がある。
それはたとえ、
自分がどうなろうと、
家族には、その報奨金で楽になってもらいたいというもの。
あまりにも、今の社会を写しだしていたね。
しかも命を狙われているのは
まさに<屑>の言葉がふさわしい最悪最低の男。
果たして、この命を守る意味があるのか?
物語が進むごとに、
観ている自分の考えも右へ左へと揺らいでゆく。
このあたりは、三池監督の独壇場。
観客の心をよく掴んでいる。
ところが、そんな中、決してブレないのが銘苅。
この強靭な精神力。
まさに彼こそヒーローにふさわしい。
大沢たかおVS.藤原竜也。
まったく異なる個性の対決も本作の見どころの一つだよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「新幹線の撮影、よくできたよニャ」
※これは台湾でロケしたらしい度
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